幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 5月2日 ● 日本野球をダメにした発想。

 昨日書いた試合と一転して、東京ドームでの巨人vs中日戦では、中日打線が爆裂、17-0という記録的な大勝を収めました。天敵工藤を滅多打ちしただけでは飽きたらず、巨人が繰り出す投手陣を次から次へと痛打しての17得点。ほとんどの中日ファンは「もったいない、明日にとっとけよ」と思ったことでしょう。なにせ明日中日打線が打てるという保証はどこにもありませんからね。

 ところで日本テレビの中継を見ていて、最後の最後で「バッキャロー」と叫びたくなるような腹が立つことがありました。「なにを今さら」と思われるアンチ巨人ファンも多いことでしょうが、もちろん日テレの巨人応援放送にはいつも腹を立てているんですが、今回はそういうことではありません。

 最終回、川上は完封目前でピンチに立たされました。2死ながらランナーを2塁と3塁において、バッターは高橋由伸。川上にとって完封勝利へ最後の関門です。必死の形相で投げる川上と、それを弾き返そうとする高橋。見応え十分の勝負だったのですが、ここでテレビの解説者(堀内だったか川又だったかわかりません)が、「ここは無理して勝負することありませんよ。1塁が空いていることだし、次のバッターの方が楽でしょう」というようなことを言いやがったのです。

 「な、なにを言っとるんだ、こいつは」と僕は呻きました。点差は17点もあるのです。回は9回、しかも2死。あと1人で終わりです。いまここで高橋にホームランを打たれたって、まだ17-3です。そんな場面で川上に「逃げろ」と言うのですよ。なぜそんなことをしなくてはいけないのでしょう?

 周知のように川上と高橋は東京六大学時代からのライバルです。新人王も激しく争いました。こんな大差がついてしまったひどい試合で、最後に回ってきた唯一の見せ場がこのライバル対決なのに、それを避けてしまったら、このつまらない試合を延々と見せられたファンに対してなんと申し開きをするというのでしょう?打たれても抑えても中日の勝利は動かないのに、川上の完封という個人記録のためだけに勝負するなというのでしょうか?

 こういう考え方が日本の野球界に蔓延しているから、ファンも若い選手もそっぽを向いてメジャーリーグを目指してしまうということが、彼らにはわからないのでしょう。個人タイトルのためにファンを無視した欠場合戦や四球合戦を繰り広げて平気な顔をしている神経。1回から送りバントで1点を取りに行くせこい発想。興行という意識はなく、ただ勝てば良いと思っているから、巨人のように他チームの戦力を根絶やしにして不毛な独走をしてしまうのです。何よりも大切なことは、ファンが見て「魅力的」だと思えるような場面をどれだけ作れるかなのに、そんな発想が今のプロ野球界には全然ありません。

 結局川上は最後まで高橋にチカラの勝負を挑み、高橋もそれに応えて見事な三振をしました。気持ちの良い終わり方でした。彼らもいずれメジャーを目指すのでしょう。こんな野球界である限り、それを批判することは、誰にもできないと僕は思います。

とりあえず、読むたびに(1日1回)


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