幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 9月13日 ● テロを喜ぶ人々。

 世の中アメリカの同時多発テロの話題で一色です。まあこれだけの大事件ですから、それも当たり前と言えば当たり前なのですが、数多くの報道の中で目を引いたのが、このテロに対して喜びを表明していたパレスチナの一部の人々。数千人と伝えられる犠牲者が出た大規模無差別テロを支持するなど、普通の人間にはとても考えられることではありませんが、それでもメディアの前で喜びを表明する人がいる、ということがショックでした。

 パレスチナの人々は、それだけアメリカに対して苦々しい思い、というよりも、もっと深い憎しみを抱いているのだ、ということを思い知らされます。それは日本にいてパレスチナ問題を傍観している我々には窺い知れないほどの暗く陰鬱な感情でしょう。

 かつての冷戦時代には、ソ連という対立軸がありました。しかし、アメリカは今や唯一の超大国であり、世界を思うがままにできるスーパーパワーになってしまいました。京都議定書の件でもわかるように、自分勝手言い放題、正義という建前を振りかざして自らの都合を押しつける世界のジャイアンです。

 恐らくパレスチナに限らず、こんなアメリカを苦々しく思っている国家や民族はたくさんあることでしょう。NATOに空爆されたユーゴの人々だって、正義の名の元に自分たちの街を破壊したアメリカが、自分たちと同じ目に遭った、と思って心の中で快哉を叫んでいないとは限らないのです。

 ブッシュ大統領は「これは戦争であり、我々は絶対に報復する」と声明を出しました。確かにテロに対して寛容である国家はないでしょう。ただテロは快楽殺人とは違います。テロを行う側も全く無意味に人命を奪っている訳ではなく、彼らなりの“正義”があるはずです。単にアメリカの正義と彼らの正義が対立しているに過ぎないとも考えることができるのです。そして、もしアメリカがテロを行った組織に対して徹底した報復を行えば、またそこに更なる憎悪と対立を生むことでしょう。

 軍需産業と石油産業の後押しを受けるブッシュは、決して手を緩めることなく、必ずや徹底した報復措置を行うことでしょう。僕は決してテロを支持している訳ではありません。こうした憎悪と憎悪のインフレが進むことに、ただただ暗澹たる気持ちになっているだけです。

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