僕は基本的に昔から忘れ物の少ないタイプです。几帳面で神経質なところがあるため、きちんと持ち物をチェックする習慣が身についているからです。うちの息子は僕と正反対に毎日忘れ物をしているようなのですが、それを全く気にしていない風なのが、僕から見ると大物か大呆けか（十中八九、呆けの方ですが）と思えます。

　そんな小心者の僕が、珍しく忘れ物をしてしまいました。お昼、クライアントの帰りに、名古屋駅にある名古屋コーチンの店で親子丼を食べました。とても美味しくて満足して会社に戻り、午後からはずっと会議室にこもって、次々と打ち合わせをこなし、ふと気づいたら夜8時。ほぼ7時間にわたって5つの会議をこなしていたのです。

　一息ついて明日以降のスケジュールをメモしようとしたら、いつも使っているシステム手帳がありません。確かに午前中のクライアントでの打ち合わせの時には持っていたので、会議室に置き忘れてきたのかと戻って探してみましたが見つかりません。重要な情報が全て詰まった大事なシステム手帳です。これは困った、と真剣に今日の行動に頭の中でサーチをかけてみます。

　はたと気づいて名古屋コーチンの店に電話したところ、オヤジさんが「預かっていますよ」との返事。親子丼の美味しさのせいか、午後からの会議のことで頭がいっぱいだったせいか、とにかく食事の時にそのままテーブルに置き忘れてしまったようです。

　8時半からの会議を1時間で終わらせて、急いで名古屋駅へ。10時で店はもう閉まっていましたが、裏口から入ってなんとか手帳を返してもらい事なきを得ました。

　滅多にしない凡ミスなんですが、やはり原因は疲れというか、仕事のし過ぎだと思います。次々と舞い込む仕事をこなし続けているうちに、頭の機能が仕事だけに向かう単機能仕様になってしまったようです。クルマを高速運転していると視野が狭くなってくるのと同じで、余裕があれば、いろいろなところに目配り気配りできるのに、仕事のことだけで高速回転しているうちに、いつの間にか周りが徐々に見えなくなってきていたようです。

　今回はシステム手帳を忘れてくるくらいで済みましたが、この先のことを考えると、つくづく仕事に特化した生活というのは、何かが欠落しているような気がします。人間、いつでも余裕を持っていないとダメですよねぇ。

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