WEST COAST VIBES (UNITID ARTISTS)

ROY AYERS (1963/6/14,18)

WEST COAST VIBES


【パーソネル】

ROY AYERS (vib) JACK WILSON (p) CURTIS AMY (ss,ts) <#1,3,6,8>
BILL PLUMMER (b) <#1,3,6,8,9> TONY BAZLEY (ds) <#1,3,6,8,9>
VICTOR GASKIN (b) <#2,4,5,7,10> KENNY DENNIS (ds) <#2,4,5,7,10>
【収録曲】

(01-03) SOUND AND SENSE / DAYS OF WINE AND ROSES / REGGIE OF CHESTER
(04-05) IT COULD HAPPEN TO YOU / DONNA LEE
(06-08) RICARDO'S DILEMMA / ROMEO / OUT OF SIGHT (09-10) YOUNG AND FOOLISH / WELL YOU NEEDN'T

【解説】 ( 2011年09月25日更新 / 連載 999回 )

 伊豆に行こうと思っております。 いづのことなのかというと、10月の 「体育の日」 絡みの3連休なんですが、 「 “jazz giant” 連載1000回達成 (予定) 記念・横浜オフ」 と絡めて、どこかで観光もしちゃおうという、そういう魂胆でありますな。 ちょうど “横濱ジャズプロムナード” と重なるので、オフ会の開催地も横浜ということにしたんですが、となると、観光のほうも横浜近郊にしておくのがベターな選択ということになりますか。 となると、鳴門の渦潮は駄目ですなー。 桑名からだと横浜とはまったく反対の方向になっちゃいますからね。 それに鳴門には今年の5月に行ったばかりなので、渦潮と言われても、そんなに気持ちがウズウズしないのも事実です。太秦 (うずまさ) の映画村のほうがまだ、ウズウズしてムラムラしちゃうくらい。 ま、太秦の映画村も昔ほどの栄華はないので、ウズラの卵とラムちゃん ( by 「うる星やつら」 ) ほどにはウズウズ、ムラムラしなかったりもするんですが、とまあそんなことで、横浜近郊。 近郊というと真っ先に錦江湾が思い浮かぶんですが、あれは横浜ではなくて鹿児島だし、じゃ、横浜近郊の横浜銀行にでも行ってみようかと思ったりもしたんですが、よく考えたら銀行なんて観光で行くところではないしー。 俳句を嗜む人であれば横浜近郊で吟行という手もあるんでしょうが、生憎と僕にそんな高尚な趣味はありません。 「高尚って 高橋尚子の 省略形?」 そんな駄句を詠むのに、いちいち横浜近郊をうろつく必要はないし、いっそのこと、横浜の近郊で淫行に励むとか? ウズウズ、ムラムラという点で、それに勝るものは土井勝くらいしかなかったりするんですが、ただ、淫行防止条例で捕まってオフ会に出席出来なくなったりすると他の出席者に迷惑をかけちゃうし、ま、今のところ参加希望者は皆無なので、別にいいんですけどー。

 淫行はやめて、インコにする。 そういう手もありますな。 いや、むしろそうするべきかも知れません。 ニコニコ健全サイトである 『塩サバ通信』 で、淫行ネタは御法度ですからね。 ハットリ君 (←忍者) に、 「御法度でござる。ニンニン。」 と、叱られてしまいます。 忍者なんて、影でこそこそ何をやってるんだか分かったものではないんですが、表向きは健全なキャラですからね、ハットリ君。 で、一方、インコというのはとっても綺麗な鳥なので、写真を撮って曝しておけば1回分…は無理だとしても、1/4回分くらいの原稿は賄えるに違いありません。 残りは適当に元寇の話でも書いておけば、併せて1回分の原稿にならないとも限らないので、ここはひとつ “インコ案” を採用してみようではありませんかー。 問題は、どこに行けばインコが見れるかということなんですが、 調べてみたらどうやら 伊豆アニマルキングダム というところに行けば大丈夫みたいです。 伊豆にそんな動物の王様ダムなんて、あったっけ? …と思ったら、昔からあった “伊豆バイオパーク” がリニューアル・オープンした模様です。 いいですよね、リニューアル。 少なくとも離乳食よりはオトナ向けだと思うんですが、とりあえずホワイトタイガーなんかがいるようです。 これがもしブラックタイガーだったりすると、どんな立派でカッコいい “黒い虎” なのかと思ったら、エビかいっ! …ということになって、盛り上がらないこと必至なんですが、ホワイトのほうは大丈夫。 ちゃんとした立派な “白い虎” であるようです。 白虎隊フェチの人も大満足♪ あとこれで河童とかがいればもっと立派なんですが、残念ながらそこまでは仕入れてないようで、でもまあ、とりあえず鳥もいるみたいなので、鳥に会えずに残念。 そういうことは無さそうです。 で、どんな鳥がいるのかというと、インコ。 どういうインコなのかというと、メスのルリコンゴウインコ。 名前は空 (そら) たん。 オスのヤギのヨシオ君、フルネームは八木よしお君の背中に乗って仲良くお散歩しているんだそうで。 詳しくは 「空 ヨシオ」 でググれば関連ネタが出てくるので各自で確認して貰うとして、ま、 「空出張ヨシオ 〜 ちょっとボインな吉田栄作」 とか、関係ないのも出てきちゃうんですけど。 レオパルスヨシオの周辺の空室情報もラクラク検索!…とか。

 とまあそんなことで、伊豆。 いずこに行けばインコに会えるのかと思ったら、伊豆であることが判明したんですが、いいですよね、伊豆。 場所的にも桑名と横浜の間なので、オフ会前後の立ち寄りスポットとしては最適なのではなかろうかと。初日に伊豆に寄って、夕方に横浜に移動するか、あるいは次の日に伊豆に寄ってから桑名に帰るか、どちらのパターンでも何とかなりそうです。 で、いろいろと調べているうちに、伊豆の色んなところに行きたくなってきました。 で、インコとかは別にどうでもよくなってきました。 いや、面白そうなところだと思うんですけどね、東伊豆のアニキン。 熱川のバナナワニ園にも、土井勝にも勝るとも劣らない充実感が味わえるに違いありませんが、ただ、一人で行くにはちょっとどうか?…という気がしてなりません。 男の一人旅だと周囲から浮くのは必至。 一碧湖で一人でアヒルボートに乗るのと同じくらい浮いちゃうような気がします。 ま、一碧湖で一人でアヒルボートに乗って沈んじゃったら、それはそれで大変なんですが、東伊豆の観光スポットって、基本的にファミリー向け、もしくはペヤング向けのところばかりだったりしますよね。 今まで南伊豆や西伊豆のほうには一度も行ったことがないので、出来ればそっちのほうに足を延ばしてみたいところなんですが、となると、1日だけでは時間的にかなりのムリゲーになっちゃいます。 土日とも伊豆観光に当てるにヤブサカではないんですが、ただ、オフ会に備えて横浜に宿をとっちゃったんですよねー。 ま、今のところオフ会の参加希望者は皆無なので、別にどうだっていいんですが、こうなったらもう、横浜の宿はキャンセルして、伊豆に泊まってやるぅ! ただ、万が一に備えて、日曜日は横浜からの夜行バスに乗って帰ることにしたので、オフ会の開催も不可能ではないんですが、あ、ごんあじさんも無理っすかぁ。 かれい技師も諸般の事情があるみたいだし、ショパン猪狩は東京コミックショウが忙しいみたいだし、山本は譲二だし、みんな諸般の事情や、ショパンの譲二があったりするんでしょうなぁ。。。

 で、桑名から西伊豆方面に行くのに、とっても便利な乗り物があることが判明しました。 駿河湾フェリー。 高速フェリーで駿河湾を横断、清水港〜土肥港までわずか65分。船上からは雄大な富士山を海岸線から頂上まで一望。豪華な船内でくつろぎの駿河湾クルージングをお楽しみ下さい♪ おお、いいぢゃん♪ しかも 伊豆ドリームパス なんてのがあるんですな。 西伊豆から南下して下田に抜けて、伊豆急で伊東まで北上して、そこからJRで横浜に行こうと企んでいた僕にとって、 “黄金路” はまさに黄金コース。 これでもう行程は決まったようなものなんですが、何でもいいけど土肥って、 「どひ」 じゃなくて 「とい」 って読むんですなー。 「どひ」 だとド田舎で、肥溜め臭が漂いまくっている雰囲気なんですが、 「とい」 なら大丈夫。 土井勝に勝るとも劣らないお洒落なムードが感じられますよね。 町中にトイプードルがいっぱいいそうな感じもします。 で、西伊豆には難読地名が多いですなー。 三津は 「みつ」 じゃなくて 「みと」 。 戸田は 「とだ」 じゃなくて 「へた」 。  大瀬崎は 「おおせざき」 じゃなくて 「おせざき」 。 この辺りに住んでいた先祖の人達は、微妙なところでひねくれた性格の持ち主ばかりだった模様です。 ずっと南のほうに下ると妻良 (めら) という地名がありますが、あまりにも良い妻なので、メラメラと燃えちゃったんですかね? こちらのほうは素直な性格の先祖だったようですが、ただ、 「メラメラ」 というのはどちらかというと、闘志を燃やす時の燃え方であるような気がします。 奥さんにコーフンするほうは 「村々」 のほうが適切な気もするんですが、で、土肥と言えば 土肥金山恋人岬 が2大観光スポット。 金山のほうにはこんな 覗きスポット もあるようで、それなりにムラムラ出来そうな気はするんですが、一人で砂金採り体験とか、空しいに違いないので、今回はパス。 で、恋人岬のほうは問題外。 景色はめっちゃよさそうなので、こんなこっ恥ずかしい名前でなければ行ってみたいところなんですが、とりあえず僕は嫌です。 もうちょっと南下したところで、JERO の 『海雪』 を熱唱。 そういうプランにしたいと思います。 あなたを追って黄金崎〜、悲しみの日本海♪ …って、いや、 黄金崎 は、ぜんぜん日本海ではないんですけど。

 で、あとはえーと、更に南下して堂ヶ島でありますか。 三四郎島 のトンボロ現象とか、なかなか興味深いものがあるんですが、ただこれは鳴門の渦潮と同様、潮位に左右されるので、いつ行っても見られるというワケではないんですな。 【ご注意】10月から2月の日中は、瀬が現れるほどに潮は引きませんので、渡ることはできません。…とのことで、僕が行く頃には、残念ながらトンボらず。ああん。。。 仕方が無いのでとりあえず らんの里堂ヶ島 でも覗いてみようかと。 洋ランの類って何だかケバいギャルみたいで、あまりタイプではなかったりするんですが、 “ラブコールブリッジ” などという恥ずかしい名前の吊り橋もあったりするみたいで、散策するには悪くなさそうです。 で、後は 加山雄三ミュージアム っすかぁ。 ソソられなさの度合いでは土肥金山に匹敵するものがありますが、特産品等を販売する伊豆最大級のショッピングモールは入場無料みたいなので、ま、それくらいは覗いて見てもいいかな?…と。 で、お泊りはですね、さらに南下した松崎というところに確保することにしました。 本当は堂ヶ島あたりで泊まりたかったんですが、3連休だからなのか、お一人様を受け入れてくれる適当なところが無かったんすよね。 仕方が無いので まつざき海浜荘 というところにしました。 本わさびで味わう活造り&焼き伊勢海老(半身)プラン、 広縁付和室6畳 (トイレ洗面付) で、10,500円。 お値段の割りに料理は豪華そうですなー。 フェリーに乗ってお昼前に土肥港に上陸。 黄金崎、堂ヶ島と観光して、海岸沿いを30分ほど歩いて南下しながら、夕日の撮影に励む。 で、日没を見届けてから海浜荘にチェックイン。 活造り&焼き伊勢海老(半身)を堪能して、松崎で松崎しげるの 「愛のメモリー」 を熱唱。うーん、いいかも知れないですなぁ。

 と思っていたんですが、3日ほど前になって、気が変わりました。 ま、いつものことなんですが、松崎の海浜荘がちょっと、うーん…。 部屋から海が見えなさそう。泉質は良さそうなんだけど、風呂が狭くて今ひとつっぽい。 で、魚介類の類があまり好きではない僕としては、焼き伊勢海老(半身)に、そんなにソソられるものを感じない。サザエの壷焼きとかを出されても、迷惑。 で、松崎しげるの 「愛のメモリー」 を原曲キー(+5) で歌うのは正直、無理ゲー。 そんなところが、ちょっと躊躇っちゅねー。 by 具志堅用高な要因なんですが、それに松崎に泊まると、次の日は “なまこ壁” の町並み、由緒ある寺社などを散策。 その後、下田に移動してペリーロードあたりを散策。 それくらいで終わってしまって、何だかちょっと物足りないような気が。 前日のうちに下田に移動しておいたほうがいいっすかねー? そんな誘惑に駆られて、海浜荘をキャンセル。 で、 下田プリンスホテル に変更しちゃいましたー。 半ば自棄気味にオーシャンビュー・和洋室【35.6平米】、夕食は金目鯛しゃぶしゃぶ付き!海の味覚堪能プランっ! 魚介類の類があまり好きではない僕なんですが、金目鯛もしゃぶしゃぶにしちゃえば、けっこうイケそうな気がします。 ただ問題は、下田駅前から下田プリンスホテル前までのバスが “伊豆ドリームパス” のフリー乗車区間から外れちゃうことなんですが、じゃ、いいっ! フリー乗車は諦めて、フリチンで乗車するっ! ま、それだと乗車拒否される可能性が極めて高いんですが、で、色々と見当した結果、“黄金路” はヤメにして、 南伊豆フリーパス のほうを利用することにしようかと。 堂ヶ島から下しか使えないのがネックなんですが、黄金崎は諦めて、土肥港から堂ヶ島に移動。 フリーパスを買って松崎に移動して、なまこ壁の町並みを堪能。 堂ヶ島に戻って、洋ランと加山雄三を堪能。 海岸沿いを30分ほど歩いて南下しながら夕日の撮影に励んで、日没を見届けて、バスで下田プリンスまで移動。 僕の緻密な行程管理によれば 19時02分にはホテル前のバス亭に到着出来そうなので、ま、何とかなるのではなかろうかと。 で、金目鯛のしゃぶしゃぶなどを堪能して、下田プリンスで、プリンセスプリンセスを熱唱。うーん、完璧かも? で、翌日はオーシャンビューなホテルの部屋から日の出を鑑賞して、で、南伊豆フリーパスを活用して 石廊崎 というところに行って、JERO の 『海雪』 を熱唱。 あなたを追って石廊崎〜、悲しみの…、えーと、ここは駿河湾? もしくは相模灘? で、その近くにある あいあい岬 というところも眺めがよさそうなので、是非とも行ってみたいところですな。 で、愛の歌を熱唱したいです。 アイアイ (アイアイ) アイアイ (アイアイ) お猿さんだよ〜♪ あいあい方面はバスの便数が極端に少ないんですが、下田駅前 → 愛逢岬 → 石廊崎灯台前 → (石廊崎散策) → 石廊崎港口というコースで回れば、うまくいけば何とかなる筈です。 で、その後、 弓ヶ浜 に寄って、 タライ岬 というところまで足を伸ばしてみようかと。 あなたを追ってタライ岬〜、悲しみのダライ・ラマ♪ …って、意味わからんっ!

 とまあそんなことで、再来週が楽しみっす♪

 ということで今日はロイ・エアーズなんですが、今回の前半部も無駄に長かったですな。 今から思えば淫行とインコのくだりは無くてもよかったような気がするんですが、で、後半はさらっと片付けておきましょう。  『ウエスト・コースト・ヴァイブス』 。 ロイ・エアーズというと、クラブ系のジャズで人気を博したヤングな若者向けのミュージシャン。 そんな印象が強かったりするんですが、本作は23歳の時に吹き込まれた初リーダー作なんだそうで。 ジャケットのロイくん、初々しいっすなー。 2つのセッションが収録されていて、サイドマンはどちらも押しなべて地味なんですが、双方でジャック・ウィルソンがピアノを弾いているというのが注目点であるかも知れません。 とまあそんなことで、1曲目です。 ロイくんのオリジナル、 「サウンド・アンド・センス」 。 2つあるセッションのうち、録音が4日ほど早いほうなんですが、ということは真の初リーダー物ということになりますな。 いきなり自作曲で、しかも 「音と感覚」 。 なかなかセンスのいい新人が登場したものであるな。 信心深い人なら、きっとそう思うに違いありませんが、で、この早いほうのセッションにはサックス吹きのカーティス・アミーという人が参加しておりますな。 ほら、あなたの後にいる もうあなたを狙っている もし私が口笛吹いたら カーティス・アミー♪ ピンクレディの 「カメレオン・アーミー」 の節で歌うには、ちょっと無理がありましたな。 というか、僕はこの歌が歌えなかったりするんですが、で、曲のほうはアレです。 あまり 「音と感覚」 っぽくない、おとと (←お魚の幼児語) っぽい感じのハードバップ・チューンだったりします。 テナーとヴァイブのユニゾンによるテーマに続いて、ロイ・エアーズのソロになるんですが、スタイル的には極めてオーソドックス。 奇をてらわず、素直にスイングしている姿勢に好感が持てます。 ソロ2番手のカーティス・アミーのテナー・プレイからは網焼きっぽいワイルドさが感じられ、続くジャック・ウィルソンのピアノ・ソロはチャック・ウィルソンっぽい雰囲気の 「世界まるごとHOWマッチ」 。 で、以下、ビル・プラマーの骨太なベース・ソロがフィーチャーされて、ヴァイブとテナーの4バースで適度に盛り上がって、でもって、テーマにもどって、おしまい。 アルバムの出だしとしては、まずまず快調だったと評価していいのではないかと思われます。

 続いては遅いほうのセッションで、 「デイズ・オブ・ワイン・アンド・ローゼズ」 。 原題のほうは “デイズ” と “ローゼズ” とで韻を踏んでいて、なかなかオシャレだったりするんですが、邦題のほうは 「酒とバラの日々」 となって、一気に酒池肉林なムード。 酒鬼薔薇聖斗にも似ているし、もうちょっと何とかならなかったんすかね? …と、いつも思ってしまうんですが、ま、曲そのものは普通にお洒落だったりするんですけど。 演奏のほうはサックス抜きのカルテット物でありまして、なかなか小粋な仕上がり具合。 ちょっぴりボサノヴァも入ってたりして、で、ソロ・パートはエアーズ、ウィルソン、共に好調です。 で、次。  「レジー・オブ・チェスター」 。 ベニー・ゴルソンのオリジナルなんだそうですが、微妙にゴスペルっぽい雰囲気もある、ソウルなナンバーだったりします。 テナーとヴァイブのユニゾンでテーマが演奏された後、ジャック・ウィルソンのソロになるんですが、コール&レスポンスな展開がとってもファンキー。 ウィルソンのピアノそのものはまったくアーシーで無かったりするですが、その対比がとっても堆肥っぽくて、思わず退避したくなります。 …といった事はまったく無くて、思わず演奏に引き込まれてしまいます。 以下、アミー、エアーズと続くソロは短いながらもそれなりに長良川で、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 カルテットによる 「イット・クッド・ハップン・トゥ・ユー」 。 伊藤クンと発奮とよ。 日本語にすると微妙に博多弁っぽかったりするんですが、この曲をミディアム・ファストでラテンっぽく料理するって、なかなかのアイデアでありますな。 で、参加者各位のソロも極めて良好です。 ということで、次。  「ドナ・リー」 。 パー・カーのナンバーです。 …って、その “・” は不要な気がするんですが、この曲をテナーとヴァイブのユニゾンで演奏するって、なかなかのアイデアでありますな。けっこう斬新な響きだったりします。 こんな響き、大木こだま・ひびきクラスの長老でないとなかなか出せなかったりするんですが、それをさらっとやってのけるとは、並の新人ではありませんな。 波平クラスの新人であると言ってよさそうなんですが、とまあそんなことで、テーマに続いてエアーズ → ウィルソンの順で、ジュン。 って潤ってきちゃうソロが披露されて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、6曲目。  「リカーズ・ジレンマ」 はロイくんのオリジナル。 リカーのジレンマって。どんなんなんですかね?  「リカーズ・メンマ」 だったら、リカちゃんのシナチクなんだろうなと何となく想像が付くんですが、ジレンマは難しいですなぁ。 百戦錬磨のツワモノでないと、なかなか解決には至らないんですが、曲そのものはリカちゃんな雰囲気があったりして、なかなかの出来映えだったりします。アミーくん入りのセッションなんですが、テナーではなく、ソプラノサックスを吹いているところが何とも言えずに都会的。 無論、ソロもしっかりフィーチャーされているんですが、モーダルな吹きっぷりで健闘の度合いが著しいです。 続くエアーズのソロも綺麗にまとまっていて、でもって、ジャックくんだって、とってもウィルソン。 で以下、ビル・プラマーのベース、トニー・バズレーのドラムスと、参加者全員が等しく前面に出されて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、なかなか素晴らしい出来でありました。 で、続く 「ロメオ」 はこのアルバムのプロデューサー、レナード・フェザーの作品。 まるでスタンダード・ナンバーであるかのような綺麗なメロディを持ったバラードでありまして、フェザーはプロデューサーであるだけでなく、作曲の腕もプロ級さー。 そんなことを感じさせてくれます。 ほんのちょっとした小品で、アドリブ・パートではエアーズのソロが聴けるだけなんですが、その何気なさが、とっても鼻毛♪ で、続く 「アウト・オブ・サイト」 はジャック・ウィルソンのオリジナル。 作曲のセンスならこの人も負けていません。 少なくともマケイン上院議員には負けいん? そんな気がするんですが、ちょっぴりアウトなリズムを伴った本作も傾聴に値する出来となっております。 軽佻浮薄ではなく、重厚謹厳な仕上がりでありますな。 カーティス・アミーのソプラノがまたまた活躍しまくっているんですが、この人、もっとメジャーになっていてもよさそうな逸材っぷりですよね。 ま、無知な僕が知らなかっただけで、西海岸ではそれなりに活躍していたみたいなんですけど。 で、続くエアーズとジャクソンのソロも素晴らしく、でもって、おしまい。

 さ、残すところあと2曲ですな。 今日の僕はもう、十分にシゴトをした。 そんな気がするので、残りは適当に流させて貰いますが、 「ヤング・アンド・フーリッシュ」 。  若くて、バカ。 どうしようもないですな。 ま、人間、若いうちはどうしてもアホなことをしてしまいがちなんですが、でも大丈夫。 少しずつ年を重ねるにつれて、ちょっとずつ賢くなっていくものです。 ま、十分に年を重ねても、相変わらずアホのままだったりするオッサンも少なくはないんですが、で、演奏のほうはアレです。 早いほうのセッションなんだけど、アミー抜きのカルテット。 そういうアレだったりして、M.J.Q. っぽい感じのバラードに仕上がっております。 で、次。 セロニアス・モンクの 「ウェル・ユー・ニードント」 。 アルバムの最後を日本人ウケしないこの曲で締めるなんて、日本人には考えられない発想なんですが、遅いほうのカルテットの演奏で、とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】

 『西海岸ヴァイブ』。 そんなタイトルなんですが、サウンドのほうは正統的な東海岸系でありました。 ハード・バップからモードに至る過程をいい感じに体現しております。 テナー入り、ソプラノ入り、サックス抜き。 参加者オリジナル、ジャズ・オリジナル、歌物ナンバー。 ミディアム・テンポ、アップ・テンポ、バラード。 いずれに関してもバランスが抜群で、最後まで飽きさせません。 ま、全部で10曲入りというのが、解説を書く身からしてみると、ちょっと多過ぎるような気もするんですが、サイドマンではジャック・ウィルソンが余裕の安定感。 で、カーティス・アミーが思わぬ拾い物だったりして、で、こんな素晴らしいCDが、たったの 999円で手に入るとなれば、貝の類があまり好きではない僕も、これは買いでありますな。


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