PORTRAIT OF SONNY CRISS (PRESTIGE)

SONNY CRISS (1967/3/23)

PORTRAIT OF SONNY CRISS


【パーソネル】

SONNY CRISS (as) WALTER DAVIS (p)
PAUL CHAMBERS (b) ALAN DAWSON (ds)
【収録曲】

(01-03) A MILLION OR MORE TIMES / WEE / GOD BLESS THE CHILD
(04-06) ON A CLEAR DAY / BLUES IN THE CLOSET / SMILE

【解説】 (2010年01月02日更新)

 明けまして、おめでとうございます。 いやあ、新年ですなあ。 みんな、初詣には行ったかな? 僕はですね、まだです。 今年のお正月休みは思うところあって、若狭湾のほうに行くことにしたんですが、いつ行くのかというと、明日 (1月3日) からなんですけどね。 そこで、いつもは日曜日に更新しているこのコーナーも、1日前倒しすることにした、前田クン。…というワケなんですが、そもそも、何がどのように思うことがあったのかというと、諸悪の根源は垂井町 (たるいちょう) です。 僕は今、この町にある某ポンプ場の更新工事の現場監督を務めているんですが、年末年始のお休み期間中、定期的に現場の巡回点検を行なうよう、お上からのお達しがあったんですよね。休みの日に垂井って、そんなタルいこと、出来るかぁ!…と心の中では思ったんですが、お上には逆らえません。泣く泣く “巡回点検予定表” というのを作って提出したんですが、このような御無体な指示書が出させるのは今回が初めてではありません。秋の大型連休、いわゆるシルバーウィークの際にも出されました。 この工事はうちの会社が機械・電気設備を、フヅイ建設 (仮名) が土木と建築を請け負っているんですが、当時、現場では土建屋さんグループしか働いてないという状況でありました。 いや、別にそれは、僕がサボっていたということではなく、土建屋が先に建物を作ってくれないと僕たちは何も出来ないので、工程上、当然のことなんですが、現場に入っていないのに現場を巡回する義務は、無いですよねー。 そこでその旨、お上の担当者にそれとなくお伺いを立ててみたんですが、陳情は受け入れて貰えませんでした。ああん。。。

 そこで僕は “委託” という方法を考えたんですが、巡回の業務をすべてフヅイ建設 (仮名) のオッサンに、委ねて託しちゃおうと。 桑名から垂井まではクルマで片道1時間半ほど掛かるんですが、このオッサンは地元民ですからね。クルマで10分もあれば現場に来られるところに住居を構えている以上、巡回を委ねられるのは当然のことです。 というか、僕から頼まれる前に、 「うちは近いから、替わりに巡回しときますわ。」 と、自主的に申し出るというのが筋だと思うんですが、気が利かないんですよね、まったく。 で、この提案は当然、快諾されるものと思っていたんですが、な、何と、却下されてしまいました。うーん。。。 かくなる上は “分担” で妥協するしかないんですが、何も、いい年こいたオッサンが2人揃って現場を巡回する必要はないわけですからね。 当番を決めて、1日おきに現場に顔を出せば、それでお上の顔も立つというものです。 が、それさえ拒否されてしまいました。 「うちはうちで回るので、そちらはそちらで、やられたらどうですか?」 と言われてしまいました。 自主独立の精神を持った、実に崇高な土建屋でありますなぁ。感心しちゃいます。 仕方が無いので監督の僕と下請業者の責任者2人で当番を決めて、1日2回、毎日きちんと現場の巡回を行なうことにしたんですが、巡回点検報告書の上では毎日、午前と午後の巡回を完璧にこなして、いやあ、頑張りましたなぁ、僕たち。

 で、秋の前例があったので、年末年始の休暇も、もしかして?…と思っていたら、案の定だったんですが、今回は機械・電気チームもしっかり現場に入ってますからね。 巡回を逃れることは出来なさげなんですが、せめて分担させては貰えませんかねー? 分担が無理なら、せめて “ボンタン飴” くらいは貰わないと、やってられないんですが、幸いにも今回は機械・電気チームと土木・建築チームとで、巡回点検のJV (共同企業体) を組むことに成功しました。 12月に入ったらすぐ、1階ポンプ室の土間のコンクリートを打つという話だったのに、土建屋の工程が延び延びになっていたんですよね。 話が違うっ!こんなことでは、うちが仕事に入れんっ!…と文句を言ったら、フヅイのおっさん (仮名) は、申し訳なさそうな顔をしていたんですが、ちょうどそのタイミングで年末年始の巡回点検の指示書が回って来たんですよね。 相手の弱みに付け込んで、チャンスとばかり、巡回の分担を持ち掛けてみたら、 「1日おきでいいんですかねぇ?」 と、尚も不満そうな素振りだったんですが、いいっ! 僕がそう決めたんだから、構わんっ! 年末年始の休暇は12月29日〜1月4日までなんですが、12/29、12/31、1/2、1/4 が土建屋、12/30、1/1、1/3 が機電屋と、平等に当番分けをしました。 あっちは4日間、こっちは3日間で、不平等ではないか?…と思われるかも知れませんが、地元民なんだから、1日くらい多いのは当然っ! いちばん休みたい元日はこっちが出るんだから、1日くらい多いのは当然っ! そっちの工期が遅れたんだから、本来なら7日ともそっちで面倒を見るべきところを、仏心を出して3日間も出ることにしてあげたんですからね。 感謝されこそすれ、文句を言われる筋合いはありません。 とまあそんなことで、書類上は下請け責任者 (機械) が 12月29日、下請け責任者 (電気) が 1月3日、で、いちばんツラい元旦は僕が巡回するということにしておきました。 さすがは現場監督だけあって、責任感がありますよね、僕。

 下請け責任者 (機械) は、 「家、近いし、暇だし、いいっすよ!」 と快諾してくれました。監督に人徳があるからでしょう。 が、下請け責任者 (電気) は家が遠いんですよね。わざわざ名古屋から垂井まで出て貰うのは気の毒なので、 1月3日の分は僕が替わりに巡回してあげようと思っております。 1日の分と合わせて、3日にまとめて回ろうと思っております。 午前10時と午後3時に巡回すると申告してしまったんですが、果たしでどうしますかね? 地元民ならそれも可能なんでしょうが、こちとら、片道1時間半ですからね。 いちいち家に帰るのも面倒だし、かと言って、正月早々、現場事務所で書類作りをする気にもならないし、この際、時間潰しに、どこかに遊びに行っちゃいますかね? 幸い、垂井町には “南宮大社” という、わりと大きな社 (やしろ) があります。 初詣とか、いいかも知れませんなー。 が、ここは前にも何度か行ったことがあるので、新鮮味がなくて、あまりソソられるものがありません。 現場からクルマで15分くらいで行けるので、あまり時間潰しにもならないしぃ。 他にいいところはないっすかね? …ということで、 東海地方の初詣スポット をちょっと調べてみました。 トップバッターは “伊勢神宮” でありますか。 ま、順当ですな。 伊勢神宮でお守りを買うと “神宮” としか書いてないんですが。神宮と言えば、伊勢神宮やろ? そういう自負が強く感じられる神社の中の神社、 “キング・オブ・神宮” といった存在ですからね。 が、参拝者数は約17万人って、意外と少ないんですな。 いくら有名でも、所詮は伊勢のイナカにある神宮ですからなぁ。 …と思ったら、下のほうに “伊勢神宮・内宮” というのがあって、こちらは約50万人。 なるほど、さっきのは “外宮” だけの参拝者数だったんですな。 ちなみに、桑名でいちばん有名な初詣スポットと言えば、“ちんこくさん”? 九華公園のところにあるチンケな神社で、正式には 鎮国守国神社 というんですが、地元民はもっぱら “ちんこくさん” と呼んでおります。 あくまでも “鎮国さん” なので、 “ちんこ、くさ〜、ん〜♪” などと、変なところで区切ってはいけません。 で、ここの参拝者数はというと…、ランク外ですなぁ。。。 でも、大丈夫。 市町村合併によって、 “多度大社” が桑名市ということになったので、旧桑名市民としては長島スパーランドともども、かなり得した気分になるんですが、参詣者数は約50万人と、おお、意外と健闘しておりますなぁ。 で、今回はどうでもよくなった “南宮大社” は約25万人と、こちらも思ったよりも頑張っていて、で、いろいろと調べているうちにですね、ふと、 “小浜” にでも行ってみようか?…と、思い立ったのでありました。 いや、もはや初詣とは、ぜんぜん関係なかったりするんですけどー。

 垂井町は岐阜県での西のはずれに近く、もうちょっと行ったら滋賀県というところに位置しております。 米原までなら近いです。 米原にクルマを止めて電車に乗っちゃえば、わりと遠くまで遊びに行けるかも? …と、時刻表を眺めているうちに、小浜線に乗って、小浜に行く。 そういうプランが浮かんで来ました。 オバマ大統領絡みで、一時期かなり盛り上がりましたよね、小浜。 調べてみたら 鯖街道資料館 などというのもあります。 “塩サバ通信” の主催者としては、死ぬまでに一度は覗いておかなければならないような気もします。どうやら正月は休館っぽいんですが、それならそれで、まったく悔いはありません。 その場合、 若狭フィッシャーマンズワーフ でも覗いてみようと思います。 “蘇洞門めぐり遊覧船” というのがよさそうなんですが、一人で遊覧船に乗るのって、ちょっと空しいものがありますかね? ま、とりあえず とれとれ寿司 だけでも、かなりソソられるものがあるので、行くだけ行ってみようとは思うんですけど。 あと、小浜には “人魚の像” なんかもあるようですが、ここの人魚はちっともロマンチックではありません。 人魚の肉を食って八百歳まで生きた という、そういうお話のようです。 人魚の肉も、ま、下半身なら寿司にして食ってみたい気もするんですが、さすがに上半身はちょっと抵抗がありますよね。 とれとれ寿司にも、さすがにメニューには無いようで、ま、“地物づくし” (780円) あたりが無難ですかね? 無論、“鯖ずし” と “焼き鯖ずし” も気になるところなんですが、日本海側ではメジャーらしい “のどぐろ” というのも試してみたいところです。 “ずわいがに” は、んー、どうですかね? 780円と、何だか安すぎる気もするんですが、もしかして、カニかま?

 で、小浜くんだりまで足を延ばすとなると、その日のうちに帰ってくるのが面倒になっちゃいますなー。 この際、お泊りしちゃいますかね? ただ、お泊りしちゃうと、午後の部の巡回点検が出来なくなるのがネックなんですが、10時の部を少し早めて8時半に、で、午後3時の部も少し早めて、午前8時35分に実施すれば、まったく問題はありません。 さ、心置きなく、お泊りコースを満喫しましょう。 小浜の宿をいくつかピックアップしてみたんですが、何だかこう、今ひとつ決定力に欠ける気がして、で、範囲を近隣エリアまで広げてみた結果、前回も簡単に触れましたが、 国民宿舎・城山荘 というところに泊まることにしました。 城山公園 というところの中にあるようで、景色がよさげ〜♪ お料理もよさげ〜♪ 鼻毛もよさげ〜♪ あ、最後のは関係なかったですね。 大浴場からの眺めのよさそうで、ただ、温泉ではなさげなのはちょっと残念なんですが、ここに泊まれば、敢えて蘇洞門めぐりの遊覧船に乗らなくても、妥協出来そうな気がします。 プランも決まって、心ウキウキ♪ …と思っていたら、ここに来て、ちょっと問題が発生しました。 天気が悪そうなんですよね、3日も4日も。 よく考えたら冬の日本海など、荒れるのが決まっているようなもので、ちょっと行先の選択を間違えましたかねぇ。。。 ま、初日は小浜で寿司を食うだけなので天気が悪くてもいいとして、問題は2日目です。 いろいろ考えた結果、初詣に行こうか?…ということになったんですが、どこに行くのかというと、 伏見稲荷 なんですけどね。 福井県も、若狭高浜まで行ってしまうと、お隣はもう京都府。 舞鶴までは電車で20分。 で、調べてみたら東舞鶴から京都まで、タンゴディスカバリーなる特急が走っていることが判明しました。 初日は小浜線、2日目は舞鶴線〜山陰本線。 乗り鉄的には、いいかもー?

 京都に腐るほどある神社仏閣の中から伏見稲荷をチョイスした理由は、アレです。 電車でのアクセスが便利そうだったから。それだけです。 京都駅からJRの奈良線に乗り換えて、約5分。 その名も “稲荷” という駅で降りれば、伏見稲荷はもう、すぐ目の前♪ オフィシャルサイトは http://inari.jp/ ですか。 稲荷と言えば、伏見稲荷やろ? そういう自負が強く感じられる “キング・オブ・稲荷” といった存在なんですな。 初詣の参拝客数は約270万人、関西ではトップ、全国でも4本の指に入る (←粗相をして小指は詰めた) 人気スポットのようです。 で、ここ、めっちゃ広いんですなー。 境内はちょっとした山になっていて、1周するのに約4キロ。所要時間は2時間。ちょっとした…というか、本格的なトレッキングコースでありますな、こりゃ。 名物は “いなり寿司” 。 ま、これは分かるとして、“すずめ焼き” というのもあるみたいです。 何それ? パンダ焼きみたいなもん? …と思ったら、違いました。 “スズメの焼き鳥” でした。 稲荷は稲を守る神様 → コメを食うスズメは悪 → 焼いて食ったるぅ! そういうところから名物になったそうです。 ま、確かに、焼き鳥はスズメがいちばん美味しいという話は聞いたことがあるんですけどね。 が、あの可愛いスズメたんを焼いて食っちゃうとは、京都人は鬼や!悪魔や! でもまあ、話のタネにちょっと食べてみたいような気もしますよね。 ニワトリは焼いて食ってもいいのに、スズメは駄目というのは、論理的にも間違っていると思うしぃ。 串に刺されて焼かれてしまえば、元がどんなトリさんだったのか分からなくて、さほど罪悪感を覚えることもないと思うしぃ。 …と思っていたら、それは大きな間違いでした。

  (注!トリさん好きの人は、決してクリックしないでください。) やきとり / Gorrion asado” のページへ

 頭、付いてるやんっ! 足も付いてるやんっ! 丸焼きやんっ! ウズラも焼かれてるやんっ! 店頭にスズメの死体、並んでるやんっ!!! こりゃ。食えん。。。 京都というところは鯖街道のつながりで “鯖寿司” も名物らしいので、おとなしくサバを食ってこようと思います。 ま、切り身にされて、塩をふられて焼かれたり、酢で〆られたりして、ゴハンの上にのせられるサバくんも、可哀想と言えば可哀想なんですけどー。 とまあそんなことで、では、いってきまーす♪

 …と、その前に後半を片付けておかねばなりませんが、今日はソニー・クリスです。 が、心は既にサバに飛んでしまっているので、軽く流しておきましょう。 とまあそんなことで、 『ポートレート・オブ・ソニー・クリス』 。 全部で7枚くらいあるプレスティッジのソニー・クリス、略して “プレ・クリ” の1枚です。 この人のアルバムにはほとんど駄作がなく、どれも一定の水準を保っているんですが、中では、わりと地味? が、ジャケットのソニ・クリのセーター姿は温かそうで今の季節にぴったりだし、憂いを帯びた瞳はギャルのウケもよさそうだし、ピアノがウォルター・デイビスだったりするところも地味に渋かったりするし、とまあそんんことで、1曲目です。 ウォルター・デイビスのオリジナルで、 「ア・ミリオン・オア・モア・タイムズ」 。 「100万、もしくは、もっとの時間」 ですか。 100万時間≒41666日≒114年なので、ま、それ以上の時間があっても、あまり意味はないような気もするんですが、今まで、人間、それほど長くは生きられませんからね。 ま、人魚の肉を食えば八百歳まではイケるようなんですが、それだけ生きていると、そのうち嫌になってくるような気がします。 八百屋をやってても飽きるだろうしぃ。 商売は飽きないから 「商い」 というらしいんですが、それも程度問題ですよね。 で、これ、デイビスのピアノのイントロで幕を開け、やがてクリスが出てきてテーマを吹くことになるんですが、人生の諦観を感じさせるようなダルな雰囲気が何とも言えず、いいです。 リズムそのものはジャズ・ロックっぽくて、ややチープではあるんですが、そういうところを含めてプレスティッジのソニー・クリスなんや!…と、栗栖正伸 (←プロレスラー) も言ってたし、僕もそう思います。 で、ソロ先発はクリスなんですが、クスリでもやってそうな危うさがこの人の魅力でありまして、躁と鬱が激しく入り乱れる病的なフレージングが日本人の心を掴んでやみません。 で、続いてはウォルター・デイビスのピアノ…と思ったら、これはすぐに終わってしまって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 やや淡白な嫌いが無いでもないんですが、ま、尿に蛋白が出るよりはいいと思うし、ということで、次です。

 2曲目、 「ウィー」 。 豚汁好きのドラマー、デンジル・ベストのオリジナルです。 ベストの作品としてはベストとも言える名曲でありまして、ま、基本は勢いだけで押し切る、押切もえ。…といったタイプの作品なんですけど。 ピアノのイントロ→アルトによるテーマ→そのままソロへ突入。…という流れなんですが、アドリブに入った瞬間、ギアを一段上げて猛スピードで加速するクリスの走りっぷりが、とっても壮快。 壮快さでは掃海艇に匹敵するものがあるんですが、機雷を排除しながら走るので、そんなにスピードは出せないような気もするんですけどね、掃海艇。 一方のクリスはというと、暴走スレスレの房総半島沖。…といった感じなんですが、途中、音がハズれてコケそうになりながらも、何とか次奏者のウォルター・デイビスにバトンタッチ。 第2走者は決して快速とは言えないんですが、ま、準急程度には頑張っていて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 ビリー・ホリデイ作曲の 「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」 。 何か教訓的な歌詞を持った曲だという話を聞いたことがあるんですが、どういう教訓なんすかね? 「イカの燻製は “いかくん” である」 みたいな教訓? もしそうだとすれば、そこから学び取ることは何も無いような気もするんですが、「天は自ら助くる者を助く」。 そういう教訓だったような気もします。 アプリケーションが暴走した時は、タスクマネージャーが助く。 そういう経験は僕にもよくあるんですが、で、これはアレです。 バラードです。 クリスのバラードは独特の儚さがあって、パンツを穿かない人たちからも絶大な支持を得ているんですが、ここでのプレイも、絶品♪ 僕の持ってるCDは小西啓一クンが日本語ライナーを書いているんですが、曲解説がぜんぜん充実してなくて、いけません。 ビリー・ホリデイの自作・自唱の名曲として知られる 「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」 での巧みな情緒表現…って、それだけしか書いてありませんもんね。 おかげで、前に書いたようなことを再び蒸し返して引用してみたところで、ほとんど何の行数稼ぎにもならないんですが、今日の後半は今年いちばんの短さに終わっちゃうような気がします。 ま、今年はまだ始まったばかりなので、当然そういうことになるんでしょうが、最近また、前半が無駄に長くなってますしね。 今年の目標は 「余計なことを書かない」 。 そういう方針にしようと思うんですが、アルトの後、ピアノのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目、 「オン・ア・クリアー・デイ」 。 「ある晴れた日に」 ですな。 ある晴れた日には何をすればいいのかというと、荷馬車に子牛を乗せて、ドナドナ。 それが正しい過ごし方だと思うんですが、時間としては昼下がりですよね。 あ、演奏のほうはまだ前曲が続いているのに、フライングして、先走って話を進めていたんですが、 「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」 の後半、いいですなー。 クリスのソロの後、ウォルター・デイビスが出てきて、最後、再びアルトに戻るんですが、その引継ぎ部分が、とってもいい♪ クリスの儚げな入りに、ピアノが激情的に絡んでくるところが、とってもいい♪ ということで、話を戻しますが、えーと、ドナドナですか。 ドナドナと言えば、子牛ですよね。 子牛戸をくぐり抜け、見上げる夕焼けの空に♪…と歌ったのは小柳ルミ子なんですが、 「見上げるゆうや〜けの空に〜♪」 と、変なところで延ばすもんだから、どうしても “空を見上げる(内田)裕也〜、毛の空” みたいなイメージが頭に浮かんでしまいます。 というか “子牛戸” というのも何か間違っているような気がするんですが、それはそうと、「ある晴れた日に」。 この後に 「永遠が見える」 と続くんでしたっけ? 天気のいい日はよく、海で長い距離を泳ぐ大会をやってますからなぁ。…って、それは 「ある晴れた日に遠泳が見える」 。 定番のネタで行数を稼いでみましたが、余計なことを書かないという今年の目標は、早くも危ういものとなっております。 で、これ、ミディアム・テンポの歌物です。 クリスという人は超アップ・テンポでも、バラードでも、どちらでもイケる口なんですが、中庸なテンポをやらせても絶妙ですよね。 スローなイントロで始まり、テーマに入って一転、スインギー路線へ。…という手法も、コスイギン首相の頃からの定番なんですが、なかなか効果的でありまして、感情の赴くまま突っ走る環状7号線といったクリスの歌いっぷりも快調そのものので、怪鳥ロプロスも納得の出来。 でもって、ピアノのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「ブルース・イン・ザ・クロゼット」 。 オスカー・ペティフォードの曲でありますな。 オスカーの曲は大須賀クンにも人気なんですが、ま、リフ調のシンプルなナンバーで、単純と言えば単純なんですけど。 単純なだけに胆汁もたっぷり分泌されて、総胆管の十二指腸開口部であるオッディの括約筋も十分に弛緩するんですが、けれん味のないクリスのプレイが存分に楽しめます。 デイビスのファンクネス、手堅い名手ドーソン、そしてマイルス・バンドの名リズム・マンであるチェンバースによるステディーなサポート振りなど、聞きどころの多い好プレイだ。…と、珍しく小西クンが長めの感想を述べているんですが、手堅い名手ドーソンが、かなり張り切っておりますな。ちょっとタイコが喧しく思えてしまう程なんですが、デイビスのピアノ・ソロはファンクネスだし、チェンバースのサポート振りは寒ブリだし、で、終盤、アルトとドラムスの4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、ラストです。  「スマイル」 。チャップリンの書いた曲だそうです。 チャップリンというと個人的には、プリンの茶色い部分?…というイメージがあったりするんですが、カラメルのような甘さを持ったスイーツなナンバーに仕上がっております。 アルトの無伴奏ソロでバラード調に始まり、リズムが入ってミディアム・テンポになって、ソロに入るとちょっぴりクドい、いつものクリス節、バリバリ全開っ!…という展開でありまして、ま、正直、ちょっとマンネリ気味になってきた気がしないでもないんですが、ま、これで最後ですからね。そう悲観することもなくて、で、ピアノのソロとかはなくて、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 大当たりとは言えないまでも、サンジルシの醤油1本。 一号館グループの年末の抽選会で言うと、それくらいの価値はある1枚でありました。 醤油が当たればいいほうなんですよね、あれ。 シンプルなワン・ホーン作だけに特別な仕掛けは無いんですが、ま、素直なところがいいのではなかろうかと。 クリスのアルバムは外れるリスクが少ないんですが、これも普通によかったです。…という仕上がりなのでありました。


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