8月23日 ● タイガー・ウッズの孤独。

 トップアスリートの気持ちなど、我々凡人には窺うべくもないのかも知れませんが、それにしても今タイガー・ウッズが何を思っているのか、僕には気になります。

 わずか24才にして頂点を極めてしまったタイガー・ウッズ。競技スポーツとしては異様に選手寿命が長いゴルフ界において、24才という年齢は若すぎると言っていいでしょう。これから30年の長きにわたって、彼はゴルフ界に無敵のチャンピオンとして君臨し続けるつもりでしょうか?それは余りにも長く退屈な30年間だと、彼は感じていないでしょうか?

 かつてマイケル・ジョーダンはその全盛期に突如バスケットを引退し、野球に挑戦しました。結局そのチャレンジは失敗に終わりましたが、当時のジョーダンにとってバスケットが退屈なものになってしまっていたことは確かでしょう。もはやその世界にやるべきことがないと思ってしまったら、アスリートの魂は次なるチャレンジをするしかなかったのだと思います。

 前人未踏の7年連続首位打者をほぼ確定的にしているイチロー。彼もまた心に孤独と退屈を抱えて毎日を送っているアスリートです。とりあえず今年は4割への挑戦というテーマがありますが、もしそれを実現してしまったら、もうイチローには日本球界にとどまる理由は何もありません。2001年シーズン終了後にFA権を獲得したら、彼はメジャーへ挑戦をすることでしょう。それは誰よりもイチロー自身が必要としていることだからです。

 1988年、わずか18才でゴールデンスラムを達成したシュテフィ・グラフ。彼女にとってテニスツアーは孤独なものだったと思います。一時期、モニカ・セレスという強力なライバルが現れたものの、不幸な事故で彼女が一線から姿を消してしまいました。以後、グラフはライバルのいないツアーを孤高のチャンピオンとして回り続けたのです。グラフの早い引退は、ライバル不在による蓄積された精神的疲労が溜まったためだと思います。

 タイガー・ウッズには、イチローにおけるメジャー・リーグがありません。グラフ同様、いや、それ以上に孤高のチャンピオンになってしまった感があります。ウッズが二クラウスのように長きにわたって帝王であるためには、プレーヤーやパーマーのようなライバルの出現が不可欠だと思いますが、まだそれに匹敵するような人材は見当たりません。彼を脅かし奮い立たせるような若いゴルファーの一刻も早い登場を期待しましょう。ウッズが野球に挑戦、なんてニュースを聞く前に。

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