相変わらずケータイの出会い系サイトでナンパに励んでいるＭっちゃん（40代・妻あり）。久しぶりに最近の活動状況を聞いたら、ますます出会い系サイトのボリュームは膨れ上がっていて、サカナはたくさん泳いでいるそうです。バツイチの開業医だの花火師だの宮大工だの会社経営者だの、その時々で職業も名前も年齢も変えては、常に新しいサカナに目がけてルアーを投げる毎日は、それなりに充実しているようです。

　そんなＭっちゃんも、昔は合コンでナンパというのが定番でした。その頃は「合コン戦士」とＭっちゃんが呼んでいた5人のレギュラーメンバーで、いつもチームプレーでサカナを獲っていました。しかし、その時のリーダーで、Ｍっちゃんの先輩の「合コンのカリスマ」氏が、最近はとんと元気がないのだそうです。

　と言うのも、当時の合コン仲間はＭっちゃんを筆頭にみんなケータイでのナンパに切り替えてしまったのに、そのカリスマだけがデジタル新時代に乗り遅れてしまったのだとか。いくらＭっちゃんが親切に「こういう文章のメールを書くとレスポンスがいいよ」とか悪知恵を授けても、あのケータイの小さなキーで文章を入力するなんて面倒だから、とすぐに放り出してしまうらしいのです。

　カリスマは今でも合コンをやって、飲ませてトークで盛り上げて「お持ち帰り」を狙いたいらしいのですが、他のメンバーがみな1対1のメールナンパにシフトしてしまったために、合コン自体の企画が成立しないのだそうです。それではカリスマの培ってきたテクニックは生かしようがありません。

　まさにカリスマはアビバのＣＭのガッツ石松状態です。「昔は笑顔と体力で乗り切れたんだ！」と力説しても「時代は変わったのよ」と言われてしまっているのです。そもそも、40男が合コンで20代の女の子にモテようというのは大変でしょう。最初は顔が見えずに文章だけでやり取りできるメールナンパの方がキャリアが生かせるというものです。

　もっとも、最近は「写メール」が普及してきたせいで、すぐに写真を送れと言われるのだそうです。40男には厳しい話です。Ｍっちゃんが、このナンパ界の新技術にどう対応していくかが、また見物だと僕は秘かに期待しています。