粗大ゴミ。 粗くて大きな不用物を、世間ではそう呼んでいます。 なるほど。粗大ゴミというのはそういう意味だったんですな。今の今まで気付きませんでした。 いや、粗大ゴミって、大きいよね。…というのは、前々から気付いていたんですが、 「粗い」 というのは盲点でした。 粗いゴミというのがどういうものなのか、今ひとつイメージが沸かないんですが、 「鯉の洗いの食べ残し」 だとか、 「荒井注のサイン」 とかが、そうなんですかね? いや、鯉も注も 「あらい」 の字が違うので、粗いゴミには分類されないような気もするんですが、となると 「目の粗いサンドペーパーの切れ端」 だとか。 ありゃ、確かに分別の際、困りますよね。 ペーパーを名乗っている以上、燃えるゴミでよさそうな気もするんですが、サンドというのは “砂” ですからね。 砂は燃えないので、やはり燃えないゴミということになるんでしょうか? ただ、砂だから燃えないというのなら、 「砂肝ガーリック炒めの食べ残し」 は、どうするんだ?…という新たな疑問も湧き上がってくるし、ゴミの分別 (ぶんべつ) というのは、分別 (ふんべつ) のある大人でも頭を悩ませるところでありますなぁ。自治体によって扱いが違ったりしますしね。 ま、目の粗いサンドペーパーの場合、燃える、燃えないは別として、少なくとも粗大ゴミでは無いような気がするんですが、あれはただ粗いだけで、ちっとも大きくはないですからね。 「粗くて、しかも大きい。」 というAND条件を満たして、初めて粗大ゴミと呼べると思うんですが、となると、「大きいけど、ちっとも粗くはなくて、スベスベしているもの」 は粗大ゴミにはならないか言われると、それもちょっと違うような気がするし、粗大ゴミに “粗” という字を付けたのが、そもそもの間違いだったような気がします。 ちょっぴり語呂は悪いんですが “大ゴミ” 。 そういう名前にして貰えれば、粗いのかスベスベなのか、いちいち悩まなくて済むんですけどねー。 とまあそんなことで、今日は “大ゴミの醍醐味” 。 そういうテーマでお届けしたいと思います。
…と、その前に、さっきのサンドペーパーの話がどうしても気になるので、ちょっと調べてみました。 まずは羅臼町の場合。サンドペーパーは “生ごみ以外の燃えるごみ” として処理される模様です。 神奈川県愛川町。やはり “燃えるごみ” のようです。 サンドが付着しているとは言え、やっぱり燃えるものなんですなー。 ま、言われてみれば、サンドだから燃えないということになれば 「しるこサンドの食べ残し」 とかも、不燃物扱いになっちゃいますもんね。 ということで、問題解決。 これで心置きなく “大ゴミ” のほうに話を進めることが出来ますが、先日、家にある粗大ゴミを処分しました。 いや、 “大ゴミ” という名前ではやはり、ぜんぜんピンと来ないような気がするので、さっきの話は無かった事にしようと思うんですが、僕の住んでる桑名市のゴミの出し方は、 こんなふう になっているようです。アメの外袋・個包装【プラスチック製】 は “容器包装プラ” 。 洗って汚れを落としてから出す。汚れが落ちないものは 「可燃ごみ」 へ。…って、面倒なことを言ってくれますなぁ。 普通、アメの個包装なんか、洗って捨てるかぁ?…と思わずにはいられませんが、ま、 「洗っても落ちなかった。」 と言い張って、可燃ごみとして出せばいいだけの話なんですけどね。 で、おまる (プラスチック) は基本的に “可燃ごみ” となるようです。 僕の家が火事で全焼したとき、何故か “大人用のおまる” みたいなポータブル便器だけが焼け残ったので、 “おまる” が可燃物だとはとても思えないんですが、このゴミだしルールは恐らく、家が火事で燃えたことのないお役人が考えたものなんでしょうな。所詮はお役所仕事なので、庶民の実生活とは乖離したものがあるようです。 で、 “さ” のところをクリックしてもサンドペーパーという項目は無かったので、端から悩む必用はないという判断のようなんですが、それはそうと今回、何を粗大ゴミとして出したのかというと、ウインドサーフィンのボードなんですけど。 そういえば昔、そんなスポーツをやってたこともありましたなぁ。…と、遠い目をして懐かしむという、そういう状況だったんですよね、ここ数年。 使うことがないまま縁側の外に放置され、ブルーシートを被せられておりました。これぞまさしく “粗大ゴミ” であると言っていいでしょう。 無駄に大きくて邪魔臭いなんですよね、これがまた。おまけに表面はザラザラしていて、粗いしー。
決して安い買い物ではなかったので、ちょっと勿体ない気もしたんですが、この際、思い切って処分することにしました。ウインド熱、完全に冷めちゃいましたからねー。 こっそり川に流して処分しちゃおうかとも思ったんですが、大騒ぎになるような気がするので、ヤメておきました。 よくあるんですよね、ウインドしていた人が行方不明になって、ボードだけが陸地に流れ着くという事態。 警察とか消防が出て、大騒ぎになります。 さんざん騒がせた挙句、実は不要になったボードを川に流して捨てただけだったとバレたら、こってりアブラを絞られるに違いありません。 このところ体重が減少したものの体脂肪率は変わらず、隠れ肥満状態である僕としては、ちょっとくらいアブラを絞られたほうがいいような気もするんですが、今回は大人しく粗大ゴミに出すことにしました。 粗大ゴミはただのゴミではないので、タダでは処分してくれないようなんですが、仕方がありません。処分費用の一覧が ここ にあるんですが、サーフボードは、えーと、 600円ですかぁ。 ただ、ウインドサーフィンのボードとサーフボードとは別物で、ウインドサーフィンのボードは普通のサーフボードに比べて、遥かに大きくて邪魔臭いんですよね。もしかしたら倍額の1200円くらいボッたくられたり、あるいはデカ過ぎて処分してくれなかったりする恐れもあるんですが、これはウインドサーフィンのボードじゃなくて、あくまでもサーフボードっ! 波のない川とか湖でした乗ったことがないんだけど、サーフボードっ! 普通のサーフィンには必用のないマストやらブームやらセイルやらも一緒に出しておいたんですが、誰が何と言おうと、ウインドサーフィンのボードでは無いのっ!…と強引に言い張れば、ま、何とかなるのではなかろうかと。 「でもこれ (←マストとセイルとブーム) 、普通のサーフィンには必用無いんじゃ?」 と突っ込まれたら、 「必用が無いから、粗大ゴミに出すのっ!!」 と答えておけばいいわけで、いやあ、実に理に適った逆ギレでありますなぁ。 ただ、実際に役人の相手をするのは僕のオヤジということになると思うので、果たしてそこまで機転が利くのかどうか、甚だ疑問ではあるんですけどー。
でも大丈夫。 オヤジに 「あれ、スノーボードか?」 と聞かれて、 「スノーボードとちゃう。ウインドサーフィンのボード。」 と訂正したんですが、 「サーフボードかぁ。」 と、やや誤った理解をされて、面倒なのでそのままにしておいたんですよね。 幸い、僕のオヤジは極めて融通が利かなくて、しかもキレやすいキャラだったりします。 「これはサーフボードである。」 と思い込んでしまった以上、頑として自説を曲げず、お役所の人に 「これ、ウインドサーフィンのボードじゃないですか?」 と言われても、 「サーフボードっ!」 と言い張るに違いありません。 で、マストとセイルとブームに関しては説明するのが面倒だし、オヤジからは何も聞かれなかったので、敢えて触れないようにしておいたんですが、 「これは何ですか?品名が分からないと処分出来ないんですけど?」 と、役所の人から問い詰められる恐れがあります。でも大丈夫。 オヤジは自分の知らないことを聞かれるとすぐにブチキレるので、 「これは粗大ゴミっ!」 と怒鳴り散らすに違いなくて、相手としても係わり合いになるのが面倒になって、何も言わずに引き取ってくれるに違いありません。 実際、会社から帰ってくると、何事も無かったかのようにウインド道具一式が姿を消しておりましたので、何らかのトラブルがあったにせよ、最終的には引き取って処分してくれる事になったんでしょう。 邪魔臭かった縁側の横が綺麗さっぱり片付いて、めっちゃスッキリ♪ さようなら、僕の青春。もうこれで、思い残すことはありません。
…と言いたいところなんですが、まだ思い残すものがありました。 この際、いらないものを全部捨てちゃおうと思って2階の屋根裏の収納庫を整理したところ、ずーっと昔に使っていたパソコンとCRT (←ブラウン管式。バカでかくて、クソ重い。) が出てきたんですよね。 おお、これ、ずーっと昔にサバ兄が作った自作パソコンでありますなー。 思えばこのパソコンの部品を買ったのと同じ日に、アルペンでウインドサーフィンのボードを買ったんですよね。今回処分したのではなくて、その1代前に使っていたヤツなんですけど。 ということは、今から10年以上も前のシロモノということになりますかね? 完全なる粗大ゴミですな、こりゃ。 今まで残っていたのが不思議なんですが、あまりにもバカでかくて、クソ重いので、捨てるのが面倒だったんでしょう。 こんなものを屋根裏に上げることを思えば、外に捨てちゃうほうが遥かに楽だったような気もするんですが、何を血迷ったんでしょうな、今から10年以上も前の僕。 まだ若かった自分の、意図のよく分からないアサハカな行動を恨みつつ、苦労して屋根裏から1階の縁側まで下ろしたんですが、で、そこで粗大ゴミ処分費の一覧表を見てみると、 ※テレビ (中略) パソコン等、市では収集出来ないものがあります。…という注意書きが。 な、何と! ガーン。。。 こいつらを再び2階の屋根裏まで戻すだけの若さは、今の僕にはありません。 かくして縁側の外はスッキリしたものの、縁側の内側が非常に邪魔臭い状況になってしまったんですが、何とも始末に困りますな、こりゃ。。。 とりあえず縁の下にでも隠しますかね? あるいは、山に持っていって、こっそり捨てちゃうとか。川に流してもウインドサーフィンのボードと違って、それほど大騒ぎにはならないような気もするし、鉄アレイをくくりつけて、沼に沈めるという手もあります。 あるいは、バラバラにしちゃうとか? 改めて桑名市のゴミ出しルールを見直してみると、アイロン台も、アタッシュケースも、植木鉢も、桶も、基本的に指定袋に入るものは 「不燃ごみ」 、指定袋に入らないものは「粗大ごみ」 という区分なんですよね。指定袋に入る大きさに分解してやれば、パソコンもCRTも 「不燃ごみ」 ということで、オーケー? ただ、桑名市の不燃ごみの指定袋は透明なので、係の人に 「これ、パソコンとテレビじゃないっすか!?」 と、突っ込まれる恐れがあるんですが、でも大丈夫。 「これ、パソコン、テレビじゃなーい。バラバラにした桶。オーケー?」 と、日本語が不自由な不法滞在の外国人をフリをして、強引に言い張れば、オーケー♪
いや何だか、死体遺棄やバラバラ殺人犯の気持ちがちょっとだけ分かったような気がするんですが、もし、ある日突然、このコーナーの更新が滞ったりしたら、廃棄物処理法違反、もしくは不法滞在の疑いで身柄を拘束されたものと思って、諦めてくださいね。 とまあそんなことで、大ゴミの話は、おしまい。
ということで、今日はチャールス・マクファーソンなんですが、いいですよね、マクファーソン。 “マック破損” みたいで。 僕のパソコンは Windows なんですが、Mac使いのチャールスも古いパソコンの処分に困って、破損を試みたんでしょうな。日本人もアメリカ人も、考えることは同じだね♪…と、親近感を覚えるんですが、で、この人はアレです。 1939年7月24日ミズーリ州ジョブリン生まれ。13歳からアルト・サックスを学び始め、 15で不良と呼ばれ、17歳の時にビバップの影響を受ける。 59年、ニューヨークへ進出。バリー・ハリス (p) に師事。活動を共にし、多大な教えを受ける。そういった経歴の持ち主です。 一部、 「ギザギザハートの子守唄」 が混ざっていたような気もするんですが、メジャーデビューは 1965年。 モードやフリージャズの嵐が吹き荒れる中、オーソドックスなパーカー直系のスタイルを引っさげて颯爽と登場し、 “遅れてきたビ・バッパー” と呼ばれることになります。バスツアーの集合時間に遅れてきたババァは冷たい目で見られることになるんですが、遅れてきたバッパーは概ね、温かい目で迎えられたようです。 フリージャズについていけないという人は、少なくなかったですからね。 で、今日はそんなマクファーソンの 『マクファーソンズ・ムード』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、1969年の録音でありますか。 70年代というのはジャズマンの見た目から、次第に爽やかさが失われていく年代だったりするんですが、このジャケットにはその萌芽のようなものが感じられます。床屋、行けって! しましまシャツのセンスも、ちょっとどうかという気がするんですが、ま、ジャズは見た目ではないですからね。パッと見の印象とは裏腹な、爽やかな演奏が展開されていることに期待して、では、1曲目から聴いてみることにしましょう。
まずはマクファーソンのオリジナルで、 「エクスプロレイションズ」 。 ビル・エバンスに同名のアルバムがあるんですが、 「探求」 でありますか。 体の内部を調べる器具、診察、触診という意味もあるようで、個人的には、そっちのほうがいいかな?…という気もするんですが、こんな顔をしたマクファーソンとは、あまり “触診ごっこ” とか、したくはないんですけど。 で、エバンスのソレは耽美に満ち溢れていたんですが、マッくんのコレは、どうなんすかね?…と思ったら、アレでした。 ビ・バップでした。 テーマ部はアルトとピアノのユニゾンで演奏されていて、時折、この2者が絶妙に絡んだりするんですが、あ、書くのを忘れていましたが、ここでピアノを弾いているのは師匠のバリー・ハリスでありますな。師弟だけに息の合い方も抜群なんですが、師弟だけに私邸に招いて “指定暴力団ごっこ” とかもやってるんでしょうな。微笑ましい限りです。 で、ソロ先発はマクファーソン。 ケレン味のないストレートな吹きっぷりがとっても真っ直ぐで、いいですなぁ。 ケレンの度合いとしては4種ケレンといったところでしょうか? 研磨布を使って粉化物や汚れなどを除去する程度です。…って、塗装関係者以外には分かりにくい例えでありましたが、で、続いてはハリスのピアノ・ソロ。 バップの魂が感じられ、とってもいいと思います。 で、続いてロイ・ブルックスのドラム・ソロがフィーチャーされて、最後はアルトとピアノの4バースで多いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、普通によかったと言えるのではないでしょうか。
で、次。アルバム・タイトル曲の 「マクファーソンズ・ムード」 。 パーカーには 「パーカーズ・ムード」 というオリジナルがあって、パーカー流のムード歌謡曲なのかと思ったら、ぜんぜん違って、かなりディープなブルースだったりしたんですが、 この 「マクファーソンのムード」 も、以下同文。 バスター・ウイリアムス (←ベース担当) の無伴奏ソロで幕を開けるんですが、かなりディープな雰囲気が漂いまくっております。 途中からドラムスが入って、やがてドラ息子のマクファーソンが登場するという算段なんですが、背後には親父のハリスが控えていて、控えめな感じで息子をサポートしております。個人的にこの手のサウンドは、 “皿うどん” ほどにも好きではないんですが、美味しい胃ですからね、皿うどん。 皿と、うどんと、皿うどん。 もしこの3つが皿の上に盛られていて、どれか好きなのをひとつだけ食べていいと言われたら、僕は迷わず皿だけはヤメておこうと思うんですが、うどんと皿うどんは、ちょっぴり迷うところなんですけどね。 つまりまあ、僕の皿うどん好きはその程度のレベルであるわけなんですが、この手のサウンドは、それ以下ということになるわけです。 が、途中に聞かれるピアノのソロは絶品ですな。 バリー・ハリスという人は、数多くいるパウエル派のピアニストの中でも気高い気品を感じさせる長老格。…といった感じがするんですが、幹事とかを任せると、いい仕事をしそうですよね。 ブルーな弾きっぷりが心に染みて、でもって、再びアルトが登場して、ピアノといい感じの絡みを聞かせて、おしまい。 8分07秒。ちょっぴり息が詰って呼吸困難気味なんですが、こういうのが好きな人にとっては、たまらん1曲なんでしょうな、多分。
ということで、3曲目。 「オパレッセンス」 。 あまり見慣れない英単語なんですが、「乳白色」 とか 「蛋白光」 とか、そういった意味があるようです。いいですよね、乳白色。 こんがり日焼けして、乳の部分だけ白かったりするんでしょうな。 無論、ノーパンで海やプールに行かない限り、パンツの部分も白色になるわけなんですが、それはそうと “蛋白光” って、何なんすかね?…と思ったら、どうやらオパールから観察される特殊効果のことみたいなんですけど。オパールはシリカの微粒子からなるが、この構造が光の干渉、回折をもたらし、虹色の構造色を呈する場合がある。この虹色の光を遊色効果と呼ぶ。タンパク光ともいう。なるほど。オパレッセンスの “オパレッ” の部分は、オパールのことだったんですな。 で、この曲はどんな蛋白光を放つのかと思ったら、かなりアップテンポの演奏だったので、ちょっとイメージとは違っていたんですが、テーマ部ではアルトとドラムスとの絡み具合が、なかなか蛋白でありました。 淡白というとあっさりしたイメージなんですが、淡白のほうは激しいですからね。激しい運動の後に検尿をすると、蛋白が下りたりするしー。 で、テーマからそのままアルトのソロに突入して、でもって、続いてはピアノのソロ。 バリ・ハリのバピッシュな弾きっぷりには、バダ・ハリも思わず脱帽。…といったところなんですが、続いてベースのピチカート・ソロがフィーチャーされて地味に盛り上がって、続いてドラムスのソロでそこそこ盛り上がって、最後にもう一度マクファーソンが出てきて、でもって、テーマに戻らずに、おしまい。
で、次。 「マイ・シェリー・アモール」 。 ジャズの世界でもわりとよく耳にするナンバーなんですが、スティービー・ワンダーの曲だったんですな。ちっとも知りませんでした。そんな無知な自分に、乾杯♪ で、こういうベタなポップ・チューンを取り上げると、世間では 「ひよった。」 と馬鹿にされがちなんですが、 「ひよたんのむにゅ!」 とか、かなりソソられるものがあるし、個人的にはいいと思うんですけどね、白石ひより。 ちょっぴりボサノヴァっぽいリズムも耳に心地よく、お馴染みのメロディをフェイクする感じのアドリブも、初心者には受け入れられやすいでしょう。 ま、やっぱり日和ってるやん!…と言われれば、確かにそうなんですけど。 ハリスのソロも基本的にはリーダーの趣旨を反映したものなんですが、ま、これはこれで、たまにはアレなんじゃないでしょうか。 とまあそんなことで、5曲目。 マクファーソンのオリジナルで、 「ミッシュ・マッシュ・バッシュ」 。 ハリスのオリジナルに 「ビッシュ・バッシュ・ボッシュ」 というのがあるんですが、それを明解にパクったのでありましょう。師弟コンビならではだという気がするんですが、曲のほうはアレです。明解にビ・バップです。テーマの後、アルトのソロがあって、ピアノのソロがあって、ベースのソロがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いや、基本に忠実でしたな。何も足さない。何も引かない。 まるで 「山ア」 のような演奏であったな。そんな気がします。 で、ラスト。 コール・ポーターの 「アイ・ゲット・ア・キック・アウト・オブ・ユー」 。 個人的にはポーターの曲ってさほど好きではないんですが、こういうのをアルトで自由自在に吹けたら、さぞかし気持ちがいいんだろうな。…というのは、何となく想像がつきます。いいじゃないっすか。演奏している本人が幸せならば。曲の好き嫌いは別にして、アドリブの素材としてはそれなりに優秀だと思うしー。 ベースだけをバックにテーマを吹くという出だしの部分はちょっぴり斬新だし、ソロ先発にピアノを持って来たのもちょっぴり変化があっていいし、ロイ・ブルックスのブラッシュワークも絶妙。 演奏そのもののレベルは高いです。マクファーソンのソロも快調そのもの。結果的にケチのつけようのない出来だったりしたんですが、ジャズに名曲はない。ただ名演奏あるのみ。…って、やっぱりある意味、正解だという気がしないでもありませんな。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。
【総合評価】
あまりにも正統的で、やや遊び心に欠ける嫌いがある。 ( 「マイ・シェリー・アモール」 を除く。) …といった感じで、あまり素人ウケはしないかも知れませんが、見た目の髪型に比べれば、随分とマトモでした。 あまりファンキーではないハード・バップ好きなら、かなり楽しめるのではなかろうかと。 バリ・ハリ好きの人にもお薦めです。 バダ・ハリ好きの人には駄目かも知れませんが、マタ・ハリ好きなら大丈夫かも知れません。ちなみにマタ・ハリって、女スパイの名前だったんですなぁ。僕はてっきり “前貼り” のようなものだと思ってました。 …とまあ、そんな作品なのでありました。