幹事クリタのコーカイ日誌2002

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6月19日 ● 日本と韓国の差。

 全く同じような展開でした。前半にコーナーキックからヘディングで先制され、それをずっと追い続ける。試合内容自体は決して劣っていないけれども、1点を取ることができない。開催国の日本も韓国も、いよいよこれで終わってしまうのか、と思われました。しかし、本当にそのまま終わってしまった日本と、そこから追いついてさらに最後に逆転した韓国。その差はどこから生まれたのかと考えてしまいます。

 試合を見ていて一番違ったのは日韓の気迫の差です。まるでラモスみたいなことを言いますが、日本の選手たちは、最後までキレイにサッカーをやろうとしていたように見えました。ボールに食らいついて、どうしても1点を挙げようとする気迫が感じられませんでした。「ここまで来られただけで満足だ、後は楽しくやろうぜ」みたいな雰囲気が日本にはありました。負けても決して自分たちは責められることはない、という奇妙な安心感が全体を覆っていたように思います。

 それに対して韓国は本当に必死でした。優勝候補イタリア相手でも絶対に勝とうと、ヒディンク監督は次々と攻撃的な選手を送り込み、韓国の選手たちはサポーター“レッドデビルズ”たちの声援をバックにイタリアを攻め続けました。トッティやビエリやマルディーニと言った世界を代表するような選手たちが追い詰められていました。それが韓国に残り3分での同点ゴールと、延長後半での感動的な勝利を呼び込んだのだと思います。

 この差は多分日本と韓国の屈辱の歴史の差です。長年アジアで韓国に勝つことを目標に戦ってきた日本と、ずっと世界を相手に戦い負け続けてきた韓国。それが16強で満足してしまった日本と、もうひとつ勝とうした韓国の差になったのだと思います。

 決勝トーナメントに進出したことは、日本にとっても韓国にとっても確かに悲願を達成した十分な成果でしょう。しかし、この先に進むためには、今回ほどのチャンスは二度と巡ってこないこともほぼ間違いないのです。次回があるさ、と思っていてはいけないのです。

 次はアジアでの予選があります。グループリーグには必ずシード国が入ってきます。スタンドを埋め尽くすサポーターもいません。ホームに有利な判定をする審判もいないし、欧州のチームを苦しめる蒸し暑さもないのです。しかも、今回は優勝候補が次々と破れてしまい、ますますチャンスは広がっていました。

 過去に何回もW杯に出て辛酸を嘗めてきている韓国だからこそ、開催国の有利さを強く実感していると思います。日本はまだまだ甘い。今回のような敗戦をもっと経験しないと、歴史の差ばかりは簡単に埋まることはありません。一度は縮まったと思われた日韓の差は、昨日の試合でまた開いてしまったように感じられました。

 もっとも、今回で日本のサッカーレベルは、サポーターも含めて一気に上がったことは、間違いありません。1993年のJリーグ開設と2002年のW杯開催という二つの節目を越えて、いよいよ世界レベルへ一歩を踏み出した感を強くした大会でした。


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