HIS MAJESTY KING FUNK (VERVE)

GRANT GREEN (1965/5/26)

HIS MAJESTY KING FUNK


【パーソネル】

HAROLD VICK (ts,fl) GRANT GREEN (g) LARRY YOUNG (org)
BEN DIXON (ds) CANDIDO CAMERO (bongo,conga)
【収録曲】

(01-03) THE SELMA MARCH / WILLOW WEEP FOR ME / THE CANTALOUPE WOMAN
(04-05) THAT LUCKY OLD SUN (JUST ROLLS AROUND HEAVEN ALL DAY) / DADDY GRAPES

【解説】 (2008年2月03日更新)

 もうすぐバレンタインですなぁ。そこで今日は “バレンタインとバン・アレン帯” というテーマでお届けしようと思うんですが、いいですよね、バン・アレン帯。 いや、名前を聞いたことがあるだけで、それが一体どんな帯なのか今ひとつよく分からなかったりするんですが、恐らく貞操帯のようなものではないかと思うんですけど。バンとパンツを脱がしたのに、その下がしっかりガードされていて、 「アレ?」 となって、 「ン〜。」 と唸る。そういう帯ではないかと思うんですが、ということで、続いてはバレンタイン。 2月14日は “煮干の日” であると同時に “バレンタインデー” でもあるわけですが、煮干のほうはアレです。 “” という数字を棒に見立てて、 “(に)(ぼう)(し)” というのが由来のようなんですが、バレンタインのほうは西暦269年のこの日、バレンタイン司教という人が死刑になったのを記念して制定されたアニヴァーサリーなんだそうで。どうして死刑になったのかというと、兵士たちの自由な結婚を禁止したからなんだそうですが、それがローマ法王の逆鱗に触れちゃったようです。我がままですからね、法王。 ちなみに桑名にはローマと違って法王なんぞはおりませんが、その代わり、鳳凰というのがいます。どこにいるのかというと、 ぬし与仏壇店 の上にいます。わざわざ宇治の平等院まで行かなくても鳳凰を見ることが出来て、とっても便利なんですが、鳳凰というのは麟と鹿と蛇と魚と亀と燕と鶏とを一緒くたにしたような生き物らしいので、下手に魚や蛇の部分に触ったりすると逆鱗に触れる恐れはあります。ま、他の部位なら鱗は無さそうなので大丈夫かと思いますが、一方、ローマ法王の逆鱗に触れたバレンタイン司教のほうはというと、恋愛に効く聖人として、崇め奉られることになります。 そして西洋では2月14日に愛する人にカードとか、ケーキとか、チョコレートとか、お花とか、ハナ肇のブロマイドとかを贈るという風習が生まれたわけなんですが、いや、貰ってもただ迷惑なだけのような気もするんですけどね、ハナ肇のブロマイド。 いらんがな!…というので、日本ではもっぱらチョコレートを贈るということになったわけですが、それも何故だか、女の子が勇気を振り絞って意中のカレに告白するのぉ♪…という方向に得意な進化を遂げてしまったんですけど。 ちなみに僕は今まで義理チョコとか人情チョコとか、そういうものしか貰ったことがないんですが、僕のことを好きになってくれるギャルというのは揃いも揃って、極めてシャイな性格の持ち主だったのではないかと思われます。

 ま、誰もくれなければ自分で買って食べるだけの話なんですが、僕は基本的にチョコレートが好きなんですよね。高級なチョコも好きなんですが、10円チロルとか、成功YEAR!…のセコイヤチョコとか、若い女性に大ヒット中!…のブラックサンダーとか、そういうチープなヤツのほうが好きです。どうしてかというと、高いチョコレートは鼻血が出たりして体に悪いからなんですが、子供の頃、近所にある中川ベーカリーというケーキ屋さんで “シューベルト” という名前のチョコレートケーキを食べて鼻血を出して以来、未だに警戒心が解けなかったりするんですよね。39歳という若輩者の僕にとって、正味のチョコレートというのはあまりにも刺激が強すぎるので、ウエハースとか、ブラックココアのほろにがクッキーとか、白いキャラメルもどきのようなものが中に入っているほうが安心できます。純チョコレートよりも準チョコレート。抱き枕にするんだったら小泉純一郎よりも断然、渡良瀬準。いや、そんなギャルゲーに登場するオカマ・キャラは誰も知らないかも知れませんが、それはそうとチロルチョコの中に入っている白いキャラメルもどきのようなもの。アレは一体、何なんですかね?…と思って調べてみたところ、どうやらアレは “ホワイトヌガー” というものらしいという事が判明したんですが、なるほど、確かに色がホワイトで、ヌガーっと歯にくっつくような食感だったりしますからね。歯の詰め物が取れるという点ではハイチュウやミルキーと並ぶ危険なお菓子でもあるわけなんですが、ヌガーのおかげでチョコレートの割合が減って鼻血のリスクが軽減されるわけなので、功罪相半ばといったところでしょうか。ま、歯にくっつかないウエハースとかを中に入れれば歯にも優しいお菓子になるわけですが、チョコレートの中にニチャっとしたものが入っているというあの食感は、チロルの他には森永のチョコボールのキャラメル味くらいしか無かったりするので、希少性という点ではなかなか貴重な存在だったりするんですけど。

 鼻血問題に目をつむって、ついでに鼻の穴に鼻紙を詰めて食べるとすれば、チョコレートの中身はナッツ系がいちばん美味しいかな?…という気がするんですが、アーモンド、ピーナッツ、マカダミアナッツ、どれも非常に美味しいですよね。カシューナッツも大丈夫ですか。ピスタチオというのは殻付きのままだとやや問題がある気もするんですが、ミックスナッツを構成する部材の中では、ジャイアントコーンもちょっと微妙ですかね? グリコにジャイアントコーンというアイスがあって、チョコナッツ味というのも出ているんですが、アレはまた別の食べ物だったりしますからね。でかいトウモロコシのジャイアントコーンよりもむしろ、中華料理でよく使われるヤングコーンをチョコレートでコーティングしたほうが、ナウなヤングにはウケがよさそうな気もするんですが、見た目的にも “たけのこの里” をちょっぴり長っぽくしたみたいになりそうだしぃ。 いっそのこと、本物のタケノコをチョコでコーティングして巨大な “たけのこの里” を作ってみても楽しそうなんですが、ただ楽しいというだけで、味のほうはまったく保証は出来ないんですけど。やはり野菜系というのはチョコとはちょこっと合わなさそうな気がするんですが、そこへ行くと果物系は大丈夫ですよね。少なくともケダモノ系よりは相性がいいと思うんですが、まず最初に普通に思いつくのは “チョコバナナ” でありますか。お祭りの屋台の定番にして人気商品でもあるわけですが、その実、ぜんぜん美味しくなかったりするのも実情だったりするんですけど。チョコの味せえへんやん!…というのと、バナナの味しかせえへんやん!…というのがチョコバナナの2大欠点であるわけなんですが、アレはやはりテキヤのおっさんが材料費をケチって、チョコレートを極限までペラペラにしかコーティングしないのが原因なんですかね? 自分で作ればちゃんとチョコレートの味がするチョコバナナになるような気もするんですが、ちなみに通信販売では チョコバナナ屋さん開業セット が税込15,540円という、わりとお値打ちな価格で売りに出されていたりします。チョコ(ミルク)1kg、チョコ(ホワイト)1kg、割り箸120本、ナイロン手袋(15入)1セットということは、2キロのチョコレートで120本のチョコバナナが出来るという計算になりますか。湯煎ボールの縁にへばりついて有効利用出来ないチョコが発生することを勘案すると、1本あたり約16グラム。森永のダースというチョコレートが12粒入りで48グラムなので、1粒が4グラム。バナナ1本でダース4粒となると、思ったよりもたくさんチョコを使っているようなんですが、一方、ナイロン手袋のほうはというと、15双入りが1セットということなので、チョコバナナを8本作ると1双が敗れるという計算になります。ナイロン手袋なんてのはそうそう破れるものではないような気もするんですが、あるいは手袋がチョコでベチョベチョになったりするんですかね?チョコバナナ屋さんというのはああ見えて、意外とハードなお仕事だったりするのかも知れません。

 チョコバナナとよく似ているものの、もうちょっと高級感のあるデザートに “チョコレートファウンテン”というのがあります。その昔、うちのおかんはよく “パンテーン” というのを頭に振りかけていて、コドモ心にも大変に臭かったという印象があるんですが、 “チョコレートパンテーン” というのであれば、コドモ心にも好ましい香りに思えたに違いないんですけど。 で、一方“ファウンテン” というのは “” という意味ではないかと思うんですが、“チョコレートファウンテン” というのはその名のとおり、チョコレートが泉のようにこんこんと湧き出してくるという、そういう企画のものだったりします。 これ ですな。ジャジーな黒人のお姉さんが登場する動画まであるので、大よそのイメージはつかめて貰えるのではないかと思うんですが、僕はつい最近、某所でこのチョコファウンテンを食べるという機会に恵まれました。いやあ、楽しかったですなぁ。串にイチゴとかマシュマロなんかが刺してあって、それにミルクチョコレートやホワイトチョコレートを絡めて食べるんですよね。串に刺されてミルクチョコレートを絡められて、白いトレイの上に並べられたイチゴは、見た目、デザートというより何だか味噌おでんみたいになっておりましたが、いや、楽しかったです。 楽しかったのはよく分かったけど、肝心のお味のほうはどうだったのかというと、正直なところ、とにかく楽しかった!…としか言いようがなかったりするんですが、味がどうのこうのというよりも、その過程を楽しむものだと思っておいたほうがいいのではないかと。基本的にはチョコバナナと同じく、チョコの味、あんまりせえへんやん!…というものだったりするんですよね。泉のようにチョコを流動させなければならない関係上、チョコレートの濃度がかなり薄めになっているというのもあるのかも知れませんな。 ここはやはり、見た目的にはかなり地味ではあるものの、鍋でコトコト煮込むタイプの “チョコレートフォンデュ” のほうがいいかも知れませんな。とまあそんなことで、僕はこの度、こんなもの を買ってしまったんですけど。

 いや、チーズフォンデュというのも、ちょっと興味があったんですよね。通常価格3,150円(税込)のところ、今ならセール価格1,880円!(税込) 安い! これ、いつでもセール価格なんちゃうか?…という疑念を完全に払拭することは出来ないんですが、もれなく固形燃料5個パックサービス中というのが嬉しいところです。 鍋が届いて、早速フォンデュを作ろうと思っていたら、固形燃料が入ってなくて、ガックシ。…という悲劇を未然に防ぐことが出来ますもんね。 ただ、オマケを入れ忘れるという可能性がまったく無いとも言い切れないので、石橋を叩いて渡るタイプの僕は念のため、追加の固形燃料5個パックを4セット余分に注文しておきました。缶入り30個のタイプのほうがかなりお値打ちではあるんですが、お徳用のほうが “ケイネン” というつまらない名前であるのに対して、5個パックのほうは “ベンリやネン” 。僕はこのネーミングに価格差以上のサムシングを見出してしまいました。 鍋も頼んだ。燃料も付いている。ただ、肝心のチョコレートや種にする食材までは付いてこないというのは、学研の 『科学』 の付録の 「ザリガニ飼育セット(ただしザリガニは付いてきません。)」 というのと同様なんですが、ショップからの発送案内メールによって、商品が届くことが確実視された先週の土曜日、とりあえず僕は先にチョコレートフォンデュの材料を用意しておくことにしました。鍋が届いてから買いに走っていたのでは、出遅れてしまいますからね。うちのおかんに見つかると、 「何やっとるの!」 と叱られるに違いないので、極秘裏に自分の部屋まで食材を持ち込まなければならないんですが、ここ を参考にした結果、どうやらチョコレートの他に牛乳や生クリームが必要だということが判明しました。 ここで問題になってくるのは生クリームという奴なんですが、僕は今まで自分で料理とかお菓子を作ってみようと思ったことがほとんど無かったりするので、そんなものが一体どこに売られているのか、ぜんぜん検討が付かないんですよね。少なくとも札幌東急ストアまで行けば材料は揃いそうなんですが、北海道まで行くだけの余裕は時間的にも金銭的にもありません。少なくとも、一号館の日進店にはそんなハイカラなものは売ってなさそうな気がしたので、最近、揖斐川の堤防の近くのところに出来たバローというスーパーに行ってみることにしたんですが、あそこはもっぱら近くのマンションの住民をターゲットにしているようなので、お菓子作りをする客層というのもある程度は頭に入れていると思うんですよね。 で、実際、生クリームは牛乳なんかと一緒にごく普通に売られていたので、僕の作戦は大成功だったわけなんですが、ただ、生クリームというのは僕の想像していたものとはちょっと違っておりました。ケーキの上に乗っているフワフワのホイップクリームのようなものを頭の中に描いていたんですが、普通の液体の牛乳みたいなものだったんですなー。 で、紙パックに要冷蔵という文字が書かれているのも気になりました。おそらく今日中にフォンデュ鍋が届くとは思うんですが、もしかしたら明日になっちゃうかも知れません。そうなると、冷凍施設のない僕の部屋に放置された生クリームが腐っちゃう恐れがあるんですが、生クリーム 100cc、牛乳 100ccの代わりに、牛乳 200ccでも大丈夫だよね?…という判断のもと、今回、生クリームは諦めて、パックの牛乳だけを買うことにしました。いや、牛乳だって要冷蔵であるには違いないんですが、生クリームのほうには “生” という字が使われているだけに、より腐りやすそうなイメージがあるんですよねー。

 チョコレートは板チョコよりも個別包装の粒タイプのほうが、いちいち手で割る手間が省けて、いいかな?…という気がしたので、明治の “チョコレート効果カカオ86%ボックス75g” というのにしました。森永のダースにしなかったのは、こちらのほうが量が多かったからなんですが、レシピにあるチョコレート150gを実現するためにはこれを2箱買えばいいわけで、計算も楽ですしね。カゴの中にチョコレートを2箱入れて、でもこれ、ちょっと多すぎるような?…という気もしたので、1箱は戻して、後はえーと、種にする食材があればいいわけですな。本当はイチゴで試してみたかったんですが、パックのイチゴをこっそり自分の部屋に持ち込むというのは困難なので、 “野菜スティック” という棒状のビスケットのようなものを買ってみました。マシュマロのチョコファウンテンは、中も甘い、外も甘いで、大甘やんけ!…という感じだったりしたので、意外と辛いもののほうが合うのではないかという計算に基づくものであります。 で、フォンデュ鍋、もう届いたかな?…と思って家に帰ると、残念ながらまだだったんですが、そういうしているうちにちょっと小腹がすいて来たので、野菜スティックを開封して、そのまま食べてみました。適度に塩気が効いていて、気持ち悪くない程度に野菜の風味も感じられて、なかなか美味しいお菓子だったんですが、1本、また1本と食べているうちに、ふと気がついたら1袋全部が無くなってしまったんですが、仕方が無いので今日のところは種なしのチョコフォンデュということで。スイカでもブドウでも、種なしと呼ばれる種類があって、むしろそちらのほうが圧倒的に人気が高かったりするわけなので、種なしフォンデュというのも特に問題ないと思います。それはそうと、塩気のあるビスケットを食べたら今度は甘いものを食べたくなって来たので、チョコレートにも手を付けることにしたんですが、食べてみたらちっとも甘くはなくて、かなり苦かったりしたんですけど。 僕の頭の中には、生クリームはあまいから、チョコレートは甘くないタイプのほうがいいかぁ。…という思いがあったんですよね。 チョコレートを選ぶ時点で、生クリームを買うのを止めたことはすっかり忘れてしまっていたんですが、で、フォンデュ鍋のほうは結局、夕方の遅い時間になって、ようやく届きました。自分の部屋でこっそり箱から出してみると、ま、思ってた通りの商品であると評価してもいいのではなかろうかと。

フォンデュセット全貌♪ 燃焼部及びベンリやネン♪

 固形燃料を入れる燃焼部のパーツが、ちょっぴり指が切れそうな感じだったりするのが欠点なんですが、空気穴の面積を変えることにより火力を調整出来るようになっているのと、火消し用の蓋が付いているところは大いに評価出来ますな。固形燃料の “ベンリやネン” も、パッケージのフィルム部分に火を付けるようになっているところが、なかなか便利やネン。…という気がします。 ちなみにこのネーミングセンスに問題のある固形燃料と、微妙にショぼい気がしないでもないフォンデュ鍋セット、一体どこのメーカーが売りに出しているのかと思ったら、株式会社イシガキ産業 (三重県桑名市大字江馬568) などと書いてありました。めっちゃ近所やん!家からケッタで5分くらいの距離やん! わざわざ通販で取り寄せなくても、販売元に直接買いに行ったほうが早かったかも知れませんが、とりあえずパチもんのチャッカマンで、固形燃料に着火〜♪ いよいよ念願のチョコフォンデュ作りが始まりました。 ちなみに僕は事前にかなり熱心に調べてはおきはするものの、いざ本番となると面倒になって、かなり適当に物事を進めてしまう性格だったりするんですが、この時もレシピを改めてチェックするのが面倒だったので、記憶だけを頼りに材料を投入してみました。 何となく “150” という数字が頭に残っていたので、とりあえず牛乳 150ccを鍋の中に投入。 あ、でも、生クリームが100で、牛乳が100やったっけ?…ということを思い出したので、パックに残っていた50ccも投入。こんな固形燃料でホンマに大丈夫なのか?…という懸念があったんですが、さすが地元桑名の優良企業、イシガキ産業が売りに出している製品に間違いはなく、間もなく牛乳がグツグツといい感じに煮えてきたのでありました。そこでいよいよ、チョコレートを投入♪ 個別包装の粒チョコタイプは、いちいち皮を剥くのが面倒やん!…という事に気が付いたんですが、後の祭りですな。白い牛乳の中からチョコレートの固まりがゴロゴロと顔を出していて、果たしてこれでホンマにちゃんと融けるのか?…という懸念があったんですが、大丈夫でした。考えてみたらチョコレートというのは37度程度の体温だって融けるわけですからね。固形燃料で熱く沸いた牛乳の中で、あっという間に姿が見えなくなってしまいました。 とまあそれはいいんですが、あまりにも簡単に融け過ぎて、チョコフォンデュとはかけ離れた状況のような? 何だか単なる “ミロを入れすぎた牛乳” みたいになっちゃってますもんね。 明らかにチョコレートの量が不足しているとしか思えないんですが、よく考えてみたらチョコレートが2箱必要なところ、1箱は返品しちゃったし、その残りの1箱も我慢できなくて3分の1くらいは食べちゃいましたもんね。150グラムが必要なところ、50グラムくらいしか無かったような気がします。かくして記念すべき初フォンデュは僕の心の中では 「無かった事」 として、こっそり便所に流されることになったのでありました。

 次の日、僕はチョコフォンデュに再チャレンジすることにしました。何せ、固形燃料はまだ24個もあります。というか、前日は開始からわずか5分ほどで失敗であることが判明して火を消したので、その残りがまだ十分に使えます。 で、再びバローへと材料の買出しにいくことにしたんですが、腐るという問題を今回は心配しなくてもいいので、生クリームを使ってみることにしました。あれからもう一度よく調べてみたところ、生クリームを使うか、牛乳を使うか、それらを半々にするかは各自の好みであるらしく、生クリームを使ったほうがコクがでるという、そういう話であるようです。そこで今回は生クリーム 150ccでやってみることにして、チョコレートのほうは板状の “明治ブラックチョコレート70g” を2枚。生クリームを入れると甘くなるからという見解は変わらないので、ブラックを選んでおきました。で、一方、具材としては “カールスティック昆布だしと鰹だしのうまつゆ味” をチョイス。 コーンスナックとチョコレートの相性がいいというのは容易に想像が出来るし、スティックタイプだとそのまま手に持って浸すことが出来るので、フォンデュにはうってつけ。更に昆布だしと鰹だしでチョコ鍋の味に深みが出るに違いなくて、いや、我ながらナイスなアイデアですよね。 とまあそんなことで、僕の心の中ではこれが初めてということになっているチョコレートフォンデッュ、いよいよ開始♪ 固形燃料に火を付けて、鍋に目分量で 150ccの生クリームを投入。 グツグツと煮立ったところで、板チョコを割って鍋に入れて、木のヘラでかき混ぜてみたんですが、2枚入れてもまだちょっと足りないような? 何せ、僕の頭の中には昨日の完璧な失敗作のイメージが強く残っていますからね。 が、これで大丈夫だったみたいで、鍋の中の生クリームにはチョコレートが融け込んで、何ともいい感じに。 ただ、クリームから “あく” が出るのか、色がちっともチョコレート色ではなくて、白濁しちゃっているのが気になるところではあるんですが、ま、最初からこれ、ホワイトチョコだったよな!?…と自分に強く言い聞かせれば、それなりに納得のいく出来ではあります。しかも、やがてそのクリームの色も消えて、綺麗なチョコレートソースが出来上がることになるんですが、今度は逆に濃度が濃過ぎて焦げつくような状況になってしまったので、慌てて火力を弱くして、残っていた 50ccの生クリームも追加で投入しました。よく考えたらチョコレート 150gに対して液体が 200gというのが正しい分量なので、最初から生クリームは 200cc近く入れておいて正解だったんですが、とにもかくにもカールスティックを浸して食べてみると…!? ん〜、微妙。 まず第一、カールスティックにあまりにも力が無さ過ぎて、チョコレートの抗力に負けてポキっと折れてしまいます。昨日の野菜スティックのほうがよかったかも知れません。 で、肝心のお味のほうはというと、こちらは微妙と評するのもおこがましいほど、はっきりチョコと昆布だし、鰹だしがマッチしておりません。カールをそのまま食べたほうがよっぽど美味しいやんっ! もうひとつ、チョコにぜんぜん甘みがないというのもかなり問題でした。 生クリームを入れると甘くなるという持論はきっぱりと捨て去って、大人しくミルクチョコレートを使ったほうが賢明かも知れません。

 とまあそんなことで、これを読んでいるギャル系読者の皆さま、今年のバレンタインのプレゼントは是非ともミルクチョコレートでお願いしたいと思います。湯せんで融かして、ハートの型に流し込んでみようカナ♪…とか、そういう余計な手間はかけなくても結構です。その気持ちはとっても嬉しいんですが、どうせまた鍋に入れて、ドロドロに融かしちゃうことになりますんで。昆布だしとか、鰹だしなんかも加えないでくださいね。ただ不味くなるだけです。その代わり “亀の子たわし” なんかをオマケに付けて貰えると、非常に嬉しいです。2回目のフォンデュで、ちょっと鍋が焦げましたんでー。 とまあそんなことで、今日のお話はおしまい♪

 ということで、今日はグラント・グリーンなんですが、チョコフォンデュ、3度目の正直で今度こそ美味しくしてみせる自信はあります。トロ〜リ感はチョコファウンテンの比では無かったので、ミルクチョコレートを使って、具材さえマトモなものを選べば、きっと成功すると思うんですよね。イチゴとバナナの他、いろいろなお菓子でも試してみたいですな。プリッツをポッキーに変身させるとか、普通のウエハースをセコイヤチョコにするとか、 “雪見だいふく” のチョコまぶしなんてのもイケるかも知れません。亀田には “白い風船” という菓子もあるくらいなので、 “ハイハイン” との相性もバッチリでしょう。 “うまい棒” にチョコを付けてうまいかどうかは味によって決まるかと思うんですが、 この記事 あたり、かなり参考になりそうですなぁ。メンバー紹介のところにリンクがある 「チクワはどこまで寛大か」「チョコバナナ調べ」 という記事もかなりイケてます。その他、このサイトでは “べつやくれい” の漫画エッセイ も面白くて、今日の昼間は原稿を書くのもそっちのけで、思わず読み耽ってしまいました。2007年下半期の芥川賞と直木賞を受賞したのは両方ともギャルだったし、日本のギャル、結構やるな!…と思わずにはいられません。サバ君も負けてはいられませんな。 とまあそんなことで、今日は 『ヒズ・マジェスティ・キング・ファンク』 というアルバムを紹介したいと思います。ヴァーヴ盤です。ヴァーヴというと、バーブ佐竹のイメージがあったんですが、グリーンのリーダー作も作っていたんですな。知りませんでした。で、今回はジャケ絵のほうを先に書いてみたんですが、何だかグリーンが知らないおじさんになってしまいました。でもまあ、思ってたよりは酷くなかったので、ま、よかったのではないかと思うんですが、それはそうと僕が持っているこのCD、どういうわけだか 『アップ・ウィズ・ドナルド・バード』 というアルバムとカップリングされております。 “ウィズ” となっているからバードをフィーチャーしたグリーンの作品なのかと思ったら、普通にバードがリーダーをやってるみたいだし、あまつさえ、こちらのほうにグリーンは参加していなくて、ケニー・バレルがギターを弾いていたりします。統一教会の合同結婚式のような上部からの圧力でもなければ、絶対に一緒になることは無かったに違いない組み合わせだったりするんですが、ま、後半は端から無かったことにしておいて、ではグラント・グリーンのアルバム、行ってみましょうかぁ。

 まず手始めに 『ヒズ・マジェスティ・キング・ファンク』 というタイトルから考察しなければなりませんが、 「彼の威厳ファンク王」 。いや、何だか素晴らしい訳語が出ましたな。もう、それだけで十分という気がするので、さっそく1曲目から聞いてみようと思うんですが、まずはグリーンのオリジナル、 「ザ・セルマ・マーチ」 。 音楽的にはいわゆるマーチ形式の曲でなく、1960年代半ばの典型的なブーガルー。 …と、原文ライナーに書かれておりますが、レコーディングの丁度2ヶ月前にアラバマで起こった惨劇からヒントを得て書かれたものだとも書かれております。アラバマで起こった惨劇と言えば、確かコルトレーンもそれをテーマに 「アラバマ」 という曲を作ってたよな?…ということを思い出したりもするんですが、どんな惨劇でしたっけ? アラバマで猫のバーマンが婆さんに蹴られて、あら、バーマン!?…みたいな。 と思って調べてみたらそんな生易しいものではなく、アラバマ州のセルマという街で起きたデモ行進への発砲事件とか、そういう話であるようですが、なるほど、だから 「ザ・セルマの行進」 というタイトルが付いたわけなんですな。ちなみにコルトレーンの 「アラバマ」 のほうは、その2年前に起きた協会爆破事件の犠牲者となった4人の黒人少女へのオマージュのようですが、いや、そういう背景にふさわしい、実に陰々滅々とした演奏だったりしますよね、アレは。 対するこのグリーンの作品はというと、わりと普通に能天気だったりするんですが、部分的にゴスペルっぽい要素もあって、黒くてファンクな、いかにもこの人らしい作品ですな。名前は “緑” なんですが、かなり黒っぽいんですよね。グリーンというより、ビリジアンって感じ? で、これ、単なるジャズ・ロック調のナンバーかと思って軽く見ていると、各自のソロは意外とハードだったりするんですが、まずは先発のグリーン。 のっけからいきなり得意の反復フレーズ連発で、飛ばしに飛ばしております。もう、 “一人サクランボの種飛ばし大会” 状態? やや錯乱が入ったりもしているんですが、でもって、このアルバム、サイドマンもけっこう凄かったりします。テナーがハロルド・ヴィックで、オルガンがラリー・ヤング。 特にヤングという人は、今までソウルな表現方法しかなかったオルガンという楽器にコルトレーン・イディオムを取り入れたことで、先鋭的なヤングの間では評価が高かったりするんですが、彼らの間では “オルガンはラリ・ヤン、 「別れ船」 はバタヤン” というキャッチフレーズまであったりします。悪くないですからね、田端義夫。 で、ここではラリ・ヤンのほうが、期待に違わぬモーダルなプレイを披露してくれているワケなんですが、これでテナーがジョー・ヘンダーソンだったら、かの名作、 『ユニティ』 もどきの作品に仕上がったんでしょうけどね。 いや、それは何もハロルド・ヴィックが悪い!…ということを意味しているわけではなく、彼は彼なりに健闘している遣唐使。…といった感じではあるんですけど。中国から先進的な技術や仏教の経典を持ち帰るで!ついでに冷凍ギョーザも持ち帰るで!…みたいな。 元来、単なるブロウ派と目されることもあるヴィックが、ここでは微妙にモーダルなアプローチを試みているところなど、その意欲の表れではないかと思うんですが、いや、カッコいいですよね、ここでの彼の吹きっぷり。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 期待度は決して高くないアルバムだったんですが、1曲目から思わぬ拾い物だったような気がします。

 2曲目は歌モノの 「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」 なんですが、僕は個人的にあまりこの曲が好きではありません。 「柳よ泣いておくれ」 という邦題、ちょっとセンスが悪過ぎとちゃう?…というのがその理由のひとつなんですが、どうせなら “ウィロー” の部分だけはそのまま残して 「ういろうよ泣いておくれ」 にしたほうが名古屋っぽくてよかったですよね。虐めても、あまり泣いたりしませんけどね、ういろう。 ふと、チョコフォンデュの具として、ういろうというのはどうか?…というアイデアが浮かんだんですが、ふにゃふにゃの食感は、ま、いいとして、やはりフレーバー的には甘い+甘いで、大甘になっちゃうだけですかね? 大海人皇子 (おおあまのおうじ) もビックリ…みたいな。ハンカチ王子、ハニカミ王子に続いて、甘いものが大好きな “大甘の王子” というのはアリだと思うんですが、甘すぎてアリにたかられそうではあるんですけど。 で、演奏のほうはというと、ゆったりしたテンポのバラード、というか、スロー・ブルースに近いノリでありまして、出だしからしばらくはヤングのオルガンを中心に進んでいくことになります。そしてアドリブ・パートに入ったところでグリーンの出番と相成るわけでありますが、ここでの彼はディープですな。 「ウィロー・ディープ・フォー・ミー」 と曲名を変えたくなってしまいたくなる程なんですが、リラクゼーションと適度な緊張感がないまぜになったような演奏はピーター・リーチの心を激しく揺さぶったようで、原文ライナーでは、グリーンが本作で聴かせるベスト・ソロ…などと賞されております。ま、個人的にはそれほどでもなくて、チョッキ・ソロ程度かな?…という気はするんですが、続くヤングのソロはかなりいい出来だと思うんですけどね。 とまあそんなことで、最後にテーマが再びオルガン主導で演奏されて、おしまい。

 続く 「ザ・カンタロープ・ウーマン」 は本アルバムの看板曲ということになりますか。ジャケットに “FEATURING The Cantaloupe Woman” と明記されていることからも製作者の意図は明確なわけなんですが、タイトルはハービー・ハンコックの 「カンタロープ・アイランド」 のパクリですかね? そもそも “カンタロープ” というのが一体どういうものなのか、今まであまり深く考えてみたことが無かったんですが、僕のイメージとしては、ハンガーを簡単に吊るすことが出来る洗濯ロープのようなものではないかという気がするんですけど。 で、調べてみたら、ぜんぜん違いました。 “CANTALOUPE” というのはメロンの品種なんだそうです。つまり 「カンタロープ・アイランド」 は 「メロン島」 、 「ザ・カンタロープ・ウーマン」 は 「ザ・メロン女」 ということになるわけですが、なるほど。それで、原文ライナーでピーター・リーチがハービーの 「ウォーターメロン・マン」 に言及している意味がわかりました。 スイカ男に対する、メロン女だったんですな。 スイカ男というと何となく、頭がスカスカで、叩くとスコーンという音がしそうな男というイメージがあるんですが、メロン女のほうはとりあえず、メロンパンナちゃんの顔しか浮かんで来ませんな。もしくはスノーボードの今井メロみたいなのとか。 一方、曲のほうはというと、一般大衆に媚びるムードが全開で、ある種の清々しさすらを感じてしまったりもするんですが、二匹目のドジョウ狙いというのは大抵、無残な失敗に終わりますからね。 「ウォーターメロン・マン」 というより、リー・モーガンの 「ザ・サイドワインダー」 のほうに近い感じで、ま、いずれにせよ当時流行のジャズ・ロック路線でヒットを狙ったものであるには違いありません。 この手の演奏は端からバカにしてかかるというのが批評家として賢明な態度ではないかと思うんですが、逢えてコイツを褒めるとすれば、キャンディド・カメロの存在でありましょうか。僕は基本的にボンゴやコンガがさほど好きではないんですが、キャンディを最後まで舐め続けることが出来なくて、どうしても途中で噛んでしまう傾向にあるので、このキャンディド・カメロという名前にはちょっぴり親近感を覚えてしまうんですよね。 ま、演奏のほうもアドリブ・パートに入ってしまえば、グリーン、ヤング、ヴィックの3人とも、普通にジャズ的なスリルが味わえるものになっているし、リズムの安っぽさには目を瞑るというのが黙祷する際の正しい態度であると言えるかも知れません。 ということで、テーマに戻って、おしまい。

 続いて4曲目です。今日は前半でかなり行数を稼げたので、曲解説は軽めに流しているわけなんですが、ちなみに先ほどのメロン女の曲はドラムスのベン・ディクソンのオリジナルでありました。書くのを忘れていたのでここで補足しておきますが、地道に曲を書いたりしてるんですよね、便クソくん。 で、続いての曲は 「ザット・ラッキー・オールド・サン (ジャスト・ロールズ・アラウンド・ヘブン・オール・デイ)」 でありますか。タイトル、長ったらしいですね。ジャズマンで自分のオリジナルに長ったらしい名前を付けるだけの根気があるのはデューク・エリントンとチャールス・ミンガスくらいなので、これはおそらく歌モノではないかと思われるんですが、作者のところには (Beasley Smith-Haven Gillespie) というクレジットがあったりします。 「その幸運な古い太陽 (ただ、一日中天国を転がります)」 というのが一体どのような状況なのか、まったく見当の付かない遣唐使。…といった感じなんですが、何か東洋人の発想では無さそうですもんね、これ。 原文ライナーには、ハイ・ブリッドなボサ・ノヴァにしてシャッフルのリズムで演奏されると書いてあるだけで、曲名に関する言及は何もないんですが、アメリカ人なら普通に意味が分かるんでしょうか? 人種間のギャップを感じずにはいられませんが、その点、音楽そのものには人種の壁を容易に飛び越えるだけの何かがあって、素晴らしいですよね。純粋なる日本人の僕でも、アメリカで生まれたジャズという音楽を純粋に楽しむことが出来るんですが、日本生まれの田端義夫の歌なんかより、よっぽどエエやん♪…と思うことも、しばしば、お爺さんが山に狩りに行くのは、柴。 こういうギャグがアメリカ人にはウケないところが、文学というジャンルが根源的に抱えている弱点であるわけなんですが、いや、日本人が読んでもまったくつまらないような気もするんですけど。 で、演奏のほうはハイ・ブリッドなボサ・ノヴァというので、電気モーターとガソリンエンジンを併用して走るのかと思っていたら別段そんな風でもないし、あまつさえ、さほどボサノヴァっぽくもなかったのでちょっとガッカリだったんですが、 『抱きしめたい』 路線のグラント・グリーンを許容出来るのであれば、ま、それなりに楽しめるのではなかろうかと。抱きしめたい路線のグリーンは首絞めたい。…という硬派でコアなファンには軽過ぎて物足りないと思いますが、ちなみにハロルド・ヴィックはテーマ部でフルートを吹いていたりします。ソロを取るのはグリーンだけなんですけどね。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 アルバムの最後を飾るのは 「ダディ・グレイプス」 という曲です。 「パパの葡萄」…って、果物シリーズの一環という位置付けなんすかね? 作曲者はロバート・グラハムと書いてあったりするんですけど。 メロンに生ハムというのは定番の組み合わせなんですが、ブドウにはグラハム。 シンプルなリフ・ブルースみたいなつくりになっていて、コンガもしくはボンゴのチャカポコ音も軽薄で、ジョージ・ブレイスあたりが演奏しそうなチープな雰囲気がバリバリ全開だったりするんですが、グリーンのソロはけっこう気合が入っていたりします。さほど期待もせずに買ったカルビーの “グリーンスナック” が意外と美味しかった時のような儲けた感があったりするんですが、今では “ベジたべる” という名前になってるみたいですけどね。続くヤングのソロで聴かれるめくるめくようなフレージングは、まさしくジャズ界のヤングコーンと呼ぶに相応しい出来だったりするんですが、人によってはベビーコーンという呼び方をするみたいですけどね。 とまあそんなことで、テーマに戻って、最後はフェイドアウトして、やや中途半端な感じを残して、このアルバムは以上。 やや中途半端な印象が残って、きちんと終わったような気がしないので、カップリングされたもう1枚の 『アップ・ウィズ・ドナルド・バード』 についても簡単に触れておこうと思うんですが、こちらのほうはリーダーのバード以下、ジミー・ヒース、スタンリー・タレンタイン、ハービー・ハンコック、ケニー・バレル、ロン・カーター、グラディ・テイトといった錚々たるメンバーが顔を揃えております。僕の大好きな (←名前だけ。) キャンディド・カメロも入ってます。演奏曲のほうもハービーの 「ブラインド・マン・ブラインド・マン」 「カンタロープ・アイランド」 を始め、「朝日のあたる家」 「シー・シー・ライダー」 「時には母のない子のように」 といった日本人好みのものが多く選ばれております。 ただ問題は先述のメンバーのほかにドナルド・バード・シンガーズと名付けられた聖歌隊みたいなのが参加していることなんですが、ま、 『ア・ニュー・パースペゥティブ』 を極限までベタにしたものだと思っていただければよろしいかと。 ハービーのピアノ・ソロとか、それなりに聴きどころがまったく無いというワケでもないんですけどね。ま、豪華なオマケだと思えば儲けものだと前向きに評価するしかありませんが、何でもいいけど “もうけもの” が最初、“猛獣” と変換されちゃったのは、何とかして欲しいところですな。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。


【総合評価】 ヴァーブ盤ということで、けっこうグリーン好きな僕としてもあまり多くの物は期待してなかったんですが、1曲目の 「ザ・セルマ・マーチ」 は、それをいいほうに裏切られた形でありました。 俄然、アルバム全体に対する期待度が高まったんですが、それ以降は、ま、概ね当初の予定通りの展開だったりしたんですけど。 グラント・グリーンの視点からすると、既に下り坂に差し掛かりつつある時期だったりするんですが、ラリー・ヤングにとっては 『ユニティ』 吹き込み約半年前という脂がのりかけていた頃に相当し、随所にアグレッシブな才能の片鱗のようなものを垣間見ることが出来て、よかったのではないかと思います。 さほどソソられるものがないバードのアルバムがカップリングされている点を加味すると、ま、73点といったところではないでしょうか。


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