幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 5月17日 ● 朝日新聞の小泉批判。

 先の自民党総裁選でのマスコミの過熱報道ぶりは一体なにごとかと思った人は多いようですが、それはともかく、全マスコミの中でも恐らく一番鮮明に小泉支持を打ち出していたのが朝日新聞でした。他の3候補とは明らかに扱いが違っていて、「変革の人」小泉純一郎しか自民党を、ひいては日本の政治を変えることはできない、という論調でした。

 もっとも、朝日がそれだけ小泉を贔屓したのも、反自民、反橋本派という立場を考えれば納得がいかないわけではありません。なんだかんだ言っても小泉は橋本に負ける、その結果、さらに自民党を批判する国民の声が高まり、その声をバックに小泉は自民党を離党して民主党とくっついて、参院選で自民党政権崩壊、というのが朝日新聞と民主党のシナリオだったのだろうと推察されます。

 ところが意外なことに小泉は総裁選に勝ってしまいました。しかも支持率は8割。同じ自民党内、しかも不人気の極みだった前総理を支え続けた番頭なのに、自ら頭に立った途端の大どんでん返し。民主党はお株を奪われ影が薄くなり、参院選での自民党の勝利は確実視されています。あまつさえ小泉は「憲法改正」「靖国神社公式参拝」などと、右寄りの発言を連発。朝日新聞は当惑を隠し切れませんが、そうそう簡単に手のひらを返せるはずもありません。

 しかし、朝日新聞はじわじわと反小泉に転向しようとしています。昨日の朝刊では「内閣批判とたんに抗議殺到 8割支持すくむ野党」という見出しの記事を1面に掲載しました。内容は、小泉首相や田中外相など人気者を批判すると、たちまち抗議の電話やメールが殺到する、8割支持の前ではうかつに批判もできない、というもので、直接的には小泉批判をしていませんが、支持率が高いことを逆手にとってイメージダウンを図ろうとしている、いちゃもんか嫌がらせのような体裁の記事です。

 確かに僕も小泉の異常な人気はおかしいと思います。彼に限らず、石原慎太郎や田中康夫に対する人気の高さも、国民の政治に対する意識の低さの表れだとも感じています。わかりやすくて刺激的な言葉を羅列する政治家に、内容を吟味せずもてはやす昨今の風潮は危険ですらあります。ただ、朝日新聞のやり方はあまりにも見え透いていてお下品。小泉を批判するならするで、ちゃんと過去の自分たちの浮かれ具合を総括し、反省した上で批判してもらいたいものです。
 

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