GOING TO THE MOVIES (UNITED ARTISTS)

JEROME RICHARDSON (1962/4)

GOING TO THE MOVIES


【パーソネル】

JEROME RICHARDSON (fl,bs,ts) LES SPAAN (fl,g)
RICHARD WYANDS (p) HENRY GRIMES (b) GRADY TATE (ds)
【収録曲】

(01-03) NO PROBLEM / MOON RIVER / NEVER ON SUNDAY
(04-05) TONIGHT / DELILAH
【解説】 ( 2011年06月05日更新 / 連載 983回 )

 地震・雷・火事・ユッケ。 怖いですね。どれも命に関わります。 特に地震は津波やら火事やら液状化やらも併発することがあるので、被害が尋常でないんですが、桑名の海抜ゼロメートル地帯なんて大きな地震が来たら液状化しまくって、大変なことになっちゃうでしょうなぁ。。。 で、液状化と言えばこれからの時期、食中毒によるウンコの液状化にも注意しなければなりません。 めっちゃ辛いみたいですからね、食中毒。 チョー巨大な食虫植物に食われるのと食中毒とではどちらが嫌かというと、ま、下痢が3日続く程度の食中毒なら食われるよりはマシなような気がするんですが、食虫植物に食われるより、食虫植物を食って食中毒になる可能性のほうが遥かに高いですからね。 ま、そんなマズそうなものは食わなければいいだけの話なんですが、見るからにマズそうですもんね、あいつら。 ハエトリソウ とか、トゲトゲがめっちゃ喉に刺さりそうだしー。 ま、トゲを綺麗に取り除いて豚ひき肉と刻んだキャベツを挟んでこんがり焼けば、いい感じの餃子になりそうではあるんですけど。 ウツボカズラ の中の消化液も虫が落ちる前なら飲めるみたいだし、下手な虫を食うよりは、ぜんぜん大丈夫なのかも知れませんけどね、食虫植物。 でもまあ、植物には 「どくいり きけん たべたら しぬで」 な 奴等も少なくないし、素性のよく知れた野菜だけを食べるというのが無難なんでしょうな、やっぱり。

 …などと思っていたら、ドイツではキュウリで死者が出ちゃっているんですな。 野菜なんて、食中毒とはいちばん無縁な食い物だとばかり思っていたんですけどね。 「大根役者」 という言葉も、大根は滅多に食あたりしないから、「当たらない役者」の意味で使われるようになったという説があるみたいだしー。 ま、滅多に食あたりしないだけで、たまにはあたっちゃうのかも知れませんが、そういえば菅直人クンが大活躍した “O-157” の食中毒事件も、最初はカイワレが犯人だと疑われていたんでしたっけ? どうやら冤罪だったみたいですけどね。 どうして疑われたのかはよく分かりませんが、恐らく 「お前がやったんとちゃうんかい、ワレ!」 と、生肉あたりを攻め立てていたのが、いつの間にか 「お前がやったんとちゃうん、カイワレ!」 になってしまったのでは無かろうかと。 柄の悪い取調べが冤罪を生むという、よくあるパターンでありますな。 結局、カイワレは 「白」 ということになったんですが、無罪放免になったと思ったら今度は菅直人に食われてしまって、何とも浮かばれない話ですなー。 哀れなカイワレたんに、合掌。。。

 ちなみにこの病原性大腸菌による食中毒のことを、アメリカでは 「ハンバーグ病」 と呼んでいるそうです。 ハンバーグを食ったら、めっちゃ下痢 and 吐き気 and 腹痛 and 発熱。 ハンバーグ、ハンパねぇ。。。 そういう患者が多発しているみたいです。 ハンバーグなんて焼いたり煮込んだりするものなので、大丈夫そうな気がするんですが、駄目なんですな。 細菌が付着しているのは肉の表面だけなので、ステーキとか焼肉の場合、表面だけよく焼いてやれば、中が多少ナマっぽくても大丈夫。 が、ひき肉の場合、肉をひいたり、こねまくったりしますからね。 全体がまんべんなく細菌に汚染されちゃうという。 で、 「めっちゃ分厚いハンバーグやん♪」 なんて喜んでいると、中までよく火が通ってなくて、めっちゃ下痢 and 吐き気 and 腹痛 and 発熱。 駄目じゃん、ハンバーグ! マクドナルドのハンバーガーのパテがペラペラなのは別にケチっているわけではなく、安全で衛生的なハンバーグを提供しようという善意の現われだったんですな。 さすが、一流企業は違います。 餃子の場合も、あまり欲張って具をパンパンに詰めたりするのは危険かも知れません。皮をハエトリソウにしたりすると、中までうまく火が通らなさそうだしー。

 で、ドイツでは恐らく、今後 「キュウリ病」 という名称が一般化するものと思われますが、それにしても、何故キュウリ? あんなもの、どんなに食ったところで、食中毒になるとは思えないんですけどね。 カイワレ同様、冤罪の可能性は無いんですかね? 「お前がやったんとちゃうんきゅ、ウリ!」 日本語としては不自然なので、その可能性は低いと言えそうなんですが、調べてみたら日本でも野菜による食中毒というのは、決して珍しくはないみたいですね。 よく考えたらキュウリとかカイワレなんかは、生で食べることも多いですからね。 モヤシなんかは薄暗いジメジメしたところで育てるので、雑菌が繁殖しやすいんだとか。 キュウリはあのイボイボが曲者みたいですね。 あの部分に雑菌が住み着いちゃうんだそうです。 なるほど。言われて見れば確かに、いかにも汚れが溜まりそうですよね、あのイボイボ。 ちょっと考えればすぐに分かることなのに、どうしてあんなものを付けようと思ったんですかね、キュウリは。 見た目的にも不細工だしー。 ま、手に持った時に滑りにくいというメリットはあるんですが、それはあくまでも人間の側から見た場合の長所であって、キュウリにとっては何の意味もありません。 むしろウナギのように表面をヌメヌメにしたほうが、敵に捕まりにくくなるような気がします。 そんなことにも気付かないなんて、もしかしてキュウリって、ウナギよりもアホ?

 …と思ったら、あのイボイボにはちゃんとした意味があったんですな。 今でこそあんなイボイボなんだけど、若い頃はもっとトゲトゲだった。 そういった事実も判明しました。 若い頃はトリに実を食べられないように、トゲトゲを生やして武装しているだそうです。 が、年をとるにつれて性格が丸くなって、トゲトゲが抜けて、その残骸がイボイボとして残るんだそうで。 よく熟した実はトリに食われてナンボですからね。 トリさんに食べて貰って、種をウンコとして運んで貰って、遠くまで勢力を伸ばす。 それがキュウリの目論見であるわけです。 種がまだ出来ていない、若いうちに食われちゃったら意味がないので、その間はトゲトゲで実を守って、十分に実が熟したところで、今度は食べて貰いやすいように丸腰になる。なかなかの策略家でありますなー。  表面をヌメヌメにしておけば、敵に捕まりにくくなるんじゃね? その程度の事しか思い付かなかったウナギと比べると、その知能の差は歴然。 いくら表面がヌメヌメしていたところで、表面がイボイボの手袋を使えば、簡単に捕まえられますもんね。 いや、実際に試してみたことはないので、本当に簡単なのかどうかは分からないんですけど。

 ウナギの浅知恵では、自分たちの身を守るのは困難であるように思えるんですが、人間なら大丈夫。 大地震や大津波といった大自然の驚異の前には、人類の英知などあまりにも無力であることを思い知らされたんですが、食中毒くらいなら何とかなるんじゃないですかね? 少なくとも、生肉を食べるのさえ諦めれば、被害は格段に減ると思うんですけどね。 僕は普通に生魚を食べたりするし、それなりに好きだったりもするんですが、サカナ以外の生モノなんて、ちっとも食べたいとは思いません。 もし菅直人クンがいきなり 「生肉禁止法案(ただし生魚は除く)」 というのを出したとしても、ま、勝手にすればぁ。 そう、冷静に受け流す事が出来ます。 生キャラメルや生チョコよりも、普通のキャラメルや普通のチョコレートのほうが好きだったりするしー。 ま、唯一、普通の八ツ橋よりも生八ツ橋のほうが好きだったりするので、 「ただし生八ツ橋も除けよ!」 と、菅クンには釘を刺しておきたいところではあります。 生八ツ橋は生肉じゃないから、最初から除外やろ?…と思われるかも知れませんが、肉桂味だったりしますからね、あれ。 肉の一種と誤認されて、禁止されちゃう恐れは多分にあります。 肉系と言えば “生乳 (なまちち) ” というのも嫌いではないので、それも除外して貰うとして、生牛と生豚と生鶏。 その3つさえ規制しておけば大丈夫ではなかろうかと。

 生牛は病原性大腸菌がヤバいんですが、生鶏はカンピロバクター。 こいつは牛のレバーなんかにもたかっているようですが、何だか無駄にカッコいい名前ですよね。 生肉戦隊カンピロバクター!  鶏レバーの刺身、ささみの刺身、鶏のタタキ、鶏わさ、牛生レバー! …とか、5人組で食っていけそうな感じがします。 ま、そっちは食っているからいいかも知れませんが、こっちは食ったら食中毒になっちゃって、大変なんですけどね。 症状としては下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感など。 ま、典型的な食中毒といった感じなんですが、概ね1週間程度で治癒するようで、死亡例や重篤例はそれほど多くはないようです。 ただ、お年寄りやお子様の場合、重症化することもあるようなので、お子様ランチに “鶏わさ” を入れるのはやめておいたほうがいいかも知れません。 たとえ衛生的に問題のない鶏肉だったとしても、ワサビで泣くと思うしー。

 病原性大腸菌やカンピロ以外にも、ブドウ球菌、サルモネラ、ポツリヌス菌、セレウス菌、ウェルシュ菌など、世の中には悪い奴らがウヨウヨと。 腸炎ビブリオという、怪傑ハリマオのライバルみたいな奴もいるしー。 こいつは条件が整うと、1個の細菌が約10分で2個に分裂しちゃうそうですな。 そのまま放置すればドラえもんの バイバイン のような悲惨な事態に。。。 バイバインの場合は薬を振り掛けた栗饅頭も、食べちゃえばそこで分裂は止まるようなんですが (←科学的根拠は不明) 、腸炎ビブリオはどうなんすかね? 食べて下痢便として放出しちゃえば大丈夫? ま、増える前に何とかしたほうが得策だとは思うんですけどね。 対処法は簡単。 こいつは真水に弱いみたいなので、ジャミラみたいに水攻めにしてやれば大丈夫。 ただ、塩水が大好きらしいので、真水がなくなったからと言って海水を注入したりするのは、再臨界の恐れがあって危険みたいなんですけど。 ま、普通に熱には弱いようなので、基本的にはよく火を通すというのが一番みたいですけどね。 カンピロバクターなんかも同様。 どうしても生で食べたいというのなら、食中毒になる恐れがあることを肝に念じて、レバ刺しを食べる必要がありそうです。

 安全で衛生的な食材であるというのは、何も人間だけにメリットがあるわけではありません。 例えばキュウリの側に立ってみると、キュウリを食べても腹が痛くならないというのは、彼らにとっても非常に大切だったりします。 トリさんが下痢になったりしたら大変ですからね。 キュウリを食べてすぐに 「あ、腹痛ぇ。。。」 となって、液状化したウンコを漏らしちゃったりしたら、せっかくの種も3メートルくらいしか運ばれないことになってしまいます。 それだったら、キュウリが自分で種を投げたほうが手っ取り早いです。 なるべく種を遠くまで運んで貰う為には、トリさんが便秘になるくらいのほうが理想的。 お通じがよくなる植物繊維は、なるべく少なくしておく必要があります。 その点、キュウリの場合は野菜の中でも植物繊維が少なめらしいので、その点でもよく考えてますよね。 ただそうなると、熟した後にも雑菌の温床になりやすいイボイボが残るというのが、なんとも解せないところなんですが、まさかこの部分に細菌が蔓延るとは、最近まで気付かなかったんでしょうな。 迂闊だったと言わざるを得ませんが、今後の克服しなければならない課題として、キュウリの自助努力を求める次第であります。 実際、イボイボの少ないキュウリというのも開発されているみたいだし、彼ならきっと、やれば出来ると思います。 そんなキュウリにある格言を贈って、本日の締めとさせて頂きます。

 「個人の改善なくして、社会の改革はありません。」  by キュリー夫人。

 ということで、今日はジェローム・リチャードソンなんですが、何でもいいけど、あまり聞いたことがのない格言でありましたなぁ。 ま、キュリー夫人なら何でもいいので、適当にググって紹介しておいたんですが、それはそうと、ジェローム・リチャードソン。  JAZZ名盤999 BEST&MORE のシリーズで出されて、つい先日手に入れた 『ゴーイング・トゥ・ザ・ムーヴィーズ』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、今日の僕はとっても気が楽です。 ジャケットがあまりにも面倒そうなので、先週のうちに片付けておいたんですよね。 その出来のほどはさておいて、これさえ書いちゃえばもう終わったも同然。 演奏のほうも5曲しか入ってないし、軽く片付けちゃいましょう。 まずは簡単にプロフィールから。 ジェローム・リチャードソン。 痔・エロ夢(む)・リッチ宿(やど)。 そんな単語しか思い付かなかったので、俳句に詠むのはやめておきますが、ゆたかな才能をもつマルチ・リード・プレイヤーとして、またクインシー・ジョーンズ、サド=メル・オーケストラなどの名門ビッグ・バンドのセクション・リーダーとして、さらにスタジオ・ミュージシャンとしても多くのセッションをこなしてきたと、岡崎正通クンが書いた日本語ライナーで紹介されている、そういうキャラだったりします。 で、この 『ゴーイング・トゥ・ザ・ムーヴィーズ』 というアルバムは 『映画を見に行きます』 という名前の通り、映画音楽ばかりを取り上げたという、そういうアレだったりします。 映画のポスターらしきものを散りばめたジャケットのセンスも抜群でありますな。 ま、ジャケ絵を書く身からすると、余計なことをすな!…と思わずにはいられないんですけど。 で、これ、聞いてみたら地味にライブ録音だったりしたのがちょっと以外だったんですが、演目だけでなく、参加メンバーもなかなか興味深いですな。 ギターを弾いたりフルートを吹いたりするレス・スパンが入ってたりします。 ピアノはリチャード・ワイアンズでありますか。 クインテット物なんですが、リーダーはバリトンとテナーとフルートを吹いているし、編成のわりにはバラエティに富んだ演奏が楽しめそうなんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみることにしましょう。

 

 まずはデューク・ジョーダン作曲の 「ノー・プロブレム」 。 日本ではもっぱら 「危険な関係のブルース」 という名前で知られておりますが、映画 『危険な関係』 の主題歌だか何だかだと思われます。 ジャケットにある “DANGEROUS LOVE AFFAIRS” というのがそうなんでしょう。 「危険な関係」 というより、 「危険な情事」 ですな。 ま、似たようなものなんですけど。 ファンキーな名曲として、ヤンキーにも大人気だったりするんですが、ベースとドラムスのデュオで始まり、そこにワイアンズのピアノが絡んで来るイントロに続いて、バリサクとフルートのユニゾンでテーマが演奏されます。 楽器が地味なので、ややメロディが聞き取りにくかったりもするんですが、ボサノヴァっぽい感じのリズムが秀逸でありますな。 で、ソロ先発はレス・スパンのフルート。 ちょっぴり地味で、正直あまり印象に残らなかったりするんですが、続くピアノとバリサクのソロの出来が素晴らしいので、いいのではなかろうかと。 岡崎クンもリチャードソンのプレイを褒めておりますが、ま、確かに褒めるに値するホメイニ師。 そういったレベルに達しておりますな。 決して羽目を外すハメネイ師に陥ることなく、適度な節度を保った上でのハードなブロウは立派だと思います。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 決して派手派手なオープニングではなかったんですが、ま、普通によかったと思います。

 で、次。  「ムーン・リバー」 。 映画 『ティファニーで朝食を』 の主題歌でありますな。 ジャケットで言うと、左上ということになりますな。いいですよね、オードリー・ヘップバーン。少なくとも鳳啓助よりはソソられるものがあります。ジャケ絵の出来のほうは、あまりにも残念な結果に終わってしまったんですが、でもまあ、こんなもん、うまく書けるわけがないしー。 で、個人的にこの 「ムーン・リバー」 という曲は、そんなに好きではなかったりするんですが、何だかこう、あまり哀愁味が感じられないというか。 まだ田原俊彦の 「哀愁でいと」 のほうがいいですよね。 あれ、オリジナルはアメリカの 「NEW YORK CITY NIGHTS」 という歌なんだそうですな。 試しに 「つべ」 で聞いてみたら、 「バイバイ、哀愁でいと♪」 のところが 「にゅーよーく・してぃ・ないつ♪」 という歌詞になってました。カラオケでトシちゃんを歌うなんて、だせぇ。…と思って今まで敬遠していたんですが、これならいいかもー? で、一方 「月川」 はというと、ジャズの場合、料理法によってがらっと雰囲気が変わったりするので、まったく期待が持てないわけではなかったりするんですが、このジェロ・リチャ版はアレでした。 うーん、まあまあ? わりとゆったりしたムードで、それなりに哀愁が感じられます。 …と思っていたら、急にテンポが速くなったりして、なかなかいい感じに工夫されていたりもします。 ジェロくんは前曲に続いてバリトンサックスを担当。 レスくんは、んーと、ギターっすかね? テーマ部ではほとんど存在感がないんですが、バリサク・ソロのバックでそれらしき音が聞こえるような気がしないでもありません。 で、ソロそのものの出来は快調です。続くワイアンズのピアノもなかなかいい味を出しているし、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 4分34秒とライブにしては演奏時間が短くて、そこのところがちょっと物足らなかったりもするんですが、悪くは無いので、いいと思います。

 ということで、3曲目。  「ネヴァー・オン・サンデイ」 。 映画 『日曜はダメよ』 の主題歌でありますか。 ジャケットでいうと左下。 カレンダーの日曜日のところだけ、ずっと 「×」 になってます。 なるほど、確かに日曜はダメっぽいですな。 で、 「月曜は帽子よ」 「火曜は帽子よ」 「水曜も帽子よ」 「木曜…」 以下略。 そのように下のほうにいるネーチャンは主張している模様です。 何だかちょっとエロそうな映画なんですが、曲そのものは極めて健全。 今ひとつ特徴がなくて、正直、さほどの名曲とは思えないんですが、テナーとギターとピアノが入り乱れるテーマ部の処理は、それなりにアレだと思います。 ジェロくんのソロもまずまず 「海雪」 なんですが、続くレス・スパンのギターが、はっちゃけておりますな。 時おりオクターブ奏法っぽいテクを披露したりもして、存在感を十二分に発揮しております。 個人的にギターって、キダ・タローほどにも好きではなかったりするんですが、 これは素直に評価していいのではなかろうかと。 やるやん、タロー! いや、タローは何の関係もないんですけど。 で、その後、どこからともなくフルートが出て来て、テンポが遅くなって、ぐっとムーディになって、ちょっとした合奏パートを挟んで、ベースのソロが出てきて、というかこれ、いつの間にやら 「トゥナイト」 になってませんか? 映画 『ウエスト・サイド・ストーリー』 のアレですな。 ジャケット掲載のポスター(?)を見ると、アカデミー賞の10部門を受賞したっぽい? 調べてみたら、作品賞をはじめ、ノミネートされた11部門中10部門を受賞って、まじパネェ!! これって、よしもと新喜劇の 「ウエストサイドストーリー風トーク」 でしか見たことがないんですが、本編のほうもちょっと見たくなってきましたなぁ。 「お笑いマンガ道場」 よりも笑えるんすかね? ま、比較対象がソレなら、ハードルがあまりにも低過ぎるような気はするんですけど。

 それはそうと、演奏のほうがどこでどのように4曲目に転じたのかを検証しなければなりませんが、改めて聞き直してみた結果、どうやら、どこからともなくフルートが出て来た時点で 「トゥナイト」 だった模様です。 いいですよね、トゥナイト。若い頃によく見ていました。 「荒瀬の温泉がぶり寄り」 とか。 荒瀬の入浴姿に ハアハア(;´Д`) していたわけではなく、あのモミアゲのおっさんは目障りなだけだったんですが、とまあそれはそうと、フルート2本とベースの絡みでメロディが今ひとつ分かりにくいテーマが演奏されて、その後、ベースのソロが出てくるという、そういうアレだったんですな。 で、続いてフルートのソロが登場するんですが、バックにギターらしき音が聞こえているので、恐らくジェロームくんなのではなかろうかと。 で、その後、再度ベースの人が出てきて頑張って、でもって、テーマに戻って、おしまい。 正直、やや奇を衒い過ぎて、ちょっとスベった感はあるんですが、ま、それなりにトゥナイトだったので、これはこれで、アレでしょう。 ということで、ラストです。  「デライラ」 。 映画 『サムソンとデリラ』 のためにヴィクター・ヤングが書いた曲だそうです。 このタイトルだけではどういう映画なのか検討が付きませんな。 『虚無僧と下痢腹』 だったら、何となく想像出来るんですけど。 ま、おそらくサムソンくんとデリラちゃんが出てきて、あんなことやら、こんなこと。ああん、そんなことまでぇ♪ …と、そんな展開を期待しながらググってみたら、神の祝福を受けたサムソンが、ペリシテ人の美女デリラによって怪力を失うという聖書のサムソン譚をセシル・B・デミルが映像化したという、そういうアレなんですかぁ。 聖書が元では、あんなことも、こんなことも、到底期待が持てそうにもありませんが、ま、 「デライラ」 そのものはエキゾチックな哀愁味を帯びた名曲なので、別にいいんですけどね。 リチャードソンは前半のテーマ部でアルト・フルートをもち、ソロはテナーサックスでとっている。エンディングのフルートはレス・スパン。メンバーたちの個性が発揮された好いソロ・リレーが耳にできる、楽しいクロージング・ナンバーになっている。 …と、日本語ライナーに書かれている通りの演奏が展開されておりまして、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 決して傑作や名作という訳ではないが、与作。 そんな感じの佳作でありますな。 全部で5曲、トータルで30分弱と、ちょっぴり物足りない感じはあるんですが、ま、これくらいのほうが最後まで飽きなくて、いいのかも知れません。 参加メンバー全員が平等に地味だったりするところがマニア心をくすぐってくれて、オススメ♪


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