幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 1月7日 ● 競争しなくて良い社会。

 うちの息子を見ていると実にのんびりぼんやりしています。僕たちが子どもの頃とは比較にならないほどの極楽とんぼぶりで、こんなことで学校でちゃんとやっていけるのか、と心配になりますが、どうもこれがうちの息子に限らず子どもたち全般の傾向のようです。

 みんな揃ってお坊ちゃん気質というか極楽とんぼで、競争心旺盛とか負けず嫌いとかいうタイプが少ないのですが、それではこの先厳しい競争社会を生き抜いていけないのではないか、というと、実はそんなこともなさそうなのです。なにせ今でさえすでに予備校は浪人不足に音を上げ、大学も生き残りに必死です。この先はますます学校は広き門になり競争は緩和されていきます。今の小学生は大学全入だって夢ではありません。もちろん就職だって楽々です。新卒の求職人口自体が少ないのだから、企業も今のように贅沢は言ってられなくなります。

 労働人口の減少は恐らく女性と高齢者と外国人の活用でカバーするしかないでしょう。特に一気に進む高齢社会を考えれば、60才以上の働く意欲のある高齢者が働きやすい環境を用意する必要が生じてきます。それは従来の若者に合わせたスピードと効率最優先の世の中とは異なり、もっとゆっくりとした優しい社会でなければなりません。となると、そこで働く若者も今ほどスピードや効率を求められることはなくなります。極楽とんぼでも何とかなるのです。

 無論そうなると一時的に日本社会は国際的な競争力が落ちるかも知れません。しかし、日本は世界に先駆けて高齢社会に突入するだけで、結局欧米諸国もアジアの中進国もみな遅かれ早かれ高齢社会になります。その時に日本は高齢社会の先進モデルとなっています。またそうなっていなければ日本は本当に生き残っていけません。そのためにも競争原理ではない新しい生き方の原理を考えていくべきでしょう。うまくそれが見つかり定着していけば、結構住みやすい世の中になるような気がしますけどね。 
 
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