WE THREE (PRESTIGE)

ROY HAYNES (1958/11/14)

WE THREE


【パーソネル】

PHINEAS NEWBORN (p) PAUL CHAMBERS (b) ROY HAYNES (ds)
【収録曲】

REFLECTION / SUGAR RAY / SOULITAIRE
AFTER HOURS / SNEAKIN' AROUND / OUR DELIGHT

【解説】 (2007年07月01日更新)

 伊豆に行ってみようかと思っております。 伊豆には今まで2回ほど行ったことがあるんですが、1回目はかれこれ15年ほど前ということになりますか。社員旅行で修善寺の辺りに泊まったような気がするんですが、その時、僕は会社のおねえさんに褒められました。宴会の時はコンパニオンにモテモテでした。あまりにモテモテだったので調子に乗っていたら、後で会社のおねえさんから嫌味を言われたりしたんですが、順を追って説明しましょう。 まずは会社のおねえさんに褒められた件。 その時、僕は幹事をやっていたんですが、旅館に到着すると部屋の中の座卓の上に 「追加料理のご案内」 と書かれたご案内が置いてあったんですよね。 それを見るともなしに眺めていると、会社のおねえさんがやってきて、「ねえこれ、どうする?この旅館、めっちゃ安かったやーん。宴会の料理、足らんのとちゃーう?」 僕は3秒ほど熟慮した後、大きく頷いてフロントに電話をして、3品ほど記載があった料理のうち “海老の塩焼き” というのを追加で注文したわけなんですが、 「海老なら大抵の人が食べれるやーん。」 と、僕がその選定理由を述べると、そのおねえさんは 「アンタ、すごいやーん♪」 と、何だかえらく感心してくれたのでありました。 決断力が鈍くて、いつも料理の注文に手間取ってしまう僕としては、我ながら素早い追加注文の判断だったと思います。 ま、結局のところ、この旅館の宴会料理は値段の割に量が多くて通常メニューだけでも食べきれなかったりして、追加の海老、余分やったな。…という結果に終わってしまったんですけどね。

 続いて、コンパニオンに大いにモテたという件なんですが、この時、僕は参加人数とのバランスを考えて、ま、3人が妥当かな?…と思われるコンパニオンを幹事権限で4人ほど手配しておりました。 僕はいつもこういう場では、会社のおねえさんからもコンパニオンからも ほとんど相手にしてもらえなくて、この日も独りで寂しく海老の足を毟っていたわけなんですが、するとそこに1人のコンパニオンがやって来て、「ねえねえ、この後、2次会行くよねー?私たちも一緒に行きたいんだけど、いいよね?ね?ね?」…と、しきりに僕にアピールしてくるんですよね。 こうも熱心にお誘いを受けては断るわけにも行かないので、コンパニオン全員の時間延長を快諾した次第でありますが、いや、モテる男はつらいです。 ま、結局のところ、2次会では4人のコンパニオンからほとんど相手にして貰えず、1時間きっかりで彼女たちは 「それじゃあ。」 と言い残して帰ってしまったんですけどね。 旅行の後で収支報告書を作成して社内に回覧したところ、会社のおねえさんから、「コンパニオンって、高いねぇ。コンパニオンの人数、多過ぎたよねぇ。コンパニオンの延長は余計やったよねぇ。」…と、さんざん言われてしまったんですが、ま、幸いにも海老の塩焼きが幹事の先走りによって追加注文された件に関しては特にお咎めがなかったんですけど、 で、2回目の伊豆旅行に関しては ここ を読んで貰うとして。 あ、ここにも同じようなコンパニオンねたが書いてあるので、出来ればあまり読んで欲しくないところなんですが、初回が修善寺、2回目が伊東の近辺だったので、今回は熱川の辺りまで足を伸ばしてみようかと思っております。

 とまあ、その前に伊豆の国市というところにも行ってみようかと思っているんですが、どこやそれ?…といった感じですよね。 どうやらそこでブルーベリー狩りが出来るらしというので、行ってみようと思うんですが、具体的に言うと 大富農園 というところなんですけど。ブルーベリー狩り(お土産付き)と洋ラン狩りがセットになって、1600円。伊豆の大富農園の洋蘭狩り入場料600円は最低です。まるで花が摘めるような題名ですがただ見るだけです、花が咲いているのは100本程度で近所の花屋に見に行った方がよっぽどいっぱい見ることができます。家族6人で3600円全部見るのに3分で終わりました、馬鹿にするのもほどほどにしろーーー!!!!!…などという投稿もありましたので、洋ラン狩りのほうにはまったく期待が持てないような気もするんですが、抱き合わせのセット販売になっているので洋らんを見ないわけにもいかないんですよねー。 伊豆の国市内では他にもブルーベリー狩りだけで1000円という農園が2件ほどあるんですが、大富農園だけがハウスになっていて雨でも大丈夫らしいし、ブルーベリー狩りに来てくれた方は伊豆マンゴーが試食できるかも?…と書いてあるのも期待が持てますよね。通信販売のページを見ると、約500g以上1玉 10,500円(税込)とあったりして、とてつもなく高級みたいなんですよね、伊豆マンゴー。 500g以上の “以上” という部分と消費税の500円を相殺して500g10,000円として計算すると、5gで100円。 試食で30g食べることが出来れば、ショボい洋ラン狩りの分は元を取ることが出来ますもんね。 ま、試食出来るかも?…と書いてあるわけなので、もしかしたら試食できないかも?…という事態も覚悟しておいたほうがいいのかも知れませんが、ブルーベリーと洋ランとブルーベリー羊羹さえあれば、僕としては満足だったりするんですけど。

 で、他に何か見るべき観光スポットは無いのかと思って調べてみたところ、 こんな素敵な植物園 があるのを発見しました。 “天城万籟植物園” 。読めんっ!! どうやら “あまぎばんらいしょくぶつえん” と読むらしい。…というのは分かったんですが、たとえ読めるようになったとしても、書けんっ!! 調べてみたら “万籟” というのはどうやら、風に吹かれて色々な物が立てる音のことを意味するようなんですが、そういうことなら “天城ザワザワ植物園” とか、そういう名前にしたほうがよかったような気もします。 いずれにせよこの植物園は公式サイトのURLが “http://plaza.across.or.jp/~teshimamikio/” となっていることからも分かるように、テシマミキオくんが個人で管理しているようなんですが、どうやらこのミキオくん、かなりの高齢なんだそうで、 「そろそろヤメたい。」 みたいな弱音を漏らしていると、ちょっと小耳に挟んだりもしたんですけど。 事実, “園内の風景” のところを見ると、かろうじて “シラン” や “カセンソウ” といった案内札が見られるものの、概ね、ただの山道か荒地のようにしか見えなくて、とても管理が行き届いているようには見られません。 で、7月にはどんなお花が咲いているのかな?…というのが気になるところなんですが、残念ながら “季節の花々” のところは3〜6月の4ヶ月分しか更新されておりません。 ま、1〜2月はまだあまりお花も咲いてないだろうし、7月以降はこれからどんどん更新する予定なんでしょうな。…と、僕は好意的に受け止めていたんですが、よく見たら最終更新日が 2002/5/27 なっているんですよね。5年間、放置状態かいっ! ちなみに開設日は 2001/8/8 のようなんですが、1年間、続かんかったんかいっ! ま、恐らく、木のキャラクター (“ミッキー” とかそんな名前?) の腕が動くアニメーションを作った時点で、力尽きちゃったんだと思うんですが、園主のミキオくん、まだ生きてますかね? もし、まだ開園しているようであれば、山野草のコレクション…というか、自生状況は全国でも屈指らしいという評判なので、お花の撮影に是非とも行ってみようと思っているんですけど。

 で、後は熱川です。熱川にはですね、ビーチがあります。 “熱川YOU湯ビーチ” というのがその名前なんですが、いかにも湯の町らしいナイスなネーミングですよね。 ナイスなネーミングなんですが、砂は無いっすな。…ということはなくて、東伊豆町で唯一の砂浜海岸と書いてありますな。 前回行った この海水浴場 は、砂が無いっすな。…なビーチでありまして、砂利浜なので水が濁らなくて、透明度が高いというのが利点らしいんですけどね。 ま、確かに水は綺麗だったんですが、個人的にはやはり砂浜のほうが気分が盛り上がるんですよね。 「ああん、ぱんつの中に砂が入っちゃったぁ。。。」 「どれどれ、僕が見てあげるね。」 「いや〜ん♪」 …というのがあってこその海水浴やろ!?…と思わずにはいられないんですが、ま、今回、僕が行こうとしている7月7日頃にはまだ海開きしてないみたいだし、自分のパンツの中を見たところで、「いや〜ん♪」も何もあったものではないので、別にどうだっていいんですけど。 で、熱川と言えば絶対にハズせないのが 熱川バナナワニ園 なんですが、いいですよね、バナナとワニ。 僕は小学生の頃、同じクラスのニワ君がさほど好きではなかったんですが、ワニはまあ、そこそこ好きでした。カニと同じくらい好きでした。 ちなみに僕は子供の頃、カニがあまり好きではなくて、果肉入りゼリーはともかくとして、カニ肉入りゼリーというのは、あまり食べたくないな。…とか思っていたんですが、オトナになって慰安旅行の宴会とか忘年会なんかでカニを食べるようになって、わりと好きになりました。カニの足を茹でてシンプルに三杯酢で食べるのが好きなですが、味噌か、足か、アシカか?…と言われると、僕は断然、足のほうが好きです。アシカというのは食べたことがないし、蟹ミソは見るからに気持ちが悪くて、とても食べる気にはなりません。ニ杯酢か、三杯酢か?…と言われると、僕はその区別があまりついていないので何とも言えないんですが、えーと、酢と醤油を混ぜるとニ杯酢になって、そこに味醂とか酒とか砂糖なんかを加えると三杯酢になるということなんですかね? となると、僕は少し甘みがあるほうが好きなので、やはり三杯酢のほうがいいと思うわけなんですが、カニとウニとワニ、この中で食べるとしたら、僕の場合、やっぱりカニということになりますかね?

 カニ料理と言えば山陰・若狭・越前のあたり、ウニ料理は三陸海岸が有名なんですが、日本でワニを食べている地域があるというのを知っていましたか? 僕は知りませんでした。先ほど、何気なく “ワニ料理” で検索してみて、それが備北地域の郷土料理であることを初めて知ったんですが、備北地域というと、えーと、広島県北東部の三次市、庄原市のあたりと言うことになるんですかね? これらの地域ではいったいワニをどのようにして食べているのかというと、刺身、フライ、天麩羅、南蛮漬け、さらには “ワニ茶漬け” や “わにカツカレー” といったメニューまであるそうですが、和風、洋風、さらにはインド風と、調理方法はバラエティに富んでおります。 ま、ワニを煮て食べようと焼いて食べようと、生で食べようと、油で揚げてカレーに入れようと、それは個人の自由なので、僕がとやかく言う筋合いはないんですが、それはそうと、広島県で本当にワニなんか獲れるんですかね?…と思ったら何のことはない、この地域では “サメ” の事を “ワニ” と呼んでいるという、ただそれだけの話だったんですけどね。 “サメ茶漬け” や “さめカツカレー” ということなら、さほど珍しい食べ物ではありません。 サメフライやサメの天麩羅あたりは、冷めてもわりと美味しく食べられそうです。 サメではない、爬虫類のほうのワニ料理はというと、これはやはりアフリカとかアマゾンの辺りで食べられているようなんですが、日本でも犬山のリトルワールドの中にあるエスニック料理 「サファリプラザ」 という店で、ワニステーキ、ワニハンバーグ、ワニの串焼き、もしくはワニ肉団子が食べられるそうです。ステーキや串焼きはともかくとして、わざわざワニをミンチにしてハンバーグや肉団子にする意味があるのか?…という気がしないでもないんですが、ま、ワニの肉でもクズみたいな部位は、とりあえずミンチにでもするしかないのかも知れません。 あ、3日間かけてじっくり煮込んだワニチャーシューが入った “ワニラーメン”(950円) なんてのもあるようですが、こういうメニューこそ、熱川でも食べさせて貰いたいところですよね。バナナワニ園にはワニ料理の店はないんでしょうか? …と思って調べてみたら、どうやら小マシな普通のレストランすらなさそうな感じなんですけど。そんなことでいいんですかね?いや、きっとよくないですよね。こうなったらもう、伊豆シャボテン公園 にも行ってやるぅ!

 幸い、こちらのほうはサボテン料理満載っ♪…でありますな。 れすとらん 「ギボン亭」 ではサボテングリーンカレーにサボテンハンバーグ。中華 「ちゃお」 ではサボテンラーメン、サボテンチャーハン、サボテン揚げギョーザ。さすがに日本料理とサボテンというのは、ちょっと無理があるかな?…と思っていたんですが、和食処 「花むすび」 にはサボテンそば、サボテンうどん、サボテンかき揚げというメニューがあって、中でもサボテンとおそばの相性は抜群!…なんだそうで。 和・洋・中、さらにはインド料理まで押さえてあって、備北地域のワニ料理に勝るとも劣らないバリエーションであると言えるでしょう。 テイクアウトショップの 「ベル・ステーション」 にはシャボテンソフト、「おみやげ館」 にはサボテンあら搾りジュースと、デザート系にまで手を伸ばしているのは、ワニやサメにはちょっと真似の出来ない芸当でありますな。ワニをあら搾りしてみたところで、恐らく、とてつもなく生臭いジュースにしかなりそうもありませんもんね。 もっともサボテンのほうも頑張ってジュースにしてみたところで、キューリの絞り汁みたいとか、フルーティーな青汁みたいと言われる程度の飲み物にしかならないみたいなんですけどね。 ま、この手のものはあくまでも “話のタネ” に飲んだり食べたりするものであって、普通に美味しいものを食べようとするなら、サボテンよりもサバ天とかのほうがよかったりするんですよね。 ところで熱川のバナナワニ園って、バナナとワニしかいないのか?…と思ったら、さすがにそれだけでは客が呼べないと思ったのか、レッサーパンダもいるんですね。レッサーパンダにはシセンレッサーパンダとニシレッサーパンダの2種類がいて、日本の動物園には全部で230頭ほどいるそうなんですが、ニシレッサーパンダを飼育しているのはここだけなんだそうです。 僕は中華三昧でも四川風拉麺というのがあまり好きではなかったりするので、四川風ではなくて、ニシ風のレッサーパンダが見れるというのはちょっと嬉しいですな。 ま、大きさと模様が微妙に違うくらいで、あまり大きな違いはないみたいなんですけど。

 ところで伊豆のシャボテン公園って、サボテンしかいないのか?…と思ったら、さすがにそれだけでは客が呼べないと思ったのか、こちらのほうはチンパンジーとコンゴウインコに力を入れているみたいです。チンパンジーの学習発表会、なかなか楽しそうですよね。サルは子供たちにも大人気ですからね。 一方、コンゴウインコの学習発表会というのはちょっと微妙な感じがするんですが、子供というのはウンコは好きでも、インコのほうはさほどでもなかったりしますからね。 となると、ここはひとつオトナ向けのショーに仕立てるという手もあるわけですが、例えばですね、今は無き元祖国際秘宝館で行なわれていた “馬のマル秘ショー” をヒントに “インコの淫行ショー♪” をやってみるとか? ( ← 「静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例」違反?) とまあそんなことで、今度の週末、僕は伊豆方面に出掛けることになっていて原稿を書く暇がありません。このコーナーの更新はサボテンだけに、サボってええよね???…と、読者の皆さまにお伺いをたてておいて、今日のお話はおしまい。

 とまあそんなことで、今日はロイ・ヘインズです。通称、ロイヘン。 僕はどちらかと言うと、“ロイヘン” よりも “ロイヘイ” のほうがヘイヘイした感じがして、いいかな?…と思っているんですが、 “ロイヘン” でググると22件ほどヒットするのに対して “ロイヘイ” だと関係なさそうなのを含めて 5件しかヒットしないので、ここは多数決に従うことにして。めっちゃ民主的ですからね、僕って。 で、今回は 『ウイ・スリー』 というアルバムを取り上げてみたいと思うんですが、有名ですよね。定番といってもいいし、人気盤であると言ってもどこからも文句はこないでしょう。 この “jazz giant” というコーナーは、あまり他のサイトでは取り上げられていない、すきま産業的な作品を広く世間に知らしめるというのをコンセプトにしているんですが、さすがにドラマーのリーダー作も5順目あたりとなると、手持ちのネタが少なくなってくるんですよね。 今回 『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』 と、どちらにするかで悩んだんですが、あちらのジャケットには4人が顔を揃えているのに対して、こっちのほうは3人なので、ジャケ絵を書くのが少しでも楽なほうを選びました。こういう場合、多数決というのは採用されません。少数先鋭、これで行きましょう。 で、僕たち3人の内訳を見るとですね、リーダー以下、ピアノがフィニアス・ニューボーンで、ベースがポール・チェンバースとなっておりますな。このアルバムはロイヘンのリーダー作というよりも、フィニアス・ニューボーンの代表作として知られているんですが、この人の場合、自分のリーダー作が日本ではあまり人気がなかったりしますからなぁ。数多いパウエル直系のハードパップ派ピアニストとは一線を隔したスタイルであることが我が国では裏目に出たわけなんですが、レッサーパンダに例えるなら、ポピュラーな四川系ではなくて、ニシのほうということになりましょうか? が、実際のところ、この2者にさほど大きな違いは無いということが分かる実例として、このアルバムは貴重な存在であるわけですが、ま、サイドマンという気楽な立場なので、さほど自己のポピュラリティにこだわる必要がなかったという側面もあるのかも知れませんけどね。その意味であまりフィニアスらしくは無いと言えるかも知れませんが、ま、これで人気が出るなら結果オーライということで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まず最初はレイ・ブライアントのオリジナルである 「リフレクション」 という曲なんですが、いや、これはいいですよね。とってもリフレクションな感じがするところがいいと思うんですが、ところでリフレクションって、一体どういう意味なんすかね?…と思って調べてみたら、どうやら反射、反響、影響、もしくは熟考、熟慮ということのようなんですけど。いや、僕はてっきり、リラックスしたレクリエーションのリフレッシュみたいなもの?…とか思っていたんですが、ぜんぜん違ってました。となると、先ほどの 「とってもリフレクションな感じがする」 という発言もちょっと怪しくなってしまうんですが、熟慮に欠ける先走り的な行動であったと、ちょっぴり反省しております。ま、それはそうとこの曲、どう考えてもリラックスしたレクリエーションのリフレッシュみたいな感じがして、反射とか熟考には聞こえなかったりしますよね。でもまあ、曲のタイトルなんてのはただの記号に過ぎないという側物的な意見もあるわけで、ここはひとつ、あまり深くは考えないことにしておきましょう。 フカヒレのスープを食べる場合も、フカってもしかして、サメ? …とか、あまり深く考えてフカ食うことはありませんもんね。ちなみに僕にとってフカヒレという食材は可もなく、不可もなくといった感じでありまして、鴨のほうがいいカモ?…とか思っているんですけどね。 で、ここでの演奏の出来栄えのほうはどうなのかと言うと、これはもう、間違いなく “優” であると言っていいでしょう。ビシっ!ビシっ!とシャープに決まるシンバルの一撃は、これぞロイヘンというべき得意技のひとつであるわけですが、テーマ・メロディにぴったりフィットしたドラミングはパンツに例えるならば純白のブリーフといったところでしょうか? ストップタイムをうまく使ったりして、なかなか隙が無くて、納まりがいいですよね。 で、ブライアントの書いたテーマ・メロディが何とも言えずに日本人好みだったりするんですが、もう、この1曲を聴くだけでもこのアルバムは “買い” ですよね。 「ウイ・スリー」 というだけのことはあって、3人が一体となった三位一体な3Pプレイを堪能出来るわけなんですが、特にドラムスとピアノとの絡みがねっとりとしていて、濃厚です。 とかくテクニックに走りがちであると、いわれのない批判にさらされることもあるフィニアスのソロもここではシングル・トーンを中心としたシンプルなものとなっておりまして、それでもやはり、この人の才能の片鱗が垣間見えるカイマンワニ。…といった場面もあったりして、ちなみに熱川のバナナワニ園でも見れるみたいですけどね、カイマンワニ。ま、普通のワニですからね。 で、その後、ロイヘンのソロで大いに盛り上がったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いや、いいですな、こりゃ。

 2曲目の 「シュガー・レイ」 はフィニアスのオリジナルです。 やや、ねっとりとした感じのブルースなんですが、シュガーというのは結構ネチっとしますからね。かく言う僕は今、バームクーヘンを食べながらこれを書いているので、キーボードがちょっぴりネチくなってたりするんですが、どうしてバームクーヘンなんか食べているのかと言うと、先週の日曜日の婆さんの十三回忌の法要で手土産として貰ったからなんですけどね。結婚式ではよく土産に持たされるんですが、法事でバームクーヘンというのは新基軸ですよね。ま、好きだからいいんですが、テーマ部ではヘインズが1曲目と同様、ストップタイムも交えて、メロディにぴったり寄り添うようなドラミングの技を聴かせてくれております。 ピアノのソロ・パートに入ると、わりと普通にオーソドックスな4ビートに転じることになるんですが、ここでのフィニアスのプレイは、かなりオスカー・ピーターソンに近くなっているレッド・ガーランドといった感じでしょうか? 略してオスピーランド…って、そんなものを略してみたところで何がどうなるわけでもないんですが、ポール・チェンバースのピチカート・ソロもフィーチャーされていたりして、いや、アルコでなくて本当によかったと思います。僕はバイオリンを弓で弾くギャルというのはかなり好きだったりするんですが、ベースを弓で弾くオッサンというのはどうしても許せないんですよねー。由美かおるの入浴シーンというのは普通に好きだったんですけど。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 続いては 「ソリティア」 という曲ですね。  「剃るっていいわ♪」 ではありません。生憎と僕は剃毛プレイというのを体験したことがないので、剃るっていいのかどうか、今ひとつ実感が湧かなかったりするんですが、この曲はアレです。バラードです。 ちょっぴりクドい感じのするイントロから一転、テーマ部で聞かれるフィニアスのタッチはラブリーにしてプリティでキュートで、ニートでセメントでコンビナートだったりするんですが、無伴奏ソロの演奏はちょっぴりパウエル的…というよりも、この人の場合はアート・テイタム的ということになるんでしょうか? バラードの王道をゆく黄土色なプレイがとても印象的です。地味ですけどね、黄土色。 で、正直、中盤あたりでちょっぴりダレた雰囲気になったりもするんですが、ロイくんとポールくんが入ってイン・テンポになってからは大丈夫。何でもいいけどこの曲、 「マイ・オールド・フレイム」 にちょっと似ているような気もするんですが、ベースのソロもフィーチャーされていたりして、いくらピチカートとは言え、全体で8分51秒という演奏時間はちょっと長過ぎですかね? 最終的にはやっぱり、ちょっとダレてしまいました。簡潔な表現というのを身に付けて欲しいところでありますなぁ。いや、僕がそんな事を言えた義理ではないんですけど。

 4曲目の 「アフター・アワーズ」 は、とってもアフター・アワーズな雰囲気に満ちあふれた演奏となっております。以上。…って、それは簡潔な表現というのではなくて、ただの手抜きであるような気がするんですが、ちなみに僕は簡潔よりも半ケツのほうが、そしてまた僕は手抜きよりも毛抜きのほうが好きだったりします。やっぱり剃るよりも抜いちゃったほうが、脱毛としては永久的な気がしますもんね。もっとも、抜くと余計に濃くなるという話もよく聞くんですが、あっぱりレーザーですかね?…という問題はとりあえず置いといて、この曲はアベリー・パリッシュという人が作曲したんですな。いやあ、懐かしいですなぁ、パリッシュ。昔、ヤクルト・スワローズにいましたよね。ワニを食べる男として有名だったんですが、やっぱり肉団子とかにして食べたんでしょうか? で、ここでの演奏は長尺だが、やや平凡な演奏に終始したようだ。…などと、日本語ライナーで悠雅彦クンに書かれてしまっております。ま、確かに11分20秒ですからね。かなり長尺ですよね。が、平凡かと言われると、僕は必ずしもそうとは思えないんですが、では大木凡人なのかと言うと、それは絶対に違うような気がします。ヤクルトスワローズの古田敦也の従兄弟なんだそうですけどね、大木凡人。言われてみれば確かに見た目がちょっと似ているような気もするんですが、古田からは、 「あまり公言しないで欲しい」 と言われているそうです。嫌なのか、古田? ま、僕も同じ立場だったらちょっと嫌ですけどね、 「茶色い牛からコーヒー牛乳が出ると信じている人の会」 の会長をやってるような従兄弟。いや、昔、何かでそういう話を読んだことがあるような気がするんですが、もしかしたら人違いかも知れません。 で、この演奏、スローなテンポでいかにもアフター・アワーズらしい寛いだ雰囲気が出ていて、いいよな♪…と思っているんですが、駄目っすか? ま、悠クンの言うことを信用するか、有ちゃん (←僕のこと。) の味方になるのか、人それぞれだと思うんですが、もし僕の意見に賛同してくれるのなら、伊豆のお土産に “伊豆の恋人” を買ってきてあげてもいいんですけどね。シャボテン公園に売ってるみたいなんですよね、銘菓 “伊豆の恋人” 。 北海道の “白い恋人” と、何がどう違うのか?…と詰めよられるとちょっと困るんですが、おそらく北海道のお土産のほうは白くて、伊豆のほうは伊豆なんだと思うんですけどね。 テーマの後、フィニアスのブルージーなソロとなり、(中略)、チェンバースのピチカート・ソロがあって、これがまた結構しつこかったりもするんですが、再びピアノのソロに戻って、特に終盤はコード奏法、オクターブ奏法など、手の内をみせての力演が印象に残る。…と、この部分は悠クンも評価しているみたいなんですけどね。とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 予め、長いで!…というので覚悟を決めておけば、それなりに楽しめる演奏なのではないかと思います。

 続く 「スニーキン・アラウンド」 は、レイ・ブライアントのオリジナルでありますな。 いやあ、ブラちゃん、なかなかいい曲を書くんですよね。…と、僕は彼の作曲の才能を高く評価しているんですが、こいつもなかなかいいんですよね。ドラムによるゆったりしたテンポのシンプルなイントロに続いて、魅惑的なメロディが登場するんですが、この時点で気持ち速度が上がるところが何とも言えずにいいですよね。ちょっと不思議な感じのするリズムの乗りなんですが、アドリブ・パートに入ってからは、ごく普通にスインギーだったりするんですけど。 フィニアスに続いてチェンバースもソロをとって、ま、 「僕たち3人」 だから仕方ないのかも知れませんが、このベース弾きのおっちゃん、ちょっと前に出て来過ぎではないですかね? 日本には “出る杭は打たれる” という諺があるというのを肝に命じて欲しいところですが、ま、肝なんてのは所詮はレバーなので、命じるだけ無駄なような気もするんですけどね。 どうせなら脳に命じたほうが確実かも知れません。 で、 「僕たち3人」 なんだから、リーダーはもっと前に出てきてもいいと思うんですが、ここではベースのソロに続いて、 p→ds→p→ds の4バースが聴けるようになっております。ドラマーとしては、ここぞ腕の見せどころ。…といった感じなんですが、ここでのロイヘンはビシっ!ビシっ!とシンバルを決めていたりして、いやあ、いいですよね、シンバル。僕は前貼りよりもシンバルのほうが好きです。いくら目を細めてみても、透けては見えませんからね、 前貼り。 ま、 “貼り” と “バル” で完全に韻を踏んでいるわけでもないので、敢えて前貼りを持ってくるほどのことでもなかったんですが、ということで、 テーマに戻って、おしまい。

 アルバムの最後を飾るのはタッド・ダメロンの 「アワ・ディライト」 でありますか。  「泡、でらいいでかんわー。」 ではありません。ソープに行った名古屋人ではないので、そんな曲を作るわけがないんですが、アップ・テンポで賑やかで、元気がよくて御陽気なナンバーでありますな。酒屋の御用聞きも思わずノリノリといった感じなんですが、終盤の4バースのところがちょっと変則的になっていて、最後はドラムのソロで大いに盛り上がったりもして、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】

  さすが、既に世間の評価が固まっている “名盤” だけのことはありますな。出来がいいです。これで僕も心おきなく伊豆に行けるというものでありますが、ほな、バナナとワニとシャボテン、満喫してきまーす♪


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