幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 3月16日 ● もうトルシエはいらない。

 注目のサッカー日本vs中国戦。中田、名波、城をヨーロッパから呼び戻して完全に「勝ちにいった」布陣で臨んだにも関わらず0-0のドロー。現時点で最強と目されるメンバーを組んで、ヨーロッパや南米の強豪国相手ならともかく、アジアのチームに勝てないようでは、とても合格点は出せるものではありません。もちろん、落第したのはトルシエ監督です。

 現在の日本代表はマスコミが煽るほどに強いのかどうかわかりませんが、少なくとも過去にないほどタレントが揃っていることは確かです。特に中盤はかつてのブラジルのジーコを中心とした「黄金のカルテット」を思い出させるほどのタレント揃い。中国戦でも随所に中田を中心とした華麗なパスワークが見られました。今回は中田、小野、名波、望月、稲本という中盤でしたが、中村が入っても魅力的ですし、伊東が入るのもいいでしょう。これほど層の厚い中盤はもちろんアジア一だと思います。

 問題はもちろんフィニッシュを決められないFWにあります。特に城。スペインへ行く前も行ってからも一緒。どうして前を向いてボールを持っても彼はパスを出すのでしょう?そんな奴はFWじゃありません。ゴン中山のアグレッシブさを少しは見習おうという気がないのでしょうか。残念ながら現状の日本代表でベストなツートップは、相変わらずゴンと呂比須でしょう。中盤と違ってタレント不足の中、平瀬や高原、福田、柳沢あたりの成長がひどく遅く感じられるのは情けないとしか言いようがありません。

 DF陣は失点しませんでした。3バックは確実に身についてきているし、成長を続ける楢崎の確実な守備は川口を上回っていると思います。そういう意味ではトルシエの言うとおり、確かに彼のやり方はここまでは間違っていません。日本代表は着実に技術レベルを上げてきているとは思います。でも勝てないのです。勝ちに行っても勝てないのです。点が取れないのはFWの個人的技量が足りないからで監督のせいではないのかも知れませんが、勝てない責任はやはり監督に負わされるものだと思います。

 結局トルシエは優秀なコーチであっても、本当に優れた指揮官としては何か足りないものがあるのでしょう。岡田前監督の後釜をベンゲルに相談しに行ったら、たまたま職探しをしていたトルシエを紹介されて、彼は棚ぼたで日本代表監督の座に就きました。その日本には若くて才能豊かな選手がたくさんいたので、トルシエがちょっと教えたらどんどん技量が上がり、特に若手が急成長しました。たまさかユース代表が好成績を残したりしたので、トルシエの評価も上がりました。でもそこまでは多分優秀なコーチなら誰でもできたことなのです。

 問題はこの先です。才能豊かな若い選手を、今度はひとつにまとめ上げて本当に戦うチームに仕立て上げなければなりません。日本代表監督に必要なのは、育てる力ではなく、まとめる力。トルシエはここまで良くやりました。でももうW杯までの残り少ない時間は、本当の意味での指揮官に任せるべきでしょう。例えばあの名古屋グランパスエイトを短期間でまとめ上げたジョアン・カルロスのような。もっとも前回ベンゲルの時も代表監督に出さなかったグランパスですから、今度要請されても断るかも知れませんけどね。

 
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