幹事クリタのコーカイ日誌2002

 
 2月4日 ● 旧女王と旧々女王。

 女子テニスの東レ・パンパシフィックオープン決勝戦は、マルチナ・ヒンギスとモニカ・セレスの対決になりました。今までにも何回か死闘を演じてきたこの2人ですが、この試合でもがっぷり四つに組んだ打ち合いの末に、最後はヒンギスが展開力に優ったカタチで勝利をもぎ取りました。怪我から復調したヒンギスのテニスにもこれで勢いがつくことでしょう。

 かつての女王ヒンギスも、今の女子テニス界では5番目の選手です。上にウィリアムズ姉妹、ダベンポート、カプリアティというハードヒッターが揃っていて、ヒンギスが彼女たちを撃破するのはかなり困難な状況です。ヒンギス自身のテニスは1997年頃の女王時代よりも確実に進化しています。しかし、それ以上に周囲の進歩が長足であるために5番手にまで落ちてしまったのです。しかし、パワーテニス全盛なだけに、余計にヒンギスの技術と頭脳による展開力のテニス復活に期待しているファンも数多くいます。この東レでの優勝がその契機になれば良いのですが、相手が4強ではなかったのでまだ何とも予断を許しません。

 そのヒンギスの前の時代の女王と言えばステフィ・グラフですが、そのグラフの最大のライバルだったのが、今回の決勝の相手セレスです。特に1992年〜1993年頃のセレスはグラフを圧倒しており、当時の新しい女王としてテニス界に君臨していました。ドイツでグラフファンを名乗る男に背中を刺されるという不幸な事件がなければ、あのまま「セレス時代」を築いていた可能性も大でした。

 そのセレスのテニスも、10年前のトップだった頃より今の方がはるかに進歩しています。しかし、女子テニスの進歩の早さは驚嘆すべきものがあり、10年前のテニスではとても勝ち抜くことができません。セレスだからこそ、今でもトップ10にいられるのであり、やはり10年以上前から活躍しているトップ選手であるアランチャ・サンチェスは、すっかりランキングを落としてしまいました。かつての女王も同じテニスをしていてはトップ20にも入れないほどに、急激にレベルが上がっているのです。

 しかも女子テニスで上がったのは実力だけではありません。人気も今や男子テニスを超えるほどに急上昇しています。その原因は実力が上がって試合に見応えがあること、層が厚くなってトップ選手以外にも注目すべき選手が増えたこと、ルックスの良い選手をちゃんとアピールするように意識して情報を流していること、そして男子選手の試合がサービスが速くなり過ぎてつまらなくなってしまったことなどによります。

 ただ日本のファンにとって唯一の難点は、日本人選手が弱くなってしまったことです。かつては伊達、沢松を筆頭にトップ100に10人近い選手がいたのに、今では杉山愛が孤軍奮闘しているだけ。パワーテニス時代に苦戦を強いられている訳ですが、マンガ『テニスの王子様』をきっかけにテニスを始めた小学生が10年後にツアーに加わるようになるまで、もう少し頑張って欲しいなと思います。

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