AT THE OPERA HOUSE (VERVE)

STAN GETZ & J.J.JOHNSON (1957/9/29,10/7)

AT THE OPERA HOUSE


【パーソネル】

J.J.JOHNSON (tb) STAN GETZ (ts) HERB ELLIS (g)
OSCAR PETERSON (p) RAY BROWN (b) CONNIE KAY (ds)
【収録曲】

(01-02) BILLIE'S BOUNCE / MY FUNNY VALENTINE
(03-04) CRAZY RHTHM / BLUES IN THE CLOSET
(05-07) BILLIE'S BOUNCE / MY FUNNY VALENTINE / CRAZY RHYTHM
(08-10) YESTERDAYS / IT NEVER ENTERED MY MIND / BLUES IN THE CLOSET
【解説】 (2010年08月14日更新)

 さよならは別れの言葉じゃなくて、再び逢うまでの遠い約束、現在(いま)を嘆いても、胸を痛めても、ほんの夢の途中〜♪ …ということで、今日は “杜仲茶” について考えてみたいと思います。 題して 『途中で杜仲茶を買った話』 。 あ、冒頭の歌は来生たかおバージョンで歌ってくださいね。薬師丸ひろ子の 「セーラー服と機関銃」 だと、夢のいた場所に未練残しても、心寒いだけさ〜♪ …になっちゃいます。  『寒いだけさと、ムサい竹さん』 とかだったら、それでいいのかも知れませんが、今回はそういう話ではないですからね。 杜仲茶の話です。 先日、若狭湾のほうへ遊びに行ったんですが、小浜から高浜に移動する途中で、杜仲茶を買いました。 ということで、この話は以上です。 続いて、ムサい竹さんについて考えてみたいと思うんですが、 「竹さん」 とか 「タケさん」 と呼ばれる人はたくさんいると思うんですが、その中でどのタケさんがムサいのかというと、武田鉄矢とか、かなりムサいですよね。 が、武田鉄矢のことは、あまりタケさんとは呼ばないような気がするし、それにあのオッサンの場合、ムサいというよりも、ウザいといったほうが的を得ていると思います。 学研の 『中一コース』 とかで人生相談のアドバイザーをやってたんですよね。 レギュラーだったのかゲストだったのかはよく覚えていませんが、 「みんなで集まれば何とかなるといった甘い考えは捨てなければならない。」 とか、エラそうに説教してました。 「でもあなたは “海援隊” というグループをやってましたよね?」 と中学生から突っ込まれて、 「 アレは、みんなで集まれば何とかなるといった、そんな考えで作ったのではないっ!」 と、逆ギレしてました。 大人気ないことだと思います。

 とまあ、途中で意図的に脱線しちゃいましたが、杜仲茶の話に戻ります。 途中で杜仲茶を買った話はあれでおしまいなんですが、そもそもどうしてそんなものを買ったのかというと、高浜の名産みたいだからなんですけど。 鯖缶や、葛を使ったお菓子などと並んで、杜仲茶系のお土産が売られておりました。 そういえば 高浜のうまいもん というサイトにも書いてありましたな。 ふぐ料理、かに料理、五色貝、さばのへしこ、煮干し。 魚貝類がさほど好きではない僕としては、魚と貝ばっかりやん!…と思わずにはいられませんが、古代米、山吹味噌、若狭漬といったあたりも地味過ぎて、僕の心を掴むには至りません。 僕は魚貝類の中でも特に珍味の類が駄目なので、 “福の子” なんてのはもってのほかです。 若狭湾で水揚げされた新鮮なふぐの卵巣を二年間塩漬けにし、きれいに洗って一週間天日に干し、酒粕で一年以上漬け込み三年かけてやっと出来上がりる逸品? そもそも “ふぐの卵巣” なんて奴は、テトロドトキシン満載なんじゃないんすかね? となりのテトロテトロ〜、テトロテトロ〜♪ …などと歌いながらご機嫌に食ってると、そのうちに唇が痺れてきて大変なことになっちゃいそうなんですが、大丈夫なんすかね? 塩漬けにしてぬか漬けにすると、なぜか毒が消えちゃうそうなんですが、そのメカニズムはまだよく分かってないようです。 分かってないのに、食うな!…と思わずにはいらませんが、毒が消えたのはたまたまで、何かの拍子にテトロがドトーんと、キシーン! そうなっちゃったとしても、僕は知りません。

 ただ、この “福の子” の製造方法は覚えておいて損はないですな。 間違ってフグの肝や卵巣やを食べちゃったら、とりあえず2年間ほど塩の中に身を沈めて、1週間日光浴をして、酒粕の中に1年ほど潜っていれば、もしかしたら助かるかもー? ま、フグの毒は消えたとしても、塩分の取り過ぎで脳卒中になる恐れがあるし、ナメクジみたいに体が縮んじゃうかも知れませんけど。 でもまあ、体の縮みはチヂミを食べれば元に戻るかも知れないし、ついでにシジミを食べれば肝臓にもいいし、これで心置きなくフグの肝臓を食べることが出来ますな。 ま、肝は気持ち悪くて嫌いなので、僕は食べませんけど。 とまあそんなことで、無難なところで杜仲茶を買いました。 名前だけは聞いたことがあるんですが、飲んだことは無くて、どんな味がするのかよく分からんのですが、ま、所詮はお茶なので、べらぼうにクソ不味いことも無いでしょう。…という判断に基づく購買行為だったんですが、で、飲んでみました。 ・ ・ ・ 。 これはアレですな。 自分がお土産に買ってきたという立場上、責任を取って飲まなければならないんだけど、出来ることなら飲みたくはない。 そんなお味のお茶でありますな。 何というか、その辺に生えている木の皮を剥いできて、煎じて飲んでるみたいな。 もしかして杜仲茶って、その辺に生えている木の皮を剥いできただけのモノなんじゃないか?…という気がしてならないんですが、ということで、調べてみました。

 昔、ある人が木の皮を砕き煎じたものを毎日のように飲んでいました。 すると活力がみなぎってきて、やがて仙道を悟るようになりました。 仙人となってからは霞を食べ、その植物を口にしては美女をはべらせ、空を自由に飛んで、生き長らえたと言うことです。 その仙人は名前を杜仲と言いました。 その名をとって、毎日口にしていた植物はやがて杜仲といわれるようになったということです。 ( 某・杜仲茶サイト より勝手に無断で引用。)

 おお、やっぱり! 所詮は仙人が木の皮を剥いで煎じただけのモノだったんですな。 どうりで木の皮臭いワケですが、ただ、それはあくまでも中国の仙人がやる事であって、日本の場合は皮ではなくて葉っぱで杜仲茶を作ってるみたいなんですけど。 皮だと獲れる量が少ないので、葉っぱのほうを使うことにしたようですが、葉っぱだと、「杜仲の葉ぁ?はぁ?何それ?」 と仙人に馬鹿にされそうだし、かと言って皮では 「皮臭いやんけ!」 と河内のオッサンに文句を言われそうだし、ま、葉っぱで作ったお茶でも 「皮臭いやんけ!」 と文句を言いたくなるような味ではあるんですが、本物の皮を使ったら、耐えられないくらいもっと皮臭くなっちゃうのかも知れません。 葉っぱでも皮でも同じように活力がみなぎって、空が飛べて、美女がはびるのであれば特に問題はないんですが、調べてみると皮と葉っぱでは効能が違うみたいですね。 皮に含まれるのはリグナン成分というもので、これは 「がん予防」「抗ストレス」「更年期障害」「血圧降下」「滋養強壮」などに効果があり、一方、葉っぱのほうにはゲニポシド酸などが入っていて、血圧を下げる効果があるという。 葉っぱのほうでは滋養強壮は期待出来ないようで、やっぱり “活力&美女” は皮じゃないと駄目なんすかね? 血圧効果に関してはどちらでもいいみたいですが、杜仲茶を飲んでいると 「不味いやんけ!」 と怒りが込み上げてきて、血圧が上がっちゃうような気がするので、効果が相殺されて、五分五分といったところでしょうか。 あ、でも葉っぱには 「肥満」 や 「血中脂質」、「内臓脂肪蓄積」、「インシュリン抵抗性」 を改善する効果もあるんですな。  「不味いやんけ!」 と怒りが込み上げても、それが元で太ることはないと思うので、少しは効果が期待出来るかもしれません。やるやん、ゲニポシド酸。 何か、いかにも効きそうな名前ですもんね、ゲニポシド酸。 ゲシュタルト崩壊とタメを張れそうなんですが、皮のほうのリグナン成分では、ピクミンにも負けちゃいそうですもんね。 皮でなく、葉っぱのほうで正解だったと言えそうなんですが、これで味が普通のお茶っ葉みたいだったら、言うことはないんですけどねぇ。

 そもそも、普通のお茶というのはどういうものなのかと思ったら、チャノキの葉や茎を加工して作られる飲み物のことなんだそうですが、チャノキって、そんな木があったんですな。ツバキ科ツバキ属の常緑樹なんだそうです。 ということは、普通のツバキの葉っぱでも、お茶みたいな飲み物が出来るんですかね? 調べてみたら沖縄の椿茶とか、アフリカつばき茶なんてのがありましたが、一方、厳密にはお茶とは言えないお茶というのも世の中にはたくさんあります。 チャノキ以外で作ったお茶みたいな飲み物がそれに当たるんですが、麦茶とか昆布茶なんてのがそうですよね。 美味しいですよね、麦茶。 個人的には普通のお茶よりも好きだったりするんですが、普通のお茶というのは基本、苦いですからね。 サザエの苦いところとか、サンマのはらわたの苦いところとか、正露丸とか、僕は基本的に苦いのが苦手なんですが、苦味走った中年男とかも、ちっともソソられるものがないしー。 ま、甘いマスクの中年男でも特にソソられるものはないので、中年男に関しては甘いとか苦いとか、そういうのとは関係無しに、単純にオッサンが嫌いなだけなんですけどね。 で、お茶に関しては苦いよりも断然、甘いほうが好きでありまして、子供の頃はよくお茶に砂糖を入れて飲んでおりました。 “加糖茶” というヤツですな。 “加糖茶” でググると 「もしかして : 加藤茶」 と聞き返されて、下のほうには、「加藤茶 離婚」 とか 「加藤茶 病気」 とか 「加藤茶 結婚」 とか 「午後の加藤茶」 とか、いっぱい出てきて、ちょっとウザいんですが、で、杜仲茶というのも原材料はチャノキではなくて杜仲なので、厳密にはお茶とは言えないお茶ということになりますよね。 ま、根が茶じゃないんだから、普通の茶に比べて不味いは仕方がないのかも知れません。 砂糖を加糖すれば少しは美味しくなるかも知れませんが、それだとダイエット効果が相殺されて五分五分になっちゃうような気もするし、シュガーレス甘味料の類は一度に多量に摂ると、おなかがゆるくなっちゃうし、はちみつがいいという話も聞くんですが、冷たい杜仲茶には融けそうもないしー。 レモンを入れるといいという話も小耳に挟んだんですが、木の皮フレーバーとレモンの酸味とが、ちょうどいい具合に悪い方向に作用して、余計に不味くなっちゃうような気もするしー。 ウンコの臭いを誤魔化そうとしてレモンの芳香剤を使ったりすると、得も言われぬ臭気と化して、これならまだ純粋にウンコ臭いほうがマシだった。 そういうことって、よくありますからね。

 ウンコの臭いと大草原の臭いをブレンドすると、得も言われぬ芳香になるという話を聞いたことがあります。 なるほど。 元来、ウンコというのは大草原に放置するのがデフォなわけですからね。 それを考慮して、ああいう臭さにしたというのは大いに有り得る話です。 となると、ちょっと癖のある杜仲茶も、めっちゃ青臭いやつとブレンドしてやれば、超オイシイ飲み物になっちゃうかもー? 青臭いと言えばもう、アレしかありません。 新発売、 “杜仲茶入り青汁” っ! 何だかこう、我ながら大ヒットの予感♪ あ、でもよく考えたら、杜仲茶って別にウンコ臭いわけではないんですよね。 ただ皮臭い味がするだけで。 となると、木の皮+大草原フレーバーで、ものごっつう青臭い、えげつない飲み物になるだけかも知れませんなぁ。。。 ちなみにウンコ臭そうなお茶ということで言うと “虫糞茶” なんてのがあるそうですな。 茶の葉っぱを食べる蛾の幼虫の糞を乾燥させたものなんだそうですが、それってお茶か? ただのウンコちゃうの!? ま、それよりはマシだと自分に言い聞かせて、この夏を乗り切りたいと思いますが、そんなことで、おしまい。

 ということで今日はスタン・ゲッツなんですが、あ、調べてみたら こんな飲み物 、ちゃんとあるんですな。野菜の王様ケールって、これまた余計なものをブレンドしてくれたものでありますが、青汁でなくて豚汁なら、野菜を入れてもいいとは思うんですけどね。具だくさん豚汁とイソ酪酸イソブチル。どちらもいい感じだと思います。 とまあそんなことで、スタン・ゲッツなんですが、手持ちのネタが少ないので、今回は定番モノです。 『アット・ジ・オペラ・ハウス』 。 J.J.ジョンソンと一緒にやってるヤツですな。 双頭コンボなのでジャケットにも2人の顔が載っていて、描くのが相当面倒くさそうなんですが、やむを得ません。 ま、考えようによっては顔の部分のアップなので、胴体や楽器を含めて描くよりはラクかも知れません。ごちゃごちゃしていて、描くのがクソ面倒なんですよね、サックス。 尺八に転向しろって!…と思わずにはいられませんが、で、これ、全部で10曲も入っているんですな。解説を書くのが面倒そうなんですが、でもこれ、よく見ると1〜4曲目までがシカゴの “オペラ・ハウス” でのライブ (ステレオ) 、残りの6曲がロサンゼルスの “シュライン・オーディトリアム(?)” でのライブ (モノラル) と書いてありますな。 となると、後半の6曲はオマケ? そういうことなら正規品だけレビューして、後は適当に流しておけばいいので話は早いんですが、CDの中に入っている解説の紙を見たら「+4」とか書いてありました。 何だかよく分からんのですが、 これ とかを見ると、逆に最初の4曲のほうがオマケっぽい? 確かに曲のダブり具合からすると、そう考えるのが一番しっくりくるんですが、 『アット・ジ・オペラ・ハウス』 なのにオペラ・ハウスでの演奏がひとつも入ってないとか? いや、ヴァーブなら十分に有り得ますな。そういうレーベルですからね、ここ。 ということで、オマケと思われる最初の4曲は超手抜きモードで、残りの本編はそこそこ手抜きモードで乗り切ることにして、とまあそんなことで、まずは 「ビリーズ・バウンス」 です。パーカー作のバウンス感に溢れるナンバーでありまして、2管の絡みによるテーマに続いて、各自の充実したソロが繰り広げられ、でもって、テーマに戻って、おしまい。いかにもライブらしいエキサイティングな仕上がりでありました。 で、次。  「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」 。 ゲッツのテナーにJ.J.が絡む形で静かにテーマが演奏さえ、各自の充実したソロが繰り広げられ、テーマに戻って、おしまい。 以下、 「クレイジー・リズム」 「ブルース・イン・ザ・クロゼット」 と、充実した演奏が繰り広げられます。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。

 

 …といった感じで終わらせようと思ってたのに、まさかこっちのほうがオマケだったとは。 せめて、ボーナス・トラックは後ろのほうに追加しろって!…と思わずにはいられませんが、「こっちのほうが本当の “アット・ジ・オペラ・ハウス” だしぃ。 」 という意識が働いちゃったんでしょうな。 販売:ポリドール株式会社を責めるわけにはいきません。悪いのはプロデュースド・バイ・ノーマン・グランツのほうです。 ポリドールは、ま、お詫びの印にラブドールを送ってくれれば、それで許してあげようと思うんですが、気を取り直して5曲目 (←実質1曲目) の 「ビリーズ・バウンス」 。 またこの曲かい!…と思わずにはいられませんが、パーカー作のバウンス感に溢れるナンバーでありますな。 ステレオ版を聴いた後で、今度はモノラルって、どうよ?…という問題が危惧されたんですが、僕の Maxcelia では、ほとんど気にならないレベルでした。 これ、ポータブルCDプレイヤーにもなって何気に便利なんですが、防水リモコンで1曲飛ばしの操作をする度に、Trancend のデジタルフォトフレームの電源が入ったり切れたりするのが玉に瑕。 入れたつもりもないのに勝手に画面が表示されて、一瞬、どんな怪奇現象や?…と思ってしまったんですが、使っている周波数がダブっているんですな。 それをうまく逆手にとれば、1つのリモコンで2つの機器を操作出来そうなんですが、 “1曲送り=電源ボタン” 以外はうまく合っていないようで、僕の野望は潰えてしまいました。 ところで、リモコンから出ている赤外線って、目で見えるのを知ってましたか? 僕は知りませんでした。 デジカメを使えば見えるそうなんですが、詳しくは ここ を見て貰うとして。 そういえばそんな話を前にもどこかで読んだことがあるような気がするんですが、そんなことはすっかり忘れていました。 夏休みの自由研究のテーマに使えるかも知れませんな、こりゃ。 もし、デジカメを持って女子トイレに侵入して捕まったとしても、 「盗撮じゃないんですっ!夏休みの自由研究で赤外線センサーについて調べているんですっ!」 と言い張れば、あるいは許して貰えるかも知れません。 男子用便器と女子用便器とでは、赤外線の出方にどのような違いがあるのか? そこまで突き止めなければ自由研究としては不完全ですからね。 ま、恐らく、「男子用でも女子用でも赤外線の出方は同じで、しょせん便器は便器だなぁと思いました。」 という結果に終わるような気がするんですけど。

 話がそれました。 「ビリーズ・バウンス」 。 オスカー・ピーターソンの短いピアノのイントロに続いて、2管の絡みでテーマが演奏されます。 で、続いてゲッツのソロが出てくるんですが、スムーズでスインギーでノリがよくて、いいですな、こりゃ。 白人系には根強い偏見を持っている超保守派の僕なんですが、これは普通に褒められるレベルだと思います。 いいですよね、スタン・ゲッツ。 ダンディ坂野がネタにしそうだし。 で、続いてはJ.J.ジョンソンのソロですな。 G.G.佐藤の前にこの手の芸名を名乗ったのは、恐らくJ.J.が元祖ではないかと思いますが、地味なくせに吹くのが難しいらしいトロンボーンという楽器で、超絶的なプレイを聴かせるテクニシャンとして知られております。 が、あまりにもお上手過ぎて、人間味が無いとか言われて、日本では今ひとつ人気が無かったりするんですが、日本の変態的なマニアって、変な拘りがあったりしますからね。 一方、G.G.佐藤はというと、取るのがすごく簡単なポップフライでも、ポロっと落として場を盛り上げるエンターテイナーとして知られておりまして、こういうキャラが日本では人気があるのかと思ったら、普通に叩かれているんですけどね。大衆の心を掴むのは難しいですなぁ。 で、ここでのJ.J.のプレイなんですが、普通に味があって悪くないですよね。 不味い豆腐はすぐに分かるんだけど、美味しい豆腐はその美味しさを気付かせない。 そんな諺があったと思うんですが、この人のプレイは美味しい豆腐みたいなところがあって、でもって、その後、2管の派手な絡み合いのパートがあって、テーマに戻って、おしまい。 ピアノのソロが出てこなかったし、ライブにしてはやや短めの演奏なんですが、といっても 7分56秒はあるし、いやあ、エキサイティングでした。

 で、次。 「マイ・ファニー・バレンタイン」 。 バラードではなく、ミディアム・テンポで料理されているんですが、テーマ部での2管の絡み具合が軽妙でありますな。 続くゲッツのソロもいいです。 その後のJ.J.もいいです。 で、終盤、2管のそこそこ派手な絡みがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、お手頃な出来だったのではなかろうかと。 で、次。 「クレイジー・リズム」 。 アップ・テンポの調子のいいナンバーでありまして、タイトルで言われるほど、クレイジーなリズムというわけではありません。 どちらかというとクレンザーな感じなんですが、キャンプの必需品ですよね、クレンザー。 飯盒炊さんすると、間違いなくゴハンが焦げ付きますからね。 資金繰りの悪い中小企業と、どちらが先に焦げ付くか?…といった感じなんですが、何でもいいけど僕は子供の頃、“飯盒炊さん” のことを“飯盒炊飯” だと思っていました。 飯盒で飯を炊くんだから、理論的にも合ってますよね。 そもそも“飯盒炊さん” と最後だけ平仮名で書かれると、中国人の飯盒炊 (ハン・ゴウスイ) さん?…とか思ってしまうし、ちゃんと “炊爨” って、漢字で書けよ!…と思わずにはいられません。 こんな難しい字、とてもじゃないけど覚えられないので、僕は無理ですけどね。 で、演奏のほうはアレです。 2管の絡みで軽快にテーマが演奏された後、J.J.のソロになります。 これくらいのアップ・テンポになると、テクの素晴らしさが浮き彫りになりますな。 でもまあ、テクの素晴らしさが釣り堀になるよりはいいような気もするし、で、続くゲッツのソロも普通にいいです。 ワンナウト1塁3塁のチャンスでゲッツーを打つよりは、遥かにいいです。 打てないんやったら三振しろよ!…とか言いたくなりますもんね。 で、その後、2管の絡みで大いに盛り上がって…って、さっきからこのパターンばかりなんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、エキサイティングでした。

 で、次。えーと、実質4曲目。  「イエスタデイズ」 。 さっきの 「〜バレンタイン」 がミディアムだったから、今度はバラードで来るかな?…と思ったら、うーん、ミディアム・スロー? バラードと言えるかどうか、微妙なところなんですが、テーマ部ではJ.J.のトロンボーンがフィーチャーされておりますな。 もしかしたらこのままワン・ホーンで押し切るつもりなのかも知れませんが、ライブではよく、そういうことをやりますよね。 サイドマンを持ち上げたいときとか、リーダーが楽 (らく) したいときとか。 このセッションの場合、どちらが主役とも言えない双頭コンボなので、J.J.だけが持ち上げられてもまったく不思議ではないんですが、と思っていたら案の定、ゲッツは最後にほんのちょっとだけ顔を出して、3分42秒で終わりました。 ま、気分転換に息抜きでも。そういう意図であったものと思われます。 となると今度はゲッツのワン・ホーンがフィーチャーされる確率が 70%くらいあるような気がするんですが、歌物ナンバーの 「イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド」 でありますか。 曲からして、その可能性が 90%くらいまで上がったと言えるんですが、とりあえずテーマ部はテナーのワン・ホーンですね。 純粋にバラードと言えるタイプの演奏でありまして、いや、いいですな、こりゃ。 そう言えば、今までどこにいるのかよく分からなかったハーブ・エリスのギターもなかなかいい味を出しておりまして、でもって、J.J.はやっぱりお休みでしたな。サバ君の読み (←サバ読み?)、我ながら完璧でした。

 ということで、ラストです。  「ブルース・イン・ザ・クロゼット」 。 オスカー・ペティフォードが作ったシンプルなリフ・ブルースでありますな。 ペティフォードはハゲてるし、曲そのものも決して秀でた出来であるとは思えないんですが、多くのジャズマンによって取り上げられてますよね。 ま、シンプルなだけにアドリブの素材としてはいいのかも知れませんが、ジャズは毛髪ではないという事を示す、いい例であるとは言えそうです。 で、演奏のほうはというと、2管のユニゾンでシンプルにテーマが演奏された後、J.J.のソロになります。 でもって、続いてゲッツが出てきます。 最後は2管の絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】 おまけの4曲は個人的には余計なお世話でしたが、演奏そのものは普通によかったです。普通に 『アット・ザ・シュライン・オーディトリアム(?)』 という名前で出しておけば、何の問題もなかったような気がするんですが、ま、日本人には読みにくいところがちょっと問題ではあるんですけど。 ゲッツ、J.J.共に好調そのもので、ライブの熱気がダイレクトに伝わってくるんですが、ただ、せっかくオスカー・ピーターソンが参加しているというのに、ソロでの出番がまったくなかったのが勿体ないです。 春日井のイカピー・エビピーをつまみながら、オスピーのピアノを聴きたかったのにぃ。 そういう名古屋周辺の住民は少なくなかったと思うんですが、あ、最近は 「いかピーナ」 「えびピーナ」 という名前に変わったんですな。 どうしてなんすかね? “〇〇ピー” だと何だか “下痢ピー” みたいだから? いずれにしろ、僕はちょっとゲッツ君を甘く見過ぎていたかも知れず、たまにはもうちょっと聴いてみよう。 そんな気にさせられた1枚でありました。


INDEX
BACK NEXT