幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 3月11日 ● 恋愛の教祖もそろそろ潮時では。

 アンアン系の若い女性から「恋愛の教祖」と言われている御三家が漫画家柴門ふみ、作家林真理子、脚本家北川枝吏子。この10年というもの、この3人があっちやこっちで若い女の子相手にいろいろ商売をしてきたのを横目で見てきましたが、さすがにそろそろ後進に道を譲ったらどうかと思います。

 柴門ふみが「女ともだち」「同級生」あたりを描いていた頃は、ちょっと面白いセンスの良いマンガを描く若手として注目していました。ところが「東京ラブストーリー」がテレビドラマで大ヒットして以来、もうひとつ上のステージに上がってしまったようで、マンガよりも恋愛論の方で注目されるようになってしまいました。

 反面、マンガはどんどんつまらなくなってきて最近ではスピリッツに連載されていた「九龍であいましょう」という作品も、面白くないままに終了。さすがにオバサン、もう若い子の恋愛は描けないんじゃないの、という印象です。

 林真理子はもう少し頭が良い感じがします。「ルンルン」という流行語とともにミーハー路線でデビューして以来、絶えず提供されるネタ(アグネス論争がその最大の花火でした)の豊富さ、タイムリーさは、さすが商売が上手いコピーライター出身というところ。その間にも着々と大人相手の商売も始める多角経営ぶりで、こちらは少しずつターゲットをシフトしている感じがします。放っておいてもそのうちに中年以上の女性を商売対象にすることでしょう。

 いま「ビューティフル・ライフ」で最高のヒットを記録しつつある北川枝吏子。彼女は上記2人よりも若いだけに、若い女性相手の商売にもまだ無理がきていません。反面、柴門や林よりもパフォーマンスの幅が狭いだけに、飽きられた時にどうするのか一番不安でもあります。

 彼女の凄さはひたすらどうすれば「受けるのか」を計算し尽くしているところです。ドラマは小説やマンガと違って、脚本家だけでどうこう出来るものではありません。むしろ脚本家のできることなどたかが知れているわけで、プロデューサーや監督、そしてなによりも出演者に大きく成否が左右されます。

 北川の凄さはその認識の確かさとそのための努力が徹底しているところです。局はフジかTBSだけで、そこの大物プロデューサーとしか組まず、出演者も木村拓哉、山口智子、常磐貴子、豊川悦司など、その時の旬の人気者ばかり。脚本は彼ら出演者がもっとも生きるように、ストーリーよりもディテール勝負。1時間のドラマの中に、いかに「殺し文句」「決め台詞」を入れるかに命をかけています。

 その彼女ももう40才が目の間に迫ってきました。「ビューティフル・ライフ」の大ヒットは彼女のピークだと思います。1年に1本しか仕事しないと言い切る彼女が次のドラマを書く頃には、大きく時代が変わっているような気がしてなりません。もちろんプロの彼女は視聴者のニーズに応えられるような脚本を書こうとするのでしょうが、時代とセンスがずれてしまうと、途端に受けなくなるタイプです。僕はすでに「ビューティフル・ライフ」はドラマを見るのではなく、キムタクを見るためだけに見ている、と言う女の子をたくさん知っています。もう北川の時代は栄華の陰で終わりかけているのです。

 柴門、林、北川。実はこの3人仲良しらしいのです。これまではうまく3人助け合って生き延びてきましたが、これからはダメになる時も一蓮托生的にダメになっていくことでしょう。僕は全然構いませんが。

 
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