幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 10月20日 ● もつれて欲しい日本シリーズ。

 今年の日本シリーズはON対決という観点でばかり語られています。確かに20世紀最後の年に、日本のプロ野球を半世紀近くにわたって支えてきたスーパースターの2人が監督として対決する、というのは、とてもわかりやすい図式です。

 しかも、昭和30年代の巨人水原と西鉄三原のライバル対決に重ね合わせるオールドファンもいるわけですから、今世紀を締めくくるに相応しいカードだとマスコミが煽る気持ちもわからないではありません。

 ただ純粋に野球のゲームそのものを考えた時には、それほど面白いシリーズになるかどうか、ちょっと不安があります。なにせ戦力的に大差があります。本来ならディフェンディングチャンピオンである福岡ダイエーの方が受けて立つべきところなのですが、どう考えても巨人の方が王者らしくて、ダイエーは挑戦者にしか見えません。

 もし第1戦の工藤-若田部で工藤が投げ勝つようなことがあったら、一気に4連勝かせいぜい4勝1敗で巨人が優勝を決めてしまいそうな気がします。工藤がダイエー打線を抑えることができたら、翌日のメイ、そして高橋尚や岡島ら左投手の気分が乗ってきます。こうなったらもともと左投手に弱いダイエーに勝ち目はないでしょう。

 逆にダイエーが勝つチャンスがあるとしたら、第1戦で工藤をノックアウトして巨人投手陣に動揺を与えることと、城島が巨人打線をきっちり封じ込めるようなリードをすることです。そして、これさえうまくできれば、後は波に乗って福岡ドームにいるうちに決めてしまうことでしょう。東京ドームに戻ってもつれたら物量に優る巨人が有利だと思います。

 どちらにしても5戦目くらいで決まってしまいそうな予感がするわけですが、実は最近の日本シリーズはずっと一方的なカタチで終わっています。7戦目までもつれ込んだのは、なんと1993年のヤクルト-西武以来ありません。その後の6年間では4勝2敗が2回、4勝1敗が実に4回もあります。

 巨人が圧倒的に強かったV9時代はともかく、その後の1974年から1993年までの20年間で、5戦目までで終わったのは3回しかありません。それがこの6年間で4回。最近の日本シリーズは、どちらかに流れが片寄ったら、修正することもできないままに一方的に終わってしまっていることがよくわかります。

 ファンとしてどちらかのチームを応援しているならともかく、単に野球好きとして見ている分には、なるべく7戦目までもつれて記憶に残る名勝負を期待したいところ。3勝3敗で迎えた第7戦、お互い明日なき戦いとして、一丸となっての総力戦こそ、日本シリーズの醍醐味だと思うんですけどねぇ。

とりあえず、読むたびに(1日1回)


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