ＴＢＳ系列で「フードバトルクラブ」というスペシャル番組が昨晩放映されました。カタカナにしたところで、要は「大食い選手権」です。タイトルは日本テレビ系のドラマ「フードファイト」に近似しています。で、出てくる選手はテレビ東京系「ＴＶチャンピオン」でお馴染みの赤坂、新井、岸、小林、岩田といった面々。すなわち他局の企画の良いところだけをパクって、自局の人気番組「筋肉番付」風のアレンジを施したという番組です。かなりずるいですが、テレビ局なんて二匹目、三匹目のドジョウ狙いは当たり前ですから、あまり文句を言っても仕方ありません。

　で、番組でやっていることは、本当に「ＴＶチャンピオン」と同じなのですが、狙ってかどうかはわかりませんが、「ＴＶチャンピオン」で無敵を誇る赤坂、新井、岸の3人が次々と負けていき、20代前半の若い人たちが勝ち残りました。これを番組では「新旧交代」と繰り返し言っていましたが、これはもちろん先行する「ＴＶチャンピオン」を意識しての演出でしょう。前提として「ＴＶチャンピオン」の知識がないと、なにが「新」でなにが「旧」なのかさえわかりませんからね。もっとも優勝した小林も「ＴＶチャンピオン」での有名人ですから、所詮はそこから抜けられなかったとも言えますが。

　それにしても、こんなスペシャル番組が登場するということは、今や大食いは完全に人気芸人の仲間入りなんでしょう。かつてクイズ番組がインフレを起こし、素人から成り上がった有名クイズプレーヤーが人気者になったことがありました。彼らはいくつもの番組でその無駄とも思える博識ぶりを披露し、いくつかの本を出して消えていきました（テレビ的には）。

　その後もテレビのお陰でただの料理人が「鉄人」になったり、ただの美容師が「カリスマ」になったりもしましたが、それが今度は「大食い」なのでしょう。「無芸大食」という言葉もありますが、時代は「大食いも芸のうち」のようです。ただ今までもそうでしたが、素人は露出が増えると消費されるスピードも格段に早くなります。大食いプレーヤーたちも、稼げるうちに稼いでおかないと、1年後には飽きられて全然テレビでは見られなくなってしまう可能性が大です。その後はまた「無芸大食」に逆戻りですね。

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