BLACK TALK (PRESTIGE)

CHARLES EARLAND (1969/12/15)

BLACK TALK


【パーソネル】

VIRGIL JONES (tp) HOUSTON PERSON (ts) MELVIN SPARKS (g)
CHARLES EARLAND (org) IDRIS MUHAMMAD (ds) BUDDY CALDWELL (conga)
【収録曲】

(01-03) BLACK TALK / THE MIGHTY BURNER / HERE COMES CHARLIE
(04-05) AQUARIUS / MORE TODAY THAN YESTERDAY
【解説】 ( 2012年04月15日更新 / 連載 1,027回 )

 滋賀に行ってきました。 滋賀と言えば琵琶湖と、ひこにゃんと、鮒寿司しかない、しがない県だと思っている人がいるかも知れませんが、そんなことはありません。ちゃんと 平和堂 もあります。 しかも大量に。 滋賀にシカはいないんですが、“ハト”は大量に繁殖しておりまして、その数、 70店舗。 こんなアスキーアート を作られちゃうのも、ま、やむを得ないかなと。 それはそうと琵琶湖って、滋賀県の面積の6分の1しかないって、マジなんすかね? どうみても3分の1はあるように見えるんですが、で、世界の人口をぎゅうぎゅうに詰め込むと、琵琶湖にスッポリ収まるという話も本当なんすかね? あまり無理に鮨詰めにすると、人間が鮒寿司みたいになっちゃいそうで、ちょっと嫌なんですが、いや、別に発酵させるわけではないので、鮒寿司にはなりませんか。 鯖寿司みたいにはなるかも知れませんけど。 とまあ、そんな数々のロマンを秘めた滋賀県に行ってみることにしたんですが、ある日、ふと、ビジネスホテルのデイユースというのを利用してみようと思い立ったんですよね。 昼間っからホテルのベッドに寝転がって、昼寝したり、本を読んだり、音楽を聴いたり、場合によってはスマホを駆使して原稿を書いたり。 気分転換にはよさそうですよねー。

 じゃらんや楽天トラベルに “日帰り・デイユース” というプランがいくつか掲載されているんですが、お値段のほうはと言うと、ピンからキリまで。 ピンからのほうは、ぴんから兄弟がチンピラに絡まれているのを助けた時の謝礼レベルのお値段だったりするんですが、キリのほうは “麒麟児と大麒麟の肉筆手形色紙2枚セット” 程度のお手頃価格。 オークションで3,600円という値段が付いていたので、まあまあっすよね。 新年度になって暇になる4月の上旬に桜の撮影を兼ねて、で、場所は手頃は日帰りコースということで、琵琶湖あたりがいいっすかね? そういう条件でいろいろ当たった結果、 ニューびわこホテル というところを押さえることにしました。 お昼12時〜夕方5時までの間、ニューびわこホテルのお部屋でご休憩頂けるプランが、シングル (お一人様) 3,500円。 実に肉筆手形色紙2枚セット程度で、しかも ニューびわこ健康サマーランド という温泉施設が併設されていて、実に好都合。 ただ、温泉のほうは別料金というのが何ともセコイんですが、しかも料金は平日で1,300円、日曜・祝日は1,800円という、ぼったくり価格。 ま、ショートタイム (60分) なら平日600円、日曜・祝日は800円なので、何とか許容の範囲内ではあるんですが、サマーランド内で昼メシも食おうとすると、60分では厳しいっすよね。 平和堂で惣菜でも買って、自分の部屋で食うことにしますかね? それなら会社の近くの東洋健康ランドに行って、中華料理でも食ったほうがマシなような気がしてきました。 予約を入れた時のテンションが急速に下がってしまって、こうなったらもう、キャンセルしてやるぅ!

 そう心に決めたものの、果たせませんでした。 今回、楽天トラベルを利用したんですが、通常、個人ページの予約確認のところを見ると、 「予約詳細」 の下に 「キャンセル」 というボタンが表示されるんですよね。そこをクリックするだけで、良心の呵責や後ろめたさ、申し訳ない気持ちなど、みじんも感じる事なく、いとも簡単に話を 「無かったこと」 にすることが出来て、とってもお気楽♪ そこがネット予約のいいところなんですが、今回、どこにも見当たらないんですよね、 「キャンセル」 のボタン。 デイユースだからなのか、このホテルの策略なのかは分かりませんが、嵌められた! そう思わずにはいられません。 「僕、絶対に嵌めねいよ。」 というハメネイ師の言うことなんか信じるじゃなかったっすなぁ。 いや、ぜんぜん関係ないんですけどね、ハメネイ師。 ま、恐らく、直接電話をすれば嫌々ながらもキャンセルに応じてくれるとは思うんですが、嫌味を言われたりしても嫌だし、そのまま放置することにしました。 そして迎えた4月7日。 いやあ、もっと早めに手を打っておけばよかったと、思いきり後悔しました。 ちょうど見頃になると踏んでいた桜の開花状況、さっぱりやんっ! サマーランドに近いということで、 “石山寺” に行こうと思っていたんですが、ソメイヨシノは開花するかしないかギリギリといったところ。 名古屋や岐阜の辺りはちょうどいい感じだというのに、滋賀県はどこもまだ全然さっぱりで、駄目じゃん! 余計なデイユースさえ予約してなければ、1週間後にずらすところなんですが、もういいっ! 石山寺に行って石と山だけ見て、ホテルでフテ寝するっ!


< 石山寺 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

石山駅〜石山寺@往復ルート断面図

 ということで、やってきました、石山寺。 新名神が出来たおかげで、琵琶湖の南のほうに行くのがとっても便利になりました。 桑名ICから草津田上ICまで、1時間掛からないレベル。 夕方、名古屋方面に向かう上り線が四日市あたりでメチャ混みするのがネックなんですが、行きはよいよい、帰りはこわい。 そんな感じだったりするんですが、で、石山寺の付近はあまり駐車場が無さそうなので、石山駅近くのコインパーキングに止めることにしました。 ここ です。 下のほうから来たら道の反対側で、交通量も多くて入れそうになかったので、ぐるっと上のほうから回り込む羽目になって、ハメネイ師もちょっとうんざり。 そんな感じだったんですが、で、ここから折り畳み自転車で行こうかと思ったんですが、折り畳まれたのを開くのが面倒だったので、京阪電車に乗って石山寺駅まで行くことにしました。 結果、これが大正解。 駅についた途端、バラバラと凄い音がして、凄い勢いで雹 (ひょう) が降ってきたんですよね。 近くにいたお姉さんも、思わず 「ひょ〜!」 と声を上げておりましたが、いや、実際は 「うわ〜!」 とか言ってたんですが、そこはまあ、お約束ということで。 3日ほど前に週間予報を見たら 「曇ときどき雨」 になってて落ち込んだのが、前日になって 「晴のち曇」 に好転したので喜んでいたんですが、このザマかいっ! ま、幸い、電車が石山寺駅に着くころにはやんでくれたのでよかったんですが、自転車だったらヤバかったですな。雹に打たれて、打ちのめされて心が荒んで、もういいっ!石山寺なんか行かないっ!デイユースもドタキャンするっ! …とか言い出して、グレて、石槫 (いしぐれ) トンネルを走って家に帰っちゃったに違いありません。 三重と滋賀の県境、酷道として知られる421号線の石槫峠に新しいトンネルが出来たんですよね。琵琶湖の真ん中辺りに行くのがとっても便利になったんですが、まだ一度も走ったことがないんですよね。ちょうどいい機会かも知れませんか、幸か不幸か今回の僕はグレずに済んでしまって、とまあそんなことで、石山寺です。

 京阪の駅から900mくらいでしょうか?ゆっくり歩いて15分くらいでありました。ちょうど琵琶湖から瀬田川が流れ出す辺りを南下することになるんですが、ちなみにこの瀬田川はですね、流れていく途中で宇治川と名前を変えて、更には淀川になって、大阪湾に注ぐことになります。 琵琶湖に流れ込む河川は腐るほどあるんですが、流れ出す河川はこれ1本らしいですな。 有名な川だけに立派なものですが、レガッタの練習に励む人々の姿が、えがったっす。 この辺り、桜もいっぱい生えている筈なんですが、まったく咲いてなくて、無念。。。 で、そうこうするうちに “東大門” に到着。 で、そこを潜ると、下ぶくれなキャラが出迎えてくれます。 彦根の “ひこにゃん” に対抗して、大津の人が必死で考えたのに、今ひとつ全国的にはメジャーになれない おおつ光ルくん でありますな。 薄っぺらさというか、厚みのなさが半端ではないんですが、でも大丈夫。 ちゃんと分厚いヤツもいましたぜ。 ほら


< 石山寺 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、その先はですね、 “参道” です。 桜らしきものがいっぱい生えていたので、満開になったら綺麗なんでしょうなぁ。ぜんぜん咲いてませんでしたけど。 両側にはちょっとした建物だとか、プチ庭みたいなのだとか、白壁だとか、さりげない水路なんかがあって、なかなかいい感じです。 便所ではない手洗い場の近くには石っぽいエリアもあったりして、こういうところが “石山寺” の名前の由来なんだと思われます。珪灰石 (けいかいせき) という、鉱物・石ヲタなら思わず足取りが軽快になっちゃうような、そういう貴重な石らしいんですが、一般人からすると、硅灰石を見て軽快になってるような変なヤツらは、ちょっと警戒したくなりますよね。 ま、別に害は無さそうなので、そのまま放置しても大丈夫だとは思いますけど。 で、その先、右手のほうに向かって階段を上っていくと “本堂” のほうに行くことが出来るんですが、美味しいものは最後まで取っておくタイプの僕は、あまり美味しそうではない奥地エリアのほうを先に片づけておくことにしました。 こっちのほうは人影もなく、境内にいながらにして、ちょっとした遭難気分が味わえたりもするんですが、本堂を遠望出来るスポットもあったりして、なかなか興味深いものがあります。 硅灰石の岩の塊の上に建てられているので、 “プチ清水の舞台” みたいになっているんですなー。 で、その奥はちょっとした山みたいになっていました。 GPSのログを解析したら、標高差が56mくらいあったんですが、いやあ、まさに 「石と山の寺」 でありますなぁ。

 で、お花のほうはというと、まずは “ユキヤナギ” 。 背後に赤い橋の欄干と黒い擬宝珠があったので、後ボケとして活用してみました。 で、お目当ての桜はというと “光堂” のところに咲いていた彼岸桜が唯一の収穫でありました。 ちなみにこの光堂は無駄に綺麗で新しくて、再建バリバリで有り難みが皆無なんですが、調べてみたら 2008年に東レが建立したものなんだそうです。大津が創業の地だったんですな、東レ。 地元への感謝の意を込めて 2億4千万円も浪費したんだそうで、いやあ、何とも有り難い話でありますなぁ。有り難みが皆無とか言って、申し訳なかったっす。 ま、文化財としての価値が皆無なのは間違いないんですけど。


< 石山寺 (その3) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 後はですね、黄色い水仙が辺り一面に咲き誇りまくっておりました。 ということで、次。 “多宝塔” 。 “本堂” と並ぶ、石山寺の2大国宝のひとつでありますな。 重要文化財も “東大門” や “鐘楼” など、建造物だけで7個くらいあって、うちの近所の “けんぽん寺” とは比べものにならない立派さなんですが、桑名市の指定文化財の、あまりよく知らない人の墓が2つくらいあるだけですからね。 噂によると服部半蔵の墓もあるようですが、何代目かのあまり有名ではない、大したことのない、どうでもいい服部半蔵の墓みたいで、冷遇されている模様なんですが、それはそうと、多宝塔。 こういう形の建造物は初めて見たような気がします。 二階建てなので五重塔や三重塔に比べると、今ひとつ見劣りがしちゃうんですが、1階部分が四角くて、2階は丸く、屋根はどちらも四角形。 そういう形状の建物なんですな。 中でもこの石山寺のは現存する最古の多宝塔なんだそうで、建立されたのは1194年。 いい国作ろう、鎌倉幕府が誕生した直後でありますな。 ちょうど檜皮葺屋根の葺替工事が終わったばかりで、妙に小綺麗になっていたので、そんな年代物だとは思えなかったりするんですが、いやあ、立派です。 で、この辺りはちょっとした山になっているので、端っこのところからは瀬田川の流れを見下ろすことが出来て、眺めもいいです。 で、最後の写真は、んーと… “三十八所権現社本殿” ? もしかしたら違うかも知れませんが、ま、似たようなものかと。 その後、本堂にも行ってみたんですが、中は撮影禁止だったので、成果はありません。

 とまあそんなことで、ざっと回って1時間10分くらい。 思った以上に奥が深くて、なかなか見応えがありました。 で、この後、 三井寺 にも行ってみようかと思ったんですが、デイユースのチェックインが12時からなので、断念しました。 出来るだけ長い時間滞在しないと勿体ないですもんね。 返す返すも余計なモノを頼んじまったと思わずにはいられませんが、とまあそんなこんなで、この続きは こちら

 ということで、今日はチャールス・アーランドです。 本コーナー初登場。 顔を見ただけでコテコテ系であると断言出来るんですが、オルガン弾きだったんですな、この人。 何となくソウル系のテナー吹きだと勝手に思い込んでいたんですが、人間、見た目だけで判断してはいけませんなー。 ま、ソウル・テナーも、コテコテ・オルガンも、人格的には同じくらい下品であるに違いないので、同一視したところでほとんど問題は無かったりするんですけど。 で、今日は 『ブラック・トーク』 というアルバムを取り上げてみたいと思うんですが、これ、ヴァージル・ジョーンズヒューストン・パーソンが入っているんですよね。 ヴァージルはバジルを使った料理が上手そうだし、ヒューストンはゲイラカイトを揚げるのが得意そうだし、いずれも日本では地味にウケがよさそうなんですが、そういった適当な理由は別にしても、トランペットが入っているというのは大きいですな。オルガン、テナー、ギターという組み合わせはどうしてもアーシーになりがちなんですが、そこにブラスが1本加わることにより、泥臭さが幾分か中和されます。 ま、この作品の場合はコンガも入っているので、ヴァージル一人でどこまでやれるのか、ちょっと不安だったりもするんですが、とまあそんなことで、1曲目。 アルバム・タイトル曲の 「ブラック・トーク」 。 アーランドのオリジナルなんですが、名前からして真っ黒な世界が展開されそうですな。 で、始まってみれば案の定、部落のバラックでボラ食う。そんなブラックな世界が展開されているんですが、差別と貧困とサカナ。 いろいろと難しい問題をはらんでいるんですが、曲そのものは能天気なゴスペル調の仕上がりで、個人的にはあまり好きではないタイプだったりします。 オルガン中心のテーマ部に続いて、ヒューストン・パーソンが登場するんですが、 こんな顔のオッサン がやる事なので、出来のほうは押して知るべし。 ジャケ絵では分かりにくいんですが、服装のセンスのなさも半端ではありません。 ここまで典型的にベタな演奏に徹することが出来るのは、ある意味、天恵とも言えるんですが、でもって、続いてはヴァージル君の登場となります。 中和剤としての効果が期待されるんですが、フリーキーなトーンを駆使したプレイは斬新で、なかなかの仲井真知事。そう評価していいのではなかろうかと。 「なかやま」 って、沖縄にしては平凡な名字と思わせておいて、実は 「なかいま」 だというひねりが、なかなかだと思うんですよね。 仲井真という名字だけで、なかい・まこと? …というフルネームだと思わせる戦術だって取れるしぃ。 で、続いてメルヴィン・スパークスのギター・ソロがスパークして、最後はアーランドが満を持して卍固め。見事にフォール勝ちをおさめて、でもって、おしまい。 曲そのものはちょっとアレだったんですが、演奏そのものは意外と言うか何と言うか、よかったっす。

 で、次。 前曲と同じくチャー・アーのオリジナルで、 「ザ・マイティ・バーナー」 。 「ザ・撒いていい?バナナ」 って、そんなもの撒き散らされたら皮で滑って転んで大変なので、やめて欲しいんですが、どうせ蒔くのなら “撒菱 (まきびし) ” とか。 いや、そんなもの撒かれたら余計に迷惑なんですが、“まきびし” という言葉の響きがちょっぴり “マクビティ・ダイジェスティブ・ビスケット” みたいで、個人的には、ちょっと好きっ♪ “ダイジェスティブ” というのも “大絶賛恥部” みたいで、悪くないですよね。 で、音訳ではなくて意訳をすると 「ザ・強力な燃焼装置」 ということになるようですが、ホームセンターとかにもけっこう強力なヤツが売られていますよね。 土方用のトーチランプ とか。バーベキューの時、炭に火を付けるのにも使えて、とっても便利♪ 肉や魚やボラなんかをアルミホイルに包んで、こいつで炙ってホイル焼きを作るというのは止めたほうがいいんですけど。 火力が強すぎて食材が焦げる…とか、そういうレベルではなくて、アルミホイルなり融けます。 トーチは料理人には統治不能な強力な燃焼装置だったりするんですが、で、曲のほうはというと、先程とは打って変わって、モーダルなムードを持った、お洒落なナンバーだったりします。 ボサノバ風のリズムが心地よく、まるでラリー・ヤングのような…と、ここまで書いて、ハッと思い当たることがあって、慌ててCDを止めてディスクを取り出してみたところ、おお、やっぱり。 ラリー・ヤングやんっ! 先週、このコーナーで取り上げた奴がプレーヤーの中に入りっぱなしになっておりました。同じような2管入りのオルガン・ジャズなので、僕、ちっとも気付かなかったぁ。テヘッ♪ アルトのソロをトランペットだと思って聴いていた辺り、僕の耳があまりにも適当であることを露呈しちゃいましたが、ということで、前言撤回!思いっきり撤回!

 改めまして、1曲目、 「ブラック・トーク」 。 オルガンと2管との絡みで演奏されるテーマは、ちょっぴりポップな仕上がりでありまして、分かりやすくって、なかなかいい感じです。 メルビン・スパークスのギターがちょっと弾け過ぎちゃってますが、それもまたご愛敬。 で、ソロ先発はヒューストン・パーソンでありますか。 いかにもこの人らしいソウルフルな吹きっぷりでありまして、いや、さっきのはどうもヒューストンっぽくない感じだったので、おかしいと思っていたんですよね、今になってみれば。 で、続いてヴァージルのソロが登場するんですが、いや、さっきのはぜんぜんトランペットっぽくない音なので、おかしいと思っていたんですよね。 で、その後、ギターのソロがスパークして、最後はアーランドが満を持して卍固め。 ま、だいたい合ってましたな。 言わなければ誰も気付かなかったかも知れませんが、根が正直だと、こういうところで損をしちゃうんですよね。 いずれにしろ、アルバムの冒頭を飾るに相応しいキャッチーな仕上がりで、何よりだと思いますが、で、次。  「ザ・マイティ・バーナー」 。 これはアレです。 モーダルなムードを持った、お洒落なナンバーとかでは全然なくて、アップ・テンポの軽快な仕上がりとなっております。コンガが効果的でありますな。 なるほど、こっちのほうが燃焼装置っぽいですな。 テーマ部はオルガンと2管の掛け合い風。 で、すぐにテナーのソロへとスイッチします。 ソウルフルな、いかにもヒューストンっぽい吹きっぷりで、で、続いてギターが出て来て、その後、ヴァージル・ジョーンズのトランペットが登場します。 スタイルとしてはブルー・ミッチェルを彷彿させるものがあって、個人的に好きなタイプだったりします。 オルガンとの相性もばっちり。 で、最後はアーランドがきっちりと締めて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、悪くはない出来であったと評価していいのではなかろうかと。

 続いてもチャーリーくんのオリジナルで、 「ヒア・カムズ・チャーリー」 。 微妙に 「ザ・サイドワインダー」 っぽい雰囲気を持った曲だったりするんですが、微妙に新主流派っぽい空気もあったりして、作曲家としても悪くない資質の持ち主だったりするようですな、チャーリー。 少なくともアーチャリーよりはぜんぜんマシだと思います。 ただの麻原彰晃の娘ですもんね。 正確なホーリーネームを言えたら相当なオウム通であると評価していいんですが、アジタナーター・ウマーパールヴァティー・アーチャリー正大師って、無理っ!! こういう、覚えてたところで何の得にもならないのは、覚えるだけ時間と労力の無駄というものです。 麻原の娘って弓矢が得意なんだって。 …って、そりゃ、アーチェリーやがな! そんな小ネタ程度に抑えておくのが賢明でありましょう。 で、演奏のほうはというと、テーマに続いて登場するアーランドのソロがなかなかに快調。 で、次に出てくるヒューストンは、なかなかにワイルド。 でもって、続くスパークスのギターは何だかちょっとダサいっすな。何と言うか、カントリーっぽいというか。 いや、アドリブそのものはかなりイケてるので、メルヴィンがんばれ。 そういう思いだと受け止めて頂ければいいんですけど。 で、続くヴァージルのソロが、やっぱりいいっすなぁ。 ここでは青ミッチェルというより、ウディ・ショウを彷彿させる斬新系スタイルで勝負を賭けておりまして、そういうところが 60年代後期モノならでは。 奈良ではそのへんの道を鹿が歩いていたりして、奈良ならでは。 そんな感慨に耽ることが出来たりするんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ソウルとジャズ・ロックの若干のモードとが融合したようなアレなんですが、ま、悪くはなくて、よかった。 そう評価していいと思います。

 ということで、4曲目。  「アクエリアス」 は、コカコーラ…ではなく、ラド、ラグニ、マクダーモット。 そういった人達によって製造された模様です。 作曲者としてそういった人達の名前がクレジットされているんですが、彼らがどういった人達なのかはよく分かりません。 で、もしかしたら 「アクエリアス」 ではなく、 「アクアリウス」 と読むのが正解なのかも知れませんが、どちらが正しいのかはよく分かりません。 世の中にはまだまだ、僕たちの知らないことがたくさんあるんですなー。 ああ、宇宙の神秘。 ちなみにアクエリアス、もしくはアクアリウスというのは 「水瓶座」 の事なんだそうで、新しいことに挑戦を。ただし、思いやりも忘れずに。 それが今日 (4月14日) の運勢なんだそうです。 この原稿がアップされる頃には既に1日以上前になっちゃうので、まったく意味は無いんですけど。 そもそも、新しいことに挑戦するのと思いやりは、まったく別の話なので、 「ただし」 でつなげること自体、正しいとは思えないんですけど。 ちなみに僕はサバ君だけに魚座なんですが、意識しすぎが苦しさの原因? 飾らず本心を出すこと。そんなことが書かれておりました。 最近、何を書いても掲示板とかにまったく何の反応もなくて、毎週、頑張って更新を続けている意義がほとんど感じられなくなってきました。 正直、やってられねーよ! それが飾らない僕の本心だったりするんですが、そんな本音をさらけ出してみたところで物事が好転するとも思えなくて、で、演奏のほうはアレです。 曲そのものはポップな仕上がりなんだけど、アドリブとかはわりと斬新。 そんな感じだったりします。 アイドリス・ムハンマドくんのタイコがちょっぴりエルビンのポリリズムっぽくて、ポリンキーが食べたくなったりするんですが、アーランドのオルガンもちょっぴりラリー・ヤング風。 時おり集団即興演奏っぽいパートが出て来たりするんですが、基本的にはヒュー・パー、チャー・アー、アイ・ムハの順で各自のソロが披露されます。 中ではアーランドが顔に似合わず知的でモーダルなプレイを展開していて、いいっ♪ とっても、いいっ♪ 人は見た目で判断してはいけないと改めて思い知らされましたが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。 パトリック・アップトンとか言う人が書いたらしい 「モア・トゥデイ・ザン・イエスタディ」 。 ヴァージルのミュート・トランペットが印象的なイントロに続いて、寛いだ雰囲気のテーマが演奏され、でもって、アーランドのオルガン・ソロが大々的にフィーチャーされます。 コンガのリズムも心地よく、で、続いて出てくるメル・スパのギターも悪くなく、時おりバックに絡むホーン・アンサンブルもお洒落だし、とまあそんなことで、テーマに戻って、で、今日は以上です。

【総合評価】

 トランペット入りの2管にしたのが功を奏したのか、よくあるソウル系のオルガン・ジャズとは一線を画した仕上がりとなっております。 チャー・アー・オリジナル3曲+その他2曲、どれもなかなかの出来映えで、ヒューストンとヴァージルも頑張ってるし、思ったよりもずっとよくて、個人的には超オススメ♪


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