MOVE YOUR HAND (BLUE NOTE)

LONNIE SMITH (1969/8/9)

MOVE YOUR HAND


【パーソネル】

RUDY JONES (ts) RONNIE CUBER (bs)
LARRY McGEE (g) LONNIE SMITH (org,vo) SYLVESTER GOSHAY (ds)
【収録曲】

(01-02) CHARLIE BROWN / LAYIN' IN THE CUT
(03-05) MOVE YOUR HAND / SUNSHINE SUPERMAN / DANCIN' IN AN EASY GROOVE
【解説】 ( 2012年03月04日更新 / 連載 1,022回 )

 今日 (3月1日) もまた、秘境に行ってきました。 前回、 発電所に到着して、あら竹謹製の 「超高級黒毛和牛弁当」 を美味しく頂いたところで話が終わってしまって、写真のほうも瀧原宮しか紹介出来なかったので、今回はその続きをお届けしたいと思うんですが、とまあそんなことで、これです。


< 宮川第3発電所&大杉谷山荘 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、まずは発電所です。今の時期、福島第1原子力発電所に行ったというのであれば、話題性は抜群なんですが、僕が行ったのは宮川第3発電所。 “フクイチ” でなくて “ミヤサン” では、ミヤリサン程度のインパクトしか無いんですが、甘いので “わかもと” よりも好きなんですけどね、ミヤリサン。 で、ここはアレです。水力発電所です。 というと黒部川第4発電所、通称 “クロヨン” みたいな壮大なヤツを想像するかも知れませんが、ここの場合はケロヨン。 その程度のカワイイ奴だったりします。発電機本体なんか、 (写真・いちばん上) みたいな、マブチモーターに毛が生えたようなレベル。 ま、さすがに毛が生えている分だけマブチくんよりはオトナなんですが、思ったよりも随分とコンパクトで、インパクトがなくて、卵白と関白とを足して2で割ったレベル。これで、いかほどの電気が作れるのか? 電熱器でイカが何匹焼けるのか? …と思ったら、出力は 12,000kW なんだそうで。1kwの電熱器12,000台分。 おお、結構スゲぇ! で、そのパワーを生み出す源はと言うと、 (写真・上から2番目) の鉄管にあります。ここに来る途中にあった、わりと立派な宮川ダムとは別に、この発電所の上流の谷に、わりと河童なダムがあるみたいなんですが、そこで塞き止められた水が導水路を通ってこのパイプの上に導かれ、どどどどーっと、怒濤の勢いで流れ落ちて来て、それで水車を回して何とかしちゃう。そんな仕組みになっているようですが、有効落差は実に477.179m。もうすぐ開業する東京スカイツリーには負けますが、すでに開業している開業医の中村内科には完勝。うちの近所にあるんですが、2階建なので、せいぜい 7.2mくらいの内科ではないかと思うんですが、実はこれ、公営電気事業の一般水力発電所中第1位の高さなんだそうで。 地味そうに見えて、意外とやってくれますなぁ、ミヤサン。地味そうに見えて、やっぱり地味な薬効しかないミヤリサンとは大違いなんですが、とまあそんなことで、発電所での1日目の仕事も無事に終わり、その日の宿泊先に向かうことにしました。

 この日の宿はもともと、吉田クンが自分で泊まる予定で探して押さえておいたのが、メンバーチェンジで僕が一人で泊まることになったんですが、既に何年か前に廃業しているのを、無理を言って泊めてもらうことになった。それ以外のことは何も分かっていなかったりします。場所すらよく把握していなかったんですが、どうやら現場から2キロほど戻ったところにあるらしく、利便性は抜群みたいです。ここを逃すと、現場から40キロほど戻らないと手頃な宿が無いみたいですからね。35キロほど戻ったところに奥伊勢フォレストピアというのがあるんですが、仕事で泊まるには高級すぎる価格設定だし、一人客は泊めてくれないみたいだしぃ。 宮川山荘 、なかなかいい感じなんですけどねぇ。 一方、僕が泊まることになったのは “大杉谷山荘” というところだったんですが、行ってみたら、人が大過ぎだに山荘…ではなくて、いなさ過ぎだにぃ。 一人だけならというので、無理に泊めて貰うことになったと聞いていたので、客が他にいないというのは把握していたんですが、 「こ…ここか?」 と思いながら、入口らしきところから入ってみると、中は真っ暗。呼び鈴らしきものがあったので3回ほど押してみたんですが、反応はまったく無し。仕方がないので奥の方に向かって 「すいませーん。」 と、2回ほど呼び掛けてみたんですが、やはり反応は皆無。吉田クンはずっと、 「本当に泊めてくれるんっすかね?」 と、ずっと心配してくれていたんですが、もしかして嫌な予感が的中しちゃったとか? 電話で聞こうにも携帯は圏外だし、どうすればええねん? もう一度呼び掛けてみて、やっぱり無視されるようであれば、諦めて40キロほど戻らなければならないのかと覚悟を決めたら、ようやく奥のほうからオッサンが出てきてくれて事なきを得たんですが、いやあ、ほっとしました。何だかこう、屋根のあるところに寝かせて頂けるだけでありがたいという心境になりました。 飯も、食わせて貰えるだけで十分です。松阪牛のステーキを出せ! …とか贅沢は言いません。シケた焼き魚とかで十分です。 もしかしたら、そんな気持ちにさせるために、わざと勿体ぶって顔を出すようにしたのかもしれませんが、だとすればなかなかの策士でありますな、このオッサン。もしかしたら趣味で作詩とかをしているのかもしれません。

 で、建物はですね、チョー昭和でした。部屋は3畳一間で、南こうせつが参上しそうな雰囲気。天井からは二股ソケットの裸電球がぶら下がっております。  で、備品はというと、おおっ、布団があるやんっ!石油ストーブもあるやんっ!  それ以外には何もなかったりするんですが、ま、山荘ですからね。こんなもんでしょう。大広間に相部屋で雑魚寝でなく、個室完備な点に感謝しなければならないレベル。 ま、今回、客は僕一人なので、大広間のほうがよかったような気もするんですが、2階に部屋がそこそこの数並んでいて、1階部分が便所、風呂、食堂のパブリックスペースとなっていました。風呂は思ったよりも立派で、ビジネスホテルのユニットバスよりはずっと広い、木で出来た趣のある湯船がひとつ。それはいいんですが、雷にやられて以来、温度調節がうまくいかなくなっちゃったようで、設定温度がころころと変わる仕様になっておりました。最初に見たときは37℃。 風邪ひくちゅうねん! が、ふと気が付くと、いつの間にやら45℃になってたりします。火傷するちゅうねん! でもまあ、平均すると41℃なので、結果オーライでめっちゃ適温だったりするんですけどね。 で、続いては晩飯なんですが、これがなかなかよく練られてました。メインディッシュは、おでんとシケた焼き魚だったんですが、おでんの種の大半が魚肉練り製品であるところが実によく練られていたと思います。おでんの種の中では魚肉練り製品がいちばん好きな僕としては何の不満もないんですが、ただ旅館の夕食のメインが 「おでん」 というのは、どうか? …という気がしないでもありません。 でもまあ、ここは旅館ではなくて、あくまでも山荘ですからね。自衛隊の階級で言うと、3佐とか3尉ではなく、3曹あたりが泊まるのが山荘。 そういうことになっているので、 「おでん」 というのは分相応と言えるかも知れません。更にシケた焼き魚まで付いているんだから、文句を言ったら罰が当たるレベルです。 で、食事中はもっぱら放置してくれた “山のオヤジ” なんですが、おおかた僕が食べ終えた頃にテーブルのところにやってきて、酒を飲みながら魚肉練り製品を突つき始めました。普通の旅館では考えられないんですが、ここはあくまでも山荘ですからね。山の主と客との間で交流を深めるというのが流儀だったりするんでしょう。 正直、僕はそういうのがちょっと苦手だったりするんですが、立場上、30分くらいは付き合わなければならんのでしょうなぁ。。。

 このオヤジはアレです。 これ です。 おお、これこれ! 間違いなくこのオッサンでありました。巽幸則さんっすかぁ。会話の端々に 「タツミ」 という単語が出てきたので、恐らくそれが名字の読み方だと思うんですが、このオッサンはアレです。 キャラで言うと、 「アルプスの少女ハイジ」 に出てくる、おじいさん。 あんな感じです。 昔、山羊を飼ってたとか言ってたし、ちょっぴり変人っぽくて、村の暮らしに溶け込めず、山奥に一人で引き籠もっている。そんな雰囲気が共通しております。 今後、このオッサンのことを “アルムおんじ” に倣って “タツミおんじ” と呼ぼうと思うんですが、でもやっぱり面倒なので、このオッサンのことは “オッサン” と呼ぶことにして。 で、このオッサンはですね、実に色んなことを教えてくれました。 「口笛は何故、遠くまで聞こえるの?」 と、僕が聞いたりしたワケでもないのに、とにかくまあ、よく喋ってくれましたな。 吉田クンから電話が掛かってきて、声を聞いただけで “いい人” だと分かったので、特別に泊めてあげる事にした。 そんな事を言っておりましたが、ここで宿泊代理人の僕がオッサンに嫌われるような事態になると、吉田クンの顔に泥を塗ることになっちゃうので、とにかく機嫌を損ねないように気をつけなければなりません。 オッサンが言うことにはとにかく 「ほぉほぉ。」 と興味を持った振りをして、最後には必ず 「ほぉー。」 と、感心すると。 いや、別に無理をしなくても、このオッサンの話はめっちゃ面白かったんですけどね。 自殺志願者を助けた話だとか、でも結局、最後は北海道の大雪山に行って自殺しちゃったらしい人の話だとか、夢のお告げで 「大杉谷山荘に行け!」 と言われて、ここに来た人の話だとか。 そういう、学研の 『ムー』 っぽい人がたくさん寄ってくるらしいんですよね、ここ。 オッサンが言うには、どうやらここは “日本3大磁場が強いスポット” らしいんですが、後の2つは屋久島と穂高岳の山頂なんだそうで。 初めて来た人が 「風呂場にこんな絵が飾ってありませんかぁ?」 みたいなことを言い出し、で、それがズバリ当たっていたりして、聞いてみたら何でも夢にこの山荘が出てきて、建物の様子とかが事前に見えていたとか何とか。 「得も言われぬ素晴らしい音楽が聞こえてくる。」 などと幻聴を訴える者も一人や二人ではなかったそうで、怖ぇ!何かめっちゃ怖ぇ!! これから部屋に帰って一人で寝なければならんというのに、気色の悪い話はやめてくれぇぇぇぇ!!

 幸い、オッサンの機嫌は概ね良好だったようで、サービスで焼酎を出してくれたりもしました。 一升瓶から自分でコップに注いで、蛇口から出る水で割って飲むんですが、この水というのが “大杉谷の天然水” らしくって、めっちゃウメ〜♪ で、オッサンが 「アテがいるな。」 と言いながら厨房のほうに歩いて行ったので、何を出してくれるのかとワクワクしていたら、またしても魚肉練り製品のおでんだったんですが、ま、おかげで無駄に腹は膨れましたけどね。 で、めっちゃ部屋に帰りづらい雰囲気が漂う中、結局のところ、3時間くらいオッサンの話に付き合わされたんですが、10時前になってようやく無罪放免。 それも、オッサンが話し飽きたとかでなく、こっちからちょっと強引に切り上げさせて頂いたんですが、自分の部屋にですね、「10時まで食堂を開放します。それ以降は明日の登山に備えて、お静かにお過ごし下さい。」 といった旨の貼り紙があったんですよね。 自分でそういうルールを決めた以上、守って貰わなければなりません。とまあそんなことで、おやすみ〜。 で、部屋はですね、寒かったっす。 石油ストーブはあるんですが、そんなの付けっぱなしにして寝たら、酸欠になるか火事になるかのどちらかになるに違いなく、かつて自殺志願者がこの場で果たせなかった野望を僕が受け継ぐ羽目になっちゃいます。 仕方が無いので服をたくさん着込んで、布団も2枚かぶって、何とか寒さを凌いだんですが、正直、あまり快適な環境ではありませんでしたなぁ。 ま、夜中にどこからか音楽が聞こえてくるようなこともなかったし、ラップ音もしなかったり、金縛りにも遭わなかったし、亀甲縛りにされることもなかったし、オッサンが夜中に山姥に変身することもなかったり、何とか無事に朝を迎えることが出来て、何よりでありました。

 とまあそんなことで、 “秘境ツアー (前半の部)” は、おしまい。 帰りがけに滝やら橋やらダムやらの写真を撮ったんですが、今日の後半は書くことがあまり無いであろうことが今の時点から明白だったりするので、そっちに回すことにして。 で、 “秘境ツアー (後半の部)” は3月1日から1泊2日の日程で行われることになっているんですが、問題は宿泊場所であります。 吉田クンが言うには、山荘にまた泊めて貰えるかどうかは不明。 どうやらオッサンの都合と機嫌次第ということらしいんですが、最初に泊まった時に確認して欲しい。そういうことでありました。 めっちゃ神経を遣う山道を往復2時間掛けて大台の町から通うのがいいのか、オッサンの話しに3時間付き合うほうがまだマシなのか。 正直、どっちも嫌で、どっちも選びたくない “究極の選択” なんですが、いや、別にオッサンが嫌だったというワケではないんですけどね。 が、さすがのオッサンも前回で持ちネタを出し尽くしちゃったと思うので、今度は話題に困ると思うんですよね。 2人きりの山荘で沈黙の2時間は、さすがにちょっと空気が重いと思います。 で、3月1日の予定を聞いてみたら、幸か不幸か 「予定が入ってるから無理やな。」 との返答でありました。 となれば、覚悟を決めて片道1時間のドライブを敢行するしかありません。 とまあそんなことで、今日 (3月1日) もまた、秘境に行ってきました。 …という、この冒頭の部分はですね、 大黒屋 というところで書きました。 一緒に仕事をしているエンジン屋さんの御一行は前回も今回もここに泊まっているみたいだし、タツミおんじもお薦めしてくれたしぃ。 で、行ってみたら、めっちゃよかったです。 ま、一般的な職人宿のレベルとしては、中の上? …といったところなんでしょうが、僕の場合、前に泊まったところがアレでしたからね。 建物は新しくて部屋は小綺麗だし、ちゃんとエアコンも付いてるし、風呂は普通の民家にあるようなタイプの奴なので、大きさ的には山荘以下だったんですが、給湯温度は安定しているしー。 で、ここは食堂も兼業しているので、料理がよかったっすな。宿泊者も食堂のほうに行って食べるんですが、店内にはジャズが流れていて、大台町にあるとは思えないお洒落な雰囲気が漂っておりました。 夕食のおかずはイカリングフライ、すき焼き風の煮物、かますの焼いたの、マカロニサラダと、職人宿としては十分なレベル。 ま、さすがに焼酎の水割りは別料金だったんですが、飯を食ったらすぐ、何の気兼ねもなく自分の部屋に戻ることが出来るというのが、何だかとっても新鮮でありました。 いやあ、やっぱり落ち着きますなぁ、普通の旅館は。

 とまあ、そんなことでおしまい。 …と、すぐに書くことがなくなってしまうので、ネタ的にはちょっとアレだったんですが、ではここで一息入れるとして。

 ということで、今日はロニー・スミスです。 ターバンを巻いたオッサンですな。 もっとも、ブルーノート時代はまだインド人かぶれしてなくて、普通に帽子をかぶってオルガンを弾いてたみたいですが、この 『ムーブ・ユア・ハンド』 というアルバムのジャケットはウエスタン風だったりしますよね。 今回、先行してジャケ絵を描いたところ、失敗に終わってしまったんですが、この大きさの顔を似せて書くのは至難の業だったりするので、僕のせいではありません。 無論、反省もしません。 ま、次回はもっと顔のデカい奴を選ぼうという前向きな姿勢はあるので、ぜんぜん問題無いんですが、で、これ、ライブ盤だったりするんですな。 “クラブ・ハーレム” という、楽しそうなところで行われたライブの様子が収録されているんですが、オルガン、ギター、ドラムスのトリオにバリトン、テナー、2本のサックスが加わるという、なかなかヘビーそうな編成。 いかにも蛇がいそうな藪と同じく、ちょっと嫌な予感がするんですが、サイドマンがすべからく、個人的にはまったく馴染みのない名前ばかりだったりするしぃ。 ま、何はともあれ、1曲目から聴いてみたいと思うんですが、まずは 「チャーリー・ブラウン」 でありますか。 どこかで聞いたことがある名前ですな。 確か、スヌーピーの主人公がそんな名前でしたよね? スヌーピーの主人公って、スヌーピーなんとちゃうの? …と思ったら、正式には 『ピーナッツ』 というタイトルで、チャー・ブラが主人公だったりするんですよね。 で、この曲があの漫画と何か関係があるのかどうかはよく分からんのですが、オルガンとギターとサックスの絡みで演奏されるテーマは、なかなかブラック・ファンクな仕上がり。 バックのリズムはスカスカなスカ風。 なんか、そんな名前の音楽ジャンルがありましたよね、スカ。 ここでのソレがスカなのかどうかはよく分かりませんが、どちらかというとブーガルーっすかね? で、ソロ先発はロニー・スミスっす。 意外と言うか、わりと落ち着いた風情だったりするんですが、時折ストップ・タイムを交えたりして、少しずつ場の空気を盛り上げていって、で、続いてラリー・マギーのギターが登場します。 マギー司郎、マギー審司、マギーブイヨンの “世界3大マギー” に比べると、知名度の点では大きく劣るんですが、もしかしたらギターの腕前では勝ってるかも? そう思わせるだけの、なかなかいい感じのプレイを展開してくれております。 手品師だったり、うまみとコクの “洋風だし” だったりして、楽器はあまり得意では無さそうですからね、3大マギー。 で、続いてロニー・キューバーという人のバリトン・サックスが登場するんですが、いや、悪くないですな、こりゃ。 ワイルドで、いいっす。 で、その後、ルディ・ジョーンズという人のテナーも登場してるっぽいです。 いや、音が図太いのでバリトンとあまり区別が付かなかったりして、今ひとつ自信が持てないんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 観客の拍手は今ひとつ地味な感じだったりするんですが、出来としては悪くなかったと思います。

 で、続いてはロニー・スミスのオリジナルで、 「ライイング・イン・ザ・カット」 。 テーマ部は “オルガンの呼び掛けに2本のサックスが応答する部” と、 “ドラムスが入ってみんなで合奏する部” とが交互に登場するような形なんですが、前曲に引き続き、いい感じにグルーブで、悪くないと思います。 で、ソロ先発はテナーっすかね? 普通にいい感じで何よりだと思うんですが、で、途中からバリトンの人に入れ替わったっぽい感じがしたりします。 こちらの出来も悪くなくて何よりだと思うんですが、で、その後、ギターの人が登場したりします。 何とかマギーっすよね? この人だけ、何とか下の名前を覚えることが出来たんですが、ここではちょっと微妙な感じのソロを披露してくれたりしております。 微妙というのは悪い意味ではなく、グラント・グリーンとパット・マルティーノを足して2で割って、グラット・グリティーノっぽくなったというか、パッント・マルテーンっぽい雰囲気というか、とにかくそういう感じだったりするんですが、微妙に言いにくいので、やめて欲しいんですけどね、パッントのほうは。 普通にパンツ・マルミエールとかでいいと思うんですが、で、その後、ロニー・スミスのオルガンが登場したりします。 ジミー・スミスほどでは無いんですが、この人も名前が単純明快ですよね。 アメリカに500万人くらい同姓同名がいそうな感じ。 実際、ロニー・リストン・スミスという名前のキーボード奏者がいあたりして紛らわしいし、それが嫌で、こっちのスミスくんは後年になってドクター・ロニー・スミスを自称するようになったりするんですが、 Wikipedia の曖昧さ回避のためのページにはリストンとドクター以外に、野球、ボクサー、政治家と、計5名のロニー・スミスが並んでいたりします。 とまあそれはそうと、で、演奏のほうはというと、これがまた、意外と落ち着いた風情だったりして、微妙に知性も感じられたりして、オルガン=下品でアホ。 そんな先入観を覆してくれるような気がしないでもありません。 とまあそんなことで、テーマに戻っておしまい。 ということで、後半の前半が終了したので、気分を変えて秘境の写真でも紹介しておきましょう。


< 宮川ダム周辺 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ま、基本、どれも大した出来ではないんですが、まずは “六十尋滝” 。 発電所付近随一の観光スポットとして、めっちゃ期待していたんですが、場所的には大杉谷山荘の手前、1キロくらいの地点。 宮川ダムのほうから来ると、新大杉谷を渡ってしばらく、対向車が来たら詰んじゃうようなクソ狭い路を走らなければならなくて、酷道フェチ以外にはちょっと気が重いんですが、車道から滝までは徒歩1〜2分でたどり着けるので、その意味ではお手軽。 生で見ると、なかなかいい感じだったりするんですが、この写真だと、ちょっとショボいっすなぁ。 雨の少ない時期で水量が少ないのかも知れませんが、よく分かりません。 見えているより、もっと上のほうまで滝が続いているような気配があるんですが、見えてないので、よく分かりません。 一尋=五尺≒1.5mらしく、落差六十尋≒90mというのが名前の由来だそうですが、実際は見えていない奥の部分も含めて、半分の45m程度らしいっす。 サバの読み過ぎっすなぁ。 で、後は橋関連が2枚、ダム関連が2枚。 結構な山奥の割に、景色としては、うーん、まあまあ? ダムの堰堤から見たダム湖の写真は3月1日の朝に撮ったヤツが雲海に包まれているっぽくて、なかなか幻想的で、よさ気だったんですけどね。 仕事用のコンデジで撮ったんですが、次の日に現場にやって来た大成さんが、この場でパソコンにデータを取り込むから、SDカードをよこせ! …と。 景色の写真が混ざっていたりすると、 「何でこんなん撮ったん?」 とか言われそうで面倒なので、泣く泣く消去しちゃいました。 無念の極みでありますが、でも、デジカメの液晶では綺麗に見えていただけで、パソコンに取り込んで拡大すると、ぜんぜん大したことがなかったりするんですよねー。 だから、ぜんぜん悔しくなんかありません。腹いせに、仕事で撮った写真も消したろか!? …と思ったりもしたんですが、すんでのところで思いとどまりました。 そんな事をしても、後から困るのは自分ですからねー。


 とまあそんなことで、後半です。 アルバム・タイトル曲の 「ムーブ・ユア・ハンド」 。 ロニー・スミスのオリジナルなんですが、作者自らがボーカルを披露してくれるという、そういうナンバーだったりします。 顔に似合わず、妙に甲高い声だったりするので笑えるんですが、歌っている本人は恐らく真剣なので、笑ってはいけません。 客席からも笑い声は聞こえてこなくて、いやあ、なかなか大人でありますなぁ、クラブ・ハーレムの人達は。 周期にギャルを多数侍らせて、それどころじゃないのかも知れませんけど。 で、これ、スミスの声質を除けば、普通にカッコいい感じの仕上がりでありまして、参加者各位のソロの出来も、概ね良好。 ということで、テーマに戻って、おしまい。 で、次です。  「サンシャイン・スーパーマン」 。 「日光の超人」 っすかぁ。 ということは、月光仮面みたいなヤツっすかね? 何だか、微妙に間違っているような気もするんですが、2人とのサックス奏者のハモり具合が、ジョージ・ブレイスの “お一人様2本まで@同時吹きプレイ” を彷彿させる、そんな仕上がり具合だったりします。 ベタ過ぎて、個人的にはあまり好きではないタイプだったりするんですが、ソロの出来そのものは特に問題なかったりするので、最初と最後だけ我慢すれば、ま、何とかなるのではなかろうかと。 ということで、ラストです。  「ダンシン・イン・アン・イージー・グルーヴ」 はスミスのオリジナル。 これはアレです。 CDオマケ曲なので、真面目に解説する義務は僕にはまったくなかったりするんですが、ま、真面目に解説する義務のある4曲目までも、たいがい適当だったんですけどね。 で、これはアレです。名前の通り、イージーなグルーヴが感じられる仕上がりとなっておりまして、個人的にはさっきの月光仮面よりも、こっちのほうが、イイっ♪ そんな気がします。少なくとも、イイダコよりは、いいです。中途半端な大きさ (小ささ?) で、アタマから足の先まで全身を食うタイプの生き物って、ちょっと苦手なんですよね。ホタルイカとか、沢ガニとか。 ま、無駄に大きいタカアシガニとかも、そんなに食いたいとは思わなかったりするんですけど。 で、演奏のほうはというと、ゆったりしたテンポが何ともグルーヴィだったりするんですが、全体としてはやや冗長な感が無きにしもあらず、場長としてアルバムへの収録から外すという判断をしたのは、ま、妥当だったのではなかろうかと。 とまあそんなこんなで、おしまい。

【総合評価】

 ライブだけに、何となく勢いだけで押し切られた感じがするんですが、出来としては、んー、まあまあ? バリトン&テナーの2サックスはなかなか強力だし、ギターのマギーくんも頑張っているんですが、なんというか、まあまあ。 決して悪くはないと思うんですが、まあまあ。 でもまあ、まあまあなら、いっかぁ。 そんな気がしないでもない、そんな1枚なのでありました。


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