幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 8月31日 ● リストラした気分。

 9月初旬に岐阜県のひるがの高原でテニス大会があります。昨年に続いて今年もサークルのメンバーで参加するために、8月は毎週平日の夜に2時間の特別練習をしました。

 サークルのひるがの参加メンバーは総勢18人。1週目11人、2週目14人、3週目16人、4週目12人、5週目13人が練習に参加し、なんと9人が皆勤賞。3週目なんかお盆だからと言う理由で、4時間も練習したんですよ。正直言って、ここまでみんな平日夜に予定を空けてテニスするとは思いませんでした。中には、毎週有休を取って参加していた強者もいるくらいです。いくらテニスサークルとは言え、このテニス熱の高さはビックリです。だって土曜日の午後も毎週テニスしているんですからねぇ。

 かつて我々のサークルは長い間、ちんたらとお遊びテニスをしているだけの社内サークルでした。月に2〜3回コートを取って、人が多く集まっても5,6人。対外試合に出場するなんてことも滅多になく、また出るよと言っても尻込みするようなメンバーばかりで、本当にやる気のないサークルだったのです。

 それが4年前にインターネットでメンバーを募集するようになって以来、どんどん外部の血(?)が導入されて、それまでの澱んだ空気が一変、テニスをするためにメンバーが集まる本当のテニスサークルに変わりました。人数だけではありません。かつては大学体育会どころか同好会出身者にさえ「物足りない」と言われるようなレベルだったのに、今では体育会でバリバリにテニスしていたメンバーすら楽しげにテニスができるほどレベルアップもしました。昔のメンバーに今の盛況ぶりを聞かせたら必ずや目を丸くすることでしょう。

 もちろん、その過程でメンバーも大きく入れ替わりました。古いチンタラメンバーは去り、代わりにやる気満々のメンバーが増えていきました。昔からの馴染みのメンバーが去っていくのは寂しいことでしたが、一度方向転換の舵を切ってしまった以上、もう流れは変えようもありませんでした。

 まるでリストラに成功した企業のような話です。思い切って構造改革と人員整理をし、いち早く時代の波に乗ったせいもあって、優秀な社員が入って業績は右肩上がり、社内の空気は一変、かつての小さな町工場が大企業に成り上がりました。しかし昔を知っている幹部からは、つい古き良き時代を懐かしむセンチメンタルな声も時々聞こえてきます。

 「創業者社長」でありリストラの断行者である僕自身、果たしてこれで本当に良かったのか、時々考えてしまうこともあります。もちろん僕が望んでサークルの現在の姿があるのですが、時々自分が考えていた以上の成果にたじろぐこともあります。

 確かにレベルが上がって、人数は増えました。テニス関係の友人も幅広くできました。その分、忙しくもなりましたし、時間も体力もかなり割いていますが、テニスはこのまま生涯の趣味になりそうです。大成果です。小さいけれどちょっとした夢の実現と言ってもいいでしょう。

 でも、あのまま古いチンタラメンバーで、のんびりテニスを楽しんでいたらどうなっていたんだろう、と夢想することもあります。現実には多分、メンバー減少の一途を辿りサークルは潰れていたことでしょう。でも、もしあのまま可もなく不可もなく続いていたら。古い町工場が、ひっそりと、でも楽しげにずっと働き続けている、そんな姿もまた良い夢のような気がしないでもありません。

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