幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 9月6日 ● 見えてるつもり。

 仕事をしていてもプライベートでも、「ああ、この人は見えていないなぁ」と思うことがしばしばあります。何が見えていないかというと、状況とか場の空気とか、相手の心理状態とか、先の予測とかですね。「見えていない人」とは、何事によらず察知する能力が鈍い人、と言い換えることもできます。

 本人に悪気はないんだけど、ついつい場にそぐわない発言をしてしまったり、相手を思わず傷つけたり、逆にぼんやりしていて自分に期待されている役割をこなせなかったり。そんな様子は見ているこっちが気の毒になるくらいなのですが、実のところ本人はわかっていないだけに、意外と平気な顔をしているのもまた「わかってない」感じです。

 本人に自覚症状が薄い場合、例えそれとなく注意しても全く効き目がありません。なにせ自分ではちゃんと物事が見えていて的確に対応しているつもりだからです。確かに本人の目の前にあることは見えているのだと思います。問題はその視野があまりにも狭く、競走馬並みなところにあります。世の中の鋭い人は、全然見えない背中で起きているようなことすら感じ取ってしまうのに、鈍い人は真正面の、しかもひとつのこと以外は目に入っていないような印象です。

 テニスで「よくボールを見て」と初心者に注意したりしますが、実はボールばかりを見ていてはダメで、ボールを見ながらも、周囲の様子もぼんやりと把握していなければいけません。ダブルスなら相手の2人の選手がそれぞれどういうポジションをとっているか、オープンコートはどこか、また自分のパートナーがどこで何をしようとしているのか、そのあたりまで感じながら、ボールを追い、コースと球種を判断し、狙ったところに打たなければなりません。

 視野の広さと視点の切り替えの柔軟さ、さらに予測も含めた洞察力。「見えている」ということは、広く深く柔軟に見えるということです。本当は見えていないのに、自分だけ見えているつもりの人と仕事をすると、本当に疲れます。無駄な動きが多くイライラします。いや、本当に。参るよなぁ。

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