幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 1月28日 ● 「ユニクロ」がオシャレ。

 青山にある「ユニクロ」が押すな押すなの大盛況だということです。なんでもブランド品しか身につけなかったようなオシャレな人たちがユニクロで1900円のフリースベストとかをどんどんと買っているんだとか。

 「ユニクロ」と言えば山口県に本社があって、衣料品を安く売ることに情熱を傾けている急成長企業。我が家の近くにも随分前から店舗がありますが、決してそんなオシャレな人が来るような店ではなく、僕のように服なんて清潔でありさえすれば、そこそこの品質で安いモノが一番、と思っているような人種が集まる店だったはずです。バブル期には「ユニクロ」で服を買っているなんて「イトーヨーカドー」で買うよりもバカにされたものでした。

 ところがここに来てデパートはおろかスーパーでも衣料品が売れず苦戦している中で、やたらと儲けている「ユニクロ」が俄然注目の的になってきました。それも不況のせいで単に安いから売れているというだけではなく、最初に書いたようにオシャレな店として注目を集めているというのですから世の中わからないものです。

 ブランド品を着る人には、ブランドを着ることで自分がオシャレな人間だと周りに示したいタイプと、自分の好きなファッションのためにブランド品が必要なタイプがいます。そして同じようにブランド品を身にまとっていても、後者にとっては前者と同じように見られるのは実はかなり腹立たしいものがあります。そこで「ユニクロ」。高価なブランドのシャツやジャケットに、5900円のユニクロのパンツを組み合わせたりすることで、今までにない新しさが醸し出せるというわけです。

 もちろんオシャレだと思われるためのイメージ戦略も「ユニクロ」はしっかりやっています。安売りイメージではない価格訴求の広告表現は、まさに金をかけたクリエーティブの仕事。ブランドマーケティングの好例です。そしてもちろん商品自体に、ブランド品と組み合わせて着ても耐えられるだけにデザインと品質がなくてはなりません。

 今や日本の流通や製造は大転換期を迎えて、どこも苦戦しています。規模の大きな巨大戦艦ほど方向転換には莫大なエネルギーを要し容易ではありません。その中で軽々とした身のこなしで荒海を進んでいけるのが「ユニクロ」のような中規模の企業。金融業界や自動車業界は今、スケールメリットを目指して合従連衡を繰り返しています。しかし東京三菱銀行を見ればわかるように、単に軍拡競争のような規模の争いをしているだけでは、今日勝ち組でも明日は負け組に易々と転落します。「ユニクロ」のような独自の技術や戦略を持つ企業こそが真の勝ち組への条件ではないでしょうか。

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