EASY TO LOVE (ATCO)

ROLAND HANNA (1959/9/25)

EASY TO LOVE


【パーソネル】

ROLAND HANNA (p) BEN TUCKER (b) ROY BURNS (ds)
【収録曲】

(01-03) THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREE / NEXT TIME YOU SEE ME / FROM THIS DAY ON
(04-06) LIKE SOMEONE IN LOVE / YESTERDAYS / FAROUK THELONIOUS
(07-09) IT NEVER ENTERED MY MIND / EASY TO LOVE / NIGHT IN TUNISIA
【解説】 ( 2013年03月31日更新 / 連載 1,071回 )

 ( 前回 までのあらすじ ) 肉、食いてぇ! 魚の煮付け、いらねぇぇぇ!

 ということで、 “しまなみ旅” まであと1週間となりました。 が、未だに行程を詰め切れずにいたりします。 行きたいところ、見たいところ、食べたいものがいろいろあり過ぎて、泊まりたい宿との整合性がうまく取れなかったりするんですが、とりあえず1泊目は インランド・シー・リゾート・フェスパ に決めた。 そういうところまで話が進んでいたかと思います。 で、2泊目はですね、尾道に泊まることにしました。 行きたいところ、見たいところの筆頭が尾道だったりするんですが、いいっすよね、尾道。  「聖地」 っすよね。 何の聖地なのかというと、大林宣彦の尾道3部作だったりとか、 「かみちゅ!」 だったりとか、尿道フェチだったりとか。 尾道が尿道に見えるというのは、わりとポピュラーだったりするんですが、ちなみに僕の場合、尾道3部作は一部たりとも見たことがありません。 「かみちゅ!」 は最初の数話だけ、ざくっと見てみたんですが、 「たまゆら」 ほどには感銘を受けませんでした。 火星人ちゃんが出てくる回は、よかったんですけどねー。 中曽根康弘、性格悪過ぎぃ。 ま、この先だんだんと面白くなっていきそうなので、大林宣彦ともども、きちんと押さえておこうとは思っているんですが、で、尾道の宿はですね、 千光寺山荘 というところを押さえてみました。 実はここ、予約を入れて、すぐに気が変わって、一度はキャンセルしちゃったんですが、また思い直して、取り直してみることにしました。 最初は楽天トラベルか何かだったと思うんですが、 「黒毛和牛ステーキと旬の煮魚付会席」 という、凄く微妙なプランだったんですよね。 肉、食いてぇ! そんな思いで予約を入れてみたんですが、旬の煮魚、いらねぇぇぇぇ! そっちのほうも思いのほうが強くなってきて、取りやめました。 その換わりに ビュウホテルセイザン というところを押さえました。 こっちの夕食はタイ料理だったりして、尾道らしさという点ではさっぱりなんですが、でもまあ、鯛の煮たのよりはいいかな? …と。 「ビュウホテルセイザンへの道」 という、この変なノリも嫌いではありません。

 が、部屋は普通のビジネスホテルみたいで、今ひとつ旅情に欠けるし、大浴場が無いから大きく欲情も出来ないし、うーん…。 で、結局、セイザンくんを捨てて、千光寺の山荘さんとよりを戻すことにしたんですが、オフィシャルサイトを見ると 「10畳和室を独り占め!ふら〜りエンジョイ♪尾道ひとり旅プラン」 というのと、 「10畳和室を独り占め!夕食がちょっと豪華な尾道ひとり旅プラン」 、2つの選択肢があることが判明しました。 どうせなら、夕食はちょっと豪華なほうがいいよね。 そう思わずにはいられませんが、どこがどのように豪華なのかというと、豪華でないほうの夕食は、 こだわり豚と秘伝のダシ 「大宝山鍋」 和風会席。 ほぉ、大宝山鍋っすかぁ。 ググってみてもここの宿しか出て来ないので、オリジナルの鍋料理っぽいんですが、豚なら特に不満はありませんな。 これが豪華なほうのプランで牛に変身してくれたら言うことはないんですが、期待に胸を膨らませながら夕食がちょっと豪華なほうを見てみると、旬の海鮮をご自身で焼いてお召し上がりいただく瀬戸内海鮮炭火焼、とれたて地魚の煮付け、尾道名物オコゼの唐揚をはじめ、瀬戸内の小魚を使った、和風会席料理をお楽しみください。 いらんっ! オコゼの唐揚げ以外はいらんっ! 特に地魚の煮付け、いらねぇぇぇぇ! 贅沢は敵だし、質素倹約は美徳のうちだし、ま、普通のプランのほうでいいかと。 で、予約の手続きを進めていくうちに、特注料理に黒毛和牛の石焼ステーキ (2,415円) というのがあるのが判明しました。 おまけに、入力フォームの該当欄にチェックを入れるだけで特別に注文出来ちゃうという、手間いらず。 ええい、贅沢してやるぅ! 質素倹約とか、デフレ脱却にとっては敵でしかないですしね。 ということで、豚肉鍋に、黒毛和牛のステーキ、おまけに煮魚は無し (←たぶん) というスペシャルなメニューが仕上がって、うほほほほーい♪ 千光寺山荘、最高や! タイ料理なんて、最初からいらんかったんや!

 ま、 タイ料理 も悪くはなさそうなんですが、トートマン (タイ風薩摩揚げ) とか、ちょっと美味しそう? ランチに食べてみようかとも思ったんですが、時間とかの関係で難しそうだし、どうせなら地元ならではのものを食べてみたいっすよねぃ。 僕には対人恐怖症の気があるので、タイ人、怖いしー。 トートマンはベントマンの弁当で食べるとして ( ← あるのか?) で、広島と言えばお好み焼きっすよねー。 尾道ラーメンというのもあるようですが、個人的にラーメンって並んでまで食べたいものではないしー。 で、尾道でお好み焼きと言えば 「尾道焼き」 というのがあるみたいですなー。 「尿道焼き」 だと根性焼きのハード版みたいで、ちょっとツライものがあるんですが、 「尾道焼き」 はというと、広島風のお好み焼きに砂ズリとイカ天を入れたもの。 そういう理解でいいんっすかね? イカ天というのはちゃんとしたイカの天麩羅ではなくて、全珍のイカの姿フライ。 ああいう、駄菓子系のものらしいっす。 これは普通の広島風のお好み焼きにも入っていたりするので、砂ズリがポイントということになるんですかね? どういうものなのかと思ったら、砂肝。 肝嫌いの僕としては、うーん。。。 ま、砂肝はあまり肝っぽくはないので、そんなにキモくはなかったりするんですが、うーん。。。 まったくソソられるものはありませんな。 尾道のお好み焼き屋で尾道焼きではない普通のお好み焼きを食べればいいだけの話なんですが、それだと別に尾道の店に拘る必要もなくて、うーん。。。 とりあえずこの問題は保留して、他を当たってみようと思うんですが、 「しまなみ海道」 の尾道とは反対側の拠点の、今治。 いいっすよね、今治。 前貼りが名物なんでしたっけ? 最近では バリィさん が人気だったりするんですが、焼き鳥のまち今治 (いまばり) 生まれ今治育ちのトリ。 それって、共食いなんじゃ? …という気がしないでもないんですが、焼き鳥が名物だったんですなー。 知りませんでした。 焼豚玉子飯 のほうがメジャーなのかと思っていました。 去年のB−1グランプリで3位になってたしー。 ご飯の上に焼き豚と目玉焼きをのせて、タレをかける。 無難無難アンド無難な食い物っすな。 今回、今治の本土には上陸しないので、焼き鳥のほうは無理かも知れませんが、 “焼玉” のほうは途中の島の 「道の駅」 でも食べられるみたいです。 ほれ 。 イクラとか、そういう余計なものはのせてくれなくていいんですが、伯方島と大三島にはいくつもりなので、ちょうど好都合。 伯方島というのはアレです。 伯方の塩 で有名なところなんですな。 瀬戸内海の海水を煮詰めて作っているのかと思ったら、原材料はメキシコ産もしくはオーストラリア産なんですな。 それを知って有り難みがめっちゃ薄れてしまったんですが、瀬戸内海の海水も7%くらいは活用しているようなので、ま、0割0分7厘くらいは有り難いかな? …と。 伯方の塩を使った塩ラーメンが有名みたいですが、個人的にはそんなに嬉しくなくて、伯方の塩ソフトクリームのほうがソソられるものがありますなー。 食べログ の評価は3.13っすか。 あ、でもこれ、焼豚玉子飯が思い切り足を引っ張ってるんですなー。 gios777さん (男性・兵庫県) 、めっちゃ低評価。 白御飯に、卵をのせ、焼いた豚肉を乗せただけのもの。 ま、そうでしょうなぁ。 何となくそんな気はしていました。 道の駅以外で食べたとしても似たようなものではないかと思われるんですが、うーん。。。 何かちょっとテンションが下がって来ちゃいましたなぁ。。。

 ま、伯方島へは塩が目当てでいくのではなく、桜が目的だから別にいいんですが、 開山公園 というところがよさそうなんですよねー。 桜と菜の花と海と島と橋。 おおおおおっ♪ ただ、東京では3月半ばに桜が咲き始めてしまったようで、この週末あたりが見頃な様相。 瀬戸内のあたりは暖かそうなので、もっと早くから咲いていて、来週にはもう散っているんじゃないか? そう懸念していたんですが、調べてみたら昨日 (3月29日) の時点で3〜4分咲き程度。 来週はちょうど満開だったりするとか? 千光寺公園の桜は昨日開花したみたいだし、タイミングばっちりやん! で、続いてはお隣の大三島でありますが、ここは 大漁 という店が有名&人気のようですな。 評価3.55なら、かなりの高レベル。 「人気店を貶す俺って、かっけぇ!」 な奴が、必ず3人くらいは混入しますからね、こういうのって。 やらせとかもあるに違いないので、あまり参考にはならんのですが、ここの売りは 海鮮丼 である模様。 これで380円。 安っ! 艶女ミホさん (40台前半・女性・広島県) も、びっくり! ただ個人的に海鮮って、疥癬よりもちょっとマシという、そんなレベルだったりするし、行列必至で1時間待ちは覚悟って、そこまでして食べたいとは思わないので、 道の駅 でいいやぁ。 そんな気がします。 こっちは海鮮丼が1,200円もするんですが、あ、 「大三島ソースオムそば」 があるんですな。 海を眺めながらコルトレーンの 「オム」 をBGMにオムそばを食べる。 悪くないかもー? いや、 「オム」 なんて、間違っても旅先では聞く気になれんのですが、で、大三島の観光スポットといえば、 大山祇神社 。 ここは凄いっす。 何が凄いって、宝物が凄いです。 国宝や重要文化財の指定を受けた武具甲冑類の約8割があるって、マジかよ? 具体的に言うと、源義経が奉納した赤絲威鎧大袖付だとか、源頼朝が奉納した紫綾威鎧大袖付だとか、武蔵坊弁慶や巴御前が奉納した薙刀とか。 んなもん、ホンマに実存してたんか!? ここまでビッグネームが顔を揃えていると、パチモンちゃうんか? そんな疑念が沸き上がってきたりするんですが、是非ともこの目で確かめてみたいものでありますなぁ。

 ビッグネームが揃い過ぎていると言えば、生口島にある 耕三寺 だって負けておりません。 日光東照宮の陽明門みたいなのか、奈良の室生寺みたいな五重塔だとか、奈良の法隆寺の夢殿みたいなのだとか、平等院の鳳凰堂みたいなのまであったりして、凄ぇぇぇぇ! で、これらはすべて、紛うことなきパチモノだったりします。 耕三寺耕三という人が昭和になってから作ったものらしいっす。 耕三寺耕三って、何、この有栖川有栖っぽい名前? …と思ったら、どうやら芸名というかペンネームというか、そういう類いのものであるようですが、本名は金本福松。 何か、鉄鋼関係のお仕事で莫大な財産を築いた人のようでありますが、カーチャンの菩提を弔う為に、このお寺を作ったんだとか。 何でも生前、 「日光を見て、結構と言ってみたいねぇ。」 とか言ってたみたいなんですよね、カーチャン。 生きているうちに本物を見せてあげられなかった事を悔いた耕三くんは文部省から陽明門の実測図を手に入れて、本物そっくりの 「孝養門」 というのを10年の歳月をかけて完成させたそうですが、死んじゃってからそんなものに無駄な大金を費やされても、あまり嬉しくはないような気も。 「親孝行したい時には親はなし」 という諺の具体例として、教訓にすべき話ではないかと思うんですが、 所詮はパチモンだし、無駄にケバかったりもするので、世間の評判は今ひとつだったりするようです。 でもまあ、桜の名所ではあるようだし、ネタ的には悪く無さそうなので、ちょっと覗いてこようかと思っております。 以上、尾道と、開山公園と、大山祇神社と、耕三寺。 この4つはどうしても押さえたくて、ついでに 「しまなみ海道」 をちょっとだけレンタサイクルでも走ってみたくて、とりあえず 多々羅大橋 だけは渡ってみたいな♪ …と。 でもって、1日目の宿は弓削島。 ここが地味に辺鄙だったりするんですが、露天風呂付客室は捨てがたいし、うーん。。。

 バスと船の便も決して快便というワケではなかったりするので、プランニングに苦慮している次第でありますが、一度は諦めた 「たまゆら」 の聖地の竹原にもやっぱり行ってみたいし、お好み焼きとかタコの天麩羅とかも食べたいし、うーん。。。 竹原に関しては三原駅を午前10時台に出る便が3月のダイヤ改正で消えちゃったのが痛すぎるんですが、11時台の便だとちょうど昼頃の到着になっちゃうんですよね。 竹原に行ったら 「ほり川」 でお好み焼きを食べたいと思っているんですが、ヲタ共で混んでいそうで、ちょっと嫌。 出来れば11時の開店と同時に行きたいところなんですが、となると三原駅 9時29分発の電車のに乗らなければなりません。 名古屋駅 7時37分発の 「のぞみ1号」 は福山駅到着が 9時29分だから、無理っすなぁ。 が、よくよく調べてみると、  「のぞみ」 は1号が始発ではないという、意外な事実が発覚しました。 八角親方もびっくり! いや、東京駅を基準にすれば普通に1号が始発なんですが、名古屋始発の便があったりするんですな。 名古屋駅 6時20分発の 「のぞみ95号」 なら、福山駅に着くのが 8時13分。余裕やんっ! この新幹線に乗るには桑名駅 5時36発の関西線普通列車に乗らなければならなくて、そんな時間にまだ三交バスは走っていないので、駅まで 歩かなければなりません。 5時に出れば大丈夫っすかね? 朝早いのはそんなに苦にならないし、新幹線で寝ればいいだけの話なので、無問題。 よし、竹原行き、決定っ! ということで、 『たまゆら〜hitotose〜 オリジナルサウンドトラック』 、買いましたぜ。 これを聞きながら呉線に揺られてクレソンを食べれば、気分が盛り上がること必至。 ま、食いませんけどね、クレソン。 出来れば大久野島にも寄って、うさぎにクレソンをあげたいところなんですが、さすがに時間的にちと厳しいかと。 とりあえず尾道でネコでも愛でてこようと思うんですが、とまあそんなこんなで、んじゃ、行ってきま〜す♪

 

 …と、その前に後半を片付けておかねばなりませんが、今日はローランド・ハナっす。 いいっすよねー。基本的にどうでもいいっす。 書くことといっても、ローランドゴリラとハナ肇くらいしか思い付かないしー。 森に棲んでいるのがマウンテンゴリラで、低い土地に棲んでいるのがローランドゴリラ。 僕がゴリラについて知ってる知識は、以上です。 ローランドって、低い土地やったんか! …と、何だか妙に感心した覚えがあるんですが、電子ピアノを作っているローランドが日本のメーカーだったというのも意外でした。 あと、Gパンのエドウインも。前身は常見米八商店だとー。 とまあそれはそうと、ローランド・ハナ肇なんですが、2002年にお亡くなりになった際には 「ジャズピアノ巨匠」 と書かれた模様で、日本でもそれなりに人気と知名度があったようです。誰も陽明門までは建ててくれなかったようですが、ま、いりませんけどね。 養命酒を1杯備えてくれれば、それで十分。 ま、死んでしまってから命を養っても、手遅れではあるんですけど。 とまあそんことで、今日はハナくんの 『イージー・トゥ・ラブ』 というアルバムを 紹介したいと思います。 売り上げに悪影響を及ぼすと判断されたのか、ハナくんではなくて、謎のギャルがジャケットを飾っておりますが、こういうのって書くのが苦手なんすよねー。 売り上げよりも僕の都合を優先して欲しかったところでありますが、とりあえずまあ、1曲目から聞いてみることにしましょう。

 まずは 「ザ・ベスト・シングス・イン・ライフ・アンド・フリー」 。 翻訳サイトだと 「最良のものはこの世で自由です」 などという、こなれてない日本語が出てくるんですが、僕の持ってるCDでは 「自由が一番」 という 簡潔な邦題が付けられております。 いいっすよね、簡潔。 僕はどちらかというと半ケツのほうが好きなんですが、ローランド・ハナの半ケツとか想像したくもないし、ま、これでいいんじゃなかろうかと。 で、曲のほうはアレです。 タイトルを見てもどういうメロディなんだか思い出せなかったんですが、ああ、コレっすか。 何と言うか、さほど日本人ウケするタイプのアレではありませんな。 が、アドリブの素材としてはよさげな感じでありまして、ハナくんもなかなかノリのいいプレイを披露してくれております。 バップのフレーズをちりばめ、鍵盤上を軽やかに舞う、ハナのテクニシャンぶりが発揮された勢いのある演奏だ。 そう、日本語ライナーで後藤誠クンも褒めております。 捉え所のないキャラだという印象があったんですが、意外とオーソドックスにパウエル直系? シングルトーンのきびきびとしたタッチが耳に心地よくて、きび団子好きにも、キビナゴ好きにも納得の出来映え。 個人的にあまり好きではないんですけどね、キビナゴ。 小魚系はこざかしくて、どうも。。。 でもまあ、きび団子は普通に好きなので大丈夫だし、終盤はロイ・バーンズのタイコとの絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 上々のオープニングだじょー。 そのように評価していいのではないかと思います。

 で、次。  「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」 。 曲作りのうまさに定評のあるベン・タッカーのブルースなんだそうですが、そのせいか、ベン・タツのベースが背後でけっこう目立つ仕上がりとなっております。 アーシーな中にも、そこはかとない哀愁が感じられるところが 「うまさ」 なんだと思われますが、地味にグルーヴなハナのピアノも、なかなかなのではなかろうかと。 で、途中、ベンくんのソロもわりと頑張ってフィーチャーされていて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ほとんど書くことはなかったんですが、ここまで予想以上に健闘していて、とまあそんなことで、次。  「フロム・ジス・デイ・オン」 。 アラン・ジェイ・ラーナー作詞、フレデリック・ロウ作曲のミュージカル 『ブリガドーン』 のために書かれた1曲。 そういうアレのようですが、冬場の氷見の魚市場で見掛けそうな光景っすよね、鰤が、どーん。 ああいう大魚系は大丈夫なので、瀬戸内も小魚をやめて大型化して欲しいところでありますが、サカナはみんな切り身になれよ! そう思わずにはいられません。 頭が付いてるのは駄目、内臓があるのも駄目。 内臓が内蔵でなくて外付けなら簡単に除去出来て楽なんですけどねぇ。 で、こいつはブリなので、たぶん大丈夫だろうと思うんですが、聞いてみたらめっちゃ綺麗なバラードだったりして、ジャズは見掛けによらねーな。 そう思わずにはいられません。 とても、あのムサいオッサンが弾いてるとは思えなくて、何だかこう、生きる希望が沸いてきますなー。

 ということで、4曲目。  「ライク・サムワン・イン・ラブ」 。 イクラ、ラブ♪ …な人のテーマ・ソングでありますな。 個人的には別にどうだっていいんですけど、あんな鮭のタマゴ。 焼豚玉子飯の上にのって邪魔をするなぁ! 海鮮丼の上にものるなぁ! イクラ丼の上…は、ま、仕方が無いので容認しますが、いくらなんでもイクラ丼のイクラを否定するのは強権発動が過ぎますからね。 狂犬が発情するのと同じくらい、危険。 イクラは駄目でも 「ライク〜」 のほうは普通にぜんぜん大丈夫なんですが、ダイナミックなブロック・コードと、華麗なアルペジオを巧みにミックスし、メリハリの効いた演奏を聴かせる。 そういう仕上がりだったりする模様です。 いいですよね、アルペジオ。 アルペ塩ソフトとか、そんなのを作りたくなっちゃいます。 ベン・タッカーのベースが、スイカにかける塩みたいにいい感じに効いていて、とまあそんなこんなで、次。  「イエスタデイズ」 。 お馴染みのスタンダードが続きますな。 千石イエス好きの僕も 「イエスタデイズ」 は嫌いではなかったりするんですが、ここでのハナたんはパウエルを思わせるような鬼気迫るソロ・ピアノで、辛口ハードなプレイを展開しております。 …というのが僕の見解なんですが、後藤誠クンは、もちろんアート・テイタムの影響だが、決してテクニックに溺れず、ソロの後半でロマン派らしいフレーズを披露したり…と、そういう評価を下しております。 ま、確かに途中からリズムが入って来て以降は、鬼気が薄れたキキとララ。 そんな雰囲気になってたりするんですが、最近、とんと目にしなくなりましたな、キキ&ララ。 僕が小学生だった頃は女児の間で大人気だったんですけどね。 最近はジュエルペットというのがイケてるみたいですが、んーと、 これ ? 数、多過ぎやろっ! キキとララの区別さえつかんというのに、こんなもん覚えられるかぁぁぁ! 何だか静かな怒りのようなものが沸き上がってきましたが、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 ベン・タッカーのオリジナルで、 「ファルーク・セロニアス」 。 “FAROUK” って、何? …と思って調べてみたら、ファールーク・アッ=シャルアはシリアの政治家とか、そんなのしか出て来なかったんですが、とりあえずはセロニアス・モンクにちなんだ作品という解釈で間違いはないようです。 何とも形容しがたい不思議なメロディの持ち主だったりするんですが、 一本調子感を払拭するには極めて有効で、ベン・タツとの絡み具合も極めて良好。 ベースのソロも適度にフィーチャーされていて、とまあそんなことで、次。  「イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド」 。 ハナはソロで始め、控えめなリズムがつく。内省的で味わい深い演奏だ。 そういうアレだったりするんですが、ハナは…と言えば、今頃、どこで何をしているんでしょうな、はなわ。 「佐賀県」とか歌ってたヤツ。 ま、どこで何をしていようと、別にどうでもよかったりするんですが、ということで、次。 アルバム・タイトル曲の 「イージー・トゥ・ラブ」 。 トリオ・ハナの即興演奏でスタートし、終盤の 2分57秒頃になってよくやく原曲のテーマが出てくる。 そういう仕掛けのようですが、 「いい爺と騾馬」 。 なかなか枯れた組み合わせでありますな。 “トリオ・ハナの即興演奏” は、ちょっぴり 「スピーク・ロウ」 な雰囲気が漂っていたりするんですが、ロイ・バーンズのブラシの切れ味が良好至極。 で、中盤、ピアノとドラムスとの絡みがあって、満を持して原曲のテーマが登場。 でもって、おしまい。

 ということで、ラストっす。  「ナイト・イン・チュニジア」 。 並び建つ、内藤医院、忠実屋。 ジャズ曲名俳句の傑作でありますな。 関サバ師匠の作でしたっけ? で、演奏のほうはというと、無駄にラテンっぽく能天気になりがちな曲を、適度な節度を持って適切に料理していて、なかなか。 中盤はドラムスとの絡みでいい感じに盛り上がって、テーマに戻って、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】 名前のわりに華のないキャラだと思っていたハナたんなんですが、けっこう頑張ってくれておりました。 ギャル系ジャケットから受ける印象よりもハードな仕上がりで、と言っても、小難しさは皆無だったりするので、素直に普通に楽しめます。 今までハナを馬鹿にしていて、甚だ申し訳ない。 そんな気持ちで一杯でありますが、いやあ、ジャズは顔じゃないっすなぁ。 ちょっぴり生きる希望が沸いてくるような、そんな1枚なのでありました。


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