PAIRING OFF (PRESTIGE)

PHIL WOODS (1956/6/15)

PAIRING OFF


【パーソネル】

KENNY DORHAM (tp) DONALD BYRD (tp)
PHIL WOODS (as) GENE QUILL (as)
TOMMY FLANAGAN (p) DOUG WATKINS (b) PHILLY JOE JONES (ds)

【収録曲】

(01-02) THE STANLEY STOMPER / COOL AID
(03-04) PAIRING OFF / SUDDENLY IT'S SPRING

【解説】 (2010年02月07日更新)

 “2ちゃんねる”。 インターネット社会の光と影について語られる時、 “影” の部分の代表のように語られることもある巨大掲示板なんですが、ちなみに “光” のほうはというと、ヨード卵・光だとか、光GENJI だとか。 ヨード卵・光を配合した贅沢な国産ドッグフードだろうが、諸星和己の歌声だろうが、パソコンさえあれば、家にいながらどんなものでも手に入れることが出来ますからね。便利な世の中になりました。 一方、 “影” のほうはというと、 「仮面の忍者・赤影」 とか、影山ヒロノブ (←アニソンのプリンス) とか、さほど害のないものもあるんですが、 “2ちゃんねる” は違います。 煽り、荒らし、個人攻撃、誹謗中傷、名誉毀損、殺人予告などなど。 見ているだけで心が荒 (すさ) みます。 心が荒んで、「スサノオノミコトぉ〜!」 と叫びたくなるのは、僕だけでないに違いありません。いや、もしかしたら僕だけなのかも知れませんが、荒んだ心はスーザン・ボイルの歌声で癒すしかありません。 紅白出場でストレスが溜まったのか、空港で錯乱状態になって、モップをマイクに卑猥な言葉を叫んでいたらしいですけどね。 で、今日は、そんな “2ちゃんねる” が持つ影の部分に光を当ててみたいと思うんですが、その前に、みんなにちょっとやって貰いたいことがあります。専用ブラウザの導入です。 “2ちゃんねる” は普通に Internet Explorer とかでも見れるんですが、本文中に直リンが貼られている場合、それをクリックすると、 「別のサイトにジャンプしようとしています。宜しければ上記のリンクをクリックしてください」 という画面が出てくるんですよね。 それはそれで別にいいんですが、その画面にとっても卑猥なバナーが出てきて、こまります。 卑猥なバナナなら、まだ何とか我慢出来ないこともないんですが、バナーは困ります。会社で見れません。 ま、2ちゃんねるに貼られたバナーなど、どこに飛ばされるか分かったものではないので、クリックしないのが賢明だとは思うんですが、怖いもの見たさというか、臭いもの嗅ぎたさというか、ヤバいもの踏みたさというか、そういう気分になる時もありますからねー。

 幸い、僕の使っているブラウザは画像をオフにする機能があるので、今までさほど不自由を感じたことはないんですが、いい機会なので一度、専ブラというのを試してみますかね? たくさん種類があって、どれがいいのかよく分からんのですが、とりあえず、ググったらいちばん上に出てきた Jane Style というのを入れてみました。 おお、いいぢゃん♪ たくさんありそうな機能のうち、まだ何も使いこなせてはいなんですが、とりあえず直リンを踏んでも卑猥なバナーに跳ばなくて、いいっ♪ いちいち別ウインドウで IE が開くのはウザいんですが、画像は専用のビューアで見れるのが、いいっ♪ 基本的にリンクを踏んでみるのって、写真がほとんどですからねー。 とまあそんなことで、これでみんなも心おきなく会社で2ちゃんを見ることが出来るようになったと思いますが ( Mac使いは、知らん。) 実はこの健全サイトの 『塩サバ通信』 も、過去に2回ほど2ちゃんで取り上げられたことがあります。 まずは今から9年ほど前の 『ジャズなんかきいて馬鹿にならないですか?』 というスレ。 あ、最初のほうはよまなくてもいいです。

  92 名前: 名無し募集中。。。 投稿日: 2001/04/17(火) 11:54

  2チャンネルのひとってどこの板いっても変わんないんですね。
  勝手に期待してた僕が悪いとは思いますが、モー板以下の低脳ぶりに
  失望しました。ジャズ板の人はモー板なんかより大人な人が集まってる
  と思ってたのに。。。これではモー板の方がましです。なのでモー板に
  帰ります。さよなら。


 …という失望の声が聞かれるような内容だったりします。塩サバが出てくるのはレス番(100)あたりからなので、そこだけ見て貰えばいいんですが、 「塩サバは読み鋳物としては面白いけど、ジャズのサイトとしては、ちょっとイタい。かなり保守的だし。」 …という、ありがたい意見が語られております。 あと、 『サダナリデラックス』 も、お薦めされておりますな。 当時から僕はサダナリくんをライバル視しておりまして、一度だけ塩サバのオフ会に参加して貰った時も、ほとんど口を聞かなかったんですが (←話題が無かった。) 残念ながら2001年頃で更新が途絶えた模様です。 勝った! (←勤続年数だけ。) と思います。 で、最近では 『盗作屋・唐沢俊一』 ですか。 あ、(←)ここをクリックしてはいけません。 そんなことをしたら普通のブラウザで2ちゃんが開いてしまいます。 で、うっかり直リンを踏もうものなら、卑猥なバナーが出てくることになってしまいます。アフガニスタンの地雷原のような恐ろしいところなので、 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1265097764/ という URLをコピーして、専ブラで見るようにして下さい。 で、塩サバに関してはスレ番(6)のところに出てきます。もはやテンプレにまでなって、ありがたい限りなんですが、あの唐沢俊一クンが盗作って、こりゃ、えらい騒ぎになるな。…と思ってワクワクしていたのに、さほど盛り上がらないまま、事態は収束してしまいましたな。 とまあそんなことで、塩サバと2ちゃんとの関わりは、以上です。

 あとは、個人的によく見ているスレをいくつか紹介したいと思うんですが、ネット社会のゴミのように思われている2ちゃんねるなんですが、時として有力な情報が得られることがまったく無いとは言い切れません。 例えば1年半ほど前、奥飛騨温泉郷に行くに当たってチェックした 『奥飛騨温泉郷を語ろう』 ( http://love6.2ch.net/onsen/kako/1205/12055/1205509086.html ) というスレ。 いや、もしかしたら重複スレのほうだったかも知れないし、あるいは過去ログと化していて、見れない人がいたりするかも知れませんが、僕はここを見て、「新穂高の湯」 の温度が著しく低くなっていることを知りました。 そうと知らずに浸かっていたら、冷たさのあまり、 「うひゃ〜。」 と叫んでいたに違いありません。あぶないところでした。 で、次。 半年ほど前、立山黒部アルペンルートに行くに当たってチェックした 『立山・黒部アルペンルート』 ( http://love6.2ch.net/test/read.cgi/travel/1251886814/ ) 。 富山駅にある 「しろえび亭」 がお薦め♪…と書いてあったので、こりゃ、いいことを聞いたと思って、わざわざ富山駅に寄って白えびの天麩羅を買いました。僕の嫌いなタイプの海老でした。 やはり、2ちゃんねるなど、信用ならんっ! ま、食べ物の好みは人それぞれなので、ガセ情報とは言えないんですが、「でも、サバの嫌いなタイプの海老のような希ガス。」 と、フォローするのが礼儀だと思います。 ま、僕は一度も2ちゃんねるにコテハンで好きな海老のタイプについて書き込んだことはないので、それはちょっと無理な相談なのかも知れませんけど。

 コテハンと言えば、『☆航空祭スレッド★』 ( http://society6.2ch.net/test/read.cgi/jsdf/1265198089/ )でよく “桑名hamagly” という名前を見掛けます。正直、負けた。…という気がします。 今さらもう取り返しが付かないんですが、 「さば」 では何だかちっとも桑名っぽくないですもんね。 かと言って、今さら “桑名yasunagamochy” ではパクリだし、マイナーだし、無駄に長いだけだし、最後の “〜chy” のところがちょっと無理矢理だし、結局は 「さば」 のまま死んでいくことになると思うんですが、それはそうとこの航空祭スレは、けっこう良スレでありますなぁ。 その土地の食い物の話とか、なかなか有益な情報が得られるんですが、今、最も気になっているのは芦屋基地 (←兵庫県ではなく、福岡県にあるらしい。) の航空祭の時に必ず話題に上る東筑軒の 「かしわめし」 であります。 これ ですな。 一見すると、ただのコンビニの 「鶏そぼろ弁当」 なんですが、鶏がらのスープで炊いたゴハンが絶品なんだそうで。 海老には好きなタイプの海老と嫌いなタイプの海老があるんですが、かしわ (←鶏肉のこと) ならハズレはないでしょう。 基本、 “肝” と “首鶏” 以外は大好きですからね。 “首鶏” というのは鶏の首の部分の肉なんですが、子供の頃、おかんに 「 “くびどり” 買ってきてー。 」 と言われて、よく自然食品の店に買いに行かされたんですが、見た目、まんま鶏の首やん!…といった感じで、ちょっと嫌でした。首は鶏肉のなかでも一番運動している部分なので、美味しいそうなんですけどね。 ま、たとえ 「かしわめし」 の材料が首鶏だったとしても、こうして “そぼろ” になってしまえば、まったく首を意識しないで食べることが出来るので大丈夫なんですが、ちなみに今年は頑張って築城基地 (←福岡県にあるらしい。) の航空祭に行ってみようかと思っております。 東筑軒の地元、折尾駅とはちょっと方向違いなんですが、 「かしわめし」 は小倉駅にも売ってるそうなので、買ってみようかと思っております。 「かしわめし(おりお)」 というのは 1000円もするんですが、おかずも入っているから、よさそうですよねー。 が、この “おかず” には、ちょっと問題がありますな。 お弁当に欠かせない厚焼き卵とウィンナー。 ここまでは、いいです。ウインナー、大好きだしー。 問題は、さらに有頭海老・小焼・蒲鉾・奈良漬けまで入り…というところなんですが、有頭海老っすかぁ。。。 あまり好きなタイプの海老ではないんですよね、有頭海老。 もっと下等な無頭海老ならまだ我慢出来るんですが、 「さらに〜」 は余分でしたなぁ。 「さらに〜」 をやめてサラミにしてくれたら迷わずに買うんですが、やはり、副菜が少ない程『通』好み?と評判の、ノーマルなタイプのほうがいいですかね? ちなみに 「かしわめし」 は東筑軒以外にも色んなとこから出ているようで、 『かしわめしを語るスレ』 ( http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/bento/1092490488/ )というのもあったりします。

 で、築城基地の航空祭に行くついでに、別府温泉にでも泊まってみようか?…と思っているんですが、懐かしいですなぁ、別府。 高校の修学旅行の時、大阪から別府までフェリーで行ったんですよねー。 別府港に着いたら 「別府へ来た、北別府」 という北別府 (←広島東洋カープのピッチャー) ポスターがあって感動したものですが、で、大分のお土産は何がいいのか、今から悩んでいるんですけどー。 行くのは恐らく11月末になると思うので、悩む時間はたっぷりあるんですが、調べてみたら、おおっ、“土産物・特産物” という板に 『【ざびえる】大分の土産を語るスレ【瑠異沙】』 ( http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/localfoods/1131380744/ ) というのがありますなー。 この専ブラ、板ごとにスレッドの一覧が表示されて、便利なんですが、別府の銘菓と言えば “ざぼん漬け” やろ? …と思いながら読んでいたら、ぜんぜん話題には上っていませんでした。 ま、よく考えたら、さほど美味しいものではないですからね、ざぼん漬け。 やはり九州方面に修学旅行に行ったさば兄が、土産に買ってきたんですけど。 “ポッペン” (←食い物では無い) とか。 で、何がいいのかと言うと、スレタイにもなってる “ざびえる” もしくは “瑠異沙” というのが無難なようですな。 どうして “るいさ” と “挫毘餌瑠” という名前にしなかったのか、その真意は分かりませんが、個人的には 関あじ・関さば最中 というのにちょっとソソられました。 関あじ最中は、やや大ぶりで、粒餡の中に求肥が入っている。関さば最中は、やや小ぶりで、こし餡である(餅は入っていない)。 関サバよりも関アジのほうが大きいんですな。 個人的には 粒餡>こし餡 だし、しかも、求肥LOVE♪…なので、断然、関あじ最中のほうに魅了を感じるんですが、しっかりしろ、関さば最中っ! …と思ったら かれい最中 というのもあるようで、大分というところは水産系モナカの一大産地だったんですなぁ。。。

 とまあ、ここまでが前置き…というか、行数稼ぎで、ここからが本題です。 先日、すごく泣ける本に出会いました。 電子書籍で読んだんですが、 『嗚咽 −2ちゃんねるの泣ける話−』 という本です。 普通、泣ける本といっても、結末が泣けるとか、主人公が結膜炎になるところが泣けるとか、そういう部分的なものだったりするんですが、コイツは違います。 もう、最初から最後まで泣けます。 書かれている話の8割くらいは大丈夫です。 同じ 「2ちゃんねるの泣ける話」 でも、 『いいひと』 のほうは大丈夫です。 人から親切にして貰った。ちょっと優しくして貰った。そういうエピソードが中心なので、心が温かくなるものの、さほど泣けるほどではありません。 が、 『嗚咽』 のほうは駄目です。 泣けます。間違いなく泣けます。 さすがに読んでて嗚咽するというところまではいかないんですが、号泣に近い状態にはなれます。 うっかり電車の中とかで読んじゃったら大変ですな、こりゃ。 あ、スレ番 (156) まで読んだらザボン漬けが登場したんですが、すんません。 書きながら並行して色んなスレを覗いているもんで。 ザボン漬けは細かく切ってお菓子に入れて焼く。…とのことなんですが、なるほど、それならいいかも知れませんな。 そのままカジると表面の砂糖があまりにも強烈過ぎて、虫歯にめっちゃ悪そうな気がするんですが、刻んでしまえば大丈夫かも知れません。 で、話は 『嗚咽』 に戻るんですが、「オカンもの」 が特に駄目です。 オカンものと言っても、日本酒はお燗が美味しいとか、風邪をひいて熱が出ると悪寒がするとか、そういう話ならいいんですが、オカンが死んじゃったりすると、もう駄目です。 『探偵!ナイトスクープ』 でも 「日本一周旅行中の息子」 とか、 「役者になった息子を見せて」 とか、ちょっと毛色は違うんですが 「空手の母は強し」 とか、母子モノは間違いなく号泣してしまうんですが、この本だと、オカン、死んじゃいますからねー。 で、奥さんが死んじゃう話も辛いです。 オッサンが死んじゃう分には、ま、しょうがないかぁ。 人間、それが運命なワケだしぃ。…と、わりと冷静な気持ちでいられるんですが、それを語るのが奥さんだったり、娘だったりすると、もう駄目です。 で、ペットや子供が死んじゃう話となると、これはもう、反則ですよねぇ。 ああ、ウサギのミミたん。。。

 この本は2ちゃんねるの 『嗚咽』 というスレから、特に泣けるエピソードを抜粋したもののようです。 そのため、当然、煽りや荒らしの部分は削られていて、よい子のみんなにも安心なんですが、ま、正直、ここに書かれているのがすべて実話だとは思えないんですけど。 でも、そんなことはどうでもいいという気がするくらい、心がピュアになります。 ちなみにこのスレは今でも続いているようで、現在、 『嗚咽その10』 ( http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/cafe30/1165063787/ ) まで進んでいるようです。 (2) のアスキーアートが何もかも台無しにしちゃっておりますが、そういうのも含めて、一度読んでみることを激しくお薦めします。 泣き過ぎて、ちょっぴり疲れちゃうかも知れませんが、そういう時には何気に 『≡▲ 猫撮り専科 ≡゜ェ゜≡』 ( http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/dcamera/1260970943/ ) が、お薦め♪ スレタイと (1) のアスキーアートが、可愛いっ♪ いいですなぁ、ぬこ。 心が和みますなぁ、ぬこ。 出てくる写真のほうも、どれもレベルが高いです。 ああ、数年前にお亡くなりになってしまったクロたんも、もっとたくさん写真を撮ってあげればよかったですなぁ。。。 …と、また “嗚咽モード” に戻りそうになったところで、おしまい♪

 ということで今日はフィル・ウッズなんですが、いやあ、ジャズ板にもいろいろと気になるスレがありますなぁ。  『寺島靖国ファンスレッド』 ( http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/classic/1208578997/ ) とか。 試しに読んでみたら、すぐに読む気が無くなってしまったんですが、もしかしてジャズ板って、本当に “モー板” よりも、下? とまあそれはそうと、今日はフィル・ウッズなんですが、 『フィル・ウッズ』 ( http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/classic/1075478992/ ) というスレもありますな。 今日、紹介しようと思っている 『ペアリング・オフ』 というアルバムが出てきたらやめようと思って読み始めたところ、(3) に出てきて、すぐに終わってしまったんですが、

  3 名前:緑いるか ◆xc9TzdkvNk [age] 投稿日:04/01/31(土) 02:39 ID:???
  記念カキコ!でも、この人いまいち判らん。PAIRIN' OFFとかEUROPIAN RHYTHM
 MACHINEとか好きなんだけど、共演者のプレイが好きなんだよ、白状すると。

 …ですか、なるほど。 ヨーロッパ的な律動機械は聴いたことがないのでよく分からんのですが、確かにこの 「ペアリング・オフ」 に限って言えば、共演者が魅力的ですよね。 ウッズ以外にもう一人ジーン・クイルというアルト奏者が入っていて、アルト編を2人まとめて片付けるには好都合だし、で、トランペットのほうもケニー・ドーハムドナルド・バードと、リーダーを張れる逸材が2人も参加しております。 で、リズム隊はというと、トミー・フラナガンダグ・ワトキンスフィリー・ジョー・ジョーンズと、これまた完璧な布陣。 うるさい婦人会のオバチャンでも文句のつけようがない布陣なんですが、ま、要するにこれ、プレスティッジお得意のブローイング・セッションなんですけどね。 1曲あたりの演奏が長い分、収録曲のほうは4曲と少なくて、レビューをするのも楽。 ジャケットが適当なところも僕としては嬉しいし、この際、ウッズのプレイそのものは、別にどうでもよかったりするんですが、とりあえずまあ、演奏のほうを聴いてみることにしましょうか。

 すべてウッズのオリジナルのようなんですが、まずは 「ザ・スタンレイ・ストンパー」 。 タイトルからして、酢で端麗で、酢で豚でパーな曲調が期待されるところなんですが、あ、ビリー・ジョエルの 「素顔のままで」 。 あれでアルトを吹いているのがフィル・ウッズなんすか。 2ちゃんねるには色んな発見があるんですが、いや、ただ僕が物事を知らなさ過ぎなだけなのかも知れませんけど。 で、この 「ザ・スタンレー・ストンパー」 というのはアレですな。 ちょっぴりファンキーな香りのするハード・バピッシュな佳曲。…といった感じで、悪くないですな。 ハモリ的にはあまり期待が持てない2トランペット+2アルトという変則的なセプテットながら、テーマ部の合奏具合も、まずまず健闘していると思います。 で、ソロ先発はアルト(その1)ですか。 生憎、僕はフィル・ウッズに関してはあまり多くの事は知りません。 パーカーに心酔するあまり床上まで浸水しちゃったとか、パーカーに惚れこむあまり、パーカーの死後、未亡人のチャンちゃんと結婚しちゃったとか、そういう、どうでもいい知識しか持ち合わせておりません。 一方、もう一人のアルト奏者、ジーン・クイルについては、「大寺院、食い入る視線は、みうらじゅん」 という、かれい技師 (だっけ?) の詠んだ俳句しか浮かんでこないので、この1人目のソロがウッズなのか、クイルなのか、僕には判断がつきません。 が、恐らく、ウッズなんでしょうな。 ジャズの世界では、リーダーが最初にソロを取る場合が多いしー。 サイドマンの誰かが作った曲である場合、作曲者特権として、その人がトップを勤めることもあるんですが、この曲は作ったのもウッズ本人なので、ま、8割方はそれで正解でしょう。 ライナーノートにソロの順番が書かれている可能性もあるんですが、輸入盤で英語しか書いてなくて、翻訳するのが面倒なので、あまり深く考えないことにしておきましょう。 いずれにしろ、割りと太い感じのトーンで、パーカーっぽいフレーズが吹かれていて、悪くないと思います。

 で、続いてはトランペット (その1) のソロなんですが、大丈夫です。バードとドーハムの判別はさほど難しくはないので、心配はしていません。ドーハムのスモークハムのようなくすんだトーンって、けっこう独特ですからね。ドクトル・チエコと同じくらい、独特です。楠田枝里子と同じくらい、くすんでます。 で、ここでのソロはさほどくすんではいなくて、どちらかというと上ずったような感じなので、ドナルド・バードのほうであると推測されるんですが、ま、8割方はそれで正解でしょう。 出来そのものは可も無く、不可も無く、フカヒレスープも無く…といった感じで、中華料理のコースとしてはややケチった感じがあるんですが、で、続いてはアルト・ソロ (その2) でありますな。 ん!? ちょっぴりマクリーンを彷彿させるような音色とフレージング。 もしかして、こっちがウッズなんじゃないか?…という気がしてきたんですが、もしこれがクイルだとしたら、意外と出来る奴だったんですな、こりゃ。 時おり、音程が外れたりするのもご愛嬌でありまして、で、続くトランペット (その2) は、間違いなくドーハムであると断言してもよさそうです。 途中で倍テンポになったりして、ここまでで一番の盛り上がりと言えそうなんですが、“静かなるケニー” も、やる時はやりますからね。 ぜんぜん静かではない亀井静香は、やらなくていい時でも余計なことをしてくれるんですけど。 で、続くトミー・フラナガンのソロもなかなかいい感じで、それを影で支えるダグ・ワトキンスの健闘ぶりも光りますな。光GENJI と同じくらい、光ってます。 で、そのダグくんのピチカート・ソロがあって (←かなり長い) 、最後にまたフロントの4人が出てきて軽いチェイスのようなことをやって、そこにフィリーのタイコも絡んできて、いや、さすがに演奏時間が14分17秒もあると、やりたい放題ですな。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 わりと落ち着いた雰囲気のスタジオ・ジャム・セッション。 そういった感じの仕上がりでありました。

 で、次。  「クール・エイド」 。 スースーするバンドエイド。 そういった感じの新商品なんすかね? サロンパスとバンドエイドを合体させてみました。…みたいな。 そんなもん、傷口を貼ったらめっちゃ染みそうなんですが、ちょっぴりウエストコーストっぽい洒落たムードもある、なかなかの佳曲でありますな、こりゃ。 ウッズくん、作曲家としてのセンスも、なかなか秀でたものがあるようです。 で、ソロ先発は、ちょっぴりマクリーンっぽい感じがするほうのアルト。気になって改めて原文ライナーを見直してみたら、アイラ・ギトラーはめっちゃ丁寧にソロ・オーダーを書いてくれておりました。改めて1曲目に話を戻すと、ウッズ→バード→クイル→ドーハム→フラナガン→ワトキンス。 なるほど、やはりマクリーンっぽいほうがジーン・クイルだったんですな。 やるじゃん、クイル! となると、2曲目のソロ先発はクイルということになると思うんですが、あ、ウッズのほうでしたか。 結論、ウッズとクイルは、区別がつかん。 ということで、以下、ドーハム、クイル、バード、フラナガン、ワトキンスという順でソロが繰り広げられ、あ、こうして聴いてみると、クイルのほうがウッズよりも更にマクリーンっぽいですな。僕の中でジーン株がかなりの高値を付け始めましたが、その他の人員もかなり健闘していると評価していいと思います。 終盤はメンバー全員が入り乱れる状態で大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、1曲目と似たような展開でありましたな。 演奏時間は 9分44秒と、やや短めではあるんですけど。

 で、3曲目。アルバム・タイトル曲の 「ペアリング・オフ」 。 アルトとトランペット、それぞれがペアになっているから、ペアリング。 そういうことなでしょうな。 ペアリングと言えば、NTN (旧・東洋ペアリング) 、今年の桑名の花火大会は、2年前みたいに派手にやってくれるんですかね?やってくれないと困るんですけどね。 柿安はこのところあまり大したことがないし、水谷建設にも期待が持てないしー。 小沢クンに献金したと言われている1億円を花火のほうに回してくれたら、かなり派手に出来ると思うんですけどね。 で、曲のほうはというと、これはアレです。明るく正しい正統派のハード・バップ。そういった感じのナンバーです。 2組のペアの絡み具合も良好です。 ソロ・パートは僕なりに判断するなら、ドーハム→クイル…ときて、ん? もう1回、ドーハム? で、もう1回、クイルぅ? いや、そういう変則ワザは無いものと踏んで、普通にドーハム→クイル→バード→ウッズということにしておきましょう。 で、その後、トミ・フラのピアノが出てきて、以下、メンバー全員入り乱れて大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、答え合わせをしてみましょう。 バード→クイル→ドーハム→ウッズ→フラナガン。 いかん、いきなり最初で間違ってしまいました。 バードとドーハムの判別も、だんだん自身が無くなって来ましたなぁ。。。

 で、最後。  「サドンリー・イッツ・スプリング」 。 「突然、それはバネです」 ですか。 あるいは “Spring” はバネでなく、春だったりするのかも知れませんが、ちょっぴり 「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」 を彷彿させる、歌モノっぽいナンバーです。 いや、別にウッズがパクったとか、そういうことではなく、突然、春になったりすると、表通りにも明るい光が差したりしますからね。似たような情景を音符にしたら、結果として同じよなメロディになっちゃったのでしょう。 キダ・タローの 「アホの坂田」 がメキシコ民謡の 「メキシカン・ハット・ダンス」 に酷似しているのも、同じ理由だと思われます。 キダ先生は恐らく、アホの坂田の歩き方にメキシコの血を感じ取ったのでありましょう。 で、演奏のほうはというと、テーマの後、クイル→ウッズ→クイル→ウッズ…と、2人のアルトが目まぐるしく絡んで、でもって、以下、ドーハム→バード→ドーハム→バード…という流れなのではなかろうかと。 さすかに4曲目となると、今までとはパターンを変えてきた模様でありますが、最初のうちオープンで吹いてた2人が、途中からミュートに転じるというのは、なかなか憎い演出でありますな。 続くフラナガンのソロも倍テンポを交えたりして快調そのものだし、終盤のメンバー全員入り乱れるパートを省略したのも賢明な措置だし、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、答え合わせの結果はと言うと、どうやらウッズとクイルの出てくる順番が間違っていた模様です。 結論、ウッズとクイルは、やっぱり区別がつかん。。。

【総合評価】

 この手のブローイング・セッションって、好きな人は好きですよね。 嫌いな人は嫌いだと思うんですけど。 個人的には、あまり好きではないほうなんですが、そんな僕でもけっこう楽しめる1枚でありました。 やはり、人選の勝利ですかね? 中でも期待度が最低ランクだったジーン・クイルの健闘ぶりは、いい意味で予想外でした。 強いて難点を挙げるとなれば、似たような演奏が続くので、途中でちょっと飽きてちゃうところでしょうか? 3曲目はメンバーを1人ずつフィーチャーした、スタンダードのバラード・メドレー。 そういう手もあったのではなかろうかと。 ま、4曲目はソロの順序にちょっぴりひねりを加えていたし、演奏時間もわりと短めに押さえられていたので、ま、そういうところはよかったのではなかろうかと。 ウッズ&クイルのペアは他にもたくさんアルバムを残しているようなので、それもちょっと聴いてみようかな? そんな気にさせられた1枚でありました。


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