BARNEY (RCA)

BARNEY WILEN (1959/4/24,25)

BARNEY


【パーソネル】

KENNY DORHAM (tp) BARNEY WILEN (ts,ss)
DUKE JORDAN (p) PAUL ROVERE (b) DANIEL HUMAIR (ds)
【収録曲】

(01-02) BESAME MUCHO / STABLEMATES
(03-04) JORDU / LADY BIRD
(05-06) LOTUS BLOSSOM / EVERYTHING HAPPENS TO ME
(07-08) I'LL REMEMBER APRIL / TEMOIN DANS LA VILLE
【解説】 (2010年09月12日更新)

 ゆう子、あい子、りょう子、けい子、まち子、かずみ、ひろ子、まゆみ〜、似たような名前はいくらもあるのに、私じゃ駄目ね〜♪ ということで今日は 『苗字と名前』 というテーマでお届けしたいと思います。 ネタに困った時に備えて大切に取っておこうと思っていた 全国の苗字 を、こんなに早く使う羽目になろうとは、ま、だいたい予想していたんですが、この件に関しては、かれい技師の書き込みもあったし、九州の長年の読者という人からメールも来ましたしね。 引用して世間に晒してもいいか?…と尋ねてみたところ、9月9日15:54分現在、まったく何の返事もないので、ウザいと思われたか、迷惑メールに振り分けられたかの、どちらかだと思うんですが、苗字と名前を比べると、苗字のほうが圧倒的にバラエティに富んでますよね。 中島みゆきも言ってる通り、名前のほうは似たようなものが多いような気がします。 所詮は人間が考えるものなので、いくら知恵を絞ってみたところで限界があるんでしょうな。 ま、近年はいわゆる “DQNネーム” というのも多くなりましたが、調べてみたら こんなサイト まであるんですな。 http://dqname.jp/ …って、独自ドメインまで取得して、ヤル気満々ですな。 それにしても、ランダム表示をパッと見ただけでも 亞麗蘭(あれらん)ちゃん、瑚々麗(ここり)ちゃん、日愛里(ひまり)ちゃん、枕鈴(ぴろりん)ちゃんって、僕が思ってた以上に事態は悪化の一途を辿っているんですな。 枕鈴(ぴろりん)ちゃんなんて、瞬時にしてピロリ菌に取り憑かれそうなんですが、大丈夫かー? 昔なら桑名正博とアン・ルイスが思い切り知恵を絞ったところで、せいぜい 「美勇士 (みゅうじ) くん」 どまりだったんですけどねー。 ま、桑名くんとアンちゃんの場合は芸能人なので、あまり平凡な名前は付けたくないという思いがあったんでしょうが、子供の名前は 100%親の責任です。 名前を付けられた段階で、その子の人生の17%くらいは決まっちゃうような気がするので、慎重にも慎重を期さなければなりません。

 ちなみに僕の名前は読みだけからすると、美勇士くんから美しさを排除した感じなんですが、どういう思いが込められているのかは、よく知りません。 苗字が難しい(=画数が多い)から、下のほうの名前は簡単な字にしたという話は聞いたことがあるんですけど。 おかげで何だか安っぽい感じの漢字になっちゃったんですが、苗字のほうは連想ゲーム的にヒントを出すと、(1)物置 (2)ライトツナ (3) 荒川静香…ということになりますか。 確かに画数が多いんですよね。14+12=26画ですか。 山田クンだったら 3.25回ほどサイン出来る勘定なんですが、5連の郵便振替用紙とかに名前を書かされると、3連目くらいで、ええ加減にせえ!…と言いたくなっちゃいます。 苗字は選べませんからね。誰が悪いと言って、そんな苗字を付けられた先祖が悪いとしか言いようがないんですが、僕と同じ苗字の人は全国にどれくらいいるのかと思ったら、世帯数で 17924、順位でいうと 301位ですか。 なんか、中途半端に普通? ちなみに、日本でいちばん多い苗字は 「鈴木」 だよね。…と、子供の頃に習ったような記憶があるんですが、最近は違うんですなー。 どうも、いつの間にやら 「佐藤」 に抜かれちゃった模様です。 このランキング でも、そうなってます。 どうやら昔は手作業で苗字を集計していたらしく、都市部を中心に得られたデータから推定して、第1位は 「鈴木」 だと思われていたようなんですが、コンピュータを使って全国的な調査をやってみたら、東北のほうに佐藤くんと佐藤ちゃん、めっちゃおるやん!…という事が判明して、逆転されたみたいです。 確かに苗字って、地方によってかなり偏りがありますからね。 桑名のあたりだと佐藤とか鈴木とか、それほど多くはないんですよね。 美勇士くんの苗字である 「桑名」 というのも、桑名では聞いたことがありません。 桑名ではどういう苗字が多いのかと言うと、 「伊藤」 と 「水谷」 が2強です。 伊藤のほうは全国的に見ても6位にランクインしているので、さほど不思議ではないんですが、全国的に見ると 247位に過ぎない水谷くん、もしくは水谷ちゃんが、桑名では恐らく一番ありふれた苗字なのではなかろうかと。 市長だって水谷元 (みずたに・げん) という名前だし、水谷建設の水谷元会長(みずたに・もとかいちょう)は、よく逮捕されてるしー。 調べてみたら 水谷姓高密度21市町村 というサイトがあったんですが、ほとんどうちの近所に集中しておりますな。 で、岐阜県の養老町に行くと 「西脇」 という苗字がやたらめったら多いような気がするんですが、僕が知ってるだけでも一元さん、ユタカさん、ショウヘイさん、アツシくんと、4人いますからね。 あ、西脇工務店のオッサンもそうですか。 ま、彼らはすべて一族郎党なので、同じ苗字なのは当然なんですが、町を走っていると 「西脇」 もしくは 「ニシワキ」 という看板をやたらめったら見掛けるし、養老町の人の10人に1人は西脇。それくらいの密度は余裕で確保されているような気がします。 ちょっと調べてみました。

  稲〇有〇さんは 植原 です!

 あ、 「西脇」 の分布を調べてみたんですが、よく分からなくて、代わりに あなたの本当の苗字占い というのを見つけたので、試しにやってみたんですが、本当の苗字は 「植原」 って、いったいコレになんの意味が・・・? 植原さんは、感受性が鋭く、子供のように素直で純真な人です。人を疑うことをしないため、時には騙されて傷つくこともあるのですが、そんな経験があなたをより強く優しい人間にしていきます。…って、言ってることは、ま、概ね当たっているような気もするんですけど。 ちなみに、稲〇有〇さんの開運ヘアスタイルは、スキンヘッドです!…って、やだ、そんなの。 剃毛プレイならともかく、剃髪するくらいなら、植原、ヤメるっ!

 ということで、さ、本題です。 前回 、最後のほうで 「一二三」 「姉歯」 といった珍しい苗字の話が出てきたんですが、今のところ 「珍道くん」 の 32世帯で 28015位というのが、僕の中では一番のレア物ということになっております。 珍道クンを越えろ!…というのが今日のテーマなんですが、 珍道世直 (ちんどうときなお) 特定非営利活動法人 三重いのちの電話協会副理事長という人がいるところをみると、三重県には多い苗字なんすかね? もしかしたら、僕の同級生だった珍道くんのパパだったりするのかも知れませんが、波乱万丈、衝突、不安定、浮沈定まらぬ家運なんですな。 そもそも 「珍」 などという字を苗字に使うこと自体が間違っていると思うんですが、もし、下の名前が 「〇〇子」 だったりしたら、コドモ時代のあだ名はまず間違いなく 「珍子」 になっちゃいますよね。 九州の長年の読者という人からメールも、概ねそういった系統のネタだったんですが、変なあだ名を付けられて虐められる系の苗字としては 「御手洗」 なんてのもありますよね。 キヤノン社長&経団連会長として有名なんですが、コドモ時代のあだ名は間違いなく 「便所」 でしょうな。 これはもう、変な苗字を付けられた先祖を恨むしかありませんが、ただ、御手洗クンの先祖にはちょっとだけ情状酌量の余地もあります。 御手洗というのは文字通り、手を洗うための清浄な場所であったに違いなく、それが後年 「便所」 の意味になろうとは思ってもみなかったでしょう。 先生、俺、御手洗クンの心情を慮って、明日から便所に行っても手を洗うの、やめるよ!(←洗えよ!) ちなみにキヤノンの社長は 「御手洗」 と書いて 「みたらい」 と読むんですが、同じ字を書いて 「みたあらい」 「みたいら」 と読む苗字もあるんですな。普通に 「おてあらい」 と読むバージョンもあるようです。 「御手洗」 という苗字は 1439世帯あるようで、思ったよりも普通なんですな。 で、前回、珍道くんのインパクトに隠れて、すっかり忘れていたんですが、他にもけっこう珍しい苗字なのかも知れない奴らが同級生にいたのを思い出しました。 まずは日進小学校編。 「三反田(みたんだ)」 という奴がいました。 「三反田を見たんだ。」 とか、よく言われてました。 さ、調べてみましょう。 144世帯。うーん、まずまず。 ちなみに 「みたんだ」 と 「さんたんだ」 、2つのバージョンがあるようです。 ついでに言うと “〇反田シリーズ” として、一反田、二反田、三反田、四反田、五反田、六反田、七反田、八反田、九反田と、すべて揃っておりました。 世帯数でいうと、5>2>8>6>3>4>1>9>7となるようです。

 で、次。 苗字で漢字3文字以上となると、ちょっとだけレア度が高まるような気がするんですが、三反田くん以外にも、3文字のヤツがいたような気がしますなぁ。 えーと、そうそう、 「上平川」 。 「上川」 とか 「平川」 とか、ぜんぜん珍しくはないので、 「上平川」 も普通に多そうな気がするんですが、 14世帯、42985位。 えー、まさかの “珍道” 超え!? 上平川、スゲぇ!! こういうインパクトのない名前が上位に来ちゃうと、ネタの展開としては今ひとつ面白くないんですが、逆にインパクトの強い名前と言えば、そうそう。海星高校編で 「(やまと)」 というヤツがいましたな。 しかも、こいつはフルネームも凄かったです。 倭健(やまと・たけし)。 超日本男児! が、ニックネームは 「朝鮮」 。 何か、あちこちから抗議が殺到しそうなんですが、名前と裏腹にソッチっぽい顔をしてたんですよね。 ま、海星高校のアホ生徒が考えたことなので、大目に見てやってください。 無難なあだ名としては 「わ・けん」 というのもあったんですが、「倭」 という苗字を持つのは全国で 148世帯。 アカンやん! 上平川の 10倍もおるやん! で、あとはえーと、あ、そうそう。 社会人編として、某役所の担当者に 「和仁」 という人がいました。 何だか温和にして仁徳がありそうな字面なんですが、読み方は 「ワニ」 。 凶暴そうです。 ということで、さ、調べてみましょう。 278世帯。うーん・・・。 あ、そういえば、うちの会社の和歌山営業所の所長がアレでした。 「 (しも)」。 これはかなり、いい線いくんじゃないっすかね? 730世帯。 おおっ、どんどん増えてくやんっ! 結局、僕の直接の知り合いで、珍道超えを果たしたのは 「上平川」 だけという、ショボい結果になってしまいましたが、世の中には苗字だけで漢字四文字という人もいるんですよね。 例えば高校野球の審判で 「西大立目 」 という人がいました。 スコアボードに表示されたインパクトのある苗字を記憶している人もいるかと思いますが、 5世帯、64300位。 おおっ、西大立目、パネェ!! ちなみにフルネームは 「西大立目永」 と言うんですな。 最早、どこまでが苗字で、どこからが名前なのか、分かったものではありませんな。 「にし・だいりつめなが(?)」 とか読まれても、文句は言えません。(ちなみに正解は「にしおおたちめ・ひさし」。) これ以上珍しい苗字はそうそう無さそうなんですが、ただ、インパクトという点で言うと世帯数は多くても、個人的にはやっぱり 「珍道くん」 のほうが上っすかね? 「珍」 という字を使っている時点で珍奇ですもんねー。 ちなみに 「珍」 という字を使った苗字が他にもあるのかと思って調べてみたら、珍田、明珍、珍部、珍坂、宝珍、珍行、徳珍、茶珍、珍名…と、総じて世帯数は少ないものの、バリエーションだけは結構あるんですな。 で、それらの中にひとつ、究極の珍しさを予感させる苗字があるのを発見しました。

 90200位 世帯数:1 「 (めずらし) 」

 おおっ、これは珍しいっ!!

 ということで、今日はバルネ・ウィランなんですが、バルネって、アメリカ人にしてはちょっと変わった名前ですよね。 ま、フランス人なので当然なんですが、BARNEY=バルネ。 英語だとこれが BARNEY=バーニーになるんでしょうな。 で、日本語だとバルネ=把瑠根ですか。 把瑠都という相撲取りがいるくらいだから、そういう苗字の世帯がひとつくらいはあってもよさそうなんですが、検索結果は該当なし。うーん。。。 あ、でもよく考えたらバルネは名前で、ウィランのほうが苗字なんですよね。 となると 「有為卵」 とか。 さすがに苗字に 「卵」 なんて漢字を使うヤツはいなさそうなんですが、さすがに苗字に 「歯」 なんて漢字を使うヤツはおらんやろ?…と思っていたら、57世帯も存在していた姉歯クンの例もありますからね。 ということで、 「」 の付く苗字を調べてみました。・・・。さすがにいませんかぁ。。。 有為のほうなら 「有為楠 (ういくす) 」 というのが 2世帯あったんですけどねー。 そういえば、名前のほうでは 「悪魔ちゃん命名騒動」 なんてのがあったのを不意に思い出しましたが、苗字だったら 「悪」 とか 「魔」 といったダーティーな漢字もアリなんすかね? 悪原、悪七、悪沢、悪戸、悪虫、悪澤、小悪。 おお、結構いますなぁ。 「毒沢」 で何となく思い出したんですが、「毒島」 という苗字もありますよね。 「どくしま」 もしくは 「ぶすじま」 と読むんですが、242世帯と、わりとポピュラー。 毒沢(ぶすじま)ちゃん、女の子だったら コドモ時代のあだ名は間違いなく 「ブス」 でしょうなぁ。可哀想に。 で、 「魔」 の付く苗字はというと、 「破魔」 「降魔」 のほかに、そのものずばり、「 (ま) 」 という苗字が 2世帯ありました。 そういえば、山の名前に「金糞岳 (かなくそだけ) 」 というのがあるのを思い出したんですが、さすがに 「糞」 の付く苗字はありませんでした。 ウンコとか呼ばれなくて何よりなんですが、 「便」 という苗字は 4世帯あるので、油断はなりません。ちなみに 「べん」 ではなくて 「びん」 らしいので、まだ救いはあるんですけどー。 ま、苗字が 「便(びん)」 で、名前が 「螺鈿 (らでん) 」 だったりすると、何だかちょっぴりビン・ラディンみたいで、あまり救いがなかったりするんですけどー。

 とまあそんなことで、今日はバルネ・ウィランの 『バルネ』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、これ、メンバーがいいっすよね。トランペットがケニー・ドーハムで、ピアノがデューク・ジョーダンって、白人系があまり好きでない僕でも大いにソソられてしまう、黒っぽいサイドマンが顔を揃えております。 で、これ、パリにあるジャズ・クラブ 「サン・ジェルマン」 でのライブなんですな。 漢字で書くと 「惨是屡漫」 。 何だかもう、族ムード満載なんですが、オジリナルの4曲に、CDだとオマケの4曲がプラスされて、お買い得感も抜群。 もっとも、通販でも入手困難な状況になっているようなんですが、最近、このコーナーで紹介してるのって、ほとんどそんな感じなんですよね。 果たしてレビューする意味があるのか?…と思ったりもするんですが、ま、軽い読み物だと思って、最後までお付き合い下さいね。 とまあそんなことで、まずは1曲目。 「ベサメ・ムーチョ」 。 これまた日本人好みの曲を持ってきましたな。フランス人もラテン系、好きなんすかね? イタリア人やスペイン人ならともかく、仏人って何だかノリが悪そうなんですけどね。 ま、日本人もさほどノリのいい民族ではないんですが、海苔は好きだったりするし、ラテンというのは単純にノリノリなだけでなくて、哀愁も兼ね備えてますからね。 おまけにマラカスも兼ね備えてまらかすね。 あ、日本語がちょっと変だったし、おまけにこのアルバムではマラカスは入ってないような気もするんですが、とか言ってるうちに演奏が始まりました。

 デューク・ジョーダンのピアノのイントロが、凄く (・∀・)イイ!! 伊達に 「イントロの何とか」 と呼ばれているワケではないんですが、この “何とか” の部分って、何でしたっけ? 達人?名人?インド人? あるいは 「イントロのスカトロ」 とか、そういうのだったかも知れませんが、で、アレです。 続いて、テーマが登場します。ドーハムが主旋律を吹いて、バルネがそこに軽く絡む。…といった感じなんですが、ドーハム独特のくすんだトーンが、何とも言えずに哀愁のカサブランカ。 ま、 「哀愁のヨーロッパ」 でも、田原俊彦の 「哀愁でいと」 でも何でもいいんですが、こういうのだったら仏人でも大丈夫かも知れません。 で、バルネがあまり目立たぬまま、トランペット・ソロへと流れていくことになるんですが、いかにもドーハムらしい吹きっぷりだったりして、何だか嬉しくなっちゃいます。 さすが、お嫁にゆくなら石田家にどう?ハム造り一筋30年ですなぁ。 いや、ケニー・ドーハムを詠み込んだジャズ俳句 (おこめ師匠作?) なんすけど。 で、続いてバルネ君が登場します。この人のソロって、今まであまり真剣に聴いたことがなかったんですが、フレージングはわりとオーソドックスですな。 で、あまり白人という気がしません。個人的には、いい傾向だと思います。もっとクールな奴なのかと思ったら、意外とウールだし、…って、この残暑厳しい折、羊毛な奴はちょっと嫌なんですが、ジャズはやっぱりこれくらい暑苦しくないとー。 で、続くジョーダンのソロもいいですな。 適度にファンキーで、ええころ加減にノリもよくて、ちょっぴりお茶目で、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、よかったっす。

 で、次。ベニー・ゴルソン作の 「ステイブルメイツ」 。 僕はこの曲名をみると、何となく “プレイメイツ” みたいな外人ギャルで、ムチムチ♪…といったイメージが浮かんでしまうんですが、“Stable Mate”=同じ厩舎の馬。 転じて、同じ釜の飯を食った仲。 なるほど。そっち系のムチムチでありましたか。 典型的なハード・バップ・チューンで、中年がどう頑張っても普通のハード・バップとしてしか演奏出来無いんですが、ここでのバルネ一味のプレイも普通です。 でも、それが (・∀・)イイ!! 前曲同様、ドーハム主導、バルネ服従の形でテーマが演奏され、で、そのままトランペット・ソロへとなだれ込んでいくんですが、ミディアム・ファストのスインギーな仕上がりで、普通にいいんじゃないでしょうか。 続くバルネのソロも、いい感じにラフです。 スタニスラフスキー・システムとか、そういう小難しい理論はジャズには不要ですからね。スタニスよりもラフなのが好き。それでいいではありませんか。 で、その後、いい感じのジョーダンのソロがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、3曲目です。 解説の論調が早くも淡々とし始めていて、今後の展開がやや不安なんですが、デューク・ジョーダンのオリジナルで、 「ジョードゥ」 。 もう、サンジェルマンの観客が全員日本人だったとしても、まったく違和感のない選曲でありますな。 サンジェルマンの観客が全員、あんかけスパの“サンジェルマン”を食べていたとしても、まったく不思議ではありません。 僕は “ミラカン” のほうが好きなんですけどね。…って、名古屋人以外にはまったく理解不能な展開になっちゃいましたが、東京にも 「PASTA DE COCO」 とか、あるんスかね? あ、あるんすな。 ただ、メニューにサンジェルマンは無さげなんですが、鼻に生える毛は、鼻毛。 ということで、演奏なんですが、ピアノ主導、2管が服従、途中からは3者が対等。…といった感じでテーマが演奏されて、 「作曲者が最初にソロを取る権利を得る」 という暗黙の了解に従って、まず最初にジョーダンが出てきます。 この人、どちらかというと控えめなタイプだと思われるんですが、ここではちょっと、ちょーすいとる。 そんな風情が感じられて、微笑ましい限りです。 「ちょーすいとる」 というのは、調子に乗っている。そういうことなんだと思いますが、名古屋人からすると 「川の向こうの子」 である僕には、細かいニュアンスまでは分かりません。 で、ソロ2番手はバルネっす。 ちょっぴりデクスター・ゴードンあたりを彷彿させたりもする、スケール感のある吹きっぷりだったりします。 で、続くドーハムのソロも結構はっちゃけちゃっておりますが、ま、ライブですからね。 これくらいの羽目外しは許容範囲ではなかろうかと。羽目外しなんて、竜宮の乙姫の元結の切外しに比べたら、ぜんぜん大丈夫ですもんね。 アマモの別称みたいなんですけどね、竜宮の乙姫の元結の切外し。 で、最後はピアノとドラムスとの絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 さ、残すところあと1曲ですね。CDオマケ曲など、端から真面目に解説する気はないので、もう終わったも同然なんですが、ということで、 「レディ・バード」 。 タッド・ダメロン作のバップ・チューンです。 バップと言えば六一〇ハップなんですが、硫化水素の原材料にされたのがタタって、製造中止に追いやられちゃったんですな。サンポールはまだ頑張ってるのにぃ。 そういえば子供の頃、コンクリートにサンポールをぶっ掛けて、泡を発生させて遊んでいたんですが、何が発生していたんですかね?もしかして、塩素?…と思って調べてみたら、違ってました。二酸化炭素。 何だかちっとも危険な遊びではなかったようで、真実が判明してガッカリなんですが、コンクリートの上に六一〇ハップがこぼれたりしてたら、ちょっとヤバかったかも知れません。 今でもこうして元気に音楽を聞くことが出来て何よりなんですが、で、演奏のほうはアレです。普通にいい感じです。テーマの後、バルネ→ドーハム→ジョーダン→ポール (←ベース弾き) の順でソロ廻しがあって、第2テーマみたいなやつの合奏とドラムスの掛け合いがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、CDオマケ曲も簡単に片付けておきましょう。オマケと言っても、選曲的にはなかなかソソられるものがあるんですが、レコードの収録時間の関係で切られただけで、ライブの場では普通に演奏された奴ですからね。それなりには期待していいと思うんですが、まずはケニー・ドーハムのオリジナル、 「ロータス・ブロッサム」 。 英語だとお洒落なんですが、日本名だと 「蓮の花」 となって、途端に線香臭くなっちゃいます。 日本人プロデューサーなら演奏の出来、不出来に関わらず、ネームバリューだけで本編に採用したくなっちゃうところなんですが、仏人にとっては、さほど人気のある曲というワケでもないんでしょうか? 仏人と蓮の花。 何となく相性はよさそうなんですけどねー。 で、演奏のほうはアレです。2管のハモリでテーマが演奏された後、 「作曲者が最初にソロを取る権利を得る」 という暗黙の了解に従って、まず最初にドーハムが出てきます。 で、以下、バルネとジョーダンが出てきて、tp→ds→ts→ds の4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 もしこれが本編に採用されていたとしても、まったく遜色のない出来であったような気がします。 オマケとしては、超お得♪ で、次。 「エブリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」 。 そろそろバラードが聴きたい気分だったので、この曲が出てきてくれて、おじさんは嬉しいです。…と思っているオッサンは多いのではないかと思いますが、僕としても嬉しいです。 この曲、好きですからね。 おまけにバルネがテナーではなくてソプラノを吹いているという余得もあって、とってもお得♪

 で、次。  「アイル・リメンバー・エイプリル」 。 日本名 「四月の思い出」 。 ラテンのリズムに乗った、ノリノリ系の演奏が繰り広げられます。 ということで、ラストです。  「テモイン・ダンズ・ラ・ヴィレ」 ? 何だかよく分かりませんが 「彼奴らを殺せ」 という邦題が付けられております。 かれやつら? 誰を殺せばいいのか、今ひとつよく分かりませんが、映画 『彼奴らを殺せ』 のテーマ曲だそうです。 あ、 「彼奴」 と書いて、 「あいつ」 と読むんすか? あやつ? かやつ? ムッシュかまやつ??? あ、ムッシュの本名って、釜萢弘なんですな。 「釜萢」 って、かなり変わった苗字のような気がするんですが、 129世帯っすか。 うーん、まあまあ? で、これ、バルネのオリジナルらしいんですが、僕の耳にはどうしても、ただの 「ウォーキン」 のパクリにしか聞えません。 ま、別にどうでもいいんスけど。 演奏のほうも普通によくて、で、バルネのソプラノが聞けるという余得 (2回目) もあって、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】 バルネ・ウィランは 『シケベーター』 だけではなかった! そう再認識させられる1枚でありました。 『死刑台のエレベーター』 って、雰囲気はめっちゃカッコいいんですが、ジャズとしてはちょっとアレですからね。 ま、所詮はサントラだしー。 一方、この 『バルネ』 はライブだし、サイドマンは強力だし、実にジャズらしい演奏に仕上がっておりました。 バルネを聴くなら 『バルネ』 やろ!? そう、強く推し進めたい名盤でありますが、現在、入手困難な状況にあるのが、何とも惜しいですなぁ。。。


INDEX
BACK NEXT