マリナーズがヤンキースにリーグ優勝決定戦で負けてしまいました。シーズン116勝という史上最多タイ記録を生んだマリナーズをしても、名門ヤンキースの壁は厚かったというところです。イチローにとっても残念なことでしょうが、逆に日本シリーズ中の日本のプロ野球関係者にとっては、これ以上メジャーリーグに注目を集められては、ますます影が薄くなるところでしたから、秘かに胸をなで下ろしていることでしょう。

　ともあれ、イチローにとってもこれで最初のシーズンが終わったわけです。あれこれ大騒ぎされ、さぞかし心労も激しかったことでしょうが、結果は誰もが予想し得なかったほどの好成績。満足のいく1年目だったことでしょう。

　心配なのは、ここまでの成績を残してしまったイチローにとって、次なるモチベーションをどこに見出すのか、ということです。日本でも最初に210安打を打って首位打者を獲得した頃は、生き生きとプレーしていたのに、それが例え調子が悪くても首位打者は当たり前となってしまってからは、モチベーションは低下するばかりだったようです。結果、その思いがメジャー行きにつながるわけですが、そのメジャーでも日本同様にこれほどの成績を残してしまったら、もう次の目標が失われてしまうのではないかと思います。

　もちろん、こんな心配は1年を終わっただけでは早すぎるのでしょう。最後のヤンキース戦のように、イチローも研究をされます。イチローを抑えなくてはマリナーズに勝てないと他球団も考えて、来年は今年ほど楽には打たせてもらえないのは間違いありません。

　しかし、それでもメジャーに慣れるイチローの進歩の方が優ると僕は思っています。来年以降もイチローはそれなりに活躍し、相変わらず高いレベルの成績を残していくことでしょう。その時、イチローは果たして「もうこれで十分」と満足するのかどうか、常人とは発想が違うだけに興味深いところです。満足できない時は？かつてのマイケル・ジョーダンのように引退して別のスポーツに挑むしかありません。

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