MOVING OUT (PRESTIGE)

SONNY ROLLINS (1954/8/18,10/25)

MOVING OUT


【パーソネル】

SONNY ROLLINS (ts)
KENNY DORHAM (tp) <#1-4> ELMO HOPE (p) <#1-4>
PERCY HEATH (b) <#1-4> ART BLAKEY (ds) <#1-4>
THELONIOUS MONK (p) <#5> TOMMY POTTER (b) <#5> ART TAYLOR (ds) <#5>
【収録曲】

(01-03) MOVING OUT / SWINGIN' FOR BUMSY / SILK 'N' SATIN
(04-05) SOLID / MORE THAN YOU KNOW

【解説】 (2010年05月16日更新)

 京都でお土産を買いました。京都のお土産と言えば、“八つ橋”。 鉄板ですよね。京都のお土産に鉄板を買っていったりすると、かなり迷惑がられるんですが、 “八つ橋” なら喜ばれます。京都に行ったのに “八つ橋” を買ってこないと、 「どうして “八つ橋” を買ってこなかった?」 と、なじられます。場合によっては八つ裂きにされちゃうかも知れません。 逆に、八つ墓村に行って “八つ橋” を買ってきたりすると、 「どうして “八つ橋” なんか買ってきた?」 と、問い詰められることになります。 「 “ヤツメウナギ” のほうがよかったのにぃ。」 とか言われてしまいます。 せっかく善意でお土産を買ってきてあげたのに、問い詰められたり、なじられたり、挙句の果ては八つ裂きにされたりして、あまりにも理不尽です。理不尽だから、婦人会のおばちゃんに言いつけてやるぅ! …ということで、今日は “八つ橋” について考えてみたいと思います。題して “八つ橋” にまつわる八つの疑問

疑問(その1) : どうして “八つ橋” って言うの?

(お答え) これはアレでしょう。在原業平でしょう、多分。 何か、名古屋の近く (←知立?) にあるらしい “八橋” というところで、「かきつばた」 の歌を詠んでましたよね。 確か 『伊勢物語』 にそのような話が出てきました。

疑問(その2) : “八橋” は名古屋の近郊だったり 『伊勢物語』 だったりするのに、どうして京都の銘菓なの?

(お答え)  確かにそうですな。知立といえば、藤田屋の “大あんまき” 、 伊勢の名物と言えば “赤福餅” は、ええじゃないか。 なのに “八つ橋” は京都のお土産。不思議ですなー。どうしてなんでしょうね?

疑問(その3) : 答えになってないんじゃないですか?

(お答え) 先生にだって分からない事はあるんだよー。 だからまあ、これはあくまでも推測なんだけど、ほら、アレちゃうの? 在原業平って、確か 「都落ち」 したんとちゃうの? そやから京都を懐かしんで、“八つ橋” を作ったんとちゃうの?

疑問(その4) : 態度がぞんざいではありませんか?

(お答え) そうだよ!ぞんざいだよ! 今日から俺のことを 「ぞんざい先生」 って呼んでくれよ!

疑問(その5) : 逆ギレですか?

(お答え) そうだよ!逆ギレだよ! おまけに、ぞんざいだよ! ちなみに俺は 「ぜんざい」 も好きだよ!!

疑問(その6) : ほかの先生はいらっしゃいませんか?

(お答え) アライ先生に替わりまして、わたくし、イナバ先生がお答えします。ミユキちゃんも小学4年生なんだから少し大人になって、 “八つ橋” についての質問をしてね。

疑問(その7) : はい。じゃあ、 “八つ橋” には固いおせんべいのようなものもあるって、本当?

(お答え) はい、本当です。 今の若い子たちは “八つ橋” というとヘナヘナの皮にあんこを挟んだお菓子だと思っているようだけど、元々はパリパリしたお煎餅のようなお菓子だったんだよ。 焼く前の皮にあんこを包んだものは “生八つ橋” って言うんだけど、最近ではそっちのほうが普通になっちゃったね。

疑問(その8) : イナバ先生の上に100人乗っても、大丈夫?

(お答え) そりゃ、イナバ物置や!!

 ということで、これで “八つ橋” に関する疑問はすべて解決しました。 今の若い子は “八つ橋” といえば、生。 イナバと言えば物置だと思っているようですが、昔は “イナバ先生デスク” という学習机があったんですよねー。 ミユキちゃん、知ってたかな? ということで、買って来ました、“八つ橋”。 固い煎餅みたいなタイプではありません。 最近の若い子には不人気ですからね、アレ。 「線香を食ってるみたい。」 とか言って。 じゃ、 “生八つ橋” を買ってきたのかというと、そうでもなくて、“生八つ橋の皮” を買ってきました。 これ (↓) です。

生八つ橋の皮♪

 「おお、皮〜♪」 と大川栄策が小躍りしそうな、見事な皮っぷりでありますなー。 ノーマルなニッキ味と抹茶味とがセットになっているんですが、生八つ橋の皮だけが、みっしりと詰っております。 ところで八つ橋って、 “八つ橋” なのか “八ツ橋” なのか、どっちが正しいの?…って、あ、ミユキちゃん、そういう質問はさっきのコーナーで聞いて欲しかったなー。 ま、気の荒いアライ先生のおかげで、4つほど質問の枠が無駄になってしまったんですが、最後のイナバ先生は余計だったと思うしー。 で、その問題は僕も前から気になっていたんですが、この生八つ橋のパッケージを見る限り、“八ツ橋” と書くのが正解っぽいんですけどね。 ということで、ググってみました。八ツ橋 (やつはし。八橋、八つ橋、八ッ橋とも記す) は、京都を代表する和菓子の一つである。

(お答え) どっちでもいい。

 本家西尾八ッ橋のオフィシャルサイト を見ると、 「八つ橋 創業1689年 本家西尾八ッ橋へようこそおこしやす。」 と書いてあるしー。 何でもいいけど “http://www.8284.co.jp/” って、なかなかイカしたドメインを所得しましたなー。 で、八つ橋の名前の由来に関しては、 ここ にいいのがありました。 途中からえらく宣伝臭くなるところがちょっとアレなんですが、ええ話どしたなぁ、途中までは。在原業平、あまり関係ありませんでしたけど。 もっとも、これは西尾八ッ橋の人が勝手に言ってるだけで、他にも色々な説があるみたいですけどね。 形のほうも 「橋を真似した説」 のほか、いや、あれは “箏” を模したものだと言う人もいます。なるほど、言われてみれば確かに、焼いたほうの固い八つ橋は ネオ箏 によく似ておりますな。 ググって出てきたたのが、たまたま “ネオ箏” だったんですが、おそらくネオでないオーソドックスな箏にも似ているに違いありません。 ところで、箏(そう)って、何?…と思ったら、要は “琴” の事らしいんですが、そうだったんですかー。 で、この場合、名前の由来は箏曲の祖・八橋検校を偲んだものだと言われておりますが、何だかこっちのほうが納得がいきますな。西尾クンの言ってることは、どうも胡散臭いです。 そもそも僕は聖護院八ツ橋派ですからね。 何故そうなったのかと言うと、小学校の修学旅行で京都に行く事になった時、親から言われた 「 八つ橋は “しょうごいん” ちゃうとアカンでー。他のはアカンでー。」 という教えを忠実に守り、そしてそのまま、素直にオトナになったからなんですが、元祖を名乗っている以上、西尾八ッ橋というのも有名なんすかね? 一度、食べ比べてみたいような気もするんですが、今回、メーカーをあまり気にせずに買った生八ツ橋の皮は、幸か不幸か、さば家の定番であるところの聖護院モノでありました。

 先程から何度も “生八ツ橋の皮” と書いているんですが、この表現はあまり正しくないようです。焼いた固い煎餅みたいな奴が “八ツ橋” で、その焼いてないバージョンが “生八ツ橋” 。 つまり、僕が今回買った皮の部分そのものが “生八ツ橋” という事になるようです。 じゃ、僕が今まで “生八ツ橋” だと思って食っていた商品は何だったのかというと、 “つぶあん入り生八ツ橋”。 なるほど、そういう事だったんですかぁ。 小学校の修学旅行で京都に行く事になった時、親から 「 “八ツ橋” 買ってきてー。生やで。焼いた奴はアカンでー。」 と言われて皮だけの奴を買ってきて、 「こんなん “生八ツ橋” ちゃうやん!皮だけやん!」 と言われて折檻されたりしたら、それはもう、十分にグレてもいいレベルの話だということになりそうです。 この、物識らずのDQN親め! ま、僕も間違っていたので、あまり人のことは言えないんですが、で、 “つぶあん入り生八ツ橋” というと、 “おたべ” の事だと思ってる人もいるかも知れませんが、それは必ずしも正確ではありません。 “おたべ” というのは株式会社おたべが作っている “つぶあん入り生八ツ橋” のことでありまして、違うメーカーの商品なら、名前も違ってきます。 “夕子” だったり “聖” だったりします。 普通、 “つぶあん入り生八ツ橋” は、生八ツ橋の皮にアンコを挟んで三角に折り畳むんですが、八ッ橋屋西尾為忠商店の “つぶあん入り生八ツ橋” は四角なんだそうです。 だからどうしたと言われると、別にどうもしないんですが、見た目的にはちょっとインパクトがあるかも知れません。ちなみに商品名は “八ツ橋殿” なんだそうで、ネーミングのインパクトは、ちょっと今ひとつですな。どうせなら “聖” に対抗して “俗” とか、 “ゆうこ” に対抗して “やよい” とか、 “おかべ” に対抗して “食わねーよ!” とか、そういう名前のほうがよかったような気もするんですけど。

 とまあそんなことで、僕の目の前には生八ツ橋の皮…でなくて、 “生八ツ橋そのもの” があります。 無論、そのまま食ってもいいんですが、それでは何だか寂しいので、中に何か挟んだり、皮でクルクルと巻いたりして、生八ツ橋の新作を作ってみるというのはどうでしょう? ということで、試してみました。まず最初に頭に浮かんだ “具” は、これです。

ちーず生八つ橋♪

 埼玉県の熊谷というところで “ちーず大福” というのを食ったら、予想以上に美味かったんですが、となれば生八ツ橋とチーズとの相性もいいに違いありません。 で、試してみました。 これは、おおっ♪ 意外と普通? というか、まあまあいける? 最初、試しにクリームチーズだけをカジってみたら、やっぱり所詮はチーズやな。…といった感じで、ちっともスイーツではなかったんですが、生八ツ橋に挟んだら、わりとお菓子っぽい感じになりました。 ただ、ちょっと甘みが足りないような気もしたので、ジャムなんかを少し追加すれば、かなりイケるかも知れません。
 (評価:☆☆☆☆)

 あ、この評価は (☆=20点) で計算して貰えればいいんですが、で、翌日。 お昼ごはんは生八ツ橋ということにして、マックスバリュでいくつかの食材を購入して、クルマの中で個人的に新作発表会をやってみることにしました。

用意した具材♪

 アイスクリームとチョコレート。 この2つに関しては絶対的な自信がありました。 「雪見だいふく」 があんなに美味しいんだから、アイスと生八つ橋が合わないワケがありません。 ハーゲンダッツは種類が多いのでちょっと悩んだんですが、和のテイストと食感に期待して、 “クッキー&グリーンティー” をチョイス。

あいす生八ツ橋♪

 (評価:☆☆) …って、いきなり結論から書いてしまいましたが、いや、これは思わぬ苦戦を強いられました。 すぐに融けて、ドロドロになっちゃうんですよね、アイス。 まともに三角形に整える余裕すらありませんでした。 で、味のほうも微妙。。。 少なくともグリーンティが失敗だったのは間違いありません。バニラのほうが、まだよかったかもー? アイスを挟んですぐ冷凍庫に放り込んで、一度凍らせてから食えば何とかなるかも知れませんが、少なくともクルマの中で製造する商品ではありませんな、こりゃ。

ういんなー生八ツ橋♪

 アイスとチョコは大成功するに違いなく、それだけでは面白くないので、ネタとして買ったのがポーツビッツです。 生八ツ橋って、ちょっぴり餃子や春巻の皮っぽくもあるので、もしかしたら “おかず系” もいけるかも?…という、かすかな期待もあったんですが、この皮、真ん中のところに切れ目が入っていてハーフサイズにすることが出来るんですが、半分にしてクルクルと巻いて、ちょうどいい感じに仕上がりました。 何というか、この、短小な上に、皮余りというか。 見た目の健全性にやや難があるんですが、で、お味のほうはと言うと、もっと大きく難がありました。
 (評価:☆★)

 あ、この評価は (★=10点) の換算なんですが、で、続いてはチョコレートです。

ちょこ生八ツ橋♪

 いい歳こいてクルマの中でこんなことをしている自分が情けなくて、ちょっぴり涙が滲んで、写真もボケました。 ま、チョコ系の生八ツ橋は実際に売られているので、これはまったく問題がない筈なんですが、全体的に甘ったるくなり過ぎないように、チョコはいちばん苦い “カカオ95%” をチョイスしました。一粒が大き過ぎて三角に畳めず、全体をくるむような形になったんですが、試しにカジってみると、これは、おおっ! モチモチした皮に続いて、カリっという確かな歯応えがあって、食感が新鮮♪ が、お味のほうはというと、微妙。。。 半端なく苦いんですよね、“カカオ95%”。 生八ツ橋のかすかな甘みなど、完膚なきまで打ちのめされてしまっております。“カカオ72%” くらいのほうがよかったかもー? ま、それ以前の問題として、皮の部分が何だか無駄にモチモチしているだけで、まるで “具” と仲良くしようとしないのが駄目なんですけどー。 ポークビッツの時もそうだったんですが、もしかして生八ツ橋って、協調性皆無?
 (評価:☆☆★)

 鉄板だと思っていたアイスとチョコが意外と苦戦して、駄目だと思っていたウインナーが、やっぱり玉砕。 そういう結果に終わってしまったんですが、これくらいの事でメゲてはいけません。 さ、頑張りましょう。 ということで、次の日の夜、2つの具材にチャレンジしてみました。

おこし生八ツ橋♪

 埼玉県の熊谷というところで 五家寶 というのを買ったら、わりと美味しかったんですが、アレって要は “おこし” のようなものを、きな粉の皮で包んだものですよね? となれば、“おこし” と生八ツ橋でも似たようなものが再現出来る筈です。 ということで、バローというスーパーで、パチモンの “雷おこし” (一口タイプ) を買ってきました。 ニッキ味の皮は食い尽くしてしまったので、ここからは抹茶味バージョンなんですが、半分に切って雷おこしを巻くと、ちょうどいい感じに仕上がりました。 で、食べてみました。 何と言うかこれ、見た目も味も、めっちゃ普通? あまりにも特徴が無さ過ぎて、ネタにもならないんですが、こんなことならチョコで失敗した時点で、メゲて終わりにしておけばよかったですなぁ。。。 そもそも市販の “おこし” の類って、五家寶の中身と比べると、歯応えがちょっとハード過ぎるんですよね。 人参みたいな袋に入ったポン菓子のほうが五家寶ライクな仕上がりになったような気もするんですが、あんなの、巻いてる端からぽろぽろと毀れるに違いないし、ま、水飴を用意して固めれば大丈夫かも知れませんが、そこまで手をかけてまで食いたいものでもないしー。
 (評価:☆☆☆★)

具材♪ ここあしがれっと生八ツ橋♪

 ということで、最後です。ココアシガレット♪ いや、生八ツ橋の皮で巻くのに、太さといい長さといい、芯にするにはちょうどいいかな?…という気がしたんですよね。 で、これ、ココア以外に、ほんのりハッカの味がしたりしますよね。 中のハッカと外のニッキが、絶妙のハーモニーをもたらすのではなかろうか? そういう期待もありました。 ま、ニッキの皮を食い尽くしてしまった時点で、コイツの存在価値は半減してしまったんですが、とりあえず抹茶の皮で巻いてみました。 おおっ、見た目は完璧ですな。 このまま京都駅の名店街に陳列しても、まったく違和感が無さそうです。 で、食ってみました。 固っ! めっちゃ固っ!! なまじ皮の部分がモチモチしているだけに、より一層、芯の固さが無駄に強調されてしまいます。 で、お味のほうはというと、不味っ! めっちゃ不味っ!! こんなものを作ってみようと思い立った自分が、ただただ情けない。そう思わずにはいられません。
 (評価:★…!?

 生八ツ橋はそのまま食うのがいちばん美味い!…という結論が出たところで、今日のお話はおしまい。

 ということで、今日はソニー・ロリンズなんですが、それはそうと、めっちゃ苦いチョコレートと、大して美味しくも無い雷おこしが大量に余ってしまって、どうしてくれる!? 仕方が無いのでヤケ気味に、両方をいっぺんに口の中に放り込んで食ってみたら、意外と美味かったんですが、 “チョコおこし” というのは製品になるかも知れませんな。…と思ったら、東京浅草常盤堂雷おこし本舗が、既に作っておりました。 これ です。 ちなみに ちーず生八ツ橋 も既に商品化されているみたいです。 世の中に出回ってないという事は、やってみたけど、駄目だった。そういうことなのかも知れませんな。 とまあ、それはそうとロリンズなんですが、今回は 『ムービング・アウト』 というのを選んでみました。地味ですな。買った本人ですら、こんなアルバムを持っている事をすっかり忘れていたんですが、1954年の録音なので、かなり初期の作品でありますな。 ジャケットを見ると、セロニアス・モンクケニー・ドーハムと書かれているんですが、騙されてはいけません。ドーハムはともかく、モンクが参加しているのはたったの1曲でありまして、それ以外のセッションではエルモ・ホープがピアノを弾いてます。 名前を書いて貰えなかったエルモ・ホープは涙目でしょうな。 個人的にはモンクよりもエルモのほうに得るものが多いので、嬉しい限りなんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょうか。

 まずはアルバム・タイトル曲の 「ムーヴィング・アウト」 。 ロリンズのオリジナルなんですが、これはアレです。真性のビ・バップです。 ま、1954年ですからね。ファンキーなのは端から期待してませんが、ロリンズ主体で、ちょっとだけドーハムが絡むテーマ部に続いて、 (ts)→(tp)→(p) の順でソロが回されます。管楽器の2人は若さに任せて、元気にバリバリと吹いております。 特にドーハムの畜肉加工食品的な吹きっぷりが圧巻なんですが、いいですよね、ハム。 生八ツ橋でウインナーを包むのは失敗だったんですが、ハムで何かを包んだり巻いたりしたヤツは何だって美味しいです。 四角いハムにアンコを挟んで、三角に畳んで食べてみるものいいかも知れません。 最近、とんと見かけませんけどね、四角いハム。 四角いほうがサイドイッチを作る時、パンの端っこまできっちりとハムになって、便利なんですけどね。 …と思って 「四角いハム」 でググってみたら、 ハム・ソーセージなんでも相談室 というのが引っ掛かりました。宮崎恭平くんが僕と同じような疑問を持ったようなので、詳しくは、ま、そっちを見て貰うとして。アライ先生と違って、うーんと親切で丁寧なお答えが書いてあります。 この播州ハムのサイトはなかなか面白いので、次回のこのコーナーは “ハム・ソーセージねた” にしようかと思ったりもするんですが、でもって、エルモ・ホープもわりと頑張ってますな。 ホープよりもソープのほうが、好き♪…という人もいるかも知れませんが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、2曲目です。やはりロリンズのオリジナルで、 「スウィンギン・フォー・バンジー」 。 バンジーというと、バンジージャンプとか、チンパンジーとか、バンバンジーとかが頭に浮かんでくるんですが、この中で個人的に順位を付けるとすれば、バンバン>チンパン>バンジャンとなりますな。バンジージャンプなんて、あんなもん、文明人のやる事とは思えません。 チンパンジーは見ていて面白いし、バンバンジーは食べて美味しいので、もしこの曲が、そのどちらかの為のスウィンギンであるなら、許してやってもいいんですが、「バンジーの為の、ゆらゆら」。 何だかジャンプっぽいですなー。飛び降りた後、かなりスウィンギンな状態となりますからね、アレ。 となれば、僕はこの曲を許すことが出来ないんですが、聴いてみたら、またしても、純正バップっぽい仕上がりだったしー。 この手の曲って、そんなに嫌いではないんですが、積極的に好きというワケでもなくて、お菓子で言うと “おこし” みたいな感じでしょうか? ちなみに僕が買ったパチモンの雷おこし (一口タイプ) は、3種類くらいの “おこし” が入っていたんですが、中ではピーナッツ入りの奴が割と美味しかったです。 バップ曲でも、何か脇役的なものがあればちょっと嬉しいんですが、ロリンズ主体で、ちょっとだけドーハムが絡むテーマ部に続いて、 (ts)→(tp)→(p) の順でソロが回されて、遊びの要素はあまりありませんな。 でもまあ、 “おこし” そのものが美味しければ、それはそれで別にいいんですが、ここでは各自の充実したソロが、それに当たると言えるでしょう。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 続いて3曲目。 「シルク・ン・サテン」 。 これまたロリンズのオリジナルなんですが、 「絹、ん〜、繻子」 っすか。 繻子 (しゅす) と言われてもまったくピンと来ないんですが、何か絹織物の一種でしたっけ? ま、いずれにしろバラードなので、ビ・バップ一辺倒のマンネリ気味な空気を一掃することが出来て、何より。 ロリンズが紡ぐ縦糸に、真ん中でエルモ・ホープが横糸として絡んで、結果的に見事な1枚の織物を作り上げるわけですが、いいですなぁ、『繻子の靴(上)』(ポール・クローデル著・渡辺守章訳)。 どうして上巻に限定するのかと言うと、とても下巻までは読む気がしないに違いないからなんですが、マラルメの弟子、彫刻家カミーユの弟、敬虔なカトリックにして駐日大使も務めた外交官。幾つもの顔を持つ劇詩人がその全てのベクトルを凝集させた世界大(グローバル)演劇でありますか。上巻の最初の3ページでさえ、読む気が起こりませんな、こりゃ。 とか言ってるうちに再びロリンズが出てきて、影でこっそりドーハムも絡んで、おしまい。 で、次。 「ソリッド」 。 またまたロリンズのオリジナルなんですが、これまでの中では一番メジャーな作品であると言えるかも知れません。グラント・グリーンが取り上げて、アルバムのタイトルにまでなってますもんね。 ま、オクラ入り物なので、誰も知らないとは思うんですけど。 で、これ、これまでの中では一番ソウルな仕上がりとなっておりまして、藻類 (そうるい) 好きの人にとっては、嬉しい限り。 ま、僕はさほど好きではないんですけどね、藻類。 単なる藻 (も) やろ?…としか思えなくて、あまりソソられるものがありません。 で、演奏のほうはというと、2管のユニゾンによるテーマに続いて、ロリンズが最初にソロを取るんですが、ソリッドで、とてもいい出来だと思います。 ソリッドというのがどういう意味なのか、正確にはよく分からんのですが、無駄毛を剃りっど。 ま、そういう事なのではなかろうかと。 時おり倍テンポを交えたりして、リラックスした中にも緊張感が漂う吹きっぷりなんですが、で、以下、ドーハムとホープのソロが続いて、ブレイキーのドラム・ソロがあって、2管の絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 曲そのものは藻類だったんですが、ハード・バピッシュな仕上がりで、なかなかよかったのではなかろうかと。

 ということで、ラストです。歌物ナンバーの 「モア・ザン・ユー・ノウ」 。 この1曲だけ録音日も参加メンバーも違っていて、寄せ集め感バリバリ全開なんですが、唯一のウリと言えば、モンクが入っていることくらいでしょう。個人的にはさほど嬉しくはないんですけどね、モンク。 定食にデザートが付くのがウリの店で、出されたデザートが瓜だった。 ま、その程度の価値しか見出せません。 で、演奏はというと、バラードです。 トミー・ポーターのベースによるイントロに続いて、ロリンズがしみじみとテーマを歌い上げます。 で、そのままアドリブに入ります。 いいですなぁ、ロリンズ。 “露綸子” と漢字に変換出来るところがもう、たまりません。 で、続いて問題のモンクが登場するんですが、ん? 意外と普通? やはりこの人の場合、自作曲でないと、その浮世離れ感が軽減してしまう嫌いがあるんですが、とまあそんなことで、ロリンズが戻って、テーマが出てきて、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】 古めの音源ということで、音の悪さとか、出来の古臭さとかが懸念されていたんですが、ま、大丈夫でした。 円熟期のロリくんと比べると、勢いだけやん!…といった気がしないでもない荒削りなスタイルなんですが、ま、これはこれで、いいのではなかろうかと。 速い曲とバラードとのバランスもいいし、何より全5曲というところが最後まで飽きなくて、よかったっす。 おまけのモンクもまずまずだったし、ま、総体的に、そこそこ。 そんな1枚でありました。


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