幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 11月17日 ● 携帯電話がもたらす家族断絶。

 携帯電話の普及ぶりは、多分当初の予想をはるかに上回るペースで進んできました。今や20代〜30代の所有率は約90%、10代や40代も大部分の人が携帯電話を所有しています。自宅に電話をかけるということはグッと少なくなり、今では家にいるとわかっていても大抵は携帯に電話してしまいます。

 僕も家の電話に誰かからかかってくるということは滅多になくなりました。せいぜいかかってくるのは財テクなどのセールスや選挙のお願いくらい。友人関係はほとんど携帯にかけてきます。一人暮らしの場合はわかりませんが、家族で電話を使っている時は、やはりかける方も気兼ねしますから、どうしても携帯ということになってしまいます。

 ところが、こうして各個人に電話がかかってきて、昔のように電話を家族が取り次ぐということがなくなったら、家族の間の交友関係もお互いにわからなくなってきます。典型的な例が、父親が娘にかかってくる電話をチェックして、というパターン。今では娘はみんな携帯を持っていますから、父親がチェックしたくとも、とても無理です。

 家族の誰かに電話がかかってきて、それを取り次ぎながらもその内容にまで聞き耳を立てていたあの頃。お互いに何をしていて、誰と付き合っていて、どんなことを考えているのかが、電話ひとつで随分わかりました。しかし、それも今は昔話。携帯電話は、コミュニケーションのパーソナル化をグングン進めて、家族の断絶を深める役割を担ってしまっています。電話を巡るドラマもこれからは様変わりすることでしょうね。
 

とりあえず、読むたびに(1日1回)


を押してください。 日記猿人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。


この日記をマイ日記猿人に登録してみる

前日翌日最新今月