幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 3月24日 ● 『ビューティフルライフ』は面白いか。

 この冬のドラマは『ビューティフルライフ』が一人勝ち。初回から30%を軽く超えたまま突っ走り、今週末の最終回では果たしてどこまで数字が伸びるか注目されています。もしかしたら40%超えも、という期待もありますが、多分僕の予想では35〜38%あたりじゃないかと思っています。

 他のドラマは全くダメでした。中山美穂・金城武というキャストで注目された『二千年の恋』は、以前僕が予想した通り「今どきスパイはないでしょ」という反応で10%台前半を低迷。まあまあ健闘したと言えるのは『平成夫婦茶碗・ドケチの花道』『お見合い結婚』あたりですが、それでも数字的には20%には遠く及びませんでした。まさに『ビューティフルライフ』だけが一人無人の荒野を行くという趣です。

 ただ僕はドラマとしては『ビューティフルライフ』は全然面白いとは思いませんでした。巷では相変わらずの決め台詞に泣かされるという声もありましたが、所詮セリフ回しだけでストーリー展開の乏しいいつもの北川脚本に、いつも以上に鼻をすするマンネリなキムタク演技。見ていて安心と言えば安心だけど、どこかで見たようなドラマだと言ってしまえば、それで終わり。北川悦吏子にも木村拓哉にも、それぞれもっと新しい一面を見せてくれるような作品を期待したのですが、TBSから冒険よりも定番を求められてしまったのかも知れません。

 強いて言えば渡部篤郎の酒屋の兄ちゃんは素晴らしかったですが、西川レボレボは話題性だけですし、美容師業界の描き方も障害者への視線もどこか上っ面で嘘臭さが漂います。もちろんドラマなんだからリアルに描けばいいというものではないと思いますが、流行の美容師に注目されている障害者という題材の取り上げ方が「なにをテーマにすると若い女性に受けるか」というマーケティングだけで決められているようで、そのあざとさが好きになれませんでした。

 そして注目されるべきは、この一人勝ち現象がドラマに限らず最近のヒット商品の作り方の典型例だということです。いわば「プレステ2現象」とでも言うべきもので、最初にとにかく「凄いぞ」と前評判が立つと、実物を見ないうちからブームになってしまい、始まった時にはヒットが決まってしまっているのです。プレステ2だけではなく、かつての映画『タイタニック』の大ヒットもそうですし、宇多田ヒカルもインターネット関連株の暴騰ぶりも同じだと思います。

 こうした一人勝ち現象は、情報が溢れすぎてかえって取捨選択できなくなった末に、とりあえず流行り物だけはおさえておこう、という心理から来ているのかも知れませんが、どうも判断を放棄しているだけという印象しか受けません。まあ我々広告屋にとっては、うまく「一人勝ちの方程式」にはまれば美味しいわけですから、やりやすいのかも知れませんが。

 
とりあえず、読むたびに(1日1回)


を押してください。 日記猿人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。


この日記をマイ日記猿人に登録してみる

前日翌日最新今月