MOVIN’ & GROOVIN’ (BLUE NOTE)

HORACE PARLAN (1960/2/29)

MOVIN' & GROOVIN'


【パーソネル】

HORACE PARLAN (p) SAM JONES (b) AL HAREWOOD (ds)
【収録曲】

(01-03) C JAM BLUES / ON GREEN DOLPHIN STREET / UP IN CYNTHIA'S ROOM
(04-06) LADY BIRD / BAG'S GROOVE / STELLA BY STARLIGHT
(07-08) THERE IS NO GREATER LOVE / IT COULD HAPPEN TO YOU
【解説】 (2009年02月15日更新)

 バレンタインデーでしたなぁ。君は何個チョコレートを貰ったかな? 僕はですね、プライバシーに関わる問題なので、ここでの公表は差し控えたいと思います。 というか、これを書いている時点ではまだバレンタインが来てないので、何とも言えないところなんですが、おそらく例年並みの作況なのではなかろうかと。義理チョコと人情チョコ、合わせて2個。 ま、そういったところではないかと思われます。 ちなみに僕はチョコレートが大好きなので、バレンタインにチョコを贈るという風習が日本に根付いて、ホントによかった♪…と思うんですが、これがもしチョコではなくて “兵六餅” だったら、このイベントは今ほど盛り上がらなかったに違いありません。 こんなことを書くとセイカ食品株式会社からクレームが来るかも知れませんが、本命兵六餅、義理兵六餅、自分兵六餅、友兵六餅。どれもあまりソソられるものがありません。同じセイカ食品でもボンタンアメは大好きなので、本命ボンタンとか義理ボンタンなんてのはいいと思うんですけど。 ただ、ボンタンアメばかりたくさん貰っても、飽きちゃいますからね。ここはやはりチョコレートという大きな括りにしておりたほうが、いろんなタイプのチョコを貰えて嬉しいように思われます。

 世の中にどれくらいの種類のチョコがあるのかというと、2種類くらいでしょうかね? いや、それは僕が貰えるかも知れないチョコの種類の数なんですが、今年は不景気なので、義理も人情もへったくれもねぇ!… というので、0個に終わる恐れも多分にあるんですけど。 ま、そういう個人的な事情は差し置いて、世の中には数え切れないくらい多くの種類のチョコがあるんですが、子供の頃、僕が好きだったのはトーサンのピーナッツチョコと、ブロックチョコレートであります。どちらも近所の一号館というスーパーに売っていたんですが、僕の父さんはちっともトーサンのピーナッツチョコを買ってくれなかったので、自分で買っていました。トーサンなんて聞いたことのないメーカーだし、何だかすぐ倒産しちゃいそうだな。…と誰もが思うところなんですが、ある日、商品はそのままなのに、トーサンではない会社の名前に変ってしまったので、あるいは本当に倒産したのかも知れません。 と思ったら、どうやら “東チョコ” という社名に変更したみたいなんですが、なるほど。それなら当直の人とかにもウケがよさそうだし、なかなか賢明な措置ではなかったかと思います。 とまあそんな話を書いているうちに、何だか無性にチョコレートが食べたくなってきたんですが、これはもう、会社の帰りに一スーパーに寄って買い食いするしかありません。この時期 (2月12日) に自分でチョコを買うのって、バレンタインにひとつも貰えないんだね。…という姿を世間に晒しているみたいで、ちょっと抵抗があるんですが、ま、最近は “逆チョコ” というのもあるみたいですしね。オッサンが超高級なピーチョコを買ったとしても、ぜんぜん大丈夫かも知れません。

 とまあそんなことで、行ってきました、バロー桑名東店。最近は一号館よりもこっちのスーパーを利用することのほうが多いんですが、駐車場が広いし、店そのものも広いし、銀行のATMもあるし、レジには可愛いギャルだっているしー。 ま、最後の項目は別にどうでもいいんですが、ちなみにこのスーパーにはセルフレジというのもあります。自分でバーコードを操って精算するようなんですが、今ひとつ仕組みがよくわからなくて、あたふたして、間違えて、失敗して、大恥をかくのが明白なので、未だに利用したことはありません。操作方法を優しく教えてくれるサポートギャルとかがいれば、チャレンジしてみるに吝かではないんですが、万引き防止を兼ねてセルフレジの出口のところに待機している店員はいつもオッサンだったり、お姉さんはお姉さんでも、えらく体格の立派なお姉さんだったりして、今ひとつソソられるものがありません。 こっそりチョコを買うならセルフのほうがいいような気もするんですが、操作を間違えて大恥をかくのと、チョコを誰からも貰えないから、自分で買って食べるんだぁ。…と、レジ担当のギャルに思われるのと、どちらがよりプライドが傷つくのか、慎重に比較検討しながらお菓子売場に向かったんですが、無いっ!売ってないっ! 東チョコのピーチョコも、どこぞのメーカーのブロックチョコも、置いてないっ! 春日井製菓の “ピーナッツブロック” というチョコはあったんですが、僕が欲しいのはこんなものではないっ! いや、見た目的には東チョコのピーチョコとほとんど同じものであったんですが、僕は今回、どちらかというとブロックチョコレートのほうが欲しかったんですよね。というのも、ブロックチョコレートというのが一体どういうものなのか、字だけで説明する自信がまったく無いので、出来れば実物を買って写真を撮りたいと思ったわけなんですけど。ネットで調べてみても、それらしき画像が出てこなくて困っていたんですが、やはりバローに浮気したのがよくなかったのかも知れません。ゴメンよ、一号館。 僕は決して、君のことを忘れたわけではありません。 別れ話をしたのは去年の事でしたね、ひとつオトナになって、忘れませんか? ( by キャンディーズ ) ということで、一号館に行ってみることにしました。

 無いっ!東チョコのピーチョコも、どこぞのメーカーのブロックチョコも、無いっ! 春日井製菓の “ピーナッツブロック” しか無いっ! この際、春日井でもいいかぁ。…と、決意が揺らいだりしたんですが、結局は何も買わずに帰ることにしました。このところカロリー摂取を控えるために、なるべ間食をしないように心掛けているところですしね。チョコ+ピーナッツという組み合わせは最高にカロリーが高そうなので、ここはグッと我慢することにして。 とまあそんなこんなで、ブロックチョコレートというのが一体どういうものなのか、自力で説明しなければならなくなってしまったんですが、これはアレです。一言でいえば、チョコレートのブロック。 ま、概ねそういった感じの食べ物なんですが、厚さがですね、かなり分厚いんですよね。普通の板チョコの約2倍 (推定) といったところでしょうか? で、大きさが縦8cm×横10cm (推定) くらいあって、そういうチョコの固まりが3個ほど、透明なビニール袋の中に入っておりました。そのままカジるには分厚すぎるので、小さく割れるように切り込みが入っているんですが、それが普通の板チョコのように長方形ではなくて、かなりバラバラな形になっているんですよね。三角形だったり、五角形だったり、六角形だったりして、大きさもバラバラ。 で、このブロックチョコレートもトーサンのピーチョコ同様、僕のトーサンはちっとも買ってくれなかったんですが、その代わり、ニーサンが買ってくれました。というか、ニーサンが売ってくれました。普通に売ってくれるのではなく、くじ引きにして売ってくれました。 ブロックチョコの各ブロックにシャーペンの先で削るようにして “1” から順に番号が書かれていて、で、1回10円でクジを引いて、出たのと同じ数字のブロックが貰えるという。どんな大きさのチョコが当たるのか、ドキドキわくわくして、非常に楽しかったのを覚えているんですが、いやあ、サバ兄もなかなかのアイデアマンでありますな。けっこう賢いっ!…と、コドモだった僕は尊敬もしておりました。 ま、今から考えれば5つも年が離れているから、コドモの頃は年相応の知能差があったというだけの話で、オトナになった今では、さほど賢いタイプとも思えなかったりするんですが、今から思えば1回10円という料金は仕入れ原価からすると、かなり割高だったのではなかろうかと。年が離れているのをいい事に、性格が素直な弟を騙して、なけなしの小遣いをふんだくったりして、ろくでもない悪徳なニーサンだったと思わずにはいられません。

 とまあ、そうこうしているうちに2月14日がやって来ました。それはそうと最近、髪の毛が伸びてきて、うざったくて仕方がありません。その昔、ややという名前の歌手が、夜霧のハウスマヌカン〜、刈りあげても剃りあげても、夜霧のハウスマヌカン〜、また毛が生えてくる〜♪ …と歌っておりましたが、確かにすぐ、生えたり伸びたりしてくるんですよね、毛。 オトナになると股に毛が生えてきたりもするんですが、そんなことはどうでもよくて、髪の毛が伸びてくるとですね、現場でヘルメットをかぶっていて、仕事が終わってヘルメットを脱いだ際に髪の毛がくちゃくちゃになっていて、どうにもよくありません。土木建築系の作業従事者に角刈り愛好家が多いのはそういう側面があるのではないかと思うんですが、僕はなかなか、そこまでは踏ん切りがつかないんですけど。 とりあえず、髪の毛が伸び過ぎてウザいので、床屋に行って少しだけ髪の毛を切ることにしたんですが、子供の頃からずっと通っている近所の床屋なので、毎回、お駄賃というか、参加賞というか、記念品というか、どういう名目なのかはよく分かりませんが、とにかく店のオバチャンがですね、森永のチョコボールをくれることになっております。コドモの頃からそういうことになっていて、それがオトナになった今でもずっと継続しております。あれは僕が中学生になった頃でしたか、ある日突然、店のオバチャンが 「ゆうちゃん ( 筆者注:僕のこと。) も、もうオトナやし、これからはシャンプーにしよか? 」 と言い出して、参加賞の商品がチョコボールから試供品のシャンプー (1回使いきりタイプ) に変更になった頃がありました。こんなん、元手、タダやん!…と思わずにはいられませんでしたが、ちょうどオトナになりかけで、股の毛も生えかけていた頃でしたからね。ちょっと背伸びをしたい年頃でもあったので、 「僕はまだコドモだから、チョコボールでいいっ!」 とも言えず、不本意ながらシャンプーを貰って家に帰ったんですが、思えば暗い青春の日々でありましたな。 そんな状況が3年ほど続いた続いたでしょうか、ある日突然、店のオバチャンが 「今日はシャンプーが切れてるから、子供みたいでアレなんやけど、チョコボールでいい? 」 と言い出して、僕は内心、そんな子供騙しなもの!…と思わずにはいられませんでしたが、オトナとしては渋々ながらも、出されたものを黙って受け取るしかありません。 以後、僕は 「シャンプーとチョコボール、どっちがいい?」 と聞かれれば、即座に 「チョコボールっ!」 と答えることが出来る、そんな立派な人間に成長することが出来たんですが、最近では 「いつものでいい?」 という質問に軽く頷くだけで、チョコボールが出てくるようになって、手間いらずで、とっても便利♪

 そして今、2月14日という一日が終わろうとしています。結局のところ今年のバレンタインは、床屋で貰ったチョコボール1個だけでありましたなぁ。。。

 ということで、今日はホレス・パーランです。 通称 “ホレ・パー” 。 何だか、惚れっぽくて、ちょっぴり頭が弱い人を彷彿させるものがありますが、 「あの娘に惚れ、スパーランドへ、デートに誘う」 という人名俳句もありました。ナガシマスパーランドが今春、 “新キッズエリア (仮称) ” をオープンさせるんだそうで、その名称を一般公募していたんですが、この度、その名前が決定しました。 “キッズタウン”だそうでーす♪ 仮称とほとんど変わらんやん!…と思わずにはいられませんが、モトクロスやケロヨンジャンプなどを移設すると同時に、メリーゴーランド (仮称) など、5つの新しいアトラクションが出来るようです。メリーゴーランド (仮称) が正式には一体どんな名前になるのか、期待を持って見守りたいと思うんですが、絶叫系がさっぱりな僕としては、お子さま向けのアトラクションが増えるのは喜ばしいところです。 ただ、ターゲットが未就学児から小学校低学年らしいので、今年の春41歳になる僕にはちょっと荷が重いかも知れませんが、それはそうと今日は 『ムーヴィン&グルーヴィン』 というアルバムを紹介したいと思います。ホレ・パーという人は小児だった頃、小児麻痺に罹ってしまって、その後遺症で右手が不自由になってしまったものの、それを克服してジャズ・ピアニストとして立派に大成した人。…として知られているんですが、大成と言えば僕が子供だった頃にあった “大勢” というスッポン料理屋はいつの間にか “カトマンズ” という名前のネパール料理屋になっておりました。 ま、僕はスッポンよりもカレーのほうが好きなので、喜ばしいことではあるんですが、で、この 『動いた、そして、いかいた』 というのはパーランの記念すべき初リーダー作ということになります。サム・ジョーンズアル・ヘアウッドと、サイドマンもなかなか地味で渋いところを押さえているし、選曲もほとんどが名の知られたスタンダードばかりで、肩の凝らない演奏が楽しめるのではないかと思うんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょうか。

 まず最初はデューク・エリントンの 「C ジャム・ブルース」 。 …とくれば、誰もがレッド・ガーランドの 『グルーヴィ』 を思い浮かべることになるんですが、アルバムのタイトルも何だか似通っているし、あるいはコレはガーランドへの挑戦状なんでしょうか? ガーランドはああ見えて、元プロボクサーらしいので、返り討ちにあう恐れも高いんですが、ここでのパーランのプレイは、んー、まあまあ? 元々があまりにもシンプル過ぎて、アドリブで活路を見いださなければどうにもならないタイプの曲なんですが、サム・ジョーンズのウォーキング・ベースが効いて、テーマ部そのものも決して悪くはありません。 で、肝心のソロはと言うと、ちょっぴり不器用なところも感じられるんですが、それなりにスイングもしているし、短いフレーズをしつこく何度も繰り返して気分を高揚させるという、彼の得意なスタイルの萌芽も見られるし、ちょっとアクの強いところが亜久悠の作詞センスにも通じるものがあって、いいと思います。ピンクレディの 「UFO」 とか、コドモ心にも何てつまらん歌詞だと思わずにはいられなかったんですが、飲みたくなったらお酒〜、眠たくなったらベッド〜♪ って、ミーちゃんとケイちゃんを酔わせて、一体どうするつもりなんでしょうな? 宇宙人もなかなか油断なりませんな。…と、大人になって改めて聴き直してみると、なかなか味のある歌だったりするんですよね。パーランの弾くピアノも聴けば聴くほど味が出てくるんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 2曲目、 「グリーン・ドルフィン・ストリート」 。 テーマ部ではベーシストがモード・ジャズっぽく同じ音を繰り返すというのが定番なんですが、ここでもその手法が踏襲されています。こういうところ、わりと素直な性格の持ち主であるようです。アドリブ・パートはモードではなく、普通にコードでやっているようなんですが、それはそれでちっとも悪いことではないし、もしかしたらモードでやってるのかも知れないし、世の中にはまだまだ、僕には分からないことがたくさんありますなぁ。 “ちあきなおみ” と “ちまきまゆみ” の違いもよく分からなかったりするし、メインクーンという犬の種類を見ると、一瞬、 “メンクイーン” かと思ってしまうし、それとこれとはまた話が別であるような気もするんですが、とか言ってるうちにパーランのソロが終わって、ということで、テーマに戻って、おしまい。 3曲目の 「アップ・イン・シンシアズ・ルーム」 はこのアルバムで唯一のオリジナルでありまして、タイトルは5歳になる彼の養女シンシアにちなんで名付けられたものなんだそうです。彼女の部屋はいつでも、素敵な場所なんだ。収拾がつかないほど散らかっていることもあるけど、いつ行っても楽しい場所でね。そこから思いついた曲さ。聴けばわかるとおり、 “Rhythm” のパターンを参考にしている。4度構成の和音が半音ずつ下がっていくブリッジがある以外はね。…と、パーラン本人が語っておりますが、そんなもん、聴いてもわからん!…と思わずにはいられません。 でもまあ、聴いてみて、わりといい曲であるというのは僕でも分かるし、収拾がつかないほど散らかっているという感じはなく、むしろ、落ち着いた雰囲気を持った作品だったりします。これが5歳の幼女の部屋だと思うと、それなりにラブリーだったりしますよね。キティちゃんとか、ウサハナとか、そういったグッズで溢れているんでしょうな。 “まりもっこり” まるけだったりすると、ちょっと嫌なんですが、シンシアちゃんに限って、そんな事はないと思います。名前からして紳士っぽいし、ああいう下品なキャラはお気に召さないと思います。 ゆったりとしたテンポでテーマが演奏されて、グルーヴィなパーランのソロがあって、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目、 「レディ・バード」 。 タッド・ダメロンが書いたバップ・チューンなんですが、スタンダードと言ってもいいくらい、たくさんのジャズマンに演奏されているナンバーです。何というか、たいへん調子のいい曲でありまして、パーランも実に調子よく演奏しております。 で、次。 5曲目、 「バグス・グルーヴ」 。 ミルト・ジャクソンが書いたグルーヴィなブルースなんですが、スタンダードと言ってもいいくらい、たくさんのジャズマンに演奏されているナンバーです。ブルージーという表現が一番しっくりくる作品なんですが、ここでのパーランはそこのところをうまく押さえていて、概ね、いい感じなのではないでしょうか。短いフレーズをしつこく何度も繰り返して気分を高揚させるという、彼の得意なスタイルも存分に満喫することが出来るし、サム・ジョーンズのソロだって聴けちゃうし、正直、やや同じような雰囲気の演奏が続いて、飽きかけていたところなんですが、これでちょっぴり息を吹き返しました。やはりこの人はこれくらいディープでないと駄目ですな。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 6曲目、 「ステラ・バイ・スターライト」 。 僕はこの 「星影のステラ」 を効くと、どうしても “どてら” を思い出してしまうんですが、そういう人恐らく少数派でありましょう。どしても 「星影のワルツ」 を思い出してしまうとか、ステラと言えば、カステラやろ?…とか、そういう人のほうが多いのではないかと思いますが、アップテンポでもミディアムでもバラードでも、どれでもイケる曲ですよね。 で、ここでのパーランはバラードで演奏しているんですが、…と、イントロで思わせておいて、すぐにミディアム・テンポに転じるんですが、こういうパターンもよくあります。 ま、ありがちだからと言って、それが悪いということにはならないんですが、ここでのプレイは、まあまあだと思います。 で、次。  「ゼア・イズ・ノー・グレーター・ラブ」 。 僕はこのタイトルを見ると、どうしてもグレた伊良部を思い出してしまうんですが、今頃、何をしているんでしょうな、伊良部秀輝。メジャーをクビになって、阪神に入団したものの全然ぱっとせず、引退してグレて、大阪のバーで暴れて、暴行の現行犯で逮捕されたようなんですが、ちなみに好物は上にゴマをかけたプリンなんだそうですけど。 で、これ、いかにも歌物っぽいナンバーでありまして、パーランのようなタイプのピアニストがミディアム・テンポで演奏すると、実にいい感じだったりするんですが、ま、いいんじゃないでしょうか。

 で、ラストです。 「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」 。 セッションを見に来ていたパーランの奥さんのパー子 (仮名) の助言に提案により、このアルバムに収められることになったようですが、彼女の大好きな曲の1つでね。今まではバラードっぽく弾いていたけど、今回はアルバムの雰囲気を壊さないように、速いテンポでやることにしたんだ。…との事であります。 何でもいいけどライナーノートの日本語訳に出てくるジャズマンって、大抵こういう口調で喋りますよね。 「〜なんだ。」 みたいな。 僕は日常生活において、絶対にこういう言葉遣いをしないので、かなり違和感を覚えてしまうんですが、「〜だ。」 なんて、絶対にあり得ないです。 唯一の例外として、小学生の同級生に三反田 (みたんだ) という名前の奴がいたので、 「僕は三反田を見たんだ。」 とか、そういう言い方をすることはあったんですが、コドモ心にも、かなり無理があるなと思わずにはいられませんでした。 「僕は五反田に行くんだ。」 のほうが、まだナチュラルだと思うんですが、で、本人が言ってるとおり、ここではミディアム・ファーストくらいのテンポで演奏されております。 僕もパー子と同じくこの曲が大好きでありまして、出来ればいつも通りバラードで演って欲しかったところなんですが、このアルバムはスロー・ナンバーと呼べるものがないので、そのほうがバランスとしてはよかったと思うんですけど。 ま、無いなら無いで、全曲を同じようなテンポで統一するという考え方も無いではなくて、速めのテンポの 「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」 も、これはこれで悪くはないんですけど。ムーヴィンでグルーヴィンな雰囲気は確かに感じられるし、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 初リーダー作ということもあって、パーラン独自のスタイルの確立はまだ模索中の様相だし、似たような雰囲気の演奏ばかりが続いて、やや単調な感が無きにしもあらずなんですが、選曲もポピュラーだし、あまり癖がなくて聴きやすいし、ビギナーのパーラン入門にはいいのでは無かろうかと。 マニアにはちょっと物足りないものがあるんですが、でもまあ、別にいいやぁ。…という気もします。どうせチョコレート1個しか貰えなかったし、もう、どうだっていいです。


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