BLACKSTONE LEGACY (CONTEMPORARY)

WOODY SHAW (1970/12/8,9)

BLACKSTONE LEGACY


【パーソネル】

WOODY SHAW (tp) GARY BARTZ (as,ss) BENNIE MAUPIN (ts,b-cl,fl)
GEORGE CABLES (p,el-p) RON CARTER (b) <except #1> CLINT HOUSTON (b) <except #3>
LENNY WHITE (ds)
【収録曲】

(01-03) BLACKSTONE LEGACY / THINK ON ME / LOST AND FOUND
(04-06) NEW WORLD / BOO-ANN'S GRAND / A DEED FOR DOLPHY

【解説】 (2009年11月22日更新)

 君は兵器に詳しいかな? 僕はですね、さっぱりです。 兵器のことを知らなくてもぜんぜん平気だし、兵器よりもケーキのほうが美味しいと思うし、こうも景気が悪いと兵器どことではないし、兵器を放棄して、箒 (ほうき) で掃除。 そのほうが現実的だと思うし、電験三種の試験は法規すら落ちたしー。 とまあ、そんな僕にも分かりやすい兵器の入門書を手に入れました。 『使える兵器 使えない兵器』 。 上巻と下巻があって、それぞれ 1,890円ですかぁ。ちょっと高いですなぁ。 あ、でも、出品者:志保ちゃん書店の中古なら 266円で買えるんですなー。ただ配送料が 340円と、本題の本代よりも高かったりするんですが、プチプチにて梱包してくれるみたいなので、ま、やむを得ないところではなかろうかと。 “帯付。状態良好。” みたいだし、中古でいっかぁ。…と思ったんですが、ゆみちゃんのことを思って、志保ちゃんは捨てて、新品で買うことにしました。 著者はあの江畑謙介クンであります。軍ヲタの間ではめっちゃ有名ですよね。通称エバケン、エヴァたん、もしくはエヴァ初号機。 湾岸戦争の時、NHKの解説員として世間に露出して、その独特の髪型もあって、上方で人気が爆発。 上方だけでなく、江戸や尾張名古屋でもブレイクして、一躍、お茶の間のアイドルとなりました。お茶の間だけでなく、床の間でも人気が沸騰して、争うようにエヴァたんの掛け軸を飾ったりしたものです。 そういえばそんな人、いたっけ?…と、記憶がおぼろげになっている人も、 このアスキーアート を見れば、 「ああ、あの湾岸戦争の!」 と、たちどころに記憶が蘇るに違いありません。 その独特の髪型だけでなく、あまりにも深すぎる知識と冷静沈着な解説ぶりは、深く尊敬に値するキャラだったんですが、そんな江畑くんが今年の10月10日、惜しくもお亡くなりになってしまいました。60歳の若さでありました。 湾岸戦争って、ついこの前にあった戦争なんですが、いつのことかと思ったら1991年なんですな。今から18年ほど前ですかー。 となると、ん? あの当時、テレビに出ていたエヴァたんって、40歳そこそこ? 今の僕とほとんど変わらないお年頃だったんですなー。 松任谷由実をして、 「ガイコツがフライパンを被った様なおじさん」 と言わしめたルックスからして、もうちょっと上だと思っておりました。 当時、テレビに出ずっぱりで、画面に出てくる度にやつれていたので、心配していたファンも多かったと思うんですが、まさかこんなに早く死んじゃうとは。。。心よりご冥福を申し上げます。

 ちょうどその日は小牧の航空祭だったので、僕は帰宅後、2ちゃんねるの航空祭スレを見ていて、彼の訃報を知ったんですが、その日の江畑スレの伸びは凄かったですなー。 その中で、エヴァたんに関する色々なエピソードを知ったんですが、その中でいちばん印象的だったのが、これ (↓) です。

 先日、モスクワにごいっしょした江畑謙介さん(軍事評論家)は、結婚14年目だが、まるで新婚のようなおアツアツぶり。互いに夫は妻を「ゆみちゃん」と呼び、妻は夫をなんと「先生」と呼ぶのです。裕美子夫人は、夫に「勝るとも劣らない」と言わせる、軍事問題の専門家。まさに「ゆみちゃん」あっての「先生」なんです。何でも「質問状をいろいろ出しているうち結婚することになっちゃった」のだそうです。人生、一瞬先は明るいこともあるんですね。

 湾岸戦争当時、江畑くんは独身だったんですが、テレビを見た軍ヲタのゆみちゃんが手紙を出すなどして猛アタック。 もう、宗猛も真っ青の猛アタックだったそうですが、かくして江畑くんは15くらい年下の細身の美人であるらしいゆみちゃんを、見事にゲット♪ 「男は髪型ではない」 ことを示す事例として、何とも心強いエピソードではありませんかぁ。

 江畑氏は新幹線や飛行機で注目されることを嫌い、講演には愛車のスポーツカー「GTO」(三菱)で、「北海道や九州でも、夫婦で仲良く出掛けている」という。 最近、著書のあとがきには「本書は彼女との共著といっても過言ではない。末尾を借りて、裕美子に感謝の意をささげたい」と必ず記している江畑氏。 米英軍も仰天する史上最強の軍事タッグといえそうで、その快進撃はまだまだ続きそうだ。

 …と、これは 2003年に書かれた記事なんですが、史上最強の軍事タッグも解消を余儀なくされて、ゆみちゃんもさぞや悲しんでいることでありましょう。江畑スレに 「遺された奥さんの印税収入になるからなるべくエバケンの本買わないとな」 とあるのを見て、志保ちゃんの中古はやめて、新品を買うことにしたんですが、いや、追悼という意味を抜きにしても、読むべき価値のある書物でありましたな。 兵器なんてのはぶっちゃけ、人殺しのための道具であって、兵器なんかなくても平気♪…という世の中になるのが理想なんですが、現実問題としてはそうも言ってなれないんですよねー。 例えば 『天下統一』 みたいな戦国シュミレーションゲームをやってみると分かるんですが、とりあえず守りの弱そうなところから攻めよう。どうしてもそういう気分になっちゃうんですよねー。 実際、軍事力の弱い大名は、あっさりと戦いに敗れてお城は炎上、城主は切腹という、悲惨な結果に終わることになります。 僕は平和主義者でありまして、桑名でいちばん美味しい寿司屋は平和寿司だと思っているし、麻雀の役でも “平和(ピンフ)” がいちばん好きだし、栃木県出身の作家では立松和平がいちばん偉いと思うんですが、平和を愛する心と兵器ヲタの道は、決して相容れないものではない。 そういうエヴァたんのスタンスは本書の最初にある、軍備の第一の任務は抑止力、つまり軍備を実際に使用しないところにある。 「限定的侵略の排除」 であろうが、実際に使用される時は、第一にして最大の任務が果たされなかったことを意味する。…という一文に集約されております。 で、兵器 (その1) は “戦車” でありますかぁ。 いや、そのように系統立てて兵器の種類別に話が進んでいくわけではないんですが、とりあえず最初のほうに戦車の話が出てきます。 ところで君は戦車に詳しいかな? 僕はですね、さっぱりです。 ドロドロのところを走るから、戦車は洗車が大変。 僕が戦車に関して持っている知識は、以上です。

 今までの経験からすると、戦車というのはああ見えて、意外と弱い。そんな気もします。 いつ、どこでそんな経験をしたのかというと、1988年頃、ファミコンのゲーム 『ファミコンウォーズ』 での経験なんですが、高い金をはたいて、頑張って “戦車A” とか作っても、何だかあっさりやられちゃうんですよね。 それも “対戦車攻撃機スホーイ25” みたいなヤツにやられるんなら、まだ諦めもつくんですが、 “歩兵” の次に生産コストが安い “戦闘工兵” に、いとも簡単にやられちゃいます。1回の攻撃で、10機の戦車が半分くらい減らされてしまいます。 どうやらあの “戦車A” というヤツは攻撃力こそ高かったものの、防御力がぜんぜん駄目な 「使えない兵器」 だったみたいですな。 江畑くんによると、自衛隊の “74式戦車” というのも、かなり使えないヤツだったみたいなんですが、そんなもん、どこがつくったんですかね? 三菱重○業? 江畑くんは 「戦闘機を作っているメーカーだから。」 という理由で三菱のGTOに乗っていたようですが、あれも何だか防御力には欠けそうなクルマでしたからなぁ。 ちなみに三菱重工業の相模原製作所にエンジンの講習会で行ったりすると、戦車柄のネクタイピンをくれたりするんですが、たまに出来立ての戦車が工場の敷地内を走ったりすることもあるようです。 お昼休みには 「僚機を救出し、意気揚々と引き上げる水陸両用ナンタラの勇姿をご覧下さい。」 といった、マニアなビデオが流されたりするんですが、そんなことしてるから工場の周囲を左翼団体に囲まれたりするんでしょうな。 ま、幸い、日本の戦車は今のところ実戦に使われる気配は無さそうなので、そんな兵器でも平気なんでしょうが、改良型の “90式戦車” は大丈夫なんすかね?

 とまあそんなことで、次です。 “軍艦” 。 僕の軍艦にまつわる思い出と言えば、んーと、 “軍事じゃんけん” ですかね? グーは“軍艦”、チョキは“沈没”、パーは“破裂”。 「軍艦軍艦、沈没っ!沈没沈没、破裂っ!」 とか言って、遊んだような記憶があります。 “軍事じゃんけん”というのは僕が先ほど勝手に付けた名前なので、正式には何と言うのか知りませんが、あ、 Wikipedia には 軍艦じゃんけん というのがありますな。 ん、何? パーは “ハワイ” !? そんなローカルルール、俺は認めん!…と言いたくなっちゃいますが、 “グアム・朝鮮・ハワイ” というバージョンもあるんですな。3つを地名で統一したところは大いに評価出来るんですが、 「グアムグアム、朝鮮っ!」 とか、言いにくくないですかね? グーが軍艦でない時点で “軍艦じゃんけん” ではなくて “グアムじゃんけん” だし、頭に“グ”の付く言葉と言えば普通 “グアバ” (←ハワイの飲み物) やろ?…という気もするし、何でもいいけど このCM 、めっちゃ懐かしいですなぁ。 “グアバ” ではなく、 “グァバー” が正解だったんですなー。で、幼女のグァバーを略奪するとは、大人気のないお姉さん達ですなー。 ということで、次です。“潜水艦”。 子供の頃、憧れましたなぁ。特に潜望鏡というのが凄く好きだったんですが、オトナになった今、どうやらオトナの世界には “潜望鏡プレイ” という遊びがあるらしいと知って、大いに気になったりしております。 で、次。“後方装備”。 制服組はどうしても戦車などの正面装備を欲しがるが、後方装備も大切である。そういうお話です。後方装備というのは例えば “補給車” とか、そういう地味なヤツなんですが、地味だから別にどうでもいいやぁ。…と、蔑ろにされがちです。 が、経験上、後方支援は非常に大切です。ファミコンウォーズでそのことを嫌というほど思い知らされたんですが、“戦車B” ( ←“戦車A”同様、防御能力は極めて弱いが、値段が安いのでやられてもさほど悔しくは無い。 ) で、敵陣深くまで攻め込んで、いざ、攻撃っ!…という時に 「タマギレ」 と表示されてしまう、あの脱力感。 ああん、ちゃんと補給車を連れていればぁ。。。 結局、戦闘工兵の餌食になって、10機が3機にまで減ってしまって ( ←“戦車A”より安いだけあって、更に防御力が弱い。 ) 悔しいっ!さほど悔しくは無いんだけど、やっぱり悔しいっ!

 あとはえーと、“ヘリコプター” ですか。対戦車戦では抜群の費用対効果を誇る戦闘工兵なんですが、こいつの天敵は“輸送ヘリ” だったりします。 こいつは単なる輸送軍団の分際で、何故だか歩兵や戦闘工兵に対する攻撃力は抜群で、空からダダダダダっ!…と攻撃されると、かなりのダメージを受けることになって、まさに “天敵” 。 戦闘工兵を守るには、輸送ヘリの天敵である “攻撃機A” を配備しなければならず、こうして次第に軍事費が膨らんでいくことになるんですが、で、エヴァたんの本には、同じヘリコプター・パイロットに、森の中を地面すれすれに飛んで戦車を攻撃する技術と、洋上で揺れる艦上から発着陸する技量とを要求するのは難しいであろう。…と書かれておりました。 ほぉ、そうなんですかぁ。 『 空へ -救いの翼 RESCUE WINGS- 』 という映画では高山侑子たん扮する川島遥風 (かわしま・はるか) 三等空尉が、ヘリコプターで護衛艦に着艦して、ハッピーエンド。 え?それだけ?…という、何だかオチの無い結末だったんですが、洋上で揺れる艦上から発着陸するには、かなりの技量が要されるんですな。知りませんでした。 ま、それが困難なミッションであることが判明したところで、今ひとつ地味な結末であったな。…という印象が、さほど上方修正されることは無いんですけどー。 で、あの映画では “F-15イーグル戦闘機” が訓練中にあっさりと海に落ちちゃうんですが、本書を読んで、そのお値段が判明しました。軍人主導で開発して、欲しい機能をどんどん盛り込んだ結果、調達価格が1機4000万ドルを超えたそうです。 神戸の夜景が100万ドルなので、ざっと、40夜景。そういう計算になります。日本でライセンス生産する場合、生産台数が少ない関係でお値段はずっと高くなって、1機あたり125億円っ! 小松の航空祭では8機が編隊を組んで飛んでおりましたので、1000億円のフライトということになりますなぁ。高っ!めっちゃ高っ! あ、でも “子ども手当て” の所要財源は全額支給の場合 5兆3000億円らしいので、0.019子ども手当てに過ぎないという計算も成り立ちます。 が、普通に考えたら、やっぱり高いです。 あまりに高過ぎるので、アメリカと日本以外で F-15を調達しているのはサウジアラビア (72機) とイスラエル (115機) だけなんだそうですが、で、日本には一体どれだけ調達したのかと言うと、225機っ! 総額2兆8125億円でありますかぁ。 いくらなんでもちょっと買い過ぎぃ? 本家アメリカでも、あまりの高さに必要な数を確保することが出来ず、その分、割安な F-16ファイティング・ファルコンで補うという道を選んだそうなんですが、なるほど、そういうことだったんですかぁ。 F-15よりも F-16のほうが数字が大きいから、偉いっ♪…と思っていたんですが、単純に性能だけを比べれば、一概にそうとも言い切れないんですなー。

 ちなみに F-15と F-16は同じエンジンを積んでいるようですが、F-16が1基なのに対して、F-15は2基。 単純に考えて、倍ですな。 エンジン2基の合計推力は機体の重量を上回るそうで、翼の揚力を使わなくても垂直に上昇出来るんだそうで。 もはやロケットですな、こりゃ。 そういえば小松の航空祭でナレーションのお姉さんが 「イーグルのエンジンは、戦艦大和よりも馬力が大きい。」 と言っておりましたが、調べてみたら戦艦大和が15万馬力、イーグルのエンジンは軽く見積もって1基10万馬力なので、2倍して20万馬力。鉄腕アトム2人分♪ …とまあ、ここまで書いたところで、所定の分量に達した (←ややオーバーした) ので、下巻はざっと読み飛ばしてしまったんですが、あとがきは噂どおり 「私事の記述で恐縮であるが、本書の執筆に当たっては資料の検索、調査、整理、図版の製作、選定などで妻の裕美子の助けを多く借りた。末尾を借りて、彼女に感謝の意を表したいと思う。」 という一文で締め括られておりました。いやあ、軍ヲタと愛妻家って、両立出来るものだったんですなー。ちなみに、 この追悼文 にも、いいエピソードが満載。おまけに動くエヴァたんも見れます。 ま、エヴァたん以外のネタは、ちょっと問題のあるブログではあるんですけどー。 で、兵器本の巻末の資料のところには、こんな文字 (↓) も見られました。

  ヤンキーT級  ヤンキーU級

 どうやらヤンキー級原子力潜水艦というのがあるみたいなんですが、何だかちょっぴり“ヤンキー検定” ( ←通称 “ヤン検” ) みたいですよね。電験3種はとても受かる気がしないので、来年あたり、ちょっと受験してみようかと思います。ヤンキーに関してはぜんぜん詳しくないので、あまり自信は無いんですが、とりあえず “ヤンキーU級” を目指して、頑張りまっす!

 ということで、今日はウディ・ショウなんですが、トランペット編は今回で終わりということにさせて頂きます。何故かというと、手持ちのネタが尽きたからなんですが、そういう事態に備えて、とりあえずラストになる1枚を確保しました。 『ブラックストーン・レガシー』 。 ウディ・ショウの名前はサイドマンとしてはよく目にするんですが、リーダー作となるとこれと言った代表作が思いつかず、中で唯一、名前だけは目にしたことがあったのがコレなんですが、日本ではもっぱら 『ブラックストーンの伝承』 という名前で知られております。1970年の録音なんですが、彼にとっては初リーダー作だったんですな。 レーベルがコンテンポラリーだというのがちょっと意外なんですが、全6曲。ただしレコードだと2枚組だったりする、かなりの大作です。ヘビーなんでしょうな、多分。 今からちょっぴり気が重いんですが、ま、内容が今ひとつだったら解説のほうは手抜きが出来るしー。 で、これ、サイドマンはなかなか豪華ですな。 サックス担当のゲイリー・バーツ に関しては、下痢気味であるということ以外、寡聞にしてよく知らんのですが、調べてみたら70年にマイルス・デイヴィスに起用され72年まで同コンボに在籍していたらしいです。ぜんぜん聞かないですからな、70年代のマイルス。 で、もう一人の管楽器、ベニー・モウピンはハービー・ハンコックの 『ヘッド・ハンターズ』 に参加していた兄ちゃんですよね。 その為、あまり真摯に純ジャズに取り組んでいるというイメージを持たれなかったりするんですが、後期のリー・モーガンと共演したりもしているので、あまり心配はしておりません。 で、ピアノはジョージ・ケイブルスでありますか。 この人なら概ね、大丈夫でありましょう。 生ピだけでなくエレピも弾いているのは時代の流れからして仕方の無いことでありまして、電気仕掛けだって使いようによってはけっこう効果的だったりしますからね。 で、ベーシストは基本、2人体制のようです。ロン・カーターと、クリント・ヒューストンですか。 ま、基本、ベースなんてのは1本だろうが2本だろうが、さほど目立つものではないので、無駄にソロをフィーチャーしたりしない限り、さほど大きな害をもたらすこともないでしょう。 で、ドラムスはレニー・ホワイト。 マイルスの歴史的傑作 『ビッチェズ・ブリュー』 (←個人的には駄作) や、チック・コリアのリターン・トゥ・フォーエバー (←個人的には聞いたこと無し) に参加していたようですが、マーカス・ミラーと一緒にファンクっぽいのをやったりもしてますよね。 で、リーダーのウディ・ショウは生まれつき弱視だったり、晩年はエイズになったり、地下鉄に轢かれて腕を切断したりと、その不幸な生涯で広く世間に知られておりまして、ま、そういうところが日本でコアなファンを惹きつける一因になったりもしているんですけど。 日本人は好きですからね、不幸。 フュージョンに日和らなかった硬派な生き様も共感を呼ぶところなんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まずはタイトル曲の 「ブラックストーン・レガシー」 。 「黒い石の伝承」 というのがどういう物なのかはよく知らんのですが、黒い石は那智黒だねっ♪ そういう伝承なのかも知れません。 このCM とか、かなり懐かしいものがあるんですが、この婆ちゃん、まだ元気ですかね? さすがにちょっと厳しいですかねぇ。。。 いかにも那智黒らしい黒さが実にファンクでありますが、一方、ショウくんの黒石伝承はというと、予想どおり、かなりハードな作りとなっております。サウンド的には “ネオ新主流派” といったところでしょうか?どこがネオなのかというと、エレピのサウンドがとっても70年代なんですが、トランペット+2サックスの分厚い絡み具合がとっても熱いです。 ソロ先発はウディ・ショウ。 激しいまでに戦闘的です。 もう、セントウルステークス (阪神競馬場・芝1200m)も真っ青。…といった戦闘ぶりなんですが、競馬ゲーム(育成系)をやってるとよく出てきますよね、セントウルステークス。 あと、地味なところで根岸ステークスとか。 ファミコンの 「ファミリージョッキー」 だとオーミステークスというのがあって、本当にそういうレースがあるものだとばかり思っていたんですが、Oh , Mistake! それが言いたかっただけなんですな。 実際、スタート直後に大竹柵があって、よくコケて失敗するステージでありました。 で、16分08秒、とてもリアルタイムには付き合いきれないので、適当に端折ることにしますが、4分あたりのところからサックス2台が猛烈にアタックをかけてきて、狂乱のコレクティブ・インプロヴィゼーションに突入することになります。ワヤですなぁ。。。 ま、幸いそのパートは長くは続かず、ゲイリー・バーツかモウピン、どちらかの通常ソロにスイッチするんですが、ゲイリーかモウピン。どちらかを特定するのは意外と簡単です。ゲイリーはアルトかソプラノ、モウピン派テナー、バスクラ、フルートですからね。 ま、僕の場合、アルトなのかテナーなのか、時どき判別が付かなかったりもするんですが、でも大丈夫。パーソネルを見るとゲイリーは右チャンネル、モウピンは左チャンネルと明記されております。 ヘッドフォンの右左さえ間違わなければ大丈夫です。 が、スピーカーだと、あまりよく分からなかったりします。スピーカーと対峙するか、スピーカーに背を向けるかで、右と左が逆になっちゃうしー。

 ま、その後、バスクラが出てくるので、さっきのは下痢罰だったんだぁ。…と判明することになるんですが、で、続くケイブルスのエレピ・ソロは、保守的な僕にはやはり、ちょっぴりアレに思えてしまいます。やっぱり生のほうがいいですなぁ、生クリームも生牡蠣も。 個人的に牡蠣はナマよりも断然フライ派だったりするんですが、やはり生牡蠣はナマのほうがいいと思います。 で、地味なベースのソロがあって、集団即興演奏があって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 「シンク・オン・ミー」 。 このアルバムを買って約2ヶ月半。 今までいつも1曲目で挫折したので、今回、初めて聞くことになるんですが、ケイブルスのオリジナルのようです。 ネオでない新主流派といった感じで、悪くないですな、こりゃ。 ピアノも生だしー。 3管の絡みが三菱重厚なテーマに続いて、ウディ・ショウのソロが出ます。ところで、2ちゃんねるにウディ・ショウのスレとか、あるのか?…と思ったら、ちゃんとありました。 2008/09/16(火) の時点で、「来年は没後20年」 とあるんですが、ということは今年、没後20年になるんですかぁ。 ついこの前、地下鉄に轢かれたというニュースを目にしたような気がしてたんですが、月日が経つのは早いですなぁ。 で、ここでの吹きっぷりはアレです。 ショウらしさバリバリ全開で、ズバリ、これぞショウといったところでしょう!…って、語尾を無理に 「しょう」 にしようとしたら、丸尾君になっちゃいましたが、続くケイブルスのピアノ・ソロも、いいです。基本、ハービーですよね、この人。 …って、 「個性、命!」 のこの世界で、そんなのちっとも褒め言葉にはならんのですが、クールで知的だけど、内面は熱いぜ!…みたいなところが、いいと思います。 で、終盤、再びショウくんが出て、テーマに戻って、おしまい。 10分49秒と、さほど無駄には長くなくて、サックス2人は脇役に徹していて、そういうところが、よかったです。

 で、次。 あ、演奏を聴きながら2ちゃんねるを流し読みしていたんですが、ちょうど今、

  ひとつ分からないことが。
  どうしてスレ立てた>>1は丸尾くん口調なんだ?


 というのが出てきました。言われてみたら確かに >>1は 「ずばり、待望のウディショウのスレッドでしょう。」 ですもんね。 ウディ・ショウを語る時、人はどうしても丸尾くんになってしまうという真実を目の当たりにした思いでありますが、 「ロスト・アンド・ファウンド」 。 視力、腕、そして最後は命まで失って (Lost) しまったショウは、果たして何を見つけた (Found) のでありましょうか? 激しいドラム・ソロで始まり、さほどキャッチーとは思えないメロディのテーマが3管のハモリで演奏され、ピアノはエレキで、全体としてフリー。 そういった感じの仕上がりなんですが、ソロ先発はゲイリーだかモウピンだか、どっちか。 あまりにもイッちゃってて、正直しんどいです。 続くショウは激しいなりに、さほど苦行と感じさせないところがさすがなんですが、いや、やっぱりちょっと辛いものがありますか。 続くゲイリーだかモウピンだかのソロも個人的にはちょっと無理で、でもって、ケイブルスのエレピがあって、地味なドラムスが出て、テーマに戻って、おしまい。 ここまで、保守派の僕としては △→◎→× という流れになっているんですが、あ、ケイブルスのオリジナルなら、オーケーということになるんですかね? となると、続く 「ニュー・ワールド」 にはちょっと期待が持てそうなんですが、 「新しい世界」 なので、保守系には駄目かも知れませんけど。 期待と不安が入り混じる中、演奏が始まったんですが、とりあえずイントロに登場する作曲者は電化されておりますな。 そこに怪しくベースが絡んでくるんですが、基本、綺麗なバラードっぽい雰囲気が感じられます。 で、テーマ。 ゲイリーもしくはモウピンがゆったりとしたテンポで哀愁のメロディを吹いて、そこにやや攻撃的な感じでショウのトランペットが絡む。そういうスタイルです。 で、ここで速度が上がって、かなりファンクなノリになったりするんですが、これ、ベースも電化されているんですかね? 純ジャズという観点からすると、かなり間違っているんですが、これはこれで、こういうのもアリかな?…という気はします。 時どき、こっそりマーカス・ミラーとか聞いてたりするしー。 こうなってくると、エレピの近未来的な音も、アリですよね? 子供の頃、生のピアノよりもエレクトーンのほうが、未来っぽくて、カッコいい♪…とか思ってたしー。 肝心のウディ・ソロがなかなか出てこないんですが、そういうところが 「新しい世界」 なんでしょうな、恐らく。 そういえば昔、近鉄の四日市駅前に 「ベッ世界」 というのがあって、それがどういう世界なのか、オトナになったら確かめてみようと思っているうちに潰れちゃいましたが、そうこうしているうちにウディのソロが始まりましたな。 ファンク仕掛けだろうが何だろうが、常に全力疾走するウディに対地爆撃魂を感じたカンジタ (←かなり痒いらしい) 。…といったところなんですが、終盤、サックス吹きのおじさんのソロもあったりして、大いに盛り上がっておりますな。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 5曲目、 「ブー・アンズ・グランド」 。 普通に 「ぶー・あんず」 と入力して変換したら、 「ブー・杏」 になっちゃったんですが、普通、そうですよね。 「ブー・アンの壮大」 といった、よく分からんタイトルの日本語訳より、高木ブーと杏仁豆腐について語る機会のほうが絶対大いに違いありません。 で、先ほど、ケイブルスのオリジナルだからと言って、決して油断ならないことが判明したんですが、このウディ・ショウのオリジナルはどうですかね? 期待と不安が入り混じる中、演奏が始まったんですが、おおっ、これは悪くないですな。 何と言うか、普通にいいです。 明るく御陽気な導入部から一転、スロー・テンポでグッと迫るところが、いいっ♪ …と思います。 すぐに元のテンポに戻るんですが、でもまた遅くなったりして、メリハリの効いた、めはり寿司。 そういった感じがします。地味に美味しいんですよね、めはり寿司。 で、以下、ピアノ→トランペット→テナーとソロが続いて、で、このモウピン (←だと思う) が、ちょっぴりコルトレーンっぽかったりするところが収穫だったりするんですが、やれば出来る子だったんですな。今まで、モウセンゴケのパチモン?…くらいにしか思ってなくて、申し訳ありませんでした。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 で、ラストです。 「ア・ディード・フォー・ドルフィー」 。 これは恐らくアレでしょう。エリック・ドルフィに捧げたものでしょう。  「エーゲ海に捧ぐ」 とか、「ささげ (←マメ科の野菜)に捧ぐ」 とか、人は色んなものに捧げ物をする生き物なんですが、1962年18歳でエリック・ドルフィーとの共演。これがショウにとっての初リーダー作だったらしいですからね。ドルフィーとショウ。互いにメインストリームを基調としながら、そこから一歩先に進んだ世界を模索した。その姿勢は正しい木の伐り方を模索した 「与作」 にも通じるものがあるんですが、ドルフィーと言えば、木曽川で飛び跳ねておりましたな、ドルフィン。 これ ですな。 三重県桑名市の木曽川って、揖斐川や長良川はともかく、木曽川はあまり桑名という気がしないんですが、川の半分くらいは旧・長島町ということになるんですかね? 河口から4キロ付近ということで地図で調べたら、どうやら23号線の橋のあたりみたいです。ラストのほうに橋桁のようなものが写っているので間違いないでしょう。 何でもいいけど “報告 中島健人” って、この人、結局 「あー、跳んでます、跳んでます!」 しか報告していないような気もするんですが、しかしまあ、よく飛び跳ねておりますなー。 もしかして、名古屋港水族館から逃げ出してきたとか? かと思えば桑名の水谷建設の元会長が小沢くんに1億円渡したと供述しているみたいだし、その水谷建設の玄関に自称右翼のクルマは突っ込むし、桑名も何かとタイヘンでありますなぁ。 …とか言ってるうちに演奏のほうは終わってしまったんですが、とまあそんなことで、以上です。

【総合評価】

 思ったとおり、やはりちとハードでしたなぁ。。。 個人的にはこの人、サイドマン参加の作品だけ聞いておけば、いいかな?…という気持ちにならないでもないんですが、あ、2曲目だけは素直によかったと思うんですけどね。 ウディ・スレでは 『ラヴ・ダンス』 というアルバムの評判がいいみたいなので、ちょっと聞いてみたいような気もするんですが、Amazon では、現在お取り扱いできません。 ああん!


INDEX
BACK NEXT