SOUL SAUCE (VERVE)

CAL TJADER (1964/11/19,20)

SOUL SAUCE


【パーソネル】

CAL TJADER (vib) ARMAND PERAZA (perc) ALBERTO VALDES (perc)
LONNIE HEWITT (p) <#1,3-9> JOHN HILLIARD (b) <#1,3-9> JOHNNY RAE (ds) <#1,3-9>
WILLIE BOBO (perc) <#1>
DONALD BYRD (tp) <#2> JIMMY HEATH (ts) <#2> KENNY BURRELL (g) <#2>
BOB BUSHNELL (b) <#2> RICHARD DAVIS (b) <#2> GRADY TATE (ds) <#2>
GARY McFARLAND (arr) <#2>
【収録曲】

(01-03) SOUL SAUCE (GUACHA GUARO) / AFRO-BLUE / PANTANO
(04-06) SOMEWHERE IN THE NIGHT / MARAMOOR / TANYA
(07-09) LEYTE / SPRING IS HERE / JOAO

【解説】 (2007年10月08日更新)

 いやあ、体育の日ですなぁ。僕は子供の頃から体育の苦手な若手だったので、体育の授業というのは苦痛以外の何物でもなかったんですが、もう若手ではなくなってしまった今でも、相変わらず体育は苦手だったりします。子供の頃、ちょっと苦手だった苦いものは大人になって少しは大丈夫になったんですが、運動神経というのは年を取ったからといって急に改善されるというものでもないようで、そんなことでまあ、体育の日絡みの3連休、僕はちっとも体育的ではない行事に参加しようと思っております。一日行司入門とか、そういう行事に参加するのはやめて、とりあえず横濱ジャズ・プロムナードにでも行ってみようかと思っているんですが、そんなことでまあ、僕は今 (10月6日) 、新幹線の乗っているところなんですけど。いやあ、久しぶりですなぁ、横濱ジャズ・プロ。前に一度だけ行ったことがあるんですよね。 忘れもしない今から5年前。いや、もしかしたら4年前とか6年前とか7年前とか8年前とか、それくらい前の事だったかも知れませんが、詳しいことは忘れました。とにかくまあ、かれい技師関サバ師匠と一緒でありましたな。ウトナイ湖にはさほど疎くない僕も、日本のジャズ事情にはめっぽう疎く、何だかよく分からんまま行動しているうちに関サバ師匠の不興を買ってしまったようで、以来、師匠とはめっきり疎遠になってしまったんですよね。やまりえの悲劇昆布青年の悲劇と並ぶ、 “塩サバ通信三大悲劇” に数えられる痛恨の大惨事でありましたが、これに匹敵する大惨事と言えば、第3次世界大戦の勃発くらいしか思いつかないですからね。以来、僕は横濱ジャズ・プロが一種のトラウマとなってしまい、4年か5年か6年か7年か8年くらいの間、なるべくそこには近付かないようにしていたんですが、でもまあこの3連休、暇だしぃ。…というので、ちょっと行ってみることにしたんですけどー。

 とまあそんなことで赤レンガ倉庫に到着しました。ジャズプロ初日の一発目は横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホールで。…という魂胆ではなく、ここで オクトーバー・フェスト というドイツビール系のお祭りをやっているので、とりあえず食糧を摂取しようという魂胆なんですが、僕はビールがあまり飲めないので、目的はあくまでもハム・ソーセージということで。好きなんですよね、ハムとソーセージ。親に歯向かってでもハム買って食べたいと思っているほどなんですが、飲み食いする会場に入るのに入場料を取られるというのは、どやねん!?…と、大阪のオバチャンなら間違いなく文句を言うところではないかと思われます。その証拠に、全国5箇所で開催地はすべて清水より東の地域ばかりだったりするんですが、飲み食いする会場に入るのに入場料を取るって、タワケたこと言うてたらかんわ!…と、名古屋のオバチャンにも文句を言われそうですもんね。 僕は名古屋よりも微妙に西の地域の住民だったりするんですが、音がシャイで無口であるうえに、それなりにリッチだったりするので、200円くらいの入場料は心の中ではブチブチと文句を言いつつも、それを決して外に出すようなことはなく、オトナの態度に徹して中に入ることにしました。こうなったらもう入場料分のモトが取れるくらい、めっちゃ飲み食いしたるぅ!(←主催者の思うツボ。)

 馬鹿でかいテントのような会場のブースに入ると、快獣ブースカとかはいなくて、おっちゃんとかおばちゃんとか、兄ちゃんとか姉ちゃんとか、そういう人がいっぱいいました。ザート商会とか、バデンザとか、横浜ロイヤルパークホテルとか、ハライコジャパンとか、そういうところが食べ物系のお店を出しております。めっちゃ腹ペコの状態だったりすれば、僕、腹ペコ、ハライコ、行こか?…ということになったんでしょうが、11時過ぎという早い時間で、まだそれほど腹も減ってなかったのでとりあえずそこらのソーセージ屋さんに行ってみることにしました。まだそれほど腹は減ってなかったんですが、入場料分のモトが取れるくらい、めっちゃ飲み食いしたるぅ!…という意気込みで、思わずジャーマンプレートというのを購入。ハムとかソーセージとかチキンとかポテトとか酸っぱいキャベツとかがお皿の上に乗っていて、とってもお得だねっ♪…という気がするんですが、ま、お値段のほうもそれなりだったりはするんですけど。

とってもジャーマンなプレート♪

 とまあそんなことで、すっかり腹もふくれたところで関内大ホールに到着しました。初日の1発目は “中路英明オバタラセグンド” でいこうという魂胆なんですが、いいですよね、中路英明。僕はけっこうこの人の演奏が好きだったりするんですよね。…といった理由でこのセッションを選んだわけではなく、日本のジャズ事情に極めて疎い僕にはまったく初めて聞く名前だったりするんですが、 “オバタラ” というのが何となくタラ好きのオバさんみたいで、いいかな?…という気がしたので、ちょっと聴いてみることにしたんですけど。 赤レンガ倉庫から関内ホールまではちょっと距離があって、余裕をかましてソーセージを食っていたら、12時からの開演に10分ほど遅刻してしまったんですが、いちばん右の端っこながらも、前から3列目くらいの好位置をキープ。 ほっと一息落ち着いたところで、あらためて会場の様子を窺ってみると、予想と違ってあまりタラ好きのオバさんの姿は見受けられませんでした。一目でその人が本当にタラ好きなのかどうか、見抜けるだけの自信はあまりないんですが、わりと年配のオッサンの姿が目だっておりましたので、タラ好きのオバさんの数は少ないと判断していいのではなかろうかと。いや、それにしても客の年齢層がかなり高いですなー。 日本におけるジャズ業界の今後の発展に若干の危惧を抱かざるを得ないような危機的な状況なんですが、あと10年もすると日本のジャズマンの仕事場は特別養護用心ホームの慰問とか、そういうのしか無くちゃうかも知れませんね。 とまあ、そんな感じで演奏のほうはすでに始まっていたんですが、このオバタラセグンドというのはラテン系のフュージョン・バンド?…といった感じで、分かりやすくて、ま、よかったのではなかろうかと。演目のほうはあまりよく覚えていないんですが、会場に入った時、既に始まっていたのが 「コンキスタドール」 という曲で、いちばん最後が 「オバタラ」 だったのではないかと思います。とまあそんなことで、第1ステージのライブ・レポートは以上。 去り行く人たちを眺めていて、意外と若いギャルとかも来てたんやな。…ということに気が付いたんですが、日本におけるジャズ業界の今後の発展も、この調子ならまだしばらくは大丈夫かも知れません。会場ではオバタラの最新アルバム 「コンキスタドール」 が販売されていたんですが、通常は2520円のところが、特別価格2500円っ!…ということもあってか、若いギャルを中心に5枚ほど買われておりました。 さば君好みの可愛いギャルが 「一枚下さぁい♪」 と可愛い声で、めっちゃ嬉しそうにCDを買っている姿が僕の瞼に焼き付いたのでありました。

 続いて僕がチョイスしたのは “中村誠一BoNoBo Land” であります。 中村誠一は山下洋輔トリオにいたことがあるらしく、ヨースケのエッセイで名前を見たことがあるし、 “ほのぼのランド” というバンド名も何だかほのぼのとしていて、いいよね。…といった、そんな適当な理由で僕は前回のジャズプロの時もこの人の演奏を聴いたんですが、よく見たら “ほのぼの” ではなくて “ボノボ・ランド” だということが判明したんですけど。 とまあ、前回の鑑賞動機はかなりいい加減なものだったりしたんですが、今年の僕は違います。確たる意思を持ってこのセッションを選ぶことにしたんですが、それはどうしてなのかと言うと、歩いて会場を移動するのって、何か疲れるし、面倒だしぃ。…というので、とりあえず関内大ホールに居座ることにしたと、ま、そういうことだったりするんですけどー。 山下洋輔との共演と聞くと、何やら過激なフリー系なのか?…と身構えてしまうんですが、少なくとも数年前にジャズプロで聴いたボノボ・ランドは極めてオーソドックスなハード・バップをやっておりまして、で、今年もまたそんな感じだったりして、よかったのではないかと思います。ということで、セカンド・ステージのライブ・レポートは以上。

 15時40分開始のサード・ステージは1回お休みして、とりあえずホテルにチェックインして荷物を預けることにしたんですが、本日の宿泊先は ナビオス横浜 というところであります。 みなとみらい地区で値段もそこそこで、夜景が綺麗なところ。…という基準で調べていたらここに行き着いたんですが、9階のお部屋の窓から外を眺めてみると、おおっ、ランドマークタワーが目の前やーん♪

ナビオスから見た、みなとみらい地区(その1)♪ ナビオスから見た、みなとみらい地区(その2)♪

 似たような構図の写真なんですが、観覧車も見えるやーん♪ 汽車道もめっちゃええ感じやーん♪…ということで、2枚掲載させて頂きました。 ほっと一息落ち着いたところで、歩く意欲も少しは蘇って来たので、再び赤レンガ倉庫に行ってみることにして。 お目当てはもちろん、ドイツのハムとソーセージ♪…といきたいところなんですが、先日の健康診断の結果、相変わらず尿酸値が高くて痛風発作の恐れがあるとのことだったので、肉の類はなるべく自粛することにして。 17時30分からは1号館3階ホールで行なわれる “松田美緒、ジョアン・リラ、翁長巳酉グループ” というのを見ることにしていたんですが、その前に一仕事をしておかねばなりません。 それは何かというと モーション・ブルー・ヨコハマ で行なわれる寺井尚子カルテットのライブの整理券確保という重大な任務なんですが、いや、一度見たいと思っていたんですよね、尚子たんの生演奏。 たまたまジャズ・プロムナードと同じ日程でモーション・ブルーに出演するというのが判明して、慌ててチケットを購入したところ、実はこれ、ジャズ・プロのバッジがあればタダで見れるということが分かって愕然としました。どういうこっちゃ!…と思ってムカついてメールで問い合わせてみたところ、

 横濱ジャズプロムナードのチケットによっても、「10月6日NAOKO TERAI(vln) QUARTET」公演にご入場いただけます。ただし、一般のご予約が優先となるため、ジャズプロムナードのチケットの場合は、立ち見エリアへのご入場、あるいは隣接のバースペースで映像をご覧いただく可能性がございます。確実にお席にてお楽しみいただくために、既にお手続きいただきましたご予約をご利用いただきますようお願い致します。

 とのことだったんですが、こうなったらもう、尚子たんのパンツが見えるくらいのめっちゃ至近距離の席を取ったるぅ! ただ7月19日の時点でチケットを購入したからといってパンツが保証されるわけではなく、いい席を押さえるためには数々の難関をクリアしなければなりません。10月6日のモーション・ブルーはファースト・ステージが18時30分、セカンド・ステージが21時30分の開始。僕がチケットを取ったのはセカンドのほうなんですが、それぞれ演奏開始の1時間半前から入場出来るようになっています。 で、セカンド・ステージを含め、ファースト・ステージ入場開始時刻の1時間前から入場整理券が配られることになるんですが、ということは今回の場合、16時がその配布時間ということになりますね。 余裕を見て、15時40分を目標に店に行くことにしたんですが、途中、赤レンガ倉庫2号館の中でちょっと迷ってしまってモーション・ブルーに到着したのは15時50分頃だったんですが、既に階段のところまで順番待ちの列が出来ておりました。ああん! 結果、確保出来た整理券は19番という何とも微妙なものだっだりしたんですが、とりあえずこれで一安心でありますなぁ。 あとはまあ、 カフェ・マディ でベーグルサンドでも食べて、ジャズプロのセッション開始を待つことにしましょうかぁ。

なんとかチキンとどーたらこーたらの黒胡麻ベーグルサンド♪

 ちなみに僕はベーグルサンドというのが一体どんなものなのか、まったく理解しないまま、とりあえず注文してみたんですが、ベーグルだから米軍の人がゴーグルをかけながら食べるようなもの?…みたいな。 結果、出てきたものはモチモチした変な食感のパンで挟んだハンバーガーで、中身がハンバーグではなくてチキンとなんとかをマヨネーズとソースで和えてグチャグチャにしたもの。…といった感じのものだったんですが、とにかく長ったらしい名前の付いた食い物でありましたな。注文する途中で思わず噛んでしまったんですが、店のおねえさんも完全には把握していないようで、後から 「すいませーん。(メニューの上から)3番目でしたよね?」 とか、確認に来てましたけど。 ハンバーガーといっても、ベーグルでサンドされた状態でカジるにはあまりにも具の部分の占める空間容積が大きく、無理に食べようとすれば恐らくアゴが外れるに違いないので、とりあえず蓋の部分のベーグルだけを手でむしりながら食べて、具の部分をフォークで突付いて食べて、最後に残った土台の部分のベーグルを食べたんですが、果たしてそれで正しかったんでしょうか? ベーグルでサンドしてある意図が今ひとつ読め取れない、そんなちょっと謎めいた食べ物なのでありました。

 とまあそんなことで、1号館3階ホールに移動。 ここは席の数が少ないから、もしかして立ち見かな?…と思っていたら、案の定そうなってしまったんですが、ステージに出てきたブラジルから来たギタリスト、ジョアン・リラの姿を見て、愕然としてしまいました。めっちゃオッサンやん! 僕はてっきり “リラちゃん” という名前の若いギャルで、露出度の高いブラジリアンな姿でサンバを踊り狂うものだとばかりおもって楽しみにしていたんですが、いやあ、これはハズしましたなぁ。ベーグルサンドは分解して食べたので顎をハズすことはなかったんですが、まさかここでハズすことになろうとは、思わぬ展開でありました。 一方、むさ苦しい酋長みたいな爺さんだとばかり思っていた、読み方のまったく分からない翁長巳酋という人が、実は “おながみどり” という名前のおねえさん (?) だという事も判明したんですが、ボーカルの松田美緒という人がいちばん普通でありましたな。演奏のほうはというと、ブラジル風だったり、ポルトガルのファドだったり、「命短し、恋せよ乙女〜♪」 という日本語の歌あったりで、なかなかよかったのではないかと思います。リラちゃん、華はまったく無かったんですが、それなりにギターのほうはお上手だったしー。

 演奏が終わって外に出ると、もうすっかり暗くなっておしましたが、馬鹿でかいコスモクロック (観覧車) を眺めるなど、しばし付近を散策して時間を潰して、で、いよいよ本日のハイライト、 “寺井尚子 in モーション・ブルー” でありますな。整理券の19番を確保した時点ですっかり安心して、余裕をぶっこいて開演時間の21時30分ぎりぎりに店に行ったりすると、エラい目にあうことになるんですが、20時の入場開始時間 (この日は少し遅れて20時15分に変更) になった時点で、「整理番号1番のお客様、どうぞー。」 と、番号順に中に招き入れられ、好きな席を選んで着席するというシステムになっているので、いくら若い番号を手に入れてもこの時点で遅刻をしちゃうと、まったく無意味ということになってしまいます。整理券は1グループに1つの番号が割り当てられるので、2人連れのカップルが主流と考えると、19番は概ね38番目くらいの入場ということになりますか。どんどん尚子たんのパンツが見える席が埋まってしまうかと思うと、気が気でなりません。 で、案内係のおねえさんの声がとても小さくて、ぼーっとしてると聞き逃してしまいそうで恐いんですが、運悪く自分の番号が聞こえなかったのか、それとも、若い番号を確保してすっかり安心して余裕をぶっこいているのか、番号を呼ばれても誰も姿を表さないというケースが結構あります。係のお姉さんにはそういう客を救済しようという考えはあまりないらしく、「8番でお待ちのお客様ー。8番のお客様ー。」 と2回復唱して駄目だと、「では9番のお客様ー。」 と、すぐ順番を抜かされることになってしまって、なかなかシビアだったりするんですよね。 だんだんと僕の番号が近付いて来て、心臓がドキドキしてくるんですが、「15番でお待ちのお客様ー。」 と 「では16番でお待ちのお客様ー。」 が、連続して姿を表さなくて、よしっ! これで推定4人分はパンツに接近出来ることになるやんっ! 次もまた辞退でありますように。…と心の中で祈っていたんですが、 「17番でお待ちのお客様ー。」 という呼び出しに対して、オッサンが手を上げて 「はいっ!」 と大きな声で返事をした瞬間、心の底からガックリしてしまいました。オッサンというのはこうして、いついかなる場合でも世間の顰蹙を買うことになるんですが、しかもこのオッサンはゾロゾロと10人くらいの若いギャルを引き連れていて、えっ?何?今の大人数!? ただでさえアホみたいな大きな返事で反感を買ったというのに、この始末。 待っている人たちから思わずどよめきの声が上がったんですが、ああん、僕のパンツが一気に遠のいていくぅ。。。

 ま、結局、19番の僕が座ったのは、尚子たんの太股を愛でることは出来なくても、ステージの全貌を見渡すにはちょうどいい感じの席でありまして、人の不幸を喜んだり、オッサンの大人気ない言動を恨んだりといった、そんな性格の悪い人間になってまで一喜一憂するほどのことでもなかったな。…と、ちょっぴり反省したりもしたんですが、さて問題はここで何を飲み食いするかですよね。夕方の半端な時間にベーグルサンドと、付け合せの多量のポテトを食べたおかげで、ほとんど腹が減っていなかったんですが、もし、めっちゃ腹が減っていたとしても、そういう動機だけではどうにもならないほど料理の値段が高かったりするんですよね、このお店。おまけに、メニューを見ても名前だけではその実態がまったく浮かんでこないような食い物ばかりだったりして、はたはた困ってしまいます。 “ハタハタの一夜干し” とか、そういう分かりやすいのがあれば助かるんですが、とりあえずこの “豚肉のリエット トゥーレーヌ風” というのが豚肉料理のわりには¥1,050 と値段もお手頃で、いいかも知れませんな。…と、思わず注文しそうになったんですが、リエットという名前が何となく “やまりえの悲劇” を彷彿させるのでヤメにして、いちばん無難そうな “本日のパスタ” というのにしたんですが、ナポリタンかミートソースがいいな♪…という僕の希望とは違って、アサリと茸のパスタでありました。僕は貝類がさほど好きではなかったりするんですが、ま、しめじがそれなりに美味しかったから、ま、いいとして。 あ、ちなみに豚肉のリエットというのは後で調べてみたら豚肉をペースト状にしたもので、パンとかにつけて食うものなんだそうですな。もしそんなのを頼んだら豚ジャムのようなものだけが出てきて、途方に暮れるところでした。危ないところでした。 で、パスタだけではちょっと貧乏くさいので “サラダクリュディテ”¥1,365 というのも注文して、あとはお飲み物でありますかぁ。 僕は極めてアルコールに弱く、下手にお酒を飲んで酔っ払って前後不覚になってホテルに戻れなくなったり、途中で運河に転落したりしても困るので、ノンアルコールのオリジナル・カクテルを頼むことにしました。その名も “ニュー” ¥1,050 でありますか。ミルクをベースにブルーベリーの風味とカルピスのやさしい酸味が安らぎを与えてくれます。…とのことなんですが、飲んでみたら牛乳にカルピスを入れただけやん!…といった感じのお飲み物でありまして、なるほど、“ニュー” というのは牛乳の乳 (にゅう) だったんですな。ブルーベリーの風味は底のほうにドロドロにとごっていて甘ったるかったので、上澄みの部分だけを飲みました。あまり安らぎが与えられず、どちらかと言うと荒んだ気持ちになってしまたので、こうなったら酒を飲んでやるぅ!…と、ジントニックを追加注文して、こうして横濱の夜は更けていくのでありました。

 あ、肝心の寺井尚子のセッションのほうは酔っ払っていたのであまり覚えていないんですが、情熱的で迫力満点で、いやあ、バイオリン・ジャズというのも悪くないですなぁ。尚子たんはわりと小柄で、声も可愛くて、よかったです。 可愛いといえば僕の席のすぐ近くに、極めてサバ君好みのラブリーでキュートなギャルが座っていたんですが、バイオリンを習っている娘なのか、寺井尚子の演奏に合わせてバイオリンの指遣いの練習をしたりしているのが、すごく可愛かったでっす♪ とまあそんなことで、ジャズプロ1日目はおしまい♪ 2日目の模様は次回に続きまーす。

赤レンガ倉庫の夜♪

 ということで、今日はカル・ジェイダーなんですが、渾身のライブ・レポで力尽きてしまったので、後半は軽く流しておくことにしましょう。渾身といいつつ、肝心の演奏内容に関してはほとんど触れられていないんですが、人間、誰しも触れられたくないところというのはありますからね。おさわり魔のような行為に走るのはよくないよな。…という気がするので、詳しいライブの内容には触れずに進みたいと思うんですが、えーと、カル・ジェイダー。 この人の詳しい素性に関してはまったくよく分かっていないんですが、僕が知っているのは、カル・ジェイダーは、軽い痔炎だ。…ということくらいだったりします。よく分からないのでちょっと調べてみたところ、もう、ここ を読めば一目瞭然という感じなんですが、ここで取り上げられている 『ソウル・ソース』 というアルバムを僕もレビューしてみようと思っているんですけどね。 ジェイダーくんのアルバムはタワーレコードとかにいくと割とたくさんCDが並んでいたりするんですが、ファンタジー盤のマンボっぽい奴というのはどうもあまりソソられるものがなくて、今までずっと素通りしておりました。 そんな中、前回、ビクター・フェルドマンを取り上げるに当たっていろいろサイトを漁っていたら、こんなページ に辿り着いたんですが、カル・ジェイダーのバカラック集、悪くなさそうぢゃん♪…と思ってリンクを辿ったところ、ヴァーブ盤のソウルなソースの1枚を発見しました。2枚を合わせて買って聞き比べたところ、バカラック集、ちょっと馬鹿みたいに軽過ぎとちゃう?…という気がしたので、今回はソウルなソースのほうを取り上げてみることにしたんですが、ジャケットのセンスもヴァーブにしては悪くないですよね。魂のソースというのはどうやらタバスコのようなものらしいんですが、後ろに見えているのはソウルフードの類なんですかね? 何だか猫用のカリカリ餌にコイル状の金属を投入した謎の食い物のようにも見えるんですが、この金属のヤツ、噛むと奥歯の詰め物と反応して不快な衝撃が走りそうで、ちょっと嫌ですなぁ。出来ればこのコイルは排除してカリカリ餌だけを食べたいところなんですが、僕は漫才師の昭和のいる・こいるでも、 “こいる” よりも “のいる” のほうが好きだったりするしぃ。 とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょうかぁ。

 まず最初はタイトル・チューンの 「ソウル・ソース」 なんですが、これはアレですな。世間でもっぱら 「ガウチャ・グァロ」 という名前で知られているお馴染みのラテン・ナンバーの異名同曲なんですな。 世間でもっぱら 「ガウチャ・グァロ」 という名前で知られていると言われても、そんな曲、知らん!…という人は少なくないかも知れませんが、英語風に発音すると 「ワチ・ワラ」 となって、これだったら何となくピンと来る人もいるかも知れません。それで分からなくとも、演奏が始まれば、ああ、これかぁ♪…と、誰もがハタと膝を打つことになると思うんですが、省エネルックでお馴染みの羽田孜だって、ハタと膝を打つに違いありません。まったく定着しないまま滅亡しちゃいましたけどね、省エネルック。 そうか!スーツを半袖にするのではなく、上着を脱いでノーネクタイにすればよかったのか!…と、昨今のクールビズを見て、ハタと膝を打っているに違いありませんが、今はこの世にいない偉大なコンガ・ドラマーのチャノ・ポゾがディジー・ガレスピーと一緒に書いた曲である。…と、原文ライナーの日本語訳に書かれております。チャノ・ポゾ君がどうして今はこの世にいないのかというと、死んじゃったからなんですが、確か粗暴な性格が祟って、撲殺されちゃったか何か、そういう最期を遂げたのではなかったかと。調べてみたら確かに Wikipedia にもそのようなことが書かれておりますな。そうですか。33歳で死んじゃいましたか。いくら偉大なコンガ・ドラマーでも性格が粗暴ではいけませんね。 ちなみに僕は決して粗暴な性格ではないんですが、“鶏そぼろ” はけっこう好きだったりするので注意しなければなりません。 バーでつきだしに鶏そぼろを出されて、隣の客がそれを残しているのを見て、「いらんのやったら食べたるわ♪」 と、ガーっと口の中に入れたことろで、「ああっ!後から食べようと思って楽しみにとってたのにぃ!」 というので喧嘩になって、撲殺される恐れが絶対無いとは言い切れません。 で、演奏のほうはと言うと、かなり軽めだったりするんですが、もう、カルメ焼きと同じくらい軽めなんですよね。 このアルバム、カル・ジェイダーの最高傑作!…みたいな触れ込みだったのでかなり期待していたら、ちょっと肩透かしを食った感じが無きにしもあらず。 ジェイダーのヴァイブによるイントロに続いて、「わちわら♪」という、オッサンたちの掛け声。 それが2回繰り返されてから、めっちゃラテンでハッピーなテーマ部が始まるわけなんですが、いかにも!…といった感じで、思わず気分がウキウキして、体だって思わずスイングしちゃいます。 続くジェイダーのソロもスムーズなフレージングで大いに楽しめるわけなんですが、いかんせん、演奏があまりにも短過ぎぃ。2分22秒では、始まったと思ったらすぐに終わってしまって、ちょっと物足りませんなぁ。

 ということで、2曲目です。 「アフロ・ブルー」 。作曲者としてサンタマリアの名前がクレジットされておりますが、紛うことなくコルトレーンの例のあの曲だったりします。合い言葉は、アフロと軍曹、アフロ、(アフロ) 軍曹、(軍曹) スリー、ツー、ワン、ファイヤー♪…って、それは『ケロロ軍曹』のエンディング・テーマ 「アフロ軍曹」 なので、紛うことなく間違っている、ぜんぜん関係のない歌だったりします。コルトレーンの 「アフロ・ブルー」 は寺井尚子の最新アルバム 『ジェラシー』 でも取り上げられているので、モーション・ブルーで演奏されることを期待していたんですが、ライブで演奏したのはタイトル・チューンのほうでありましたな。ま、悪くはないんですけどね、「ジェラシー」。 ジェラシー、愛の言葉は、愛の裏側、ジェラシー♪ …という井上陽水かと思っていたら、ぜんぜん違う曲だったんですが、とまあそんなことで、カル・ジェイダーの 「アフロ・ブルー」 。この1曲だけ特別な編成となっておりまして、ドナルド・バードジミー・ヒースケニー・バレル、さらにはリチャード・デイビスグラディ・テイトといった錚々たる人たちが名前を連ねております。最初、このパーソネルを見て、これはもう、買うしかないよね♪…と、 「風の谷のカウシカ」 状態になってしまったんですが、実際に買ってみたらこのメンバーの演奏が聞けるのはたったの1曲だけ、しかもジミー・ヒースあたりはソロの出番無し。…というのが判明して、ちょっぴり騙されたような気分になったんですが、いや、よく確かめずに買っちゃった僕が悪いんですけど。 ま、そうと分かればこの1曲を存分に楽しむしかないんですが、チャカポコのコンガと、洗濯板みたいなラテンのパーカッションによる導入部に続いて、カル・ジェイダーが軽くテーマの出だしの部分を演奏して、続いて、ギターとトランペットが入ってテーマの続きが演奏されて、更にはテナーも入って賑やかになって来て、でもって、ソロ先発はバレルのギターでありますか。続いてドナルド・バードのソロがフィーチャーされて、1曲目とは打って変わって、こりゃ、純粋にジャズとしても楽しめるよな。…といった演奏になっていたりするんですが、とまあそんなことで、最期にヴァイブのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。以上を持ちまして、僕のお目当ては終了となりました。

 3曲目からはヴァイブ+ピアノ・トリオ+ラテン・パーカッションという編成に戻って、で、まず手始めは 「パンターノ」 でありますか。ピアニストとして参加しているロニー・ヒューイットという人のオリジナルのようでありますな。非常に分かりやすいポピュラーな感じのメロディを持った作品なんですが、 「パンターノ」 といえばモーション・ブルーでパン頼もうか?…と思って、結局、やめておきました。 ま、別にどうでもいい話なんですが、パンターノで思い付くネタがそれしかなかったので、とりあえず書いておきました。 演奏のほうは極めてシンプルで分かりやすいものとなっておりまして、ま、パーカッションをバックにヴァイブでラテン曲をやろうとすれば、だいたいこんな感じになっちゃうやろな。…という、想像通りの出来であると言っていいのではなかろうかと。作曲者ヒューイットくんのピアノ・ソロがなかなかいい感じでありまして、これもまた2曲目同様、立派なジャズであると判断してもよさそうなんですが、いかんせん、演奏があまりにも短過ぎぃ。 やや物足りないところがちょっとした欠点ではありますが、続いては 「サムホエア・イン・ザ・ナイト」 でありますか。いかにもイン・ザ・ナイトなゆったりとしたテンポの作品でありまして、ボサノヴァではないこのリズム、何と言うんでしたっけ? ここには典型的なラテン・ジャズをはじめ、サルサ、ファンク、ブーガルーなど、さまざまなダンス・ビートが含まれている。…と、小川隆夫クンが日本語ライナーに書いているので、恐らくその4つのうちのどれかに当てはまるんだと思うんですが、典型的なラテン・ジャズではないし、ファンクともちょっと違うような気がするので、消去法でいくとサルサかブーガルのどちらかということになりますよね。 猿かブーかと言われると、それほど猿っぽい感じはなくて、豚肉のリエット・トゥーレーヌ風のように聴くえなくもないので、あるいはブーガルーなのかも知れません。テンポがゆったりなので、ルー・ドナルドソンの 「アリゲーター・ブーガルー」 とは似ても似つかなかったりするんですが、ヴァイブの音色がよく似合う都会の夜のアンニュイなひと時。…といった感じで、悪くないナンバーだと思います。

 続いてはアルマンド・ペラーサのオリジナルで、 「マラムーア」 という曲です。ペラーサ君はパーカッション担当としてこのアルバムに名前が見られるんですが、いや、性別は不明なのでもしかしたらペラーサ君ではなくて、ペラーサちゃんだったりするのかも知れませんね。いずれにしろ、外国語に堪能な人というイメージがあるわけなんですが、英語でもフランス語でもポルトガル語でも、ペラーサはなんでもペラペラさ!…みたいな。 ついでに給料袋もペラペラさ!…みたいな、そういうオッサン系のキャラであるようにも思われるんですが、今の若いOLは中に明細書しか入っていない給料袋しか貰った経験がないので、そういうギャグはもはや世間では通用しないことに早く気が付いて欲しいと思います。時代が読めない、空気が読めない、ついでに老眼だから目から離さないと新聞の字が読めないというのがオッサンの欠点だったりするんですが、いや、そういう僕のセンスも今の時代にはどうか?…という気がしないでもないんですが、ま、自覚があるだけまだマシだと自分では思っているんですけど。 で、「マラムーア」 なんですが、これはアレですな。典型的にダンサブルなラテン・ナンバーですな。ジャンルで言うと、「ウーッ!」 という耳障りなオッサンの声が出てこないのが救いであるマンボ系といったところでしょうか? 最近のおじさんはメタボリックを警戒してよく万歩計をつけて歩いていたりしますが、マンボ系で踊るというのもひとつの手かも知れません。 ジェイダーの素晴らしいソロが堪能出来るナンバーなんですが、ラテン系だとどうしてもテクニックというより、勢いだけのように見られるなところがあって、ちょっぴり損な立場にはありますよね、ジェイダー君の場合。 で、続いてヒューイットのハッピーなピアノがフィーチャーされて、テーマに戻って、チャンチャン♪

 6曲目、 「タニア」 。風邪をひいて、喉に絡んでるって、それは「痰や」。…とか、もはや今日の僕にはそういうネタしか思いつかないんですが、2日間、横濱の街を歩き回って、ちょっと疲れちゃいましたからなぁ。 で、これ、ピアノのヒューイットのオリジナルなんですが、ヴァイブとピアノの絡み具合がなかなかジャズっぽいファンキー調のナンバーだったりしております。5分27秒と演奏時間のほうもこのアルバムの中では最長となっておりまして、ジェイダー、ヒューイットの順で繰り広げられるアドリブも傾聴に値する素晴らしい出来となっております。 ただ軽いだけと思われがちなこの1枚にあって、背中に一本筋の通ったセスジザウルスのような1曲と言えるでしょう。いや、そんな名前の恐竜が本当にいるかどうかは知りませんけど。 で、続く 「レイト」 はヒューイットとジェイダーの共作でありまして、こちらはゆったりとしたテンポのラテン風M.J.Qみたいな仕上がりだったりしますな。 ヒューイットのソロはちょっぴり下品であまりジョン・ルイス的ではないんですが、そこのところが個人的には好ましくも思えたりして、こうなってくるともう、M.J.Q風でも何でもありませんな。いずれにせよ、残すところあと2曲のところまで何とか漕ぎ着けたので、さ、あと一息、頑張りましょう。

 8曲目はスタンダードの 「スプリング・イズ・ヒア」 。 敢えてラテンを感じさせない歌モノを持って来たという感じなんですが、4曲目の 「サムホエア・イン・ザ・ナイト」 によく似た感じのスローなブーガル、略してスローガルなリズムで演奏されております。 いや、もしかしたらスローなサルサだったりするのかも知れませんが、これこそ、ラテン風M.J.Qみたいな仕上がりと言えるかも知れませんね。ま、そうまで無理にM.J.Qに拘る必要も無いんですが、ということで、いよいよラストです。 「ジョアン」 という曲なんですが、これはアレですな。ピアニストで作曲家でもあるクレア・フィッシャーがジョアン・ジルベルトに捧げたナンバーなんですな。 言われてみれば確かにジョアン・ジルベルトがオッサンで、アストラッド・ジルベルトのほうがお姉さんだったりするので、ジャズ・プロに出演していたジョアン・リラはリラちゃんというギャルではなく、ジョアンという名前のオッサンだとしても別に不都合はないわけですが、カル・ジェイダーの演奏する 「ジョアン」 は軽めのボサノヴァ風だったりして、ま、悪くないのではないでしょうか。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。


【総合評価】 タイトル・チューンの軽いノリは、いくら何でも一般大衆に媚び過ぎぃ。…といった感じだったんですが、 「アフロ・ブルー」 で何とか息を息を吹き返しました。それ以降、幾分ジャズ的スリルに欠ける作品も見受けられましたが、B面トップの 「タンヤ」 と、それに続く 「レイト」 でジェイダーとロニー・ヒューイットのテンションは頂点に達し、残りの2曲で緩やかに下降曲線を描いて、フィニッシュ。 ま、そんな感じの1枚でありましたな。 ラテン好きでちょっと都会的なギャルには、けっこういいかも?…という気がしないでもありません。


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