今シーズンのプロ野球は、早々に巨人と西武の独走態勢が固まり、興味は個人記録、特に松井の三冠王がなるかどうかに変わってしまっています。現時点では三部門ともトップを走る松井ですから、可能性は大ですが、積み上げていける本塁打、打点よりも、下がることがある打率の方がプレッシャーがかかる終盤戦では危ないかも、と僕は睨んでいます。

　ところで実はパ・リーグのカブレラも三冠王を狙えるところにつけています。本塁打量産ペースが凄すぎて、ついつい55本を超えるかどうかに話題が集まってしまいますが、打点はもとより打率も着実に上げてきています。しかも一時期は首位打者確実と思われた小笠原が落ちてきているだけにチャンスは広がっています。

　終盤戦、ホームランを打たれまいと四球攻めにあう確率が高いカブレラですが、ここできっちりとボールを見極めていけば、打率が下がることはあまり考えられません。ただし、本塁打日本記録更新を狙うのなら、逆に強引にでも打ちにいく必要が出てくるかも知れません。となると、打率は下がることでしょう。

　三冠王を狙うか本塁打日本記録を狙うか。カブレラとしてはホームランに当然こだわりがあるでしょうから、狙うなら本塁打記録でしょうが、優勝を決めるまではチームバッティングにこだわるとも言っていますし、となると打率も上がっていくことでしょう。うまくすると優勝、三冠王、日本記録のビッグな「トリプルクラウン」を達成できるかも知れません。もっともそれも松井が三冠王を獲得したら、報道的には霞んでしまうでしょうから、ちょっと可哀想なんですけどね。