幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 2月19日 ● デ杯のニュース価値。

 男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ」のアジア・オセアニアゾーン、グループ1の1回戦、日本-タイがこの週末に有明で行われました。初日のシングルスは鈴木貴男が勝って本村剛一が負けて1勝1敗、2日目のダブルスで鈴木とトーマス嶋田が勝って王手をかけていました。ここまでは多分神和住監督の計算通り。そして最終日のシングルス、エース対決となった第1試合で鈴木がスリチャパンを退けて本村の第2試合を待たずに2回戦進出を決めました。鈴木はシングルス、ダブルスの3勝全てを挙げる活躍で、エースの存在感を示したことになります。

 鈴木貴男が故障を乗り越えてここまで復活してきたことは、低迷を続ける日本の男子テニスにとっては明るいニュースです。タイのスリチャパンは世界100位前後にいて、鈴木よりもランキングは100位くらい上です。そのスリチャパンに勝てたということで、鈴木もかつての自己最高位を上回るトップ100入りが狙えるだけの実力を身に付けてきたと言えます。100位に入ればグランドスラム大会でも本戦にストレートインできます。世界で認められる最低ラインが100位入りだと考えると、早くここを突破して貰いたいものです。

 と、いうような話は、ディープなテニスファンには「うんうん、なるほど」と思える話題なのですが、果たして一般にはどれほど価値のあるニュースなのでしょうか?テニスでデ杯と言えば、本来はサッカーのW杯のようなものです。大会の伝統は100年を超え、国別対抗戦として長くテニスファンに親しまれ数々の名勝負も生まれてきました。

 ところが最近はアメリカでサンプラスやアガシがデ杯に出ないだのなんだの揉めたりと、トップ選手の間でもデ杯離れが進むくらい、その地位は低下してきています。当然グランドスラム大会よりも話題性に乏しく、ウィンブルドンのように大々的にニュースで取り上げられたりテレビ中継されたりすることもありません。

 そこにもってきて、日本では特にテニス人口の減少、そして松岡修造以来世界に通じる男子プレーヤーが登場していないこともあって、男子テニスへの注目度は下がりっぱなし、という状況にあります。せっかく地元有明で開催されたデ杯なのに、スポーツニュースでも大きく取り上げられることは全くありませんでした。

 テニスファンですら関心が薄いのですから、当然「鈴木貴男って誰?」という一般スポーツファンは、デ杯なんて興味が沸くはずもありません。これは日本のテニス界にとっては危機的状況です。サッカーはJリーグの創設とW杯人気で、それまでの寂しい状況を一気に脱して人気スポーツに成り上がりましたが、それでもJリーグは観客が増えません。テニスは「プレーするスポーツ」としては、最盛期からかなり減ったとは言え、まだそれなりの人口を有していますが、「見るスポーツ」としては今や興行的に成り立たないくらい人気薄です。

 今年のデ杯は日本はシード国なので地元での開催権があります。次のインドとの2回戦もまた有明です。さらにデ杯の冠スポンサーにはNECがついています。こうした追い風のあるうちに、なんとか少しでもテニスのイメージアップ、マインドシェアのアップを図りたいところです。そのために、僕もせっせとここでテニスの話題を書いているんですけどね。所詮「蟷螂の斧」に過ぎませんが、やらないよりはマシということで。

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