幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 4月15日 ● 順位予想にも芸が欲しい。

 朝日新聞金曜夕刊に大橋巨泉が好き勝手書く「巨泉の有閑悠閑」というコラムらしきものがあります。夕刊紙じゃあるまいし、あの巨泉にコラムを書かせるなんて朝日新聞も何考えているんだか、というレベルのものなのですが、今週の内容は特にひどいものでした。

 プロ野球が始まってすでに2週間経つというのに、今さら順位予想なのです。1ヶ月は遅いと思います。ペナントレースが開幕してからの順位予想なんて面白くもなんともありません。しかもまた内容が陳腐なのです。セ・リーグの優勝は巨人、パ・リーグは西武、理由は補強が良かったから。

 あったり前だっつーの。補強というのは誰にだってわかります。メンバー表を見るだけですから。巨人には江藤や工藤、メイ、河本、新人の高橋尚らが、西武にはフェルナンデスとジェファーソンというバリバリの優秀な大リーガーが入りました。左腕を補強した巨人と、打線の核を得た西武。しかも昨年は惜しくも優勝を逃した実力のある両チームのことですから、誰が見たって本命間違いなしです。わざわざ開幕2週間後にしたり顔で書くようなことではありません。こんな程度のことは居酒屋でくだを巻いている巨人ファンのオヤジなら誰だって言えます。

 もちろん、専門家でもない巨泉に本格的な野球解説を求めているわけではありません。しかし巨泉も金を貰って一般に娯楽を提供するプロなら、こんなコラムにもそれなりのエンターテイメント性をもたせてくれなければ困ります。巨泉なりの独断と偏見で良いのですから、解説者がとても言えないような面白い角度から切った独自の予想を書いてこそ、彼が順位予想をする意味があるのです。

 半引退宣言してからの巨泉というのは「悠々自適」の生活自体を売り物にしている芸人です。ある意味、高齢化社会に相応しい新しいコンセプトを発見したのですから、目の付け所は良いと思います。しかし、それで金を取る以上は、やはりそこになにか芸が欲しいと思います。そうじゃなければ単に世の中をなめているだけのイヤなジジイに過ぎないじゃないですか。

 
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