HERE’S JAKI (PRESTIGE)

JAKI BYARD (1961/3/14)

HERE'S JAKI


【パーソネル】

JAKI BYARD (p) RON CARTER (b) ROY HAYNES (ds)

【収録曲】

(01-03) CINCO Y QUATRO / MELLOW SEPTET / GARNERIN' A BIT
(04-05) GIANT STEPS / BESS YOU IS MY WOMAN 〜 IT AIN'T NECESSARILY SO
(06-07) TO MY WIFE / D.D.L.J.
【解説】 (2009年01月12日更新)

 君は絶叫マシンが好きかな?僕は嫌いです。 絶叫と、説教と、石膏と、月の家円鏡。 この中で唯一マシなのは円鏡くらいで、残りの3つはロクなものではありません。特に最悪なのが石膏でありまして、学研の学習の付録の石膏で作る “立体日本地図” とか、めっちゃ割れて大失敗に終わってしまいました。 ま、所定の乾燥時間を守らずにドライヤーでズルしようとした僕が悪いのであって、石膏そのものに罪は無いんですが、すぐ固まれよ!…と、逆キレせずにはいられませんでした。 絶叫と説教とではどちらがマシかと言うと、個人的には説教のほうでは無いかと思うんですが、ネチネチと説教されたところで、適当に聞き流すか、逆ギレするかしておけば、それで何とかやり過ごすことが出来ます。説教に逆ギレで対抗するというのは、かえって事態をややこしくするので逆効果のような気もするんですが、逆ギレという手法は絶叫に対しても無力であります。 「怖いやんけー!」 と叫んでみたところでどうなるわけでもなく、かと言って、適当に流してみたところで怖いものはやっぱり怖いし、対処のしようがないという点で、説教よりも性質 (たち) が悪いです。 が、世の中には絶叫好きの人というのは決して少なく無くて、僕だったら100円貰っても乗りたくないような絶叫マシンに、わざわざお金を払って、しかも長蛇の列に並んでまで乗ろうとしていたりして、何とも物好きな話でありますなぁ。。。

 日本で絶叫マシンが多い遊園地と言えば、 富士急ハイランドナガシマスパーランド が双璧だと言われております。絶叫マニアの間では “東の富士急、西のナガシマ” という言い方をされているそうですが、じゃ、東と西とではどちらが偉いか?…というと、これは意見の分かれるところだと思います。個人的には市町村合併によって桑名の持ち物になったナガシマに肩入れしたいところではあるんですが、そういう私情を差し置いて客観的に判断するなら、やっぱり富士急のほうが上? 関東より東では知名度がゼロに等しいみたいですからね、ナガシマ。 あと、富士急にある “FUJIYAMA” “ドドンパ” “ええじゃないか” の3大コースターはかなり強力です。ナガシマの “チルドレンコースター” では、とても太刀打ち出来ません。 また、富士急には “超・戦慄迷宮” という世界最大のお化け屋敷があるようなんですが、それに比べるとナガシマのお化け屋敷なんて、子供だましもいいところです。怖いオバサンがいる叔母家屋敷とかのほうが、まだ怖いんじゃないか?…という気がするんですが、怒ると怖いですからね、怖いオバサン。

 従業員の質も富士急のほうが上ではないか?…と言われているようですが、なるほど、それはちょっと分かるような気がします。 さば兄はかつて、中華食堂 “林林 (りんりん) ” で、ヒトシ君が餃子を焦がしているのを目撃したそうなんですが、あ、ヒトシ君というのは親戚のオジサンで、長島観光開発の専務か何かをやってる人なんですけどね。偉いさんなのに餃子を焼いたりして、偉い♪…と評価することも出来るんですが、焦がしているようでは従業員として、決して質が高いとは言えません。餃子を焼くのはパートのおばちゃんにまかせたほうがいいような気がします。 あと、僕が遊園地でバイトをしていた時にいたお化け屋敷担当のオバチャンは、客から預かったフライドポテトを勝手に食ったりしておりました。 室内プールの監視のバイトは、どうすれば女子更衣室を覗くことが出来るのか、1日中そんなことばかり考えていたし、いや、考えただけで実際に覗いたことは無いんですけどね、僕の場合。 唯一、ナガシマが富士急に勝てるとしたら、プールがでかいことくらいかな?…という気もするんですが、遊園地の当事者たちは、互いに相手のことをどう思っているんでしょうか?

 富士急がナガシマにライバル心を持っているというのは間違いないところです。例えば3大コースターのひとつである “ええじゃないか” というネーミングからもそれを見て取れるんですが、 “ええじゃないか” と言えば普通、赤福餅ですからね。 ええじゃないか、ええじゃないか、ええじゃないか〜、伊勢の名物〜、赤福餅はええじゃないか〜♪ と、三重県人なら誰でも歌える “ええじゃないか” をコースターの名前にすることによって、同じ三重県にあるナガシマスパーランドを貶めようとする魂胆がミエミエです。…てなことを言う人もいるんですが、いや、それはちょっと考え過ぎではないかと思うんですけど。 ただ、2008年7月26日に登場した新しいアトラクションの名前が “ナガシマスカ” だと言うのは看過出来ないところでありまして、ナガシマをスカ呼ばわりするとは、なかなかいい根性してますな。売られた喧嘩は買わねばなりませんが、一方、ナガシマ側では富士急の狼藉をどう思っているのかというと、表面上は無視する姿勢を貫いております。

  東京のテーマパークがなんだ〜 夢と希望はナガシマにもありますよ〜♪
  大阪のテーマパークがなんだ〜 日本で外国ぶることはないんだよ〜♪

 という 「ナガシマの唄」 にも、「山梨の遊園地がなんだ〜 “FUJIYAMA” なら “なばなの里” にもありますよ〜♪」 といった歌詞は登場しません。 スパーランドにある頃は “フライングアイランド” という名前だったのに、“なばなの里” に移転された際、アタマに富士山が乗っかって “アイランド富士” という名前になっちゃったんですよね。何故、富士山?…と、ずっと疑問に思っていたんですが、今から思えば、あるいは富士急に対する挑戦だったのかも知れません。富士急で “トンデミーナ” がオープンする1日前に、まったく同じアトラクションである “ジャイアントフリスビー” をオープンさせているし、ナガシマのそういう大人気ないところが、ちょっと可愛い♪…と僕は思うんですが、とまあそんなことで、行ってみました、富士急ハイランド。僕は今まで一度も行ったことが無かったんですよね。何故かというと絶叫マシンが多くて、まったく気が進まなかったからなんですが、敵の実態を見もせずに批判を繰り広げるというのはアンフェアですからね。僕は今まで、ナガシマの絶叫マシンとしては、唯一 “ホワイトサイクロン” に乗ったことがあるだけで、 “ケロヨンジャンプ” は恐くて駄目だったんですが、ネタのためならこの際、3大コースターにチャレンジしてみますかね? ま、恐らく現地に着いたら、やっぱり、やーめた!…ということになって、ハム太郎コーナーの “フワフワお空の大冒険” あたりでお茶を濁すことになるのは目に見えているんですけどー。

<フジサン特急> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、行ってきました、富士急ハイランド。最初はクルマで行く予定だったんですが、天気予報を見たら金曜日あたりに雪が降りそうだったし、出発前日の夜、というか、当日の朝に養老町で深夜労働を強いられることになったので、岐阜羽島で前泊して、そこから電車で行くことにしました。岐阜羽島から富士急ハイランドって、どうやって行けばええねん? 名古屋まで新幹線、そこから 「しなの」 で松本まで行って、 「あずさ」 に乗り換えて大月に出て、そこから富士急? それはまた、えらく面倒な話でありますなぁ。…と思いつつ乗換案内で調べて見ると、岐阜羽島−(新幹線)−新横浜−(横浜線)−八王子−(中央本線)−大月−(富士急)−富士急ハイランドという結果が出ました。なるほど、これなら4時間くらいで何とかなりそうですな。 とまあそんなことで、乗ってみました、フジサン特急。 フジサン特急って名前と行先が富士山なだけで、普通の特急だとばかり思っていたんですが、何とも世の中を舐めきった電車でありますな、こりゃ。 車体に書かれているキャラは “フジサン君” という名前で、全部で101種類あるそうです。フジサン君というのは全体としてのネーミングで、中にはギャル系のキャラもおりまして、それぞれにちゃんと個別の名前も付けられております。詳しくは オフィシャルサイト を見て貰うとして、車内販売でグッズも売られているので、思わずシールを買ってしまいました。富士山をバックに走るフジサン特急の車体にはさまざまな富士山のイラストが描かれています。キミの好きなフジサンはいるかな?…ということなんですが、個人的にはいちばん投げやりな感じのする “フジモト” がいちばん好きかもしれません。

 で、このフジサン特急、外見に比べると中はわりと普通なんですが、シートとシートとの間隔がすごく広く、ゆったりしていて快適です。特急の癖に特別に急ぐでもなく、のんびりとしたスピードで進んでいくんですが、いや、たまには鉄道の旅というのも悪くないものですね。 たまには…って、ついこの前も大井川鉄道とか乗ってましたけどね、僕。

<富士急ハイランド> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、富士急ハイランドに到着〜。 早速 “FUJIYAMA” が出迎えてくれたんですが、全体的にスケールがでかいだけで、意外とシンプル? が、ナガシマの “スチールドラゴン” の超シンプルなレイアウトに比べると、グネグネ度はかなり上ですな。 こ、これはやはり、ヤメておいたほうがいいかも? もっと問題外なのは “ええじゃないか” でありまして、コースを見ただけで、ええわけないやんっ!…と言いたくなってしまいます。 あ、写真には網のようなものが写っておりますが、これは夜間のライトアップ用の仕掛けではないかと思われます。ついでに撮影日時も写っておりますが、コンパクトデジカメの設定がいつの間にかこんなことになっておりました。今さらもう、取り返しはつきません。 この時点で “ドドンパ” はまだ見えていないんですが、恐らくロクなものでは無いに違いなくて、ただ話のネタにするだけのために、わざわざこんなコースターに乗るというのも、何とも大人気のない行為であるように思えて来ました。 や、やっぱり“ハム太郎”で何とか勘弁しては貰えないですかね? や、やっぱり駄目かぁ。。。 “風神雷神U” の事故があって以来、まさか死ぬことも無いだろうし。…と自分を納得させることも出来なくなってしまったし、いやあ、やっぱりこんなところに来るんじゃなかったですなぁ。。。

 …と思っていたら、この日は前日に降った雪の影響で、絶叫系は軒並み運転を休止しておりました。わはははははははは。いやあ、それは残念♪とっても残念♪3大コースター、それぞれ10回くらいずつ乗りたかったんですが、天気には勝てませんからなぁ。 とか言ってて、急に運転を再開されると困るんですが、ちなみに “ナガシマスカ” は、どうせ乗ればびしょ濡れになるんだしぃ。…という判断なのか、ちゃんと運転しているようでしたが、このクソ寒い日にそんなアトラクション、僕は嫌です。 とりあえず巨大な招き猫の写真だけ撮っておいて、とまあそんなことで、絶叫抜き@富士急レポートは、次回に続きます♪

 ということで、今日はジャキ・バイアードです。いいですよね、ジャキ。漢字で “邪鬼” や “邪気” に変換出来るところがいいです。牛肉と一緒に干して “ビーフジャキ” とかに出来そうなところもいいと思います。 そういう今ひとつよく分からないところがいいだけで、演奏そのものはさほど面白く無かったりもするんですが、この人のウリとしては “バーサタイルなスタイル” ということになりましょうか? ラグタイムからフリーまで、あらゆるスタイルをこなせるオッサンとして知られているわけですが、こういうタイプは得てして器用貧乏になりがちで、見世物的な要素も強くなってしまうので、日本での評判は今ひとつ芳しく無いような気がします。見た目も何だかあまり可愛くないしー。 で、今日はそんなジャキ君の 『ヒアズ・ジャキ』 というアルバムを紹介しようと思うんですが、結論からいうと、この選択はちょっと失敗でした。何となくよさそうかな?…という気がしたので選んでみたんですが、内容的にはあまり面白くありませんでした。 が、富士急に出掛ける前、先行してジャケ絵だけ書いてしまったので、今さらやめるわけにもいかなくて、このままレビューを強行しようと思うんですが、今日の僕はまったくヤル気が出なかったりするので、ちょうどいいかも知れません。適当に書いて、さっさと終わらせてしまいましょう。

 ということで、まず最初は 「CINCO Y QUATRO」 でありますか。何と発音していいのかよく分からんのですが、 「チンコ・ヨ・クアトロ」 ? 恐らくスペイン語ではないかと思うんですが、 “クラブ・クアトロ” と言う名前のライブハウスがあったりしますよね。何となくネギトロが美味しそうな感じがするんですが、調べてみたら、クアトロというのは数字の “4” のことでありました。1から順に、ウノ、ドス、トレス、クアトロ、シンコ…となっていて、あ、チンコではなくて、シンコなんですな。 で、“Y” というのは “AND” の意味で “イ” と発音するようです。 シンコ・イ・クアトロ=54 ということになりますか。かなりオッサンですね。どうやら4/5拍子の曲なのでこういうタイトルが付いたようなんですが、ロン・カーターのベースとロイ・ヘインズのドラムスとの絡みで演奏されるイントロは、ちょっと変。 sのうちにバイアードが入って来てテーマが演奏されることになるんですが、ちょっとだけ 「ラブ・フォー・セール」 を彷彿させるメロディだったりします。バイアードの弾きっぷりはちょっぴり、ザ・スリー・サウンズのジーン・ハリスを小難しくした感じでありますな。 で、アドリブ・パートに入ると本格的に大難しくなってしまって、よく言えば斬新、はっきり言ってしまえば意味不明。右手と左手とで、まったく違うことをやっていて、かなり実験的なサウンドだったりするんですが、個人的に、この実験は失敗に終わったように思えてなりません。

 ということで、次です。  「メロウ・セプテット」 。名前のとおり、そこそこメロウな仕上がりにはなっておりまして、1曲目に比べるとかなりマシだったりするんですが、今井メロ程度には魅力的だったりしますよね。少なくとも本名の “今井夢露” を名乗っていた頃よりはメロちゃんも大人になったような気がするんですが、ここでのバイアードは普通にハード・バップ系のピアニストとしてやっていけそうな、わりとオーソドックスなスタイルで弾いておりますな。前半はシングル・トーン中心に、中盤以降ブロック・コードを交えて、ちょっぴりレッド・ガーランド風に盛り上げたりして、いや、改めて聞き直してみたら、自分で酷評したわりには悪くない出来だったりしたんですが、いや、この先どうなるのか、まだ何とも言えないところではあるんですけど。 ということで、3曲目です。 「ガーネリン・ア・ビット」 。  「少し得ること」 といった意味のようなんですが、ロイ・ヘインズのブラッシュ・ワークも耳に心地よい、なかなかオシャレな感じのするナンバーでありますな。ベタなくらいカクテル・ピアノっぽいところもあるんですが、この演奏、誰かに似ているような気がするんですが、それがいったい誰なのか、今の僕には思い出せません。明日の僕なら思い出しているかも知れませんが、その頃はすでにこの原稿もアップされちゃっているに違いないので、手遅れですよね。思い出す努力をするだけ無駄なので、ここは軽くスルーしておきますが、ロン・カーターのベース・ソロも地味にフィーチャーされていたりして、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。エンディングの処理も綺麗に決まっていて、これまた意外な健闘ぶりが光る1曲なのでありました。

 続く 「ジャイアント・ステップス」 は、言わずと知れたコルトレーンの代表作です。コード・チェンジがかなり無茶な難曲としても知られておりますが、バイアードがこの難局をどのようにして乗り切るのか、非常に興味深いところでありますな。 これがコルトレーンのアレだとは誰も気付かないピアノの無伴奏ソロで幕を開け、イン・テンポになったところで、これがアレだというのが何となく分かってくるというシステムになっておりまして、そこから先はバイアードの独壇場。めくるめくフィンガー・テクに今井夢露はもうメロメロ。好きな車はアルファロメオ。お気に入りのアンパンマンキャラはメロンパンナちゃん。…と、適当なコメントを書いている間に唐突な感じで演奏は終わってしまいましたが、2分20秒でありますか。ちょっとした、ほんの小さな小品でありました。

 で、続いては 「ベス・ユー・イズ・マイ・ウーマン」「イット・エイント・ネセサリリー・ソー」 の “ポーギー&ベス” メドレー。 日本語で言うと「ベス、お前は俺のもの」「いつもそうとは限らない」 の “ポーギーとベス” 二つ以上の曲目を区切りなしに演奏すること。…ということになるんですが、 「イット・エイント・ネセサリリー・ソー」 は個人的にかなり好きな部類の曲に入るので、大いに期待が持たれるところでありますな、こりゃ。 どうせなら 「アイ・ラブ・ユー・ポーギー」 とのメドレーにしたほうが日本人にはウケがいいと思うんですが、 「ベス、お前は俺のもの」 って、何だか今ひとつ地味ですからね。 …という不安をいい意味で裏切るかのように、演奏はレッド・ガーランドの 「マン、テーカっ!」 風、ややアフリカンなタイコの音で幕を開け、ま、その後は思った通りちょっと地味だったんですが、これはこれで、何とも綺麗なバラードですよね。バラードのラブリーさはマッコイ・タイナーと同じレベルで、見た目の怖さとギャップが色濃く感じられるんですが、根は意外とロマンチストなのかも知れませんな、バイアード君。ホテル 『風がはこんだ物語』 とか、案外お気に入りだったりするのかも知れません。噂によると昔、殺人事件があったそうで、出るらしいんですけどね。 『エメラルド』 というところは和室があって、栗饅頭が出るみたいなんですけど。 で、続いてはお目当ての 「いつもそうとは限らない」 なんですが、曲が切り替わった時点でテンポが速くなって、正直、スローなバラードにちょっと飽きて来たところだったので、ありがたい限りであります。ロイ・ヘンのブラッシュ・ワークが何とも軽快でありまして、…とか言ってるうちに、演奏のほうは終わってしまったんですが、いや、もう一度 「ベス、お前は俺のもの」 に戻ったんですかね? 何だか無駄に凝った “二つ以上の曲目を区切りなしに演奏すること” でありますが、とまあそんなことで、今度こそ、おしまい。

 6曲目の 「トゥ・マイ・ワイフ」 はバイアードが妻に捧げて作った曲ではないかと思われます。僕は世の中で何が嫌いといって、オッサンという生物がいちばん嫌いなんですが、中でも自分の奥さんのことを 「うちのワイフ」 とか抜かすオッサンが最高に嫌いです。 もし、そういうオッサンと一緒にひとつの釜風呂に入るか、あるいは富士急でドドンパに乗るか、どちらかひとつ選ばなければ、ザザ虫を食わす!…と言われたら、僕は泣く泣くザザ虫を選ぶことになると思うんですが、もしかしたらバイアードもそういうタイプのオッサンなんですかね? だとすればちょっと幻滅なんですが、ま、彼の場合はガイジンなので “ワイフ” でも仕方の無いところではあるんですけど。 で、ゴツい顔のオッサンと一緒になった物好きなワイフというのは、いったいどんなギャルなのかと思ったら、曲のイメージからすると性格的には快活で、得意な料理は串カツって感じ? わりとポップな感じの仕上がりでありまして、趣味はポップコーン作りとか、そういうタイプの奥さんなのかも知れません。電子レンジで簡単に出来ちゃいますけどね、ポップコーン。 アドリブ・パートに入ると一部、変態系のフレーズも聞かれるようになるし、ロン・カーターのソロもフィーチャーされるし、決して手放しで褒められるような作りではないんですが、ま、何とか許容範囲には納まっております。 終盤、ピアノとドラムスの4バースも聴けて、これはちょっぴり得した気分。かなりのロイ・ヘン好きである自分に気付かされたりたんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 アルバムの最後を飾るのは 「D.D.L.J.」 でありますか。こういう無機質な記号系タイトルのオリジナルというのは得てして意味不明でつまらないものであることが多いんですが、この曲も微妙なところでありますな。原文ライナーを解読したところ、どうやら “D.D.L.J.” というのはジャキとワイフと2人の子供のイニシャルのようであります。こう見えて、意外と家庭的なオッサンだったんですな、ジャキ君。 DとDとLのうち、どれがワイフで、どれが2人の子供のイニシャルなのかは不明なんですが、ジャキ・バイアード、バイアードるみ子、バイアード大助、バイアード大二郎。そんなファミリーなのかも知れません。いや、るみ子は“L”ではなく “RUMIKO” のような気もするんですけど。いずれにしろ、曲調からすると今ひとつ意味不明な家族であるように思われるんですが、テーマに続いてロン・カーターが出しゃばるパートがあって、ピアノのソロがあって、それが途中から次第に無茶になって、終盤にはロイ・ヘンとの絡みがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 改めて聴き直してみる前の印象としては “最悪” に近いものがあったんですが、思ってたほど酷くはありませんでした。特に2〜5曲目あたりは傾聴に値する出来だと思うんですが、最初と最後の曲が個人的には今ひとつなので、全体としての印象は、やはりあまりよくありません。 ジャキ入門の1枚としては、やや敷居が高いようにも思えるんですが、ナガシマスパーランドで言うと “C.ロックンロール” といったところでしょうか。“A.ロックンロール”ではなくて。…とまあ、そういったアルバムなのでありました。


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