FINGER POPPIN’ (BLUE NOTE)

HORACE SILVER (1959/2/1)

FINGER POPPIN'


【パーソネル】

BLUE MITCHELL (tp) JUNIOR COOK (ts) HORACE SILVER (p)
EUGENE TAYLOR (b) LOUIS HAYES (ds)

【収録曲】

(01-03) FINGER POPPIN' / JUICY LUCY / SWINGIN' THE SAMBA
(04-06) SWEET STUFF / COOKIN' AT THE CONTINENTAL / COME ON HOME
(07-08) YOU HAPPENED MY WAY / MELLOW D

【解説】 (2008年08月17日更新)

 北京オリンピックですなぁ。とまあそんなことで、今日はオリンピックについて書いてみたいと思うんですが、オリンピックねたというのは誰でも思いつくし、誰が書いても同じような展開にしかならないので、あまり気は進まないんですが、ちなみにこれを書いている8月14日の午後6時40分現在、日本の獲得メダル数は金5個、銀と銅とか3個ずつで、んー、まずまず? 個人的には上野雅恵が金を取ったので、よかったな♪…と思うんですが、いいですよね、雅恵たん。シャイで照れ屋で無口なところがいいです。同じく柔道でアテネに続く2連覇を達成した谷本歩実と上野雅恵を足して2で割ると、ちょうどいい感じのキャラになるとよく言われておりますが、上野の場合は長女が雅恵、次女が順恵、3女が巴恵と、3姉妹できっちり韻を踏んでいるところもポイントが高いです。個人的に、韻を踏んでいるというのは柔道で言うところの “有効” に値するほど、ポイントが高いんですよね。特に3女の巴恵ちゃんは、何となく巴投げが得意そうな感じのするところが、さすがは柔道一家という感じなんですが、ただ次女の順恵ちゃんはちょっと問題です。読めないところが問題です。 “じゅんえ” でないことは確かだと思うんですが、そこから先に進めません。 ま、どの記事にもちゃんと順恵 (よしえ) と振り仮名が振られているので、それを見れば先に進むことが出来るんですが、一方、谷本歩実にも育実ちゃんという妹がいるんですな。こちらもきっちり韻を踏んでいて、谷本家も上野家も、親として立派な仕事をしていると思います。僕が小学生だった時に同級生だった双子の兄弟にケンイチ、トモオという名前を付けた柳川家の親は両家を見習え!…と思わずにはいられませんが、それはそうと今日の柔道は鈴木桂治クンと中沢さえが早々と負けてしまって、夜にテレビを見る楽しみが無くなって、脱力モードであります。特に鈴木クンは掲示板とかで叩かれてるやろな。…と思ったら案の定だったんですが、特にブログの評判が悪いみたいですね。 どんなのかと思ったら こんなん だったんですが、なるほど。内容無いですね。 ま、僕が人の事を言えた義理ではないんですが、結局、男子柔道の金メダルは内柴クンだけっぽいですかね? 決勝戦で勝った後、奥さんと子供の名前を叫んでいたのは、花火大会で 「チキンハートな僕だけど、君のことを愛しているよ♪」 …と言った、こっ恥ずかしいメッセージ花火を見せられるのと同じくらい苦痛ではあったんですが、掲示板には肉柴とか豆柴とか書かれていて、ちょっと笑いました。 アテネの時も今回もほとんど注目度ゼロだったんですが、何気に強いですよね、内柴クン。

 とか書いてるうちに、今日の野球が始まりました。…と思ったら、試合開始が1時間遅くなったのか、今日の野球が始まりませんでした。昨日のキューバ戦はダルビッシュ有クンが打たれたし、稲葉クンも今ひとつだったし、本名が稲葉(有)クンである僕としても今ひとつ面白くなかったんですが、うちの会社には稲葉という苗字の社員が2人いるので、いつも名前の一部が括弧書きになるんですけどね。たまに “いなば有限会社” かと思った。…とか言われて、僕はこの(有)というのが今ひとつ好きではないんですが、稲葉(株)のほうがまだ資本関係がしっかりしているイメージがありますもんね。 今までは “ゆうじ” って、どういう字?…と聞かれた場合、有限会社の “有” とか、有る無しの “有る” とか言ってたんですが、これからはダルビッシュ有の “有” で通用しそうです。 “じ” はイボ痔の “痔” とか、そこで笑いが取れないのがちょっと残念なんですが、明治の “治” とか政治の “治” とか、そういう説明しか出来ませんからね。とりあえずダルビッシュのおかげで有限会社から脱却出来たのは何よりなんですが、野球が始まらないので他の競技に目を向けると、いや、北島コースケはさすがでありますな。 アテネの時の 「チョー気持ちいい」 は、ちょっとどうか?…と、否定的な目で見ていたんですが、今回、100mで金メダルを取った時に泣いていたのを見て、一転して好感度がアップしました。 …とか、そういう誰でも書きそうなことしか書けないので、オリンピックねたというのは困るんですが、今日の200mは余裕でしたね。あまりにも余裕過ぎて世界新記録が出なかったのがちょっと残念なんですが、そもそもあのプールは49mしかないから、記録はみんな無効という噂もありますしー。 で、水泳と言えば北島も凄いんですが、フェルプスも只者ではありませんね。帯状疱疹で体育の水泳は病欠?…みたいな名前だと誰もが思ってしまうんですが、今日も元気に泳いで、現在、金メダル5個? そんなに金メダルばかりで飽きたりしないんですかね? 伊豆のほうに旅行に行くとたいてい金目鯛の料理が出ることになって、2日も続くと飽きてきて、銀ダラ食わせろ!…とか言いたくなっちゃうんですが、ま、僕の場合オサカナ料理があまり好きではないので、銀ダラでもまったく嬉しくはないんですけど。銀なら、銀シャリとかのほうが嬉しいですかね?  「今日のご夕食は御飯と銀シャリでっす♪」 みたいな。 御飯ばっかりやん!おかず無いやん!…と、それはそれでかなり不満だとは思うんですけど。

 …とか言ってるうちに野球が始まりました。1回の表、日本の攻撃は台湾のピッチャーに抑えられて、あえなく三者凡退。台湾人、侮れませんなぁ。何せ、あの台湾ラーメンを発明した民族ですからね。 いや、もしかすると台湾ラーメンを発明したのは台湾人ではなく、ただの名古屋人なのかも知れませんが、麺の上にかなり辛い挽肉の固まりがのっている台湾ラーメン。この挽肉の固まりがぜんぜん固まっていなくて、食べているうちにバラバラになって丼の下のほうに沈んでいって、食べにくいことこの上ない台湾ラーメン。あんなもんを文句も言わずに食っているんだから、相当に辛抱強い民族なのではないかと思うんですが、いや、台湾ラーメンを文句も言わずに食っているのは、名古屋とその周辺の住民だけなのかも知れませんけど。 そもそも日本って、アジア地区予選で台湾や韓国に勝って出場権を得たんじゃないんですかね?どうして負けた筈の台湾や韓国が出てきているんでしょうか?おまけに地元開催のどさくさに紛れて中国まで出場しているし、いったい何の為のアジア地区予選だったのかよくわかりませんが、とかいってるうちに試合は4回の裏まで進んでおります。涌井クンが台湾の攻撃を何とか0点に抑え、3回表は2アウト2塁のチャンスに稲葉クンが出てきて、いい感じにライト方向へのフライを打ち上げたんですが、もう一伸びがなくて、凡退しました。ああん! その裏、いきなり先頭打者に、あわやホームラン?…という2ベースを打たれて、涌井クン、ピンチ! ここは是非とも台湾ラーメンのスープに沈んだミンチを食べて、ピンチを切り抜けて欲しいところでありますが、あるいは試合中の飲食は禁止なんですかね? とか言ってるうちに、あえなく先取点を奪われてしまって、こりゃ、予選敗退ムード全開でありますな。日本の人、まったく打てそうな気配が感じられないしぃ。 そもそも日曜日の段階で、とっくに結果が分かっている3日前の試合の実況を読まされるほうもいい迷惑なんですが、とまあそんなことで、8月15日になりました。終戦記念日です。 と同時に、お盆の中日でもあるんですが、お盆と言えば “おぼん・こぼん” の小さいほうは元気なんですかね? いや、小さいほうが “おぼん” なのかどうか、まったく記憶に無いんですが、むしろ名前からすると “こぼん” のほうが小さいほうのような気もしますよね。 “オール阪神・巨人” なら小さいほうが阪神、 「クルマにポピー♪」 も阪神なんですが、それに比べると今ひとつマイナーですからね、 “おぼん・こぼん”。 “にゃん子・金魚” と同レベル? いや、そこまでマニアックではありませんか。

 同レベルと言えば、銅メダルを取った人に対するコメントでよく見かけたのが、「 “金と同じ”と書いて “銅” 。だから誇ってもいい。」 というヤツ。 僕は最初、うまいこと言うな!…と思って感心していたんですが、あまりにもみんな同じことを言ってるので、そのうちに飽きました。 こうなってくると、「 “魚に青い”と書いて “鯖” 。だから “鯖メダル” というのがあっていいと思う。」 といった、新しい切り口のコメントが欲しくなってくるんですが、もし本当にこんな事を書いたら間違いなく叩かれますけどね。 上野雅恵に対するコメントに

 インタビュアーの「金メダルの味は?」という問いに、「中華ですかね。」と言ってほしかったぞ!!

というのがあって、笑いの天才!…とか、センスある!…とか言われて、大いに盛り上がっておりましたが、こういうのを見ると血迷って “鯖メダル” のコメントを書かなくて、本当によかったと思います。僕ってかなりプライドが高いから、これだけ叩かれたらきっと立ち直れなかったと思います。熱川のバナナワニ園で “ワニおさわり証明書” を貰えなかったのに続くダブルパンチで、お盆休みが終わっても会社に行けなくなっちゃうところでした。 で、気になる野球の結果なんですが、おおっ、勝ってるぢゃん! 1点を取られた後、阿部シンノスケのホームランで同点に追いついて、6回には稲葉クンのタイムリーで勝ち越し。 その後、稲葉クンのナイスな守備などもあって相手に得点を許さず、8回の表、2アウト3塁のチャンスで新井クンが三振しちゃったところで、テレビを見るのをやめたんですよね。こりゃ、9回裏に上原がめっちゃ打たれて、逆転サヨナラ負けやな。…といった気配が濃厚に感じられたんですが、9回表に打者一巡の猛攻で4点も取っていたんですな。ちょっとスッキリ♪ ただ、この回の先頭の稲葉クンはショートゴロ、もう一度回ってきた打席では空振り三振と、一人で2アウトも稼いじゃったみたいで、ちょっと何なんですが、ま、でん部に不安を抱えているみたいですしね。でん部に不安って、実はイボ痔なんちゃうか?…と、そういう疑念も拭いきれないんですが、昨日は結局、北島クンと体操の内村クンと野球と女子ソフトボール以外は駄目だったみたいですが、内村クンは肉村とか豆村とか、書かれていませんな。豆柴ならともかく、豆村って何やねん!?…という気がするので、書かれなくて当然だと思いますが、卓球の福原愛、負けちゃいましたかぁ。競泳の柴田亜衣も予選落ちですかぁ。テニスの杉山愛もシングルであっさり負けていたし、こうなったらもう “懐かしのAV女優特集” で飯島愛でも見るしかありませんが、出場選手の中で最高齢であると同時に、名前は補欠なのにレギュラーなんか!…というのですっかり有名になった馬術の法華津寛クンも予選落ちだったんですな。 ま、予選に落ちただけで、馬からは落ちなかったみたいなので、よかったと思うんですが、前半は盛り上がった北京オリンピックも、結局は尻すぼみに終わってしまいそうな予感がします。マラソンの野口みずきは欠場だし、後、期待出来そうなのと言えばレスリングくらいですかね?かつては男子が必ずメダルを獲得していたんですが、今では柔道と同じく、女子のほうしかまったく期待が持てない競技になっているんですけど。

 レスリングにはフリーとグレコローマンという2つのスタイルがあります。フリチンでやるのがフリースタイル、グレた子が更生するというロマンを求めるのがグレコローマンではないかと思うんですが、あ、フリーでもちゃんとパンツは穿くんですか。そうなんですか。 で、日本の女子でメダルの期待が持てるのはフリーのほうですよね。というか、女子にはグレコローマンというのが無いんですかね? 女子はグレても更生しなくていいという方針なんですかね? そんなことだから、夏休みが終わったら急にケバくなっている女子が、どのクラスにも必ず1人や2人は出てくることになるんだと思うんですが、 上半身しか攻めることが出来ないグレコローマンというのは女子には不人気なんですかね? ああん、下のほうもぉ♪…みたいな。そんなこと言ったら、男子のほうこそ上半身だけでは不満が残ると思うんですが、そのストイックな姿勢が一部のマニアには好評なんでしょうか? そもそもレスリングというのはバックを取ったりして、見ていて非常にいやらしい競技だったりするんですが、あとはえーと、近代五種ですか。もうひとつ複合競技である十種競技と比べてどっちが無茶かというと、僕は断然、近代五種のほうだと思うんですが、十種競技は10種類と言っても100m走、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400m走、110mハードル、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500m走と、いずれも陸上競技ですからね。走ったり、飛んだり、投げたりしていれば、それで何とかなります。一方、近代五種のほうはというと、射撃(エアピストル20発)、フェンシング(エペによる総当たり戦)、水泳(200メートル自由形)、馬術(障害飛越)、ランニング(3000m走)と、方向性がバラバラ。 ルーツは19世紀ナポレオン時代のフランスの騎兵将校に課せられた使命を果たすというところにあるようなんですが、馬で敵陣に乗り込み、途中の敵を銃と剣でうち倒し、川を泳いで渡り、丘を越えて走りぬけるという。 馬で敵陣に乗り込んだのなら、帰りも川を泳いだり丘を走ったりしないで、馬に乗って行けばいいような気もするんですが、敵と銃や剣で戦っている際に、惜しくも馬が負傷しちゃったというストーリーなんでしょうか? 日本からも自衛隊の村上クンが出場するみたいなので、是非とも頑張って欲しいところでありますが、男子は8月21日(木)です。 ま、恐らくテレビで放送されることも無いでしょうが、フェンシングの太田クンのように好成績を挙げて、俄然注目されるということもありますからね。大いに期待したいところです。 あとはえーと…、オリンピックに関して言いたいことは、今のところ以上です。

 ということで今日はホレス・シルバーなんですが、この人はアレですよね。名前からして、銀メダリストやん。…という気がしますよね。ブルーノート・レコードから業績を湛えられて、本来ならゴールド・ディスクが貰えるところを、名前に引っ掛けてシルバー・ディスクを進呈された。…みたいな話しを昔、どこかで聞いたことがあるんですが、銀メダルといえば柔道の塚田真希は残念でしたなぁ。ポイントで勝っていたのに残り11秒くらいで中国のおっさんに背負い投げをくらって、1本負けしちゃいました。ああん! 対する男子の石井慧クンのほうは金メダルを取れて何よりなんですが、試合後のインタビューがちょっとアレでしたな。 何というか、ジャズの真面目な話を読みたかったのに、ぜんぜん関係の無い話ばかりダラダラ書いてる変なサイトを見せれらたみたいな。解説の篠原クンに突っ込まれていたように、コイツはあまりしゃべらないほうがいいような気がするんですが、こりゃ、世間で叩かれるのは必至ですな。ああん、せっかく頑張って金メダルを取ったのにぃ。…とか思っていたら、コメントが面白いという好意的な意見が意外と多くて、これならウチのサイトもいけるかも?…と、ちょっぴり自信を深めたところでありますが、それはそうとホレス・シルバー。 この人はわりとたくさんリーダー作を残しているし、僕もわりとたくさんこの人のリーダー作を持っているので、選考にはさほど苦労しなかったんですが、目についたアルバムを2枚ほど比較検討した結果、今回は 『フィンガー・ポッピン』 を取り上げることにしました。最初、あまり気乗りがしなかったんですけどね。 個人的にはどうも “ポッピン” という言葉の響きが何となく締まらなくて、何だかあまり好きになれないんですが、スッピンでもベッピンというのはいいと思うんですけどね。僕はケバいギャルというのがあまり好きではないので、夏休みが終わっても出来るだけ素顔で勝負して欲しいと思うんですが、素顔とか、素足とか、素肌とか、頭に “す” の付く言葉って、何かソソられるんですよね。酢豚とか。 で、気乗りのしないもうひとつの要因はジャケットのセンスなんですが、車から身を乗り出すようにして手を振っているシルバーの顔があまり好きになれません。満面の笑みと言えば聞こえはいいんですが、“まりもっこり” みたいな、いやらしい目をしてますよね。僕が初めて “まりもっこり” を目にしたのは北海道ではなく、何故か新横浜のラーメン博物館だったんですが、まりも+もっこり=まりもっこり。 ネーミングのセンスは悪くないと思うんですけどね。 で、今ひとつソソられるものがなかった 『フィンガー・ポッピン』 なんですが、演奏を聴いてみたら抜群によかったりして、やはりホレス・シルバーのクインテットはブルー・ミッチェルジュニア・クックのフロントが最強であるというのを再認識した次第でありますが、とまあそんなことで曲開設に入りましょう。

 1曲目、アルバム・タイトル曲の 「フィンガー・ポッピン」 。 日本語にすると 「指ポッピン」 。“指パッチン” みたいで、悪くないタイトルだと思えるようになってきたんですが、“指ポッキン” だと骨折したみたいで、ちょっと嫌なんですけど。 2管の絡みによる短めのイントロに続いて、同じく2管のユニゾンでテーマが演奏されることになるんですが、曲そのものはわりとあっさり系? サビのフレーズがちょっぴりファンキーなところが、さすがシルバーだと思うんですが、でもって、ソロ先発はブルー・ミッチェルでありますか。かなり急速調なんですが、この人、地味なように見えて、こういうテンポになっても破綻が無いですよね。もしかして、ドナルド・バードよりもテクニシャン?…と思ったりもするんですが、バックに回っても決して手を抜かないシルバーの強力コンピングも見事です。もしかして、 “強力わかもと” よりも強力?…と思ったりもするんですが、クスリの中ではエビオスと並んで弱々しい感じがしますからね、わかもと。 正露丸を見習え!…と言いたくなってしまうんですが、正露丸は腹痛だけでなく歯痛にも効果があるというのに、わかもとは噛んでも歯にひっつくだけで、うっとうしいですもんね。 で、ソロ2番手はジュニア・クック。 この人のプレイはシルバーのアルバム以外ではほとんど聴く機会が無かったりするんですが、わりとパワフルだし、そこそこ歌心もあるし、ま、健闘していると評価出来るのではないでしょうか。 続くシルバーのソロは何とも荒々しいタッチで、まさにジャズ・ピアノ界の荒勢と呼ぶに相応しいんですが、死んじゃいましたな、荒勢。 相撲を取ってる頃よりもタレントになってからの印象のほうが強いんですが、けっこう楽しみにしてたんですけどね、 「荒勢の温泉がぶり寄り」 。 ピアノを弾いてる姿をナマで見たら、恐らくめっちゃフィンガーがポッピンしているのではないかと思われるんですが、何だか聴いてるうちに、久しぶりにフィンガーチョコレートが食べたくなってきました。いかにも準チョコレート菓子やな。…といった感じで、ちっとも純粋なチョコの味がしないところが何ともチープで好きなんですが、で、その後、ts→ds→tp→ds の8バースで大いに盛り上がって、いや、もしかしたらこれは4バースなのかも知れませんが、小節を数えるとその中間の6バースのような気もして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 アルバムの冒頭を飾るに相応しい、勢いのあるナンバーでありました。

 2曲目、 「ジューシー・ルーシー」 。 タイトルは恐らく 「濡れ濡れルーシー♪」 といった、いやらしい意味ではないかと思うんですが、いやらしいのが嫌いな僕も、ジューシーとルーシーで韻を踏んでいるところだけは、とりあえず評価しているんですけど。原文ライナーにも曲名に関するシルバーのコメントが書かれていて、タイトルの意味?グラマーでイカす女の子を見た時に、私がいつもいうセリフなんだ。いわゆるエッチな曲というやつさ。…とのことでありまして、なるほど。これで、まりもっこりな眼差しのジャケットの意味が分かりました。クルマからイカすギャルを軟派して、「やあ、ルーシー、とってもジューシーかい?」 とか言ってるんでしょう。とんでもないオッサンでありますな。どうして名前がルーシー限定なのか、そのイカすギャルの名前が “よしお” だったらどうするのか、いくつか疑問はあるんですが、曲のほうはいかにもジューシーなゆったりしたテンポの作品に仕上がっていて、ファンキーな雰囲気、バリバリ全開です。もうちょっと専門的な解説をライナーノートから引用すると、中テンポのブルージーな曲ってことかな。ブルースのフィーリングを基本にしてはいるけど、ブルースのコード進行は使ってない。…ということになるようです。 2管のユニゾンによるテーマに続いて、ソロ先発はシルバーでありますか。ゆったりとした弾きっぷりが何とも言えずに “湯ったり〜な昼神” なんですが、いや、昼神温泉にそういう名前の日帰り入浴施設があるんですけどね。行ったことはないので、どういうところなのか是非とも荒勢にレポートして欲しかったんですが、残念ながら死んじゃったので、この際、持田茜とかでもいいんですけど。 “美女と湯めぐり” というシリーズの稲取温泉のレポをやってたんですよね、持田茜。 露出度満点で、このギャル、何者?…と思っていたらAVギャルだったんですが、そうとも知らずに純粋な旅番組だと思って見ていた僕は、少なからずショックを受けてしまいました。 あ、同じシリーズの戸倉上山田温泉の、出演・田中美久っていうのもちょっといいかも? とか言ってるうちにミッチェルのソロになりましたが、この人はクリフォード・ブラウンの正統的な後継者でありますな。フレーズが凄くよく歌ってます。ミディアム・テンポでもうまいですなぁ。 続くジュニア・クックは今ひとつ華がなくて、女子柔道で言うと上野雅恵なタイプなんですが、実力の程は安定しているので聴いていても安心していられます。 ま、今ひとつ地味で盛り上がらないところがネックではあるんですけど。 で、各自のソロ回しの後、第2や第3テーマやらが出てくるところがシルバー・クインテットの真骨頂なんですが、こういう贅沢な曲作りをしてくれるのは、この人くらいですからね。ここでも最後にサブ・テーマとピアノ・ソロとの絡みという素晴らしいパートを堪能出来るシステムになっていたりするんですが、とまあそんなことで、元テーマに戻って、おしまい。

 ここまで2曲で無駄に行数を費やすことが出来たので、残りはさらっと流しておこうと思うんですが、3曲目は 「スインギン・ザ・サンバ」 。 これはアレです。スインギーなサンバです。シルバーと言えばファンキー、もしくはラテンということになろうかと思うんですが、ポルトガルの血を引くパパと、黒人の血を引くママとの間に生まれたお子様ですからね。 で、これはそのうち、パパのほうの血が騒いだ作品ということになろうかと思うんですが、そんなに激しくサンバしているわけではなくて、あくまでもジャズの範囲にしっかり収まっているところがいいですな。 2管のユニゾンの出だしと終わりにルイス・ヘイズのドラムスが絡むテーマ部に続いて、ソロ先発はジュニア・クックでありますか。 ここまでやや存在感が希薄だった彼も、一番手となるとさすがによく目立っておりまして、いや、これはなかなかいい吹きっぷりだと思います。どういうところがどういうふうにいいのかと言うと、3曲目以降はさらっと流すことにしたので、あまり深くは触れませんが、でもって、ソロ2番手はミッチェルでありますな。 その後をシルバーが引き継いで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次です。  「スイート・スタッフ」 。先ほどはあまりにも軽く流し過ぎたので、今度はもうちょっとだけ真面目に書こうと思うんですが、これはアレです。ホーン抜きのピアノ・トリオによる演奏です。でもって、これはバラードでありますな。 ミディアム・テンポやアップの曲では無類の強さを誇るシルバーなんですが、唯一の弱点と言われているのがバラードでありまして、彼が金メダルを取れない要員もここのところにあるんですが、近代五種で言うと、射撃の腕は抜群、剣を持たせても天下無敵、強靭な足腰で縦横無尽に丘の上を駆け回り、颯爽と馬を操る憎い奴。 が、残念なことにカナヅチ。…みたいな。それで銀メダルを取れるのなら大したものでありますが、幸いなことに水泳競技の種目は自由形ですからね。泳げなくてもプールの中を走ることさえ出来れば、とりあえず失格にはならないのではなかろうかと。他の4種目でめっちゃ頑張れば苦手種目でのミスも挽回可能かも知れません。 ただ、北京のオリンピックプールは水深が3mもあるそうですからね。溺死しかけて無念の棄権という恐れはありますけどね。 で、ここでの演奏はどうかと言うと、テーマ部はとりあえず微妙にパウエルっぽくて、悪くない感じ? が、アドリブに入ってからはやや単調な展開になっておりまして、やはりカナヅチがいくらスピード社のレーザーレーサーを着てみたところで、急に泳げるようになるというものでもないみたいですな。 ま、この曲はナガシマスパーランドのジャンボ海水プールで言うと、1時間に1回の休憩タイムのようなものだと思って、諦めてください。

 ということで、次。 あ、その前に、今、これを書いているのは16日の午後10時過ぎなんですが、レスリングの吉田沙保里ちゃん、金メダルおめでとぉ♪ 伊調千春ちゃんも銀メダルだったけど、おめでとぉ♪ 柔道の石井クンが次第に叩かれだしたのも個人的にはいい傾向だと思うんですが、コイツ、心の中で思っても、社会人なら絶対、口に出してはいけないことを言っちゃいますよね。 ま、まだ学生だから仕方がないのかも知れませんが、野球の韓国戦は新井が先制の2ランを打って、やりぃ♪…と思っていたら、次の回に2ランを打たれてあっさり追いつかれちゃいましたな。7回の表は、頭からピッチャーを替えたほうがよかったも?…って、それはあくまでも結果論なんですけどね。とりあえず和田クン、お疲れさまでしたー。 曲を取り直して5曲目。 「クッキン・アット・ザ・コンチネンタル」 。日本語にすると 「コンチネンタルでお料理チュウ♪」 ですか? どうして最後が片仮名になっているのかというと、キテレツ大百科の 「はじめてのチュウ」 がけっこう好きだったりするからなんですが、さすがにカラオケで歌ってみようという気にはならないんですけどね。郷ひろみの 「誘われてフラメンコ」 で、精一杯です。 とまあ、そうこうしているうちに17日の朝になりました。野球、負けちゃいましたなぁ。。。 9回表は岩瀬がランナーをためたところで藤川やろ?…とか、最後の代打が森野というのはちょっとなぁ。…とか、星野カントクに言いたいことはいっぱいあるんですが、でもまあそれも結果論だし、すでに言いたいことも言っちゃったので、気を取り直して 「クッキン・アット・ザ・コンチネンタル」 。 急速調の勢いのあるナンバーでありまして、いや、素晴らしいですな。速いテンポのブルースだね。詳しく言うと、メロディは3つのコーラスからできている。最初の2コーラスは同じことの繰り返しで、3度目に当たる12小節はちょっと違った感じになる。ホーン・セクションがメロディーを吹いて、ブレイクの部分はリズム・セクションが演奏して。…とのことなんですが、僕が聴いた限りでは3回とも同じような感じがしたんですけど。 ま、演ってる本人がそう言っているんだから、僕のほうが間違っているんだと思います。すいません。反省しております。 で、ソロ先発はジュニア・クックなんですが、出だしの部分でドラムスがお休みしているところがいいですな。シルバーのコンピングが強力なので、ドラムレスであることをあまり感じさせないんですが、で、いつの間にやらルイス・ヘイズも仲間に入って、でもって、ソロ2番手はブルー・ミッチェルです。いいソロです。 続くホレスのソロも出だしの部分はドラムレスのような気がするんですが、で、最後は ts→ds→tp→ds の4バースで無難にまとめて、テーマに戻って、おしまい。 シンプルなんですが、躍動的なやくみつる。 ま、そういったナンバーなのでありました。テンポをぐっと落としたエンディングもばっちり決まってます。

 6曲目。 「カム・オン・ホーム」 。 タイトルからしていかにもダウン・トゥ・アースなブルースっぽい感じがするんですが、実際のところ、その通りでありました。テーマに続く最初のソロはブルー・ミッチェルなんですが、こういうタイプの曲を吹かせると、この人、実に味わい深いものがありますな。だてにブルーを名乗っているわけではありません。レッド・ミッチェルも少しは見習え!…と言いたくなってしまいますが、いや、レッドのほうはレッドで、堅実で素晴らしいベーシストなので、ここで文句を言われる筋合いはどこにもないんですけど。 で、続くジュニア・クックのソロもかなり充実しているように思うんですが、この人は、こういうタイプの曲のほうが合ってますかね? 原文ライナーにはロリンズの他、ワーデル・グレイやソニー・スティットの影響を感じさせると書いてあるんですが、僕個人の意見としては、んーと、ちょっぴりデクスター・ゴードンも入っているかな?…と。 で、続くホレスのソロはブルージーですなぁ。 彼のほうが先輩格に当たるので、こういう書き方は本末転倒だとは思うんですが、ボビー・ティモンズを彷彿させるスタイルであるな。…と僕は思いました。 後半、ジーン・テイラーのベースが絡んでくるところも実に渋くて、あ、僕の持ってるCDはベーシストのクレジットが “ENGENE TAYLOR” となってて、誰や?…と不思議に思っていたんですが、ジーン・テイラーだったんですな。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 7曲目、 「ユー・ハップンド・マイ・ウェイ」 。 これはアレです。バラードです。バラードなんですが、今度はホーン入りだから大丈夫です。ホーンで思い出したんですが、今を溯ること約5年前。僕は配管の保温工事のカントクをしていたんですが、作業に先立ち、材料搬入の写真を撮った時の出来事です。材料の正式な名前がよくわからなかったので、発砲スチロールで出来た筒のようなものを指さして、 「これ、何という名前なんすか?」 と職人のオッサンに尋ねたところ、 「ホーン筒(とう)」 という回答が。世の中にはまだまだ、僕の知らないカタカナの専門的な材料があるものなんだな。…と思いつつ、そのまま工事黒板に書いたところ、 「そうじゃなくて…」 。そっかぁ!保温筒やったんかぁ!思いきり馬鹿にされました。 ということで本題に戻ります。 「ユー・ハップンド・マイ・ウェイ」 。 たいへんメランコリーな曲調でありまして、イントロからテーマ部にかけて、2ホーンの絶妙なハモり具合を堪能することが出来ます。 どこまでがテーマで、どこからがアドリブなのか、今ひとつ判然としないところがあるんですが、シルバーのピアノ・ソロがフィーチャーされております。こうして聴いてみると彼のバラードも捨てたものではありませんな。あまり長い時間になるとちょっとヤバいんですが、ホーンの力を借りればOKです。 なるほど、泳げないのならキティちゃんの浮袋とか、ペンギンのフロートとかを使えばよかったんですな。オリンピックの場で補助具の使用が認められているかどうかは定かではないんですけど。

 ということで、ラストです。 「メロウ・D」 。タイトルからして、さぞやメロディアスな曲なんだろうと思ったら、さほどでもなかったんですが、アップ・テンポのバピッシュなナンバーでありますな。ジュニア・クック、ブルー・ミッチェル、ホレス・シルバーの順に、各自が持ち味を発揮したアドリブ・プレイを展開して、でもって、テーマに戻って、おしまい。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 全8曲をすべてオリジナルで固めて、しかも、そのすべてが一定のレベル以上。ホレス・シルバー、さすがです。 演奏のほうでいうと、シルバーの力強いピアノのほか、ブルー・ミッチェルのよさが光ります。こんなに吹ける人だったっけ?…と思ってしまうくらい。 地味ながらジュニア・クックくんも頑張ってます。いやあ、 “ポッピン” という言葉の響きがどうとか、目付きがどうもいやらしいとか、そういうことでアルバムの出来を判断するのは、ちょっと間違っていたよ、僕!…と、思わず反省してしまうほど、素晴らしい出来でありました。 苦手の水泳も何とかクリアして、燦然と輝く金メダル♪…とまではいきませんでしたが、堂々の銀メダル獲得、おめでとぉ♪ とまあ、大方の予想どおりのコメントで最後を締めておきましょう。


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