THE BOOK COOKS (BETHLEHEM)

BOOKER ERVIN (1960/6)

THE BOOK COOKS


【パーソネル】

TOMMY TURRENTINE (tp) BOOKER ERVIN (ts) ZOOT SIMS (ts)
TOMMY FLANAGAN (p) GEORGE TUCKER (b) DANNY RICHMOND (ds)

【収録曲】

(01-03) THE BLUE BOOK / GIT IT / LITTLE JANE
(04-06) THE BOOK COOKS / LARGO / POOR BUTTERFLY

【解説】 (2010年07月04日更新)

 今日は “川” について考えてみたいと思うんですが、いいですよね、川。 僕は川が好きです。 海と湖と山と川と山川豊。 この中では僕は海がいちばん好きなんですが、以下、湖→川→山と続きます。 汚い海と綺麗な湖なら、汚くない湖のほうがいいし、富士山や北アルプスなら善太川には勝てると思うし、ま、この辺りの順位はケース・バイ・ケースなんですけどね。 つまりまあ、山川豊よりはマシ。…という程度に、僕は川が好きだったりするんですが、では “川” と “皮” ではどっちが好きかと言うと、これも “皮” の種類によりますな。鳥の皮は大好きなんですが、鮭の皮は残しちゃいますからね、僕。 みかんの皮、りんごの皮、バナナの皮、メロンの皮、スイカの皮。 こうして考えてみると、皮は残してゴミ箱に捨てることが多いんですが、カワハギの皮は食べるんですけどね。 別に好きで食べてるわけではなく、いちいちカワハギの皮をはぐのが面倒だから、仕方なく食べているんですが、追いはぎがカワハギの皮をはいでくれたら楽なんですけどねぇ。 ま、僕はカワハギがさほど好きではないので、わざわざ追いはぎの手を煩わせてまで食いたいとは思わないんですけど。

 とまあそんなことで “川” なんですが、君は川の水位を測ったことがあるかな? 僕はあります。 前年度、長良川にある某排水機場の水位計を取り替える工事を請け負ったんですよね。僕は直接、その工事には携わらなかったんですが、先日、「実際の水位と水位計の指示が違う」と言われて、見に行きました。 が、今ひとつよく分かりませんでした。 こういうところには大抵 “量水標” というのが貼り付けられているんですが、どういうモノなのかと、こういうモノなんですけど。

量水標♪

 例えば、この板の 6.40mのところまで水が浸かったとすると、川の水位は 6.40m。一目瞭然で、間違いようがありません。 ちなみに塩サバ物産 (仮名) が請け負ったのは、このチョー原始的な量水標の交換作業ではなく、樋門ゲート室に設置されている水位計の取替工事なんですが、旧式の触針式水位計を撤去して、最新式の投込式水位計を据付ました。 で、その水位計の指示値と量水標の読みとが違っているとの事なんですが、ウン百万を要したウチの水位計と、1m当たり、高いものでも8000円くらいで売ってる量水標、どっちを信用するねん!?…と言われたら、それはやっぱり量水標でしょうなぁ。 仕組みが単純なだけに狂いようが無いしー。 最新式の投込式水位計も結局のところ、量水標の水位に合わせて調整するワケだしー。 それはそうと量水標って、いくつか種類があるものだったんですなー。 ここ を見て初めて知ったんですが、僕が日頃よく目にしていたのは、どうやら “AKK式目盛” というヤツだったみたいです。 “AKB” ならアキバ式なんでしょうが、 “AKK” って、何なんすかね? 調べてみてもよく分からなかったので、仮に阿漕浦海岸式 ( A-Kogiura-Kaigan式 ) という事にしておこうと思いますが、津にあるんですよね、阿漕浦海岸。 その昔、阿漕の平治という漁師が、あこぎな密漁をしていたことでよく知られているんですが、それを記念して 「平治煎餅」 という銘菓が作られてたりもします。 で、この “AKK式目盛” 、数字の読み方が分かりにくいところが阿漕だと思うんですが、ほら、 ここ にも 「目盛り配置で間違えやすいため、注意が必要である。 」 と書かれてますよね。 「こんな分かりにくい目盛りでは間違いの元です。ここはひとつ、投込式水位計を設置されては?」 と、担当者を丸め込んで、ウン百万の機器を売り付けたりするんでしょうな。何とも阿漕な商売だと思います。

 で、その投込式水位計なんですが、今回は設置場所の関係で、測定範囲が 2.40〜13.40mとなっておりました。 何とも中途半端なんですが、既設の水位計がそういう仕様になっていたので、しょうがありません。 で、これ、水位計といいつつ、実はセンサーに加わる圧力を測定するものだったりするので、センサーが水に浸かってない状態では問答無用で 2.40mっ!…と表示されることになります。 で、水位計が1mほど水に浸かると 3.40mになります。 よって、水位計をきっちり 2.40mに合わせて設置しないと、適当な値を表示しちゃうことになるんですが、ずーっとセンサーを下ろしていったら、底につっかえたと。 底には泥みたいなものも溜まっていたと。 そこで、底から1mほど引き上げて、そこが 2.40mだということにして、工事を完了させたと。普段は川の水位が低くてセンサーが水に浸からない状態なので、ゼロ点を合わせようがなかったと。量水標も 5.60mくらいまでしか目盛りがなかったりするしぃ。 …とまあ、そういう事の顛末のようなんですが、何とも詰めが甘いですなぁ。工事責任者は責任を取って指を詰めなければならないレベルの詰めの甘さですが、僕は今回、直接この工事を担当したわけではないので、責任は取りません。責任を取るかわりに、ジキニンくらいは飲んでもいいと思うんですが、とりあえず、誤差を何とかしますかね?

 ということで、何とかしました。 センサーの設置位置をざっと測ってみたところ、ま、概ね 3.80mであるな。…という気がしたので、この水位計の測定範囲は 2.40〜13.40mではなくて、実は 3.80〜14.80mだった。 そういうことにしておきました。 デジタル指示計とハイブリッド記録計は、水位計からの出力が 0%の時に 3.80m、100%の時に 14.80mになるようにパラメータを変更しました。 水位計の変換器に付いてるアナログのメータはごまかしようがないので、カシオのネームランドで 「実水位=指示値+1.4m」 というラベルを作って貼り付けました。問題解決♪ いやあ、我ながら完璧ですなぁ。 後はまあ、水位計が水没するくらい川が増水してくれるのを、雑炊でも啜りながら待つだけなんですが、そして約半月後。ついにその日がやって来ました。 「いい感じに水位が上昇している!」 という知らせを受けて現場に急行すると、おおっ、3.85mっ♪ センサーが 5cmほど水に浸かった模様です。 量水標のほうは 5.60mからしか目盛がないので、ホームセンターで買ったスケールを使って、だいたいの実水位を推定しなければなりませんが、阿漕浦海岸式目盛の読み方が間違ってないと仮定するなら、んーと…、概ね 4.00m? となると、この水位計の測定範囲は 3.80〜14.80mではなく、実は 3.95〜14.95mだったという事になるんすかね? デジタル指示計と記録計のパラメータ、また変更しなければなりませんなぁ。。。ネームランドで「更に+0.15m」 というラベルを作って、  「実水位=指示値+1.4m」 の後ろに貼り付けなければならないしぃ。。。

 幸いにも僕は機転の利く青年でありました。デジタル指示計や記録計のパラメータを変更したり、ネームランドでラベルを作ったりする代わりに、水位計の位置を 15cm変えればエエやん♪ いやあ、我ながら賢いですなぁ。 15cm上げればいいのか、下げればいいのか、そこまでは頭が回らなかったんですが、ま、確率は1/2ですからね。 とりあえず 15cm下げてみて、後は運を天に任せるとして。 するとその日の夕方、 「 5cmほど水位の指示が高い」 という連絡が入りました。 詳しい説明は面倒なので省きますが、この排水機場は 「逆川」 という川が長良川に合流する地点にあるんですよね。 で、その逆川のほうにも水位計があるんですが、そっちの水位より、長良川の水位のほうが 5cmほど高くなっていると。 それだと逆川に水が逆流するやん!おかしいやん! どうも、そういうことらしいんですよね。 逆川という名前なんだから、逆に流れて、それで正解なような気もするんですが、 「いや、普通に流れていた!」 と。 うーん。 川の水位なんて 10cmや 20cm狂っていたところで大した問題でもなかろうと思って、かなり適当に 3.80mっ!…という事にしておいたんですが、そういう落とし穴があったんですなぁ。。。 というか、適当にやったわりには誤差がたったの 5cmって、僕って凄い♪…と思ったりもしたんですが、で、翌日、こっそりと現場に行って、記録計を見てみました。既に水位は下がっていたので何とも言えないんですが、過去ログを遡ったところ、 7cmほど長良川のほうが高くなっておりますな。 ということは指示値を 10cmほど下げてやればいいわけです。 その為にはセンサーの位置を 10cm変えてやればいいんですが、この前は下げたから、んーと、今度は引き上げっ! これでもう、完璧でありましょう。

 そして約半月後。 僕の知らないうちにこっそり川が増水していたようで、また電話が掛かってきました。 「外の水位を 10cm下げて!」 どうやら長良川のほうが 10cmほど高くなっていたみたいです。 仕方が無いのでセンサーの位置を10センチ引き上げたんですが、何だかもう、自分が何をしているのかワケが分からなくなってきましたな。 これまでの経緯を整理すると、 15cm下げて、 10cm上げて、もう一度 10cm上げたことになるんすかね? ということは、最初から 5cm引き上げておけば、1回の手間で済んでいたとか? というか、川の水位ってそもそも何なんすか!? 0mというのはどこを基準にしているんすか!? 海抜とか標高とか、何かそんなんっすか? ということで、今日は 「川の水位の謎」 について、徹底的に究明してみたいと思っていたんですが、どうでもいい僕の体験談だけで終わってしまったので、この続きはまた来週♪

 ということで、今日はブッカー・アービンなんですが、それはそうと、この度、 これ を買いました。ミニコンポのCDプレイヤーが壊れちゃったんですよね。 仕方が無いのでポータブル・オーディオをスピーカーに繋げて聞いたりしてたんですが、原稿を書きながらだと操作がけっこう面倒で、頭出しとかしているうちにワケが分からなくなって、同じ曲の解説を2回書いちゃったりしました。このままではいけない! 一念発起した僕は、ホッキ貝とホッケを買うのを我慢して、CDプレイヤーに投資することにしたんですが、そもそも魚介類はあまり好きではないので、別にどうだっていいんですよね、ホッキ貝とホッケ。 アンプとスピーカーは生きているので、リモコンが使える単体のプレイヤーがあれば、それで事は足りるんですが、ミスタートンカチに行ったら、何だかよく分からんヤツが埃をかぶって、不良在庫と化しておりました。 5,980円だから、ハズしてもいっかぁ。…と思って、とりあえず買ってきたんですが、家に帰って調べて見ると、通販でも売られていたんですなぁ。しかも 4,200円やん! ま、完売しちゃたみたいなので諦めも付くんですが、ただ、コイツには大きな問題点があることが判明しました。 クレードルには “LINE OUT” もヘッドフォン端子も付いてないんですよねー。アンプに接続出来へんやん! 思いきりハズしましたな、こりゃ。。。 一応、カスみたいなスピーカーは付いているので、単独でも聴くことは出来るんですが、すっかりテンションが下がってしまって、ヤル気も失せました。 とりあえず、ま、 『ザ・ブック・クックス』 でも聴いてみますかぁ。

 プレイヤーにCDをセットして、水に浮くとっても便利なリモコンで、再生っ♪ ・・・。 ん? 音が出ませんなぁ。 不良品をつかまされたのかと不安になりながらボリュームを上げると・・・、おおっ、いきなり! 1曲目の 「ザ・ブルー・ブック」 、地味にベースの無伴奏ソロから始まっていたんですな。 曲そのものはアレです。スローなブルースです。 アーシー過ぎて息苦しくなるタイプなんですが、2テナー+トランペットのユニゾンでテーマが演奏された後、トミー・フラナガンのピアノ・ソロが登場するという、そういう運びであります。 究極のクド系であるアービンに対し、ピアノが爽やかなトミ・フラというのは、何とも嬉しい限りですな。これでもし、見た目が爽やかでないジャキ・バイアードだったりしたら、ただでさえムシムシして不快な梅雨のこの時期、速攻で停止ボタンを押して、リモコンを風呂の湯に投げ捨てたくなるところでした。 ま、仮に投げ捨てたとしても水に浮くから大丈夫なんですが、それはそうとこのスピーカー、思ったよりも意外といい音がしますな。アービンくらいなら、これで十分かも?…と思っていたら、そのアービンのソロが始まりました。 テンポがスローなので我慢できないほどクドいというわけでもなく、普通に許容限度内の出来なんですが、でもって、続いて登場するトランペットのソロはトミー・タレンタインでありますか。 何とも渋い人選なんですが、いいですよね、トミー。 噂の刑事はマツではなくて、断然、トミー派でしたからね、僕。 マツなんて、所詮は色の黒い松崎しげるだしー。 で、渋いといえばソロ3番手のズート・シムズもそうなんですが、アービン&ズートって、よくもまあ、こんな2テナーでアルバムを吹き込もうと思い立ったものですな、ベツレヘムも。 何とも通好みなんですが、ブルボンの味好みが好きな僕でも、十分に楽しむことが出来ました。美味しいですよね、味好み。 小魚だけはあまり好みではないんですけど。 で、最後はジョージ・タッカーのベース・ソロで地味に締めて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 あまりにもディープだったんですが、ま、アービンなんだから、こんなもんでしょう。

 で、次。  「ゲット・イット」 。 アービンのオリジナルです。書くのを忘れてましたが、1曲目のヤツそうでした。 この人、基本的にブルースっぽいのしか書けないイメージがあるんですが、これはアレですな。 何というか、明るく楽しいハード・バップ系というか。 ま、基本的にはシンプルなリフ物なんですけど。 3管のユニゾンによるテーマに続いて、ソロ先発はトミ・タレでありますか。いかにも安っぽい焼き鳥(タレ味)。…といった味がある人なんですが、そういえば子供の頃、よく焼き鳥の缶詰を買ってきて、おやつに食べていましたな。…というのを、ふと思い出したりもしたんですが、美味しいですよね、ホテイの焼き鳥缶詰。 昔はタレ味と塩味しか無かったような気がするんですが、最近はタレ味辛口とか、カレー味とか、ガーリックペッパー味なんてにもあるみたいです。 あのゼラチンの固まりみたいなヤツが旨いんスよね♪ 何だか久しぶりに食べたくなってきましたが、とか言ってるうちにテナー1人目のソロが始まりました。ズートですな。 黒人ジャズ、命!…の僕の、この人に対する評価はあまり高くなかったりするですが、こうして聞いてみると、普通にいいですよね。 先生、俺、今日から人種差別はやめるよ!…と思わずにはいられませんが、で、その後、トミ・フラのピアノが出てきて、心が和みます。 が、ここで油断してはいけません。 この後すぐアービンが出てきて、しばしの忍耐を余儀なくされる事になるんですが、ま、これくらいクドくないと何だか物足りなかったりするので、これはこれで、いいのではなかろうかと。 途中から残りの2管がリフで絡んで大いに盛り上がって、その後、ベースのソロで地味に盛り上がって、最後はダニー・リッチモンドがそこそこ盛り上げて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 3曲目、これまたアービンのオリジナルで 「リトル・ジェーン」 。 ミディアム・スローで、そこそこファンキーで、サビの部分のハモり具合にはちょっぴり知性を感じさせるものがあったりして、どうした、アービン!? でも大丈夫。 ソロの先陣を切る彼の吹きっぷりは、いつもどおりに下品です。 で、以下、タレのほうのトミー、ズート、フラのほうのトミーと続いて、知的にハモるテーマに戻って、おしまい。 何というかこの、あまり書くことがありませんでしたな。 いや、出来は悪くなかったんですけど。 で、次。 またまたアービンのオリジナルで、 「ザ・ブック・クックス」 。 メロディらしいメロディが出てこない、全編がアドリブ・命!…みたいなタイプの作品でありまして、冒頭からアービンがワン・ホーンで、いい感じに飛ばしています。 と思ったら、残りの2管がいい感じに絡んできたりして、なかなか斬新なアイデアが施されておりますな、こりゃ。 と思っていると、すぐにトランペットのソロが始まって、続いてズートがフィーチャーされて、で、ピアノのソロになって、中盤以降はアービンとズートのテナー・バトルで大いに盛り上がります。 で、これがもう、しつこいっ!…と言いたくなるくらい、延々と繰り広げられることになります。 もう、聴いてる途中で嫌になります。必ず嫌になります。間違いなく、うんざりします。100パーセント、途中で飽きます。 ま、アービンにはよくある事だしぃ。…と、事態を軽く捉えている人もいるかも知れませんが、想像を遥かに超越したレベルの粘着ぶりなので、悪いことは言いません。 5分を過ぎたあたりでリモコンを手にとって、さっさと次の曲にスキップしちゃいましょう。 でないとこの先、約5分間に渡って絶え間の無い苦痛を与えられ続ける破目になります。 ああん、こんな事なら素直に忠告を受け入れておくべきだったぁ。。。 そう、激しい悔悟の念に捉われること、間違いなし。 だからあれほど言ったのにぃ! 結局、やってる本人達も収拾が付かなくなった模様で、さんざん聞いてる人たちを不幸のどん底に陥れた挙句、フェードアウトして、おしまい。 見切りをつける事を大切さ。 彼らは身を持って僕たちに教えてくれた。そんな1曲でありました。

 で、次。  「ラルゴ」 。 またしてもアービンのオリジナルなんですが、でも大丈夫。 疲れきった心を体を癒してくれる、珠玉のバラードに仕上がっております。 動と静の鮮やか過ぎるコントラスト。 やってくれますなぁ、アービンも。 ワン・ホーンでしみじみとテーマが演奏されて、で、この人の場合、アドリブに入って、何もかもが台無しになっちゃう事が少なくないんですが、さすがに先ほど暴れ過ぎた反動か、ここではトミー・フラナガンにソロの主役を譲って、本人はその裏で自粛モードに入ります。 最後にもう一度姿を現すんですが、基本テーマを静かに吹くだけで、害はありません。 地味過ぎて盛り上がらないのは確かなんですが、ま、今回はこれで正解でしょう。 ということで、ラストです。本アルバム唯一の歌物ナンバー、 「プア・バタフライ」 。 マダム・バタフライとか、蝶々夫人とか、お蝶夫人とか、何かその関連の歌ではなかったかと思います。 もしかして、バラード2連発で、盛り下がったまま終わりなのか?…と思ったら、さすがにアービンも馬鹿ではなかったようで、ミディアム・テンポでいい感じに仕上げております。 この人、意外とこういう歌モノが得意だったりするんですよね。少なくとも出だしの部分だけは。 で、アドリブに入って、何もかも台無しになる事が少なくはないんですが、今回はアレです。 けっこう頑張ったほうだと思います。 テーマから最初のソロまではアービン+ピアノ・トリオで頑張って、次のソロのところでトミ・タレが登場。 その後、ズートが登場。 で、トミ・フラが出て、最後は再びアービンがワン・ホーンでテーマを吹いて、おしまい。 そういうパターンでありますな。 何だか、かなり小品っぽい仕上がりなんですが、おかげで、とってもあっさりしてて、よかったと思います。 とまあそんなことで、今日のところはおしまい。

【総合評価】 アービンの持つ灰汁 (あく) が、タレとフラの両トミー&ズートのおかげで3倍に希釈されて、何とか飲めるようになった。そんな感じの1枚でありました。 3倍希釈で味わう 「カルピス・スイートスイーツ」 とか、そういうのがありましたよねー。 4曲目の後半、底にとごったアービンの原液がそのまま口に入って、噎せて死にそうになったんですが、5曲目のバラードがチェイサーの役目をして、何とか一命を取り留めました。 ベツレヘムという地味なレーベルだし、見た目的にも華がまったくないアルバムなんですが、あ、これ、アービンの初リーダー作だったんですな。 初めてだからなのか、それなりには初々しいし、にも関わらず超絶的な個性はバリバリ全開だし、期待の新人として、信心を持ってこれからの活躍を見守っていきたいと思います。


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