幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 4月28日 ● イメージ作りと論功行賞。

 小泉新総理の最初の仕事が組閣です。まずは公約通り、派閥を超えたある意味過激な人事が行われました。そういう点から言えば有言実行、それは評価して良いでしょう。

 問題はその中身です。確かにこれまでの派閥順送り人事では考えられないような内閣ではありますが、これで本当にちゃんと機能していくのでしょうか?例えば女性閣僚が5人もいることをとやかく言う気はありません。男性だろうが女性だろうが、能力的に優れていればそれに相応しい仕事をするべきです。

 しかし、では本当に田中真紀子は外相に相応しいのでしょうか?緒形貞子ならわかりますが、断られてしまったという話ですから、それは仕方ありません。でも田中真紀子?小泉の応援団としては立派な仕事をしましたが、あくまでも彼女は応援団であり、プレーヤーではありません。国民受けする切れ味鋭い言語感覚は持ち合わせていても、かつてないほど米中関係が緊張している難しい時に、果たして田中真紀子で良いのか、とても不安に思えてしまいます。まだ官房長官ならわかります。外相はないでしょう。

 小泉の得意技はこの組閣でも表れた通り、イメージ作りと国民受けする言葉をうまく紡ぎだせるところです。わかりやすい言葉で語ることは、とても大切な政治家としての要素ですし、それをカタチにしていく実行力も不可欠です。

 しかし、本当はそこから政治家の評価は始まります。これまで言語不明瞭で果断な実行力のない政治家ばかりだったために、小泉や田中真紀子、石原慎太郎、田中康夫ら、言いたいことをはっきり言ってくれる人の人気が上がりました。ただ、それは本来は政治家としての基本技術であり、その基本ができていた上で、話している内容が妥当かどうかを判断すべきなのです。

 やると言ってやった組閣がイメージ優先+論功行賞では、今後の施策もどうなることやらわかりません。「解党的出直し」や「構造改革」といった口当たりの良い言葉は、具体的にどんなことなのか、本当にできるのか、それを議論しないで小泉を上滑りに評価することはできません。

 それと靖国神社公式参拝、憲法改正、首相公選論など、過激な意見を次々とコメントしているようですが、小泉政権に求められているのはそんなタカ派的言動ではないはずです。自分がいま何をすべきか、何を求められて予備選に圧勝できたのかを、改めて小泉には考えて欲しいものです。そうじゃないと参院選後には「小泉おろし」の風が吹くかも知れませんからね。

とりあえず、読むたびに(1日1回)


を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。


この日記をマイ日記才人に登録する

前日翌日最新今月