I BELIEVE TO MY SOUL (ATLANTIC)

JUNIOR MANCE (1966,1967)

I BELIEVE TO MY SOUL


【パーソネル】

JUNIOR MANCE (p)
JIMMY TYRELL (fender-b) <#1,7> RAY LUCAS (ds) <#1,7>
RICHARD DAVIS (b) <#2,5,6,8> FREDDIE WAITS (ds) <#2,5,6,8>
BOB CUNNINGHAM (b) <#3,4> ALLAN DAWSON (ds) <#3,4>
JOE NEWMAN (tp) <#1,5,7> JIMMY OWENS (tp) <#1,7>
DAVID NEWMAN (ts) <#1,5,7> HUBERT LAWS (ts,fl,piccolo) <#1,7> BOBBY CAPERS (bs) <#1,7>
FRANK WESS (ts) <#5> HAYWOOD HENRY (bs) <#5> MEL LASTIE (tp) <#5>
RAY BARRETTO (conga) <#1> SYLVIA SHEMWILL (vo) <#1>
string section under the direction of GENE ORLOFF <#6>

【収録曲】

(01-03) I BELIEVE TO MY SOUL / A TIME AND A PLACE / SWEET GEORGIA BROWN
(04-06) GOLDEN SPUR / DON'T WORRY 'BOUT IT / HOME ON THE RANGE
(07-08) SWEETS FOR MY SWEET / MY ROMANCE

【解説】 (2008年12月07日更新)

 君は鉄道が好きかな? 僕はですね、さほどでもありません。 鉄道よりもカツ丼のほうがいいよな?…という気がするんですが、美味しいですからね、カツ丼。 が、カロリーの取り過ぎと痛風の発作が気になる昨今、そうカツ丼ばかり食べるというワケにもいかないので、今回は鉄道ということにしておこうと思うんですが、うちの近くでマニア受けする鉄道ということになると、三岐鉄道の北勢線か、大井川鉄道ということになりますか。 ただ、北勢線というのはあまりにも身近すぎて、新鮮味が無ければ面白味もないので、今回は大井川鉄道に乗ってみることにしました。いいですよね、大井川鉄道。何と言ってもSLが走っているところがポイントが高いんですが、普通のシケた電車にか走ってませんからね、北勢線。 市民団体が下工弁慶号 (くだこうべんけいごう) というSLを走らせようとしたんですが、安全性の問題とかで行政と揉めて、結局は立ち消えになったみたいです。SLを走らせることが出来なくなって、グレてSMに走った関係者もいるそうですが、その気持ち、分からないでもありません。 ま、そんなものに走ってみたところで、何がどうなるわけでもないんですけど。

 一方、大井川鉄道のほうはというと、調べてみたらどうやら2つの路線があるらしいことが判明しました。静岡県の島田市にある金谷駅から川根本町の千頭駅までが本線で、SLはこの区間で運行しています。 ただ、走っているのがすべてSLなのかというと、そういうわけではなく、ごく普通に普通の電車が走っていることのほうが多いです。詳しくは 時刻表(平成20年4月1日版) を参照して貰うとして、僕が乗った11月30日(土)は1日6往復の運行となっていました。駅まで車で行く場合、始発の金谷駅ではなく、ひとつ先の新金谷駅に駐車場があるので、そこに車を止めて電車に乗ることになるようですが、最初、僕は10時10分新金谷発のSLに乗って千図まで行って、そこからバスに乗って寸又峡温泉に行こうか?…と思っていたんですが、有名ですよね、寸又峡。年配の方には金嬉老事件の舞台として、フーゾク好きの人の間では素股の聖地として名高い温泉地なんですが、夢の吊り橋があることでもよく知られております。極度の高所恐怖症である僕は、吊り橋は多分、絶対に駄目だという気がするんですが、怖い物見たさでちょっと渡ってみたいような気もするし、どうしようか悩んだんですが、 このレポ を見て、きっぱりと断念する事にしました。歩くところが足場板2枚分の幅しかないやん!問題外っ!却下!!

 そもそも寸又峡なんて、名前が “すまた” なだけで “素股” とは何の関係も無いし、別に行きたくなんかねーや! …というので予定を変更して、千頭駅から更に大井川鉄道の井川線 (通称・南アルプスあぷとライン) というのに乗って、適当なところで折り返すプランに変更することにしたんですが、この井川線のほうは本数が極端に少ないので、うまくプランを立ててやらなければなりません。行きにSLに乗るというのはちょっと無理っぽいので、とりあえず新金谷駅 9:20発の普通電車に乗って、千頭駅 10:35発の井川線に乗ることにしますかね? ただ、乗換時間が4分間しかないというのが、ちょっとどうかという気がするんですが、11月末と言えばちょうど紅葉のシーズンなので、紅葉を見ようとして気分が高揚しているオバチャンとか、同じく紅葉を見ようとして気分が高揚しているコヨーテ (イヌ科の哺乳動物) とかでごった返していて、あぷとラインは座席に座れない状態だったりするかも知れません。僕は高いところが大嫌いなんですが、イヌ科の哺乳動物というのも大の苦手でありまして、気分が高揚したコヨーテに噛まれるのだけは何とか避けたいところです。 新金谷駅 8:19発の電車に乗れば千頭駅に 9:28に到着するので、9:50発の井川線には余裕で間に合います。 前泊地の舘山寺温泉から新金谷駅までは車で1時間ほど掛かるので、7時には旅館を出発しなければなりませんでしたが、駅前の駐車場もまだ空いていたし、ギャル4人組の姿とかもあったし、ま、それ以外の乗客はオッサンとオバチャンと爺ィとヲタクっぽい兄ちゃんばかりだったんですが、結果的にこの選択は正解だったと言えるでしょう。

<大井川鐵道本線> (←クリックしても写真ページに飛びません。)

 どうして写真ページに飛ばないのかというと、この区間では1枚も写真を撮らなかったからなんですが、何だか一眼レフを持ち出して、車窓の風景を撮るような雰囲気ではなかったんですよね。車内はわりと空いていたので、僕は4人掛けのボックスシートを1人で独占することが出来たんですが、隣のボックスには爺ィとヲタクっぽい兄ちゃんが向かい合わせに座っていて、僕の前には爺ィの1人客。 で、この隣の爺ィがですね、こういうローカル線の旅は、やっぱり “人情” やろ?…という考えの持ち主のようで、しきりに前の席の青年に煎餅やら飴チャンを勧めようとするんですよね。 対する兄ちゃんのほうは “人情” にはまったく関心の無いタイプのようで、ヘッドフォンで音楽を聴いて自分の世界に入り込んでいて、一言も発しようとはしません。 一度だけ、隣の爺ィ→兄ちゃん→僕の前の爺ィ…というルートで飴が渡されようとしましたが、前の爺ィが素気無く受け取りを拒んで、それを持って “人情の部” は終了となりました。 終点間際になって、横の爺ィが僕の前の爺ィに声を掛けたりしていたので、あるいは知り合いの爺ィ同士なのかも知れませんが、となると兄ちゃんとの関係がどうなってくるのか、今ひとつ見当が付かないし、そんなドラマが繰り広げられているのを横目で見ながら、飴とか煎餅がこっちに回ってきたらどうしよう?…と苦慮していた僕は、結局のところ最後までまったく蚊帳の外に置かれてしまって、ほっとしたような、ちょっと寂しいような。 ま、隣の爺ィは駅に着く度に、いちいち 「どこもかも無人駅やな。」 と呟いてみたり、車内禁煙のアナウンスに 「全面禁煙てか!」 と、何故か1人でウケていたりして、何ともウザそうなキャラでありましたので、関わり合いにならずに正解だったと思うんですけど。

 で、車窓からの風景はというと、新金谷駅を出てしばらくは単なる地方都市の眺めでさほどソソられるものもなかったんですが、中盤以降は大井川の流れがよく見えて、んー、まあまあ?…って感じぃ? ちなみに大井川は前半は進行方向の右手側、中盤以降になると左手のほうに見えるようになるので、どちらかと言うと左の席に座ったほうがお得ですかね? 正直、秘境と呼ばれるほどには秘境秘境していなかったんですが、とまあそんなことで、列車は千頭駅に到着しましたー。

<千頭駅> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ここからバスで寸又峡のほうに行く人が多いのか、あぷとラインに乗り換える人はあまり多くはありませんでした。高揚したコヨーテなんて、一頭もいないしー。 時間に余裕があるので、ここに来てようやく鞄の中からカメラを取り出すことにしたんですが、古臭いSLが止まってたりしておりますな。 どうやらこれは動態保存ではなく、静態保存されている車体のようなんですが、大井川鉄道に乗って初めて目にしたSLなので、とりあえず撮影しておかねばなりません。 あと、あぷとラインの車両も写しておかねばなりませんな。 この列車は通称 “トロッコ列車” と呼ばれているようなんですが、デメタンの絵が描いてあるとか、そういうワケでもないんですな。 ま、別に “けろっこ列車” と呼ばれているわけではないので、それも当然なのかも知れませんが、さほどトロッコという感じでもなかったんですけどね。 後に、微妙にトロッコっぽい奴を見掛けたりもしたので、中にはそういう車両もあるみたいですが、天井が低い意外は普通の電車に比べて、極端にローカルっぽいというわけでもないですね。北勢線より立派やん!…みたいな。 話好きなオバチャンが駅員から、右側のほうが景色がいいという証言を引き出しているのを小耳に挟み、僕も右側の席に座ることにしたんですが、こういう時はオバチャンというのも役に立ったりするんですな。 もっとも、後に車内放送でもホーム側の席がオススメである旨のアナウンスが流されたんですが、千頭駅 10:35発の井川線は醜い席取り争いをする必要がない空き具合でありましたので、いや、頑張って早起きしただけの甲斐がありましたな。 1人掛けと2人掛けという変則的なシート配列なんですが、今回も4人掛けのボックスシートを1人で占領して、ウザい爺ィの隣にならないように車両も厳選したので、今度こそゆっくり車窓の風景をカメラに収めることが出来そうです。 とまあそんなことで、さ、いよいよ出発です。


<南アルプスあぷとライン> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 あぷとラインでは車掌の兄ちゃんによる観光ガイドもあったりして、観光気分がぐっと高まります。景色のいいポイントは事前に教えてくれるし、その地点では電車の速度も遅くしてくれるので、写真を撮るにはこの上なく便利♪ 窓を開けられるというのもポイントが高いですな。11月末のこの時期、風はちょっと冷たいんですが、それもまた何だか楽しいっ♪ 奥泉という駅で大量の団体客が乗り込んできて、気ままな一人旅を満喫していた僕も、遂に相席を余儀なくされることになったんですが、そのお陰で話好きのオバチャンとちょっとだけ仲良くなって、本線では味わうことが出来なかったローカル線の “人情” も少し感じることが出来たのでありました。 で、この “あぷとライン” なんですが、名前のとおり区間の一部がアプト式になっていたりします。 と言われても、鉄道に疎い僕には何のことだかよく分からないんですが、えーと、急勾配を上る為に特殊な歯車を使った電車ということになるんですかね? あ、今まで僕はこの井川線のことをずっと “電車” と呼んでいたんですが、正式にはディーゼル車でありまして、このアプト式の区間だけが電化されているそうです。 駅で言うと “アプトいちしろ” と “長島ダム” の間ということになるんですが、ダムの完成によってダム湖の水位が上がって昔の線路が水没してしまって、仕方がないので新しく線路を引き直したところ、勾配がめっちゃ急になってしまったので、仕方がないのでアプト式を採用することにした。…というのが事の経緯のようです。 アプトいちしろ駅ではアプト式電気機関車を連結する為に5分ほど停車することになるんですが、乗客のほとんどが “途中下車” して連結作業の様子を見学することになります。 ま、見たところでさほど面白いものでもないんですが、見ておかないとちょっと損した気分になるので、車内が混雑していて座席を強奪される恐れがない限り、一度、外に出てみることをお薦めします。そういう乗客の需要を見越して、地元のオバチャンがホームで柏餅を売ってたりします。僕は柏餅よりも断然、ちまき派でありますので、買いませんでしたけどね。ちなみに僕はネグリジェよりも断然、寝巻き派だったりもするので、これを読んでるギャル系読者は是非、そこのところを覚えておいて頂きたいと思います。

 駅のホームにはトイレもあるので、最近、富にオシッコが近くなってしまった僕も ( 前号 参照) 安心なんですが、オシッコが近いのにキレのほうも悪くなっていてフィニッシングに手間取ったりすると、列車に乗り遅れて時間帯によっては2時間ほど駅に取り残されることになるので注意が必要です。僕の場合、今回は雫をよく切らずに素早く切り上げたので、大丈夫でした。 ま、ちょっぴり尿漏れしちゃったんですけどー。 とまあそんなことで、かくして一番の難所を前に気合を入れ直したアプト式電車は次なる秘境駅を目指して、力強く走り始めるたでありました。 (つづく♪)

 とまあそんなことで、今日はジュニア・マンスです。手持ちのネタが切れたので、とりあえず Amazon で適当に1枚注文してみたんですが、アトランティック盤の 『アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル』 ですか。ジャケットのセンスは悪くないと思うんですが、今ひとつ素性が怪しいです。ジャズ・ロック、ソウル・ジャズからイージー・リスニング・ジャズへ移行した当時の流行を反映した68年作。初CD化。ゴスペルに根差したマンスのソウルフルなハッピー・ジャズが楽しめる。全身からほとばしるような黒人音楽のフィーリングがタマラナイ。 と、「CDジャーナル」のデータベースにあるようですが、今どき、 “タマラナイ” というのは、ちょっとどうか?…という気がします。到底、ストレートなジャズは期待出来そうにもないんですが、でもまあ、既に手元に届いてしまっているし、今回は何とかこのアルバムで押し切っちゃうことにしましょう。

 とまあそんなことで、1曲目。アルバム・タイトル曲の 「アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル」 。 これはアレですな。レイ・チャールズの作品なんですな。いきなり、こういうのを持ってくるところに製作者の意図が透けて見える気がするんですが、マンスという人はもともと根がソウルなので、その意図は分からないでもありません。 演奏は静かなピアノの音で幕を開け、そこにストップ・タイム気味にリズムが絡んで来て、更にはシルヴィア・シェムウェルという人のヴォーカル…というか、 「んんんん〜♪」 というハミングが加わって、最終的には賑やかなブラス・セクションまで登場したりして、何ともゴージャスな仕上がりとなっております。 で、これが意外と悪くなかったりするんですよね。ベタと言えばベタなんですが、ちゃんとソウルのツボを押さえているというか、でもまあ、やっぱりちゃんとしたジャズとは言えないし、何とも評価の難しいところなんですが、ということで、次です。  「ア・タイム・アンド・ア・プレイス」 。 ちょっぴりホレス・シルバーの 「ソング・フォー・マイ・ファーザー」 っぽいラテン・テイストの作品なんですが、作ったのはジミー・ヒースなんですな。 僕はこのジミー君の書いた曲が地味に好きだったりするんですが、いや、いいですな、こりゃ。 リズムこそ若干ジャズ・ロック調なんですが、オーソドックスなトリオ演奏なので、マンスのソウルフルなソロを存分に堪能することが出来ます。小川隆夫クンの書いた日本語ライナーによると、キース・ジャレットがマンスのプレイを手本してゴスペル・ライクなタッチを身につけたと語ったそうなんですが、そうですか。あのキースがそんなことを語っているですか。僕はぜんぜん “好き好きキース” ではないのでよく分からんのですが、こういうタッチのピアノなら悪くないですよね。 ただ、例のカッパ声が生理的にどうしても駄目なんですが、とまあそんなことで、次。

 3曲目、 「スウィート・ジョージア・ブラウン」 。 甘いジョージア・ブラウンというのがいったいどういう人なのか、僕は寡聞にしてよく知らんのですが、ジョージアというくらいだから、ジョージア州出身の障子屋? ブラジルには8オクターブもの声を出せるジョージア・ブラウンという歌手がいるそうですが、彼女ならきっと “1人クリスタルキングの「大都会」” だって、余裕でこなせるでしょうな。 …という気がするんですが、このジョージア・ブラウンと、この歌に登場するジョージア・ブラウンとは、まったくの別人ではないかと思われます。 いずれにしろ、僕はこの曲がさほど好きではないので、モデルが誰であろうと別にどうだっていいんですが、本作中もっともジャジーなピアノ・トリオによる演奏がこのトラックだ。…と、隆夫クンの評価にはあります。 ま、確かに言われてみればその通りなんですが、ちょっと垢抜けない感じがして、個人的な評価としては、ぼちぼちと言った感じなんですけど。 ま、ソロの後半の盛り上がり具合など、十分、評価に値する出来だとは思うんですけどね。 ということで、次です。 4曲目、 「ゴールデン・スパー」 。 「黄金温泉」 ですかー。 有馬温泉には金泉と銀泉という2つの源泉があって、そのうち金泉のほうはちっともゴールデンでは無くて、めっちゃ鉄錆色をしております。いい加減な名前を付けるな!…と思わずにはいられませんが、京都にある銀閣寺だってちっとも銀色ではなかったりするし、キ○タマだって別に金色をしているわけではないので、目くじらを立てて文句を言うほどの事でもないんですけど。 …とか思っていたらこの “Golden Spur” は温泉の “Spa” とは綴りが違うんですな。それならそうと、もっと早く言ってくれれば、 キ○タマなどという下品な話をしなくて済んだんですが、ま、僕が勝手に勘違いしただけの話なんですけど。 で、 “Golden Spur” というのはいったいどういう意味かと思ったら、黄金の拍車? 今ひとつ意味不明ですな。こんなことならまだ金の温泉のほうがよかったんですが、ベーシストのジョージ・タッカーの書いた作品なんだそうです。 ソウルな曲調がマンスの持ち味とぴったりフィットしておりまして、混ざり気のないトリオ演奏であるところもポイントが高いです。ボビー・ティモンズっぽい展開も見られたりして、いや、1曲目こそちょっとアレだったんですが、それ以降はなかなか健闘しておりますな。この分なら遣唐使としても、ケンドー・ナガサキとしても、どちらでも十分、任務を果たすことが出来そうです。

 5曲目、 「ドント・ウォーリィ・バウト・イット」 。 このアルバムで唯一のマンスのオリジナルなんですが、バックにホーン・セクションを加えた気合の入った演奏が展開されております。 ま、その分、純粋さが希薄になっちゃうのはやむを得ないところなんですが、異性との交遊なんかでも、不純なほうが楽しかったりしますからね。 …と、軽く流しておいて、次です。 「ホーム・オン・ザ・レンジ」 。一体どんな曲なのかと思ったら、日本では 「峠の我が家」 という名前で知られているアレでありました。峠に自分の家があるんですか。羨ましい限りですな。 もう、釜めし屋、やりたい放題♪…みたいな。 もっとも横川駅の “峠の釜めし” は、碓氷峠越えの急勾配を上る為に補機を連結する必要があり、この駅に列車が長い停車するためによく売れたという背景があるので、ヤレヤレ峠とかで釜めし屋をやっても、あまり売り上げは期待出来ないかも知れません。アプトいちしろ駅なら大丈夫かも知れませんけど。 郷愁を誘うメロディーを持ったナンバーなんですが、ここでのマンスはバックにストリングスを配することによって、ノスタルジックな雰囲気を演出することに成功しております。企画として、よく練られておりますな。侮れません。 で、続く 「スウィート・フォー・マイ・スウィート」 はブラス・セクション入りでありますか。 こういう管楽器の集合体が入った場合、ブラス・セクションとするのか、ホーン・セクションが正しいのか、ちょっと悩むところではあるんですが、今回の表現は隆夫クンの日本語ライナーに準拠しております。 で、僕はこの手のサウンドを一概に否定するワケではないんですが、ここでのコレは、ちょっとやり過ぎではないですかね? 特にヒューバート・ロウズの吹くピッコロのお間抜けな音色が、何とも言えない安っぽさを演出しております。あるいは、わざとなのかも知れませんが、マンスのピアノそのものはまずまずだったりするので、もうちょっと品位の感じられるアレンジにして欲しかったところです。

 ということで、ラストです。アルバムの最後を飾るのはスタンダード・ナンバーの 「マイ・ロマンス」 。 最後はトリオによるバラードで、しっとり。…という戦術は正解だと思うんですが、いかんせん、ちょっと地味過ぎぃ。。。 前の曲との落差があまりにも極端なんですが、ま、これはこれで、アレなんですけどね。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 バラエティに富んでいると前向きに評価することも出来るんですが、総花的で場当たり的な作品であると、後ろ向きに評価する人も少なくないかと思われます。 2〜4曲目あたりはわりといい感じだったので、後半、やや “媚” が前面に出てしまったのは残念なんですが、ま、所詮はジュニア・マンスだしぃ。…というので、許せる一面もあるのではなかろうかと。 要は自分のソウルを信じることでありますな、こりゃ。


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