幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 8月19日 ● 洋楽の緩やかな死。

 名古屋のZIP-FMが小林克也がパーソナリティで「ZIP HOT100」という番組をやっていました。上半期のヒット曲ランキングですが、ZIPは洋楽中心のFM局なので、ランキングも基本的に洋楽中心になります。今回のTOP10にも宇多田ヒカルが入っていただけで、後は全て洋楽でした。

 ただ邦楽人気はどんどん洋楽ファンの間でも高まっているそうで、1995年にはTOP100にわずか4曲だった邦楽が、今年はなんと30曲も入っているそうです。昔は邦楽では満足できなかった洋楽ファンも、最近の邦楽のレベルアップぶりを認めているということでしょう。

 これは実感として良くわかる話です。この10年ほどの間に、いわゆるJ-POPが生まれ、どんどん進化していきました。久保田利伸やB'Zの登場あたりから急に「洋楽化」した邦楽は、宇多田ヒカルや平井堅のブレークで、ほぼ完全な洋楽化を果たしたと言っていいでしょう。

 逆に本場(?)の洋楽は、ことヒットしている曲に限って言えば、ほとんどこの20年ほど変わっていないという印象を受けます。「ZIP HOT100」の1位はマドンナの「AMERICAN PIE」。1972年の曲のカバーです。良い曲ですし、聞いていてノスタルジックで心地よいことは認めますが、あくまでも懐メロ。20世紀最後の年にこれが1位ってことはないでしょ、という気分にさせられます。今やJ-POPの方が「洋楽っぽい」んですから。

 僕は基本的に古くからの歌謡曲マニアなのですが、それでも中学時代のビートルズ、カーペンターズ、S&Gから始まって、レッド・ツェペリン、ディープ・パープル、クィーン、ビージーズ、スティービー・ワンダー、イーグルス、ロッド・スチュワート、ビリー・ジョエル、マイケル・ジャクソン、マドンナ、カルチャー・クラブ、ワム!、ボンジョヴィと1980年代までは洋楽の超メジャーどころくらいは聞いていました。それが1990年代に入ると、パッタリ聞かなくなってしまったのも、年齢のせいだけではないと思います。

 このままいくと、演歌同様、日本においては洋楽もどんどんそのマーケットを縮小せざるを得なくなりそうです。マイケル・ジャクソンやマドンナ以降、日本人でも大抵の人が知っているというスーパースターは生まれていません。かつての大衆性を失っているのは明らかですから、演歌における「孫」のような突発的ビッグヒットは生まれることはあっても長続きはしないことでしょう。洋楽が日本で商売にならなくなる日が近い将来に訪れるかも知れません。

 なんて、偉そうなことを素人の僕が言わなくても、きっと音楽関係者は危惧していることでしょうね。いや、実際単なるファンとして寂しいなと思って。

とりあえず、読むたびに(1日1回)


を押してください。 日記猿人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。


この日記をマイ日記猿人に登録してみる

前日翌日最新今月