LIVE AT THE FIVESPOT (UNITED ARTISTS)

RANDY WESTON (1959/10/26)

LIVE AT THE FIVESPOT


【パーソネル】

KENNY DORHAM (tp) <except #4> COLEMAN HAWKINS (ts)
RANDY WESTON (p) WILBUR LITTLE (b) ROY HAYNES (ds)
BROCK PETERS (vo) <#3> CLIFFORD JARVIS (ds) <#6>

【収録曲】

(01-03) HI FLY / BEEF BLUES STEW / WHERE
(04-06) STAR CROSSED LOVERS / SPOT FIVE BLUES / LISA LOVELY
【解説】 ( 2013年03月17日更新 / 連載 1,070回 )

 前回 に引き続き、『県民性マンガ うちのトコでは』 について書いてみようと思いません。 ま、それは別の機会ということにして、今日は 「しまなみ海道」 の宿とか、観光地とか、食べ物とか、そういうものについて考えてみたいと思います。 何故かというと、4月になったら 「しまなみ海道」 に行って、宿に泊まったり、観光地を散策したり、食べ物を食べたりしようかな? そんなふうに思っているからなんですが、そんな個人的な話で貴重な紙面を費やしていいのかと言われると、ま、別にいいんじゃなかろうかと。 所詮は僕の個人的な 「ほ→むぺ→じ」 なワケだしー。 人様がそれを読んで面白いかどうかは甚だ疑問ではあるんですが、頑張って他のネタを書いてみたところで面白くなる保証はどこにもないので、ま、いいかと。 とまあそんなことで、まずは 「宿」 でありますな。 例の如く、とりあえず適当なところを押さえる。 → 綿密なプランを考えているうちに気が変わる。 → えーい、キャンセルしたれー! → キャンセルの理由を一言 (楽天トラベルにはそういう記入欄がある) というところに 「予定が変わりました。申し訳ございません。」 と、超へりくだった態度で謙虚に書き込む。 → ちょっとだけ申し訳ない気持ちになるが、清々する。 → 他の適当なところを押さえる。 → 綿密なプランを考えているうちに、また気が変わる。 → 最初のところのほうがよかったかも? → えーい、キャンセルしたれー! → 最初のところを再予約する。 → でもやっぱり気が変わる。 再キャンセルしたれー! そんな試行錯誤を繰り返した結果、とりあえず 「休暇村 大久野島」 は消えました。 「ウサギと毒ガスの島」 って、なんだかめっちゃソソられるし、景色もよさそうだし、温泉大浴場もあるので大いに欲情出来そうで、いいかな? そんな気はしていたんですが、料理がバイキングというのが、ちょっとどうかな? …と。 クチコミを見る限り、バイキングにしては美味しいと評判みたいだし、食べ放題+ご当地グルメ竹原市ブランド牛 【峠下牛(たおしたぎゅう)】 のステーキをご用意致します。(約200g)適度なサシが入り美味しいお肉です。 そういう、めっちゃソソられるプランもあったりしたんですが、基本、バイキングってあまり好きではないんですよね。 バイキンマンよりも断然、ドキンちゃん派だったりするしー。 誰かと一緒ならぜんぜん問題はないんですが、一人バイキングは孤独感が半端なかったりするので、出来れば避けたいところ。 鮭とかもあまり好きではなかったりするので、食べ放題でも鮭は避けたいところだし、ま、さけるチーズがあったりしたら、さけるのは避けないで、さき放題してみたい気もするんですが、あとはまあ、さきイカとか。 そんな 「つまみ」 みたいななものばかり食ってる場合ではない気もするんですが、ただでさえ 200グラムの肉付きで、他には何も食えなくなりそうな気配が濃厚だったりするのにー。

 それと同時に、綿密なプランを考えているうちに、アクセスの悪さがネックになって来たりします。 大久野島に行くにはJR呉線の忠海 (ただのうみ) というところから船に乗らなければならんのですが、この船の便数というのが、まあまあ。 ただ、呉線のほうがさっぱり。 ほれ 。 基本、1時間に1本はあるので、僻地にしては頑張ってるほうだと思うんですが、綿密なプランを考えている段階ではあった10時19分に三原駅を出る便が、今年の3月16日のダイヤ改正で消滅しちゃったみたいなんっすよね。 綿密なプランが台無しやんっ! 知らずに出掛けていたら、そして僕は途方に暮れる by 大沢誉志幸になっていたに違いなく、事前に気付いてよかったんですが、何だかウサギっ気を著しく削がれてしまいました。キャンセルしてやるぅ! ということで、続いては 「ホテル大広苑」 でありますな。 『たまゆら』 の聖地巡礼者の間ではわりと有名…というか、竹原には小マシな宿泊施設がここくらいしかなかったりします。 町並み保存地区に近い立地はポイントが高いんですが、リッチさに欠ける雰囲気が感じられるところはポイントが低いです。 いや、結婚式場が付帯しているので、地元では “名士” なんでしょうけど。 2食付きプランだと夕食は 「日替御膳 (735円)」 だと思われ、まったく期待が持てないんですが、素泊まり、もしくは朝食のみのプランにして、 館内レストラン で 「峠下牛ステーキ御膳 (2,000円)」 というのを頼むことにすれば、めっちゃソソられる企画へと変貌を遂げることになります。 温泉では無さげですが大浴場はあるみたいだし、エエやんっ♪ そう思って、とりあえず予約を入れてみたんですが、あれこれと熟慮した結果、取り消しました。 だって、気が替わったんだもん、しょうがないじゃん! で、泊まらずとも、竹原には行ってみるつもりだったんですが、ダイヤ改正で予定を狂わされちゃったので、それも取り消し。 僕のせいではありません。 呉線を1本減らしちゃったJR西日本に全責任があります。 呉線に乗ってクレソンを食べるのが僕の夢だったのに、どうしてくれる!? ま、クレソンなんて別に好きでもなんでもないので、どうでもいいんですが、どうせなら竹原には 「憧憬の路」 の時に行ってみたい気がするしー。

 

 …と、ここまで、ちっとも 「しまなみ海道の宿」 ではなかったりするんですが、この2つはキャンセルしちゃったので大丈夫。 で、 「ホテルいんのしま」 というところを押さえることにしました。 当ホテルは、しまなみ海道を見下ろす天狗山・因島公園内にございます。因島公園は国立公園特別地域にも指定された全国レベルの景勝地で、瀬戸の多島美が一望でき、晴れた日には遠く四国連峰も見渡せます。島影に沈む夕日は特に圧巻です。 おおっ♪ 海と夕日が大好きな僕にとって、最高のロケーションでありますな、こりゃ。 この因島公園は桜の名所でもあるみたいだし、おまけに近くには 鯖大師 まで完備♪ さば心、くすぐられまくりでありますな、こりゃ。 展望大浴場もあるし、あとは料理さえそれなりなら、言うことはないんですが、いくつかプランがあるみたいですな。 ほれ 。 最初に僕の好き嫌いを明確にしておくと、魚貝類より断然、畜肉派でありまして、新鮮な海の幸とか、まったく僕を釣るエサにはなりません。 魚貝類の中でも特に貝の類いとか、珍味の類いとかが駄目で、珍しい味というだけで、ちっとも美味くはなかったりしますからね、珍味。 魚貝類でも魚の類いならまだ許せるほうなんですが、調理法としてはフライ=天麩羅=刺身であれば、わりと好きな類いだと言ってもいいくらい、大丈夫。 焼き魚の場合、切り身系の照り焼きであれば無問題。 塩焼きはサバ以外だとあまり嬉しくはなくて、頭がついていたり、骨が付いていたり、内臓が除去されてなかったりするタイプの物は、出来ることならあまり食いたくはありません。 サンマの塩焼きとか、いらんっ! で、煮魚とか、もっといらんっ! わざわざ手間を掛けて煮るくらいなら、生で出せっ! そう思わずにはいられません。 とまあ、そんな趣向でこの宿の料理を見てみると、まずは会席コース 「青影」 。 頭の付いたヘンな魚が煮られている。却下! サザエの壺焼きみたいなのもあるし、問題外っすな。 で、次。 会席コース 「布刈」 (おこぜ会席)。 ぬ…布刈? 何と読むのか分からんコースなんですが、調べてみたらどうやら 「めかり」 というのが正解っぽいです。 で、読み方が分からないといえば、この宿がある因島の 「土生」 というのも難しいっすよね。 つ…土生? 「つちなま」 とかしか読めないんですが、正しくは 「はぶ」 らしいです。 「羽生=はぶ」 だから 「生=ぶ」 というのは何となく分かるんですが、 「土=は」 って、他に例がありますかね? 「は?」 とか言いたくなるんですが、で、この布刈コース、括弧して (おこぜ会席) と書いてあるように、 「おこぜづくし」 な内訳になっているんですが、この辺りの名物らしいですな、おこぜ。 名物となると、たとえサカナ系でも食べたくなるのが人情なんですが、僕の “嫌い” というのはその程度だったりしますからね。 生理的に駄目とか、そういうのではなくて、単なる食わず嫌いだったりする事も多々あったりします。 おこぜ、悪くないじゃん! そんな気分になってきたりもするんですが、で、おこぜ料理の内訳はというと、お造り、鍋物、姿揚げ、握り寿司。 おお、いいじゃん♪ 僕の好きな調理法ばかりがチョイスされていて、いやあ、分かってますなぁ、この調理人は。 さっきは書かなかったんですが、サカナ系も鍋物なら大丈夫だし、寿司とかはむしろ、大好物の類い。 「旬菜盛合せ」 らしきものの中にサザエの壺焼きがあるのがちょっと余計なんですが、サザエなんて、家で飼ってるヤドカリが貝殻から抜け出しちゃったとき、パルの中の 「くさりや」 という名前の魚屋で泣く泣く買うくらいしか使い道が無かったりする食材ですからね。 嫌いなら食べなければいいようなものですが、食べ物を残す事にめっちゃ罪悪感を覚えてしまうタイプなので、出来ることなら食いたくない食い物は出して欲しくないところなんですけどねぇ。。。

 で、その下はというと、会席コース「白滝」。 変なサカナの煮付けがドドーンと左下に出ているので、却下。 で、 「浪料理」 というのは、あれですな。 「並料理」 の婉曲な表現であるとしか思えないような、並の料理でありますな。 上の3つと比較すると、正直、ショボいっす。 貧乏人の夕餉。 そんな雰囲気が漂っております。 ま、牛ロースと海鮮の朴葉味噌焼きと天麩羅盛合せって、これで十分なんですけどね。 他に選択肢がなければ、これで十分だと思えるレベルなんですが、ま、今回は地元の名物ということで、おこぜ会席、いっちゃいますかね? ということで、予約を入れておきました。 が、途中で気が変わって、やっぱりヤメました。 何が不満なのか、今となっては自分でもよく思い出せないんですが、ま、とりあえず因島公園には行ってみようと思っているので、そのうちに鯖大師の勇姿がページを飾ることになるのではなかろうかと。 で、ここキャンセルして、替わりにどこを押さえたのかというと、大三島というところにある 「富士見園」 というところ。 料理旅館を自認しているだけあって、料理のクチコミが極めて高評価だったりするんですが、ここも3種類くらいのコースが用意されている模様です。 ほれ 。 海の幸大好き系の人にとっては、よだれダラダラものでありますな、こりゃ。 が、そうではない僕にとっては、正直ちょっと微妙なところも。 例えば 「料理長一押し来島の地魚会席プラン」 の場合、旬の魚しゃぶしゃぶ仕立て (自家製梅肉酢で) というのは美味しそうだし、お造りもめっちゃ豪華っぽいんですが、サザエの壺焼きと、メバルの煮付けがぁ。。。ぜんぜん分かってないっすな、ここの料理長は。 料理ヒラ社員に降格させてやりたいところです。 で、鰈の唐揚げというのもあまり好きではなかったりするんですが、ただの鰈ではなくてメイタ鰈らしいので、目に入れても痛くないくらい可愛い鰈なのかも知れないし、 (伯方の塩又は自家製ポン酢で) というところには大いに惹かれるものがあります。 が、どちらかというと、 「伊勢海老・鮑・おこぜなど超豪華会席プラン」 のほうが、よさげ? こちらはサザエが壺焼きではなくて、お造りのほうに組み込まれているんですが、サザエの刺身って美味しいんっすかね? 貝の類いがあまり好きではない僕にとって、売りのひとつの 「鮑の残酷焼き」 にはまったく惹かれるものがないんですが、それと同時に愛媛産伊予牛も網焼かれるようで、こいつはかなりポイントが高いっす。 揚げ物の部も基本的にどうでもいい鰈クンから、地元の名産、おこぜちゃんにパワーアップしているし、じゃ、それよりもっと豪華そうな 「瀬戸内の豪華魚介類しまなみ食べ尽くしプラン」 はというと、伊予牛が消えた時点でぜんぜん駄目だし、渡り蟹の具足煮とか、蛇足にして愚の頂点。 カニもあまり好きじゃないんですよねー。 とまあそんなことで、以上の点を鑑みて、真ん中のプランで予約を入れてみることにしたんですが、で、誰もがこの先の展開を読めているに違いありませんが、期待に違わず、きっちりキャンセルさせて頂きました。 宿泊日やプランの変更をしたり、予約 → 取り消し → やっぱり泊まろうかな? → あー、でも、メバルの煮付けがあるしぃ。。。 → やっぱり、やめるっ! いつにも増して迷走しまくったので、さすがに申し訳ない気持ちで一杯だったりするんですが、でもまあ、一人客を泊めるより、ヤングなペヤングとか家族連れに泊まって貰ったほうが儲かるから、キャンセルして貰って、よかったじゃん!

 で、最終的に落ち着いた (←現時点で) のが 「インランド・シー・リゾート・フェスパ」 というところであります。 淫乱、どスケベで、無駄にお洒落な名前だったりするんですが、どこにあるのかというと、弓削島というところ。 「ゆみけずり」 ではなくて 「ゆげ」 と読むようなんですが、フェスパという名に相応しく スパ関係 が充実しているようで、超楽しみ♪ しかも、 自分へのご褒美!特別室をひとり占め ★ うれしい特典付 というプランが意外とリーズナブルだったりします。 “露天風呂付スウィート洋室” といっても、さほど甘くもなければ、それほど揃ってもいないようではありますが、海が一望出来る大型ジャグジーの露天風呂付きっ♪ このお部屋に泊まれて、1泊2食付き、休前日の一人旅で、ミネラルウォーター、お酒、おつまみ、ワンドリンクサービス券などのオマケ付き、特別アメニティセット…は、ギャル向けなので、僕にはあまりメリットが無さそうなんですが、これだけ中身が詰まって 17,995円って、破格じゃないっすかぁ? 安すぎて、ちょっと心配になっちゃうんですが、でも大丈夫。 帳尻合わせなのか何なのか、お食事のほうは破格的にショボそうなんですよね、この淫乱スケベ。 「イル・マーレ」 というレストランは、ロケーション的には最高っぽいんですが、下のほうに出てくる 「1泊2食付のお料理 夕食(例)」 が、あまりにも、うーん。。。 メインは煮魚っすかぁ。。。 これなら素泊まりにして、「地元岩城島のレモンポークを使った定食(1,500円)」 を食ったほうがよっぽどマシなんですが、そういうプランは選べないみたいだしぃ。 部屋と風呂に惹かれまくって、とりあえず予約を入れてみたものの、弓削島という辺鄙なロケーションと煮魚に萎えまくってキャンセルして、でも、やっぱり部屋と風呂はあまりにも魅力的だし、うーん。。。 結局のところ、もう一度予約を入れて、今の時点ではまだ何とか堪えてはいるんですが、少しだけ希望を持つとするなら、自分へのご褒美プランのお食事内容が、料理長自慢の特別洋風会席をお楽しみくださいとなっていることなんですが、まさかあの煮魚定食が特別洋風会席というワケじゃないっすよね? 料理長の名にかけて、特別に洋風な会席を提供して頂けるものと信じておりますが、でもまあ恐らく、煮魚の上にバターが一切れ乗っかっているとか、その程度のシロモノだったりするんでしょうなぁ。。。

 とまあそんなこんなで、2泊目の宿とか、観光地とかについては触れるスペースが無くなっちゃいましたが、あ、ちなみに3月19日は僕の誕生日っす。 セーラー万年筆 (←1,000円ので十分) をプレゼントしてくれたギャル (先着1名様) には、特別にフェスパ特製 “特別アメニティセット” を進呈します。 場合によっては残った煮魚の頭とかもオマケとして付けちゃいますので、ヨロシクね♪

 

 ということで、今日はランディ・ウエストンっす。 敢えて日本人ウケしないキャラを持ってきたところに、今週の僕のヤル気の無さが見て取れるかと思いますが、でも大丈夫。 今回取り上げる 『ライヴ・アット・ザ・ファイブスポット』 というアルバムは、けっこうサイドマンが日本人ウケ系だったりしております。 コールマン・ホーキンスと、ケニー・ドーハム入り。 どや!? マカロニサラダなんかでもハム入りだと気分が俄然盛り上がるので、ドーハム入りなのは素直に喜ばしいし、ホーキンスというのも 「ほぉー。」 という、意外性のある人選。 リーダーがフェスパの夕食で、まったくソソられるものが無いんだけど、ドーハムが露天風呂付き客室で、大正義。 でもって、ホーキンスがおまけの “乾燥が気になる季節の強い味方 ★ カラハリスキンケアセット” 。 そういったところでしょうか? カラハリって砂漠のイメージしかなくて、乾燥が余計に悪化しちゃいそうな気がするんですが、調べてみたらポーラのやつみたいですな。 ポーラって、めっちゃオバハンの印象しか無いんですが、ギャルにも人気なんですかね? 気になるところではありますが、本編とはまったく何の関係もない話なので、先に進めましょう。

 ということで、まずは1曲目。 ランディ・ウエストンの超有名なオリジナル、 「ハイ・フライ」 。 色んな人たちに取り上げられていて、ウエストンの日本での知名度は、ほとんどコイツのお陰で保たれていると言ってもいいんですが、ぶっちゃけ、そんなに名曲かぁ? 少なくとも、さほど日本人ウケしないタイプであるのは確かなんですが、ヤンキー魂をくすぐる何かがあったりするんですかね? あるいはコード進行が面白いとかで、演奏者からの評価が高いとか、そんなん? そっち方面の事情に疎すぎる僕には窺い知ることが出来ない深い闇なんですが、ま、不快になるほど変な曲というワケでもないので、別にいいんですけど。 メロディックでもあり、心に残る佳曲だ。 そう、岩浪洋三クンが日本語ライナーに書いておりますが、ま、蓼食う虫も好き好き。 そんな諺もありますからね。 世の中には魚の煮付けが大好きなギャルとかもいるだろうしー。 で、演奏のほうはというと、いかにもライブらしいザワザワに続いて、ゆったりとしたランディのピアノが登場します。 地味に弓弾きベースの人も出て来ているみたいです。 で、しばらくするとタイコと管楽器の人たちが合流して、メロディックでもあり、心に残るお馴染みのメロディが登場するんですが、ん? 意外と悪くない? 途中からピアノ主導の主旋律に2管が絡むという展開になるんですが、それもまた、なかなか。 でもって、ソロ先発はコールマン・ホーキンスっすか。 大御所感が半端なくて、スタイル的にはちょっと古くさそうな印象があったりするかも知れませんが、意外と若々しくて、ハード・バッパーなヤングと組ませてもさほど違和感がなかったりするのは、さすが。 豪快なブロウはヤングの心もがっちりキャッチするに違いありません。 途中からドーハムが絡んでくるんですが、黄昏れたトランペットとの対比に、何やら禅味のようなものを感じてしまいます。 ドーハムは一度引っ込んで、すぐに今度はソロで登場するんですが、シンプルな伴奏をバックに、歌心に富んだプレイを披露してくれていて、素敵♪ 地味なキャラではあるんですが、一聴してハムだと分かる個性は立派でありますなぁ。 ハモとか、一見するとウナギに見えたりしますからね。 ま、仲間だから当然ではあるんですけど。 で、続くランディのソロはテーマのメロディを発展させたような展開だったりして、こういうところはセロニアス・モンクを髣髴させるものがありますなぁ。 でもって、テーマに戻って、途中、地味にベースのソロが出て来たりもして、最後はドーハムが渋くまとめて、おしまい。 個人的にあまり好きではない曲だったんですが、演奏のほうは何ら問題がなかった。 そのように評価していいと思います。

 で、次。 このライブでは1曲半を除いて、すべてリーダーの自作曲が演奏されることになるんですが、 「ビーフ・ブルース・シチュー」 っすか。 「ビーフ・シチュー・ブルース」 なら何となく分かるんですが、シチューを最後に持って来るとは、さすが策士でありますな。 どういう策があるのかはよく分からんのですけど。 カレーに入れる肉が牛か豚かの境界は桑名にあるそうですが、ビーフシチューに入れる肉が牛か豚かの境界はどこにあるんですかね? もしかして境界がなくて、ボーダーレスだったりするとか? で、シチューといえば、 このAA は名作っすよねぇ。 ちょっぴり切なくなったりもするんですが、100均で買ったハサミがぜんぜん切れなかったりするのも、切ないんですけど。 で、曲のほうはアレです。 いかにもブルースらしいシチューに仕上がっているところがこの人の実力なんですが、2管とピアノが絶妙に絡むテーマに続いて、ドーハムのソロが登場。 家庭料理っぽい味があって、ま、いいんじゃないっすか? 続くコールマンはアウトドアでワイルドな雰囲気を醸し出していて、で、続くウエストンのソロは意外とオーソドックスで、普通に楽しめる仕上がりだったりします。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 ライブにしては短めで、割とあっさりとした味のシチューだったんですが、まろやかさの中にコクが感じられて、ま、よかったんじゃないっすか?

 で、次。  「ホエア」 。 ウエストンの曲の中では割とメジャーな部類ではないかと思われます。 で、ここではゲストとしてブロック・ピータースという、歌うオッサンがフィーチャーされていたりします。 渋いバラード。 略して、渋バラ。 そういう仕上がりだったりするんですが、こういう地味なのも、目先を変えるという点では、ま、いいんじゃないっすかぁ? そのうちにちょっと飽きてきちゃうんですが、途中から普通にドーハムとウエストンとホーキンスのソロもフィーチャーされるので、大丈夫。 ケニーのトランペットがいい。 そう岩浪クンも評価しております。 ランディのピアノもいい。 個人的にはそれも付け加えておきたいと思います。 僕の中ではこの人の評価が少しずつ上昇してたりするんですが、でもって、オッサン声に戻って、おしまい。 で、続く 「スター・クロスト・ラヴァーズ」 はエリントン&ビリー・ストレイホーンの作品。 しみじみとしたバラードで、ホーキンスの “大人のテナー” がフィーチャーされております。 大の幼女好きである僕でありますが、こういう大人の魅力も悪くはないですなー。 途中、心を洗われるようなピアノのソロも出てくるんですが、その背後に聞かれるザワザワ感が、たまらんっ♪ で、次。  「スポット・ファイブ・ブルース」 。 「ファイブ・スポット・ブルース」 もビーフ・シチュー同様にひっくり返して、無駄に凝った名前を付けるのが好きなキャラみたいですな、ウエストンくん。 一応、ランディとドーハムの共作となっておりますが、どこかで聞いたことのあるようなアレだったりして、9割2分くらいはドーハムのものであると判断していいのではなかろうかと。 で、演奏のほうでもハムが大フィーチャーされているのかと思ったら、意外とピアノが出しゃばりまくっているんですが、ま、普通にリーダーだから別にいいんですけど。 で、ここでのランディはモンク譲りの訥弁スタイルというイメージを覆して、のりまくったランディのピアノ・ソロがすごい。圧倒される。 そう、岩浪クンも評価するほどの張り切り具合。 で、続くホークのテナーも負けていない。 そう、洋三クンは続けておりますが、確かにおっしゃるとおりですな。 何だか強そうですもんね、ホーク。 タカ派っぽくて。 対するハト派のほうは鳩山クンのお陰でイメージが地の底まで落ちちゃってますが、地底人の居住区域を汚すな! そう思わずにはいられませんが、その後、地味にベースのソロがフィーチャーされて、 tp→ds→ts→ds の4バースで程度に盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストっす。 ランディ・オリジナルの 「リサ・ラブリィ」 。 オリジナル・メンバーのロイ・ヘインズクリフォード・ジャーヴィスが追加されて、タイコ叩き2人体制になるんですが、ま、言われなければ分からないレベルかと。 それよか、曲そのものが普通にいい出来で、この人の作曲センスを再認識した次第でありますが、変拍子っぽい雰囲気もいいっすよね。 ピアノ+2管でテーマが演奏された後、かなり長めのドラム・ソロがフィーチャーされるんですが、ま、これはそういうアレだと思って、諦めて貰うしかありません。 打楽器なのに適度にメロディアスだったりして、そんなに退屈はしないしー。 ロイ・ヘンとクリ・ジャビ、どちらの仕業なのかは分かりませんが、恐らくは2人が交代で前面に押し出されているものと思われます。 こういうところは生で実際に見てみないと実態が掴めませんよねー。 でもまあ、変態に掴まれるよりはマシだと思って諦めるしかありませんが、とまあそんなことで、テーマに戻って、今日はおしまい。

【総合評価】 リーダーにあまり多くは期待していなかったんですが、普通に悪くなかったし、サイドマンは思ったとおり、普通によかったし、トータルすると普通に悪くなくて、よかった。 そのように評価していいような気がする、そんな1枚でありました。 バラエティに富んだ演奏で最後まで飽きないし、ライブらしいザワザワも適度に感じられて、リラックス&エンジョイで、エエじょい♪


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