幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 7月7日 ● 最強の矛と盾の戦い。

 ウィンブルドン男子シングルス、ベスト4は随分と魅力的な組み合わせになりました。芝の王者サンプラスこそ負けてしまいましたが、イギリスの期待の星ヘンマンと、ワイルドカードで勝ち上がってきた過去3回準優勝のビッグサーバー・イバニセビッチ、そしてランキングナンバー1のアガシと最強のサーブ&ボレーヤー・ラフターという対戦は、どちらの試合も魅力的です。

 特に注目すべきはアガシとラフターの対戦でした。過去に幾度も対戦しているベテラン同士ですが、いつもこの2人の試合は熱い好試合になります。ウィンブルドンでは3年連続での準決勝対決です。一昨年はアガシ、去年はラフターが勝ちました。

 アンドレ・アガシの武器はなんと言っても史上最強とも言えるリターン。コンパクトなスイングからライジングで強烈なリターンエースを決めるアガシのテニスは、どんなに上手いボレーヤーであっても串刺しにしてしまいます。

 対するパトリック・ラフターは、現役最高のファーストボレーを持つ男です。総合力ではサンプラスに僅かながら劣るかも知れませんが、高く弾むサーブで押し込んでおいて、力強いファーストボレーでオープンコートに決めていくプレイスタイルは、サンプラスにはない華麗さがあります。

 最高のサービス&ボレーと最高のサービスリターンの対決とは、まさに最強の矛と最強の盾の戦いです。どちらが強いかを決める戦いは、予想通り熱戦になりファイナルセットにもつれ込みました。この最初のゲームをアガシがブレイクして、ずっとアガシ有利で進んでいたのですが、最後の最後でラフターがブレイクバック、そのままラフターペースで試合は進み、最後は8-6でラフターがものにしました。

 ラフターは過去に全米オープンは連覇したこともありますが、ウィンブルドンは未だに優勝経験がありません。去年も決勝でサンプラスに負けています。今年はそのサンプラスが負け、最大の壁であったアガシも自分で退けました。これ以上のチャンスはありません。日曜日の決勝戦がとても楽しみです。    

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