TURNING POINT (MERCURY)

BENNY GOLSON (1962/10/30,31,11/1)

TURNING POINT


【パーソネル】

BENNY GOLSON (ts) WYNTON KELLY (p)
PAUL CHAMBERS (b) JIMMY COBB (ds)

【収録曲】

(01-03) HOW AM I TO KNOW / THE MASQUERADE IS OVER / DEAR KATHY
(04-05) THREE LITTLE WORDS / TURNING POINT
(06-07) STELLA BY STARLIGHT / ALONE TOGETHER
【解説】 (2010年06月13日更新)

 ということで、 “三浦半島の旅(2日目)” です。 1日目に関しては ここ を見て貰うとして、で、次の日の朝、ホテルの窓のカーテンを開けて外の様子を窺うと、めっちゃ雲ってました。 テレビを付けて天気予報をチェックすると、神奈川県は曇り時々雨、降水確率は40%となっていて、いやあ、何とも微妙なところでありますなぁ。 この日は “武山駐屯地第1教育団創立51周年記念行事” を見学するか、それとも 油壺マリンパーク にするか、当日の天気や気分で決めようと思っていたんですが、曇り時々雨って、何とも決断がつきにくい天気ですよね。 正直なところ、陸自の基地祭(きちさい)って、金龍朱肉 永吉斉(えいきちさい)400グラム ほどにもソソられるものがないし、一方の油壺のほうも痰壷ほどにはツボに嵌らないし、どちらも決定力が無さ過ぎて、気分的にも決断がつきません。 強いて両者の見所を挙げるとするなら、油壺のほうはペンギンですかね? 2ちゃんねるの “京急油壺マリンパーク” というスレに

  209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 23:39:49 ID:c/lb/+iZ0
  ペンギン島のお姉さんがとても愛らしい
  あの一生懸命さにやられるw

 と書いてあったのが、凄く気になります。 一方、 “【陸自】駐屯地記念式典イベント情報スレ14” には

  618 :専守防衛さん[sage]:2009/05/26(火) 21:04:40
  そ、武山はゆっさゆっさ、ぶるんぶるん
  あれはまぶしすぎる


 という記述があって、こちらも大いに気になります。 何でも女性自衛官教育隊の隊歌合唱とか、そういう出し物があるらしいいんですよね、武山駐屯地。 女性自衛官かペンギン島のお姉さんか、どちらを選べばいいのか大いに悩んでしまいますが、とりあえず結論は先送りして、城ヶ島でネコたんと戯れてやるぅ!


<城ヶ島公園のぬこ(その1)> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 城ヶ島でマグロを食べたり海岸を歩いたりしましたが、雨が強くなって来たので、城ヶ島公園の散策は断念しました。 …という話は ここ に書いたんですが、猫に逢えなかったのがすごく心残りだったんですよね。 幸い、この日は鈍曇りながらも朝の時点では雨が降っておらず、猫たんに遭遇出来る可能性はゼロではないと踏んで、6時半前にホテルをチェックアウト、森戸海岸−(京急バス)−新逗子駅−(京急電鉄)−金沢八景−(京急電鉄)−三崎口−(京急バス)−白秋碑前というルートで、城ヶ島公園に到着〜♪ 僕は以前、猫ヲタの間では “聖地” と呼ばれている東京の谷中界隈に行ったことがあるんですが、時期が悪かったのか、磁気の力がピップエレキバンだったのか、ほとんど猫たんに遭遇することが出来ませんでした。 噂ほどでもねーな。…と思わずにはいられなくて、よって今回の城ヶ島公園も、あまり過度の期待は持たないようにしたんですが、おお、いたいた♪ 駐車場の料金所を過ぎてすぐのところの草むらで、いきなり1匹発見♪ あまりモデルには相応しくないルックスの猫たんでありましたが、最終的な成果がこれ1匹に終わってしまった場合の保険の意味を込めて、2枚ほど激写しておきました。 が、結果的にそれは無意味でした。 その先、駐車場横のベンチの置かれた歩道のほうに歩いていると、おおっ! ここにも猫〜、あっちにも猫〜、そっちからも猫〜、ネコ、ねこ、ぬこ〜♪ めっちゃおるやんっ! しかも美形なヤツが多いです。 おまけに、めっちゃ人懐っこい♪ こんなこともあろうかと思って、 ニャン太のおねだり (かつおスライスまたたび入り) を懐に忍ばせておいたんですが、あっちのニャン太にも、こっちのニャン子にも、おねだりされまくり〜♪ あ、3年ほど前にお亡くなりになった、うちのクロコとよく似た黒猫もおりますな。 ま、うちのクロコにはやや劣るルックスだったので (←しっぽが不細工) 、写真の公表は差し控えますけどー。 その先、公園の中の芝生広場にもたくさんの猫がいましたが、あ、椅子に座って本を読んでるそこのオッサン、膝の上に乗ってるそのニャン子、こっちにもよこせ〜! 近くで写真を撮りまくって、本読みの妨害と椅子席からの撤退を図ったんですが、このオッサンは微動だにせず、もういいっ! とりあえず公園内を1周してくるから、戻ってくる時までには人質…というか、猫質を開放するように心の中で命じて、その場を離れることにしました。


<城ヶ島公園のぬこ(その2)> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 結局、公園内では10数匹の猫たんと遭遇することが出来たんですが、写真写りがいいヤツばかりを選んだら、モデルは同じ猫が多くなっちゃいましたな。 不細工なのでもよければ、もっとバリエーションは豊富だったんですけどー。 とりあえず公園内をざっと散策して例の芝生広場に戻ってきたんですが、オッサン、まだそこで本を読んどるんかいっ! コイツさえいなければ。…と、殺意のようなものが芽生えてしまいましたが、ま、おそらく “123元名人” のような、ちょっと常軌を逸脱した猫ヲタなんでしょうな。 でなけりゃ普通、ちょっとくらい“猫もふり権” を分けてくれる筈なんですが、あまり関わり合いにならないほうが賢明でありましょう。 別に悔しくないんか無いっ! …ということで、ネコ関係は以上です。


<城ヶ島公園のぬこ以外> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ちなみにこの公園、ネコ以外にも普通にいくつか見所がありました。 何かあったのかというと、2箇所ほど展望台がありました。 展望台からはもっぱら海が展望出来たりするんですが、うち、1つの展望台からは海のほうまで歩いていける急な階段が延びていました。 ということで、降りてみました。 岩岩していて、なかなかいい眺めですなー。 ということで、城ヶ島、とってもよかったです。 で、問題はこの先、どこに行くかなんですが、天気のほうは何とか持ちそうなので、今回は 「ゆっさゆっさ、ぶるんぶるん」 にしますかねー? マリンパークのほうは経営危機に陥って潰れない限り、またいつでも行くチャンスはあるんですが、基地祭のほうは年に1回だしー。 ただ城ヶ島から油壺まで、1〜3時間に1本くらいの割合で直通バスが出てたりするんですよね。 もし、ちょうどいいタイミングでそのバスに乗れそうなら、それは神様が油壺に行け!…と言ってるようなものなので、ありがたくそのお導きに従うことにしようと思うんですが、白秋碑前のバス停に向かって歩いていくと、三崎口行きのバスがちょうど到着したところでありました。 慌てて駆け寄って、無事に乗車。 三崎口で乗り換えて油壺に行くことも可能なんですが、何となく武山駐屯地で、決まり!…という気分ですな、こりゃ。 ペンギン島のお姉さんにはちょっと悪いんですが、神様が許してくれなかったんだから、仕方がありません。


<武山駐屯地第1教育団創立51周年記念行事> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 三崎口に着いたら、ちょうど荒崎行きのバスが出るところだったので、乗車しました。 “長井” で降りて横須賀市民病院行きのバスに乗り換えて、 “林” で下車。 予習によって京急バスの路線図を完全に頭に叩き込んでおいたので、どこに移動するにもスムーズでありまして、おまけにバスが来るタイミングにも恵まれて、10時過ぎには武山駐屯地に到着することが出来ました。 急に思い立って “城ヶ島ぬこツアー” をスケジュールに組み込んだので、基地には、ま、11時に着ければいっかぁ。…と思っていたんですが、思いのほか順調です。 予習によって陸自の基地祭というのは、概ね

  2 :専守防衛さん :2009/12/29(火) 14:03:02
  駐屯地祭の基本的な流れは以下の通りです。
  1000時〜式典、観閲行進
  1100時〜訓練展示
  1200時〜装備品展示、体験搭乗
  *式典は長い訓示やら式辞やらで退屈かもしれませんが、会場に整列した隊員さんの
  威容をじっくり見てください。
  *観閲行進は戦車や装甲車、トラックなどの車輌や場合によっては航空機などがパレードします。
  *訓練展示は自衛隊の装備がどのように使用されるのかを分かり易く実演します。
  内容は大砲や機関銃の空砲を発射したりする模擬戦闘訓練が多いですが、
  場所によっては災害派遣などの人命救助訓練を展示する場合もあります。
  *装備品展示は自衛隊の装備(戦車やトラック、ミサイルや銃)を展示します。
  武器などを手に触れることができます。
  *体験試乗は実際にジープや戦車などに乗って乗り心地を体験する事が出来ます。
  (もちろん隊員さんが運転します)

  場所によって多少の差異はありますが、基本的には駐屯地祭はこのような行事です。

 というスケジュールで行なわれることが分かっているんですが、この分なら退屈な式典から見ることが出来そうです。 ということで、式典が始まりました。 長い訓示やら式辞やらで退屈でした。 こんなことなら11時頃の到着でもよかったような気もするんですが、ま、早く来たおかげで、最前列に近い場所をキープすることが出来たんですけどね。 陸自の基地祭は初体験なんですが、仮設の雛壇が設置されるんですな。 そのエリアは “For 関係者s Only” なのか、あるいは早いもの勝ちなのか、僕が到着した時点では既に立ち入れるような雰囲気ではありませんでした。 仕方が無いので端っこの地べたエリアに行ってみると、最前列に 0.5人分くらいのスペースがありました。 左側には“31”という帽子を被ったミリヲタ全開のオッサン、右のほうには小さな脚立を持ったカメヲタのオッサンが陣取っていて、いかにも居心地が悪そうなんですが、ここしか空いていないので仕方がありません。 ミリヲタのほうは一緒に来ているヲタでない一般人相手に、薀蓄トークばりばり全開!…で、ウザいことこの上なし。 一方のカメヲタのほうは、脚立を少しだけ右に寄せてくれれば最前列に 1.0人分のスペースを確保することが出来るというのに、何とも邪魔ですなぁ。。。ちょっぴり殺意のようなものが芽生えてしまったんですが、ま、常軌を逸脱した “基地祭キチ” と関わり合いになっても面倒なだけなので、諦めるしかありません。

 …と思っていたら、カメヲタのほうのオッサンが 「どうぞどうぞ。僕は脚立がありますんで。」 と言って、最前列を譲ってくれました。 いやあ、根はいい人だったんですなぁ。 そうとも知らずに殺意を抱いたして、正直、すまんかったっす。 これからは僕も、このオッサンを見習って、他人には親切にしよう! そう心に誓わずにはいられませんが、そうこうするうちに観閲行進というのが始まりました。 最初のうちは人が歩いてくるだけなので、さほど迫力は無いんですが、そうこうするうちに装甲輸送車が走向してきたりして、次第に盛り上がってきます。 するとその時、後ろのほうから 「ああん、見えない〜。」 という子供の声が。 振り向くと “母親&小学生低学年の女児” というペアでありました。 これがもし “おっさん&男児” というペアであるなら、こんな遅い時間に来るお前らが悪い!…と突き放して、社会の厳しさを教えるというのが筋だと思うんですが、母娘となれば話は別です。 しかも僕はつい先ほど、他人には親切にしようと心に誓ったばかりですからね。 そこで 「どうぞどうぞ。」 と声を掛けて、前に入れてあげることにしたんですが、お母さんは 「すいません。じゃ、子供だけ。」 とか言って、なかなか謙虚なお人柄だし、女児のほうもきちんと 「ありがとう♪」 と挨拶してくれて、なかなか躾が行き届いております。 小学生低学年の女児なら前にいても撮影の邪魔にはならないし、人妻に恩を売ることも出来たし、いやあ、譲ってあげて正解でしたなぁ。

 …と思ったのもつかの間、観閲行進が始まって、ちょっとだけ後悔したんですが、というのも、やはり最前列でないと撮影が難しいんですよねー。 いや、女児に罪は無いんですが、左前に陣取ったミリヲタ全開のオッサンが必死で写真を撮ろうとして、思いきり右側にハミ出してくるんですよね。 ファインダーを覗いているとコイツの帽子が視界に飛び込んで来て、えーい、邪魔臭いっ! あまりにもムカついたので、曝してやろうと思うんですが、こいつ です。 何が “31” や! 51歳(推定)やろ!? サーティワンのアイスでも食って、下痢になって苦しめ! そう思わずにはいられませんでしたが、お陰で僕の写真のほうは、どれも出来が今ひとつになってしまいました。 とりあえずマシなやつを5枚ほどアップしておきましたが、 “自衛隊体操” はアレです。 シャッター速度を遅くすることによって、手の動きのブレで躍動感を表現してみました。 …という、そういう趣旨の作品であります。 この後、女性自衛官教育隊が出てきたんですが、今年は隊歌合唱では無くて、何故か 「よさこいソーラン」 の演舞でありました。 最後、みんなで走って退場していくんですが、なるほど、 「ゆっさゆっさ、ぶるんぶるん」 と言われれば、確かにそうかも知れませんな。 何でもいいけどサーティワンのおっさん、どうせ 「ぶるんぶるん」 が目当てなんやろ。…と、心の中で馬鹿にしてたら、意外にもこのシーンの撮影は、さほど熱心では無い様子だったんですが、ずーっとレンズを最望遠 (35mm判換算で405mm相当) にしてファインダーを覗いていた自分が、何だかちょっぴり恥ずかしくなりました。

 …とまあ、何だか学校の体育祭っぽいプログラムが多かったんですが、ドリル演技とか、外国から要人が来日した際、それを迎える儀式の訓練展示とかもありました。 こんな感じ です。 アメリカから偉い人が来たという想定なんですが、オバマ大統領の代役で、横須賀の追浜から来たオッパマ大統領? いかにも追浜らしい立派な大統領ですが、で、最後は模擬戦ですか。 戦車が空砲をぶっ放したりして、なかなか迫力がありました。 が、写真撮影は概ね、失敗しました。 砲塔から火を噴く瞬間を捉えたかったんですが、さっぱりでした。 とりあえず山梨で “ほうとう” の写真を撮るところから練習してみようと思います。 ちなみに僕の目の前の女児なんですが、途中で飽きて 「つまんなーい。」 とか 「もう帰るー。」 とかゴネだしたら、さすがに温厚な僕でもムッとして、スカートめくったろかい!?…とか思ったに違いありませんが、最後まで熱心に鑑賞していて、何よりでした。 いや、変なおっさんにスカートめくられるのが嫌で、大人しくしていただけなのかも知れませんけどー。

 午後からはおそらく、戦車とか装甲輸送車なんかの体験搭乗があるんでしょうが、僕が基地に登場した時点で、既に搭乗の受付は終了していたので(←多分)、午前の部だけで引き上げることにして、バスに乗って横須賀中央駅まで行って、で、この続きは、またいずれ。

 ということで、今日はベニー・ゴルソンなんですが、いいですよね、ベニー・ゴルソン。 “紅位ゴル損” と、部分的に漢字に出来るところがいいんですが、無論、部分的にしか漢字に出来ないところが、嫌!…という意見もあるんですけど。 “ごる” と読める漢字、無いんですよねー。 ま、 “誤屡損” とか、 「ご」 と 「る」 を分けてしまえば問題はないんですが、ジョンソンとかトマソンとか、日本のプロ野球に来てまったく使えなかったヤツは大抵、 “ジョン損” とか “トマ損” とか言われちゃいますよね。 となると、一部しか漢字に出来なかった “ゴル損” というのも、これはこれでアリな気がするんですが、で、この人、日本では多大な知名度と人気を誇ったりしております。特に作曲と編曲の才能が高く評価されているんですが、 “ゴルソン・ハーモニー” などという言葉までありますからね。 いいですよね、“ゴルハモ”。 同じ略語でも “ゴールデン・鱧の酢味噌” とは比べ物にならないんですが、いくら黄金でも所詮は “ハモの酢味噌” ですからなぁ。 葉物野菜とか、 “刃物のまち関” にも負けているんですが、何せ岐阜県の関市はフェザー安全剃刀や貝印の創業地ですからね。 剃毛フェチの間では “聖地” として崇められております。 何でもいいけど “剃毛” って一発では漢字変換出来なくて、いちいち “剃る毛” と入力して、後で “る” を消さなければならないのが面倒です。 とまあ、そんなことはどうでもよくて、今日はベニー・ゴルソンの 『ターニング・ポイント』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、実はこれ、ワンホーン物だったりするんですよね。 管楽器1本ではハモリようが無くて、自然、ゴルソンのテナー・プレイそのものに焦点が当てられているんですが、作編曲家としての評価が高いのと裏腹に、テナー奏者としては極めて評価が低いですからね。 くどい。 ほぼ、その一言で片付けられてしまうのは、この人かルー大柴くらいのものでしょう。 でもまあ、サイドマンのほうはウイントン・ケリーポール・チェンバースジミー・コブと、地味に爽やかだったりするので、そう事態を悲観する必要は無いような気がしないでもないし、とりえずまあ、1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まずは歌物ナンバーの 「ハウ・アム・アイ・トゥ・ノウ」 。 ドロシー・パーカーとジャック・キングが作ったこの曲は、もともと甘いムードをもつラヴ・ソングだったが、ゴルソンはあくまでハード・ブローイングなジャズ演奏の素材として、豪快に吹きまくってゆく。…と、日本語ライナーで岡崎正通クンが書いておりますが、吹きまくってゆく。ちょっぴり違和感のある日本語ですな。普通に 「吹きまくる」 でいいような気がするし、“ラヴ” とか変に下唇を噛んだりせず、日本人なら “ラブ” やろ?…と思わずにはいられませんが、言ってること自体には概ね同意します。確かにハードなブローイングですよね。 わりと素直な解釈でテーマを吹いた後、アドリブに入って俄然、クドくなるのがこの人の持ち味なんですが、微妙にロリンズの影響を感じさせたりもしますな。ドライブ感もあるので、ドライブのお供には “都こんぶ” と同じくらい最適でありまして、で、続くケリーのソロも軽快そのもので、警戒すべき点など、みじんも感じられません。 警戒するとすれば、この後、チャンバースが出てきて、ギコギコとアルコ・ソロをやるんじゃないか?…という点なんですが、とか思っていたら本当に出てきたので、何だかちょっぴり得した気分♪ 人間には 「怖いもの見たさ」 と同じ心理で、 「下手なアルコ聞きたさ」 というのがありますからね。 せっかくのチェンバースなのに、普通にピチカートでソロをやられると、ちょっぴり損した気分になるんですが、さすが日本人の心をよく理解しておりますな。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、ワンホーンだし、こんなものでしょう。

 で、次。 同じく歌モノで、 「ザ・マスカレード・イズ・オーバー」 。 名古屋人 (←近隣の桑名人なども含む) なら間違いなく、この曲名を見ると頭の中にオリエンタルのマースカレーが浮かんでくるに違いありませんが、マースカレーが大好きな大場クンとか、具体的な顔が浮かんでくるという人もいるかも知れません。 僕の知ってる大場クンはそれほどカレー好きではなかったので、僕の場合はそうでもなかったりするんですが、何でもいいけど、ここでのケリーのコンピングは、ちょっとベタ過ぎやしませんかね? 大のケリー好きの僕でも、ちょっぴり食傷気味なんですが、ま、この伴奏のおかげでゴルソンの吹きっぷりがハンク・モブレイっぽく聞こえるという利点はあるんですけど。 で、ケリーもアドリブに入るといい感じに軽くて、ま、要するにゴルソンとの相性の問題ではないかと思うんですが、あ、でも 『ケリー・ブルー』 とかで普通に共演しているから、別に合わないというワケでもありませんか。 とまあそんなことで、終盤、再びゴルソンが出てきて、ここでのケリーは僕に文句を言われたからか、絡み具合がちょっぴり控えめだったりして、でもって、明確にはテーマに戻らずに、おしまい。

 ということで、3曲目です。 「ディア・キャシー」 。 キャッシーと言えば中島なんですが、キャシーというのは誰なんすかね? …と思ったら、キャッシーではなくて、キャシー中島が正解だったんですな。 「キャッシー中島」 でググったら、 「もしかして: キャシー中島」 と問い返されて、初めてその事実を知りました。 ということはつまり、 「親愛なるキャシー」 は、中島ということで正解だと思うんですが、これはアレです。ゴルソンのオリジナルです。でもって、バラードです。何だか、中島にはもったいないくらいの綺麗なメロディだったりします。「カツオの友達のくせに生意気だぞ!」 と、難癖をつけられて虐められるレベルですな、こりゃ。 で、ゴルソンの吹きっぷりはアレです。 ベン・ウェブスターの流れを汲み取った、いわゆる“汲み取りベン” なスタイルでありまして、いかにもテナーらしいバラードであると言えましょう。余計な装飾音を排除した、ムードの一本勝負です。 中間部で聞かれるケリーのソロも、リリカルそのもの。 で、その後、もう一度ゴルソンが出てきて、もしかしてこれは 「恋を知らないあなた」 のパクリなのではないか?…という疑念が沸きあがる展開があったりするんですが、そんな些細なことはまったく気にならない程、心に染みる1曲なのでありました。

 で、次。 小唄ナンバーの 「スリー・リトル・ワーズ」 。 ミディアム・テンポで軽快にバウンスするナンバーです。 何でもいいけどこの “バウンス” という言葉、わりとよく目にするんですが、どういう意味なんすかね? 何となく “バウンド” と似ているから、はずむ系?…と、自分なりに解釈しているんですけど。 ということで、調べてみました。 こういう場合、電子辞書のコンテンツにある 『カタカナで引ける英和辞典』 というのが便利なんですが、あ、ありました。 “bounce”。 跳ぶ、はねる、はねさせる、飛び出す、ほらを吹く、(小切手が不渡りとして)返される。 わざわざ調べるまでもないほど、はずむ系でしたな。 ま、 「ミディアム・テンポで軽快に小切手が不渡りとして返されるナンバー」 という解釈も成り立つことが判明したのは、ちょっとした収穫でありましたが、で、ここでのゴルソンはアレです。 クドさ、ばりばり全開、夜露死苦!…といった感じで暴走しておりまして、せっかくのキュートな原曲が台無しですな、こりゃ。 ま、そっちのほうはケリーに任せるという方針なんでしょうが、ま、確かにそれは適切な役割分担なんですけどね。前半はシングルトーンで軽快に、でもって、終盤はブロック・コードでゴージャスに。 この展開だと、この後、間違いなくチェンバースのアルコが来るな!…と思ったら案の定だったんですが、それを遮るように猛烈な勢いでゴルソンが乱入してきて、で、ジミー・コブと地味なバトルを展開したりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 続いて5曲目です。 ゴルソンのオリジナルで、アルバム・タイトル曲の 「ターニング・ポイント」 。 16小節の繰り返しをもつテーマだが、いかにもゴルソンらしい凝ったハーモニー構成をもっている。うねるようなフレージングで、ハーモニーをまさぐるかのような冒険的なソロに、彼の吹奏スタイルのユニークさが感じられる。…と岡崎クンが書いておりますが、テーマは16小節には聞こえないし、さほど冒険的なソロとも思えないし、でもまあ、 「まさぐる」 って、ちょっといいな♪…という気はします。 ケリーのソロも美味しいです。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 さ、残すところあと2曲ですな。もうちょっとの辛抱です。頑張りましょう。 6曲目、 「ステラ・バイ・スターライト」 。 素直に訳せば 「星明りによるステラ」 が正解だと思うんですが、何故か日本では 「星影のステラ」 と呼ばれています。 「星影のワルツ」 の影響、大ですな。 で、ステラというのはアレです。「ステラおばさんのクッキー」 を作ったおばさんだと思います。 美味しいですよね、ステラおばさん。 …ではなくて、ステラおばさんのクッキー。食べたことはないんですけど。桑名にはないんですよね、ステおばの店。 「はまぐりサブレー」 があるから、ま、いっかぁ。…という気もするんですが、で、ここでのゴルソンはアレです。ベンくん風のサブトーンを駆使して、実に奥深いバラードを展開しております。 基本、ストレートにメロディを吹いているだけなんですが、変に小細工しないほうがいい場合もありますからね。 市販の “すけべビデオ” もいい加減、モザイクのような小細工はやめて欲しいと思うんですが、とまあそんなことで、残すところあと1曲です。

  「アローン・トゥゲザー」 。 これまた日本人好みの選曲でありますな。 参議院選挙も近いので、選挙区のウケを狙った選曲なのかも知れません。 で、これは無論、スローなテンポでやってもイケる口なんですが、2曲続けてバラードという選択は無いでしょう。ゴルソンならきっと、僕のそんな予想を汲んでくれると思いますが、聞いてみたらやはりミディアム・テンポでしたな。 カーティス・フラーのトロンボーンとハモらせるとよさげな感じなんですが、テナーのワンホーンというのも、これはこれでアレだと思います。 ケリーのコンピングもまずまず妥当だし、これ、ピアノのソロを最初に持ってきても、いいかも?…と、ふと思ったりもしたんですが、普通にゴルソンが出てきましたな。 クドさが前面に出ちゃっているのがちょっと残念なんですが、その分、続くケリーがうまい具合にケリをつけてくれているし、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日は以上です。

【総合評価】 ゴルソンらしくないと言われれば確かにそうなんですが、たまにはこういうのも、いいかも? …という気がしないでもありません。 “ゴルハモ” は聴き過ぎると、ちょっと飽きるのぉ。…と、あきる野市の住民も言ってたしー。 ゴルソンのテナー・プレイそのものは正直、今までちょっと馬鹿にしていたんですが、こうしてワンホーンで聴いてみると、そんなに馬鹿にしたものでもありませんな。 一部、やや辛口なレビューもありましたが、ケリー好きの人にも普通にお薦め出来るし、辛口のカレーが好きな人でもそこそこ楽しめる、そんな1枚であると思います。


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