幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 2月21日 ● 「奥さん」か「つれあい」か。

 20日の朝日新聞夕刊によると、「たのしい雑誌」という教育雑誌で、自分の配偶者を「奥さん」と呼ぶのはいかがなものか、という論争が起きているそうです。「いかにも朝日らしいつまらない記事だ」と思われる人もいることでしょうが、フェミニズムの視点よりも、日本語の敬語表現に対する意識の変化を示していて興味深い記事でした。

 そもそもの発端は青森の読者が「身内を呼ぶのに『奥さん』という尊敬語を使うのはおかしい」という指摘からだったようですが、なにせこの人、そういう文を書くとは「無恥、厚顔、無教養」とこっぴどくこきおろしたものですから、かなり反感を買ったようで、「『奥さん』には温かみがあって良い」「『家内』は前近代的じゃないか」「少しは尊敬の念が入っている方が良い」などの反論が編集部に寄せられたとのことです。

 逆に「『奥さん』は女性蔑視だからイヤ」という女性教諭からの意見もあって、本来は尊敬語だったはずの「奥さん」という言葉が、人によって上だったり下だったりと感じ方がかなり違うことがわかります。敬語表現をちゃんと知らない、もしくは意識しない人が増えてきているだけに、この手の言葉に対する感じ方も振れ幅が大きくなってきたのでしょう。

 僕自身は「奥さん」はかなり使うのに抵抗があります。まず基本的には尊敬語だと思っていますから、他人の配偶者に対しては使いますが、自分の配偶者に使うのは確かに「無教養」という気がします。かしこまってちゃんと話すなら「妻」、くだけて話す時には敢えて「かみさん」です。

 「奥さん」を自分の配偶者に使うのは、温かいというよりは甘えた感じがするので、それも使いづらい原因です。「僕の奥さんは」と言われると「けっ」って感じがしません?「うちのかみさんがね」だと刑事コロンボみたいですが、まあ良い感じに枯れている気がするんですけど。

 ただこの記事で田嶋陽子センセイが提唱している「つれあい」というのは、ちょっとアナクロって気もしてあまり好みではありません。確かに対等な感じはしますが、「うちのつれあいが」って言われると、この人いくつ?って思ってしまいます。それだったら名前、特に名字の呼び捨て、というのがクールでカッコイイですね。ベテランの芸能人カップルとかだと時々ありますけれど、普通の夫婦では配偶者の旧姓をいきなり言っても、他人には通じないから困りますが。やるならまず夫婦別姓が定着してから、ということになりますね。うーん、いつのことだか。

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