WHAT IS THERE TO SAY? (COLUMBIA)

GERRY MULLIGAN (1958/12/17,23,1959/1/15)

WHAT IS THERE TO SAY?


【パーソネル】

ART FARMER (tp) GERRY MULLIGAN (bs) BILL CROW (b) DAVE BAILEY (ds)
【収録曲】

WHAT IS THERE TO SAY / JUST IN TIME / NEWS FROM BLUEPORT / FESTIVE MINOR
AS CATCH CAN / MY FUNNY VALENTINE / BLUE PORT / UTTER CHAOS

【解説】 (2007年05月27日更新)

 浜松町の駅に降り立つと、東京タワーは目の前に見えました。 昭和33年に完成、高さが333mと、この塔は不思議と “3” という数字に縁があるんですが、この333mという高さは大阪の新聞王として知られた前田久吉の、 「建設するからには世界一高い塔でなければ意味がない。」 という鶴の一声によって決まったんだそうですね。 当時、世界で一番高い塔と言えばパリにあるエッフェル塔の324mだったんですが、一方、東京全域にテレビの電波を送る為に必要な高さを計算したところ、380mという数字が出されたんだそうです。 もしこの数字がそのまま採用されていたら、 “サバ38)の0)干し、美味しいな♪” みたいな語呂合わせで東京タワーの高さを覚えなければならなくなるところでしたが、いや、 “美味しいな♪” の部分は別に無くていいような気もするんですが、それはともかく、それだけの高さにすると風の影響でアンテナが揺れて画像が乱れる恐れがあるんだそうで、ギリギリ妥協出切るセンということで 333mという数字に落ち着いたんだそうで。 これで鶴の一声を発した久吉クンの面子もなんとか保たれたわけなんですが、それはそうと、多くの人を否応なしに従わせる有力者や権威者の一言のことを、どうして “鶴の一声” と言うんですかね? ま、確かに “スズメの一声” ではまったく迫力が無くて誰も言うことを聞いてくれそうもないので、ある程度の大きさの鳥のほうがいいような気はするんですが、ある程度の大きさの鳥といっても例えば “ (う)の一声” というのでは、 「うっ!」 と鮎を喉に詰まらせて、それで終わりのような気もします。 ここはやはり鳥類の中でも最強の部類である猛禽類あたりに何か一言発して欲しいところなんですが、例えば “ (たか)の一声” なんてのは迫力もあって、なかなかよさげな感じがしますよね。  ところが聞くところによると、鷹というのは鳥の世界の間では意外と軽んじられているんだそうで、鷹が何を言ってみたところで、 「たかが鷹の分際で。」 というので、誰も取り合ってくれないんだそうで。 となるとこれはもう、 “ (わし)の一声” に期待するしかないんですが、鷲だったらきっと、 「ワシの言うことがどうして聞けんのだっ!」 などと、ワガママで強引なことを言ってくれるような気がするんですけどねー。

 にも関わらず、“鷲” ではなくて “鶴” を持って来たというのはやはり、有力者や権力者には頭が禿げたツルツルの人が多いからではないかと思うんですが、うちの会社の社長の哲クンだってハゲてますしね。 よくワガママな事を言ったりもするんですが、社員一同、 「ツルの一声だしぃ。」 とうので、すっかり諦めムードが漂ったりしております。 …といった事態は我が社に限って言えばまったくありえない話でありまして、尊敬すべき人格者であられる哲社長のご指導の元、一致団結して倒産の危機に立ち向かっている次第でありますが、そんなことでまあ、浜松町の駅に降り立つと、東京タワーは目の前に見えていたんですけどね。 オフィシャルサイトのアクセス情報 によると、ここからタワーまでは徒歩で15分ということなんですが、僕はこの数字には懐疑心を抱いておりました。 不動産屋のいう “駅から徒歩5分” というのが、蕎麦屋の出前持ちの 「あっ、今出ました!」 と同じくらい、まったく信用のおけないものであるというのは誰でも知ってる世間の一般常識でありまして、そんなことはケロロ軍曹だって知っています。 それが証拠にオープニングの 『ケロッ!とマーチ』 では、駅から5分は実は15分っ♪…と歌われているわけなんですが、となると浜松町から東京タワーまでは、歩いて45分ということになっちゃうんですかね? しかもそれは、あくまでも真っ直ぐ目的地に辿り着けた場合の所要時間でありまして、極度の方向音痴である僕の場合は途中で道に迷ったり、路頭に迷ったりして、結果的にその倍の時間がかかるということだって考えられます。 道に迷わないおまじないとして、マヨネーズを舐めながら歩くと、迷わねーっす。…というのがあったりするんですが、生憎、この日の僕はマヨネーズを持たずに家を出てしまったんですよねー。 今回は “さばクン完治祝いオフ♪” などと銘打っているものの、あまり長い距離を歩くと骨折した左脚の脛がまだちょっと痛んだりするし、浜松駅に到着したのが午後4時45分というかなり際どい時間だったこともあって僕はタクシーを拾うことにしたわけなんですが、あ、何の話かというと、2007年5月19日に開催された 『塩サバ通信』 のオフ会の件なんですけど。 午後7時半から大森で開催される “イリノイ鮭ジャズ・ライブ” (敬称略) に先立って、有志を募って東京タワーにお魚を見に行くことになったんですが、その集合時間が15分後に迫っていると、ま、そのような状況にあったりするわけです。

 幸い、僕の拾ったタクシーの運転手は方向音痴では無かったようで、待ち合わせの5分ほど前にタワーの前に到着することが出来たんですが、で、果たして水族館はどこやろ???…と思いつつ建物の中へと入っていくと、おおっ、アイスまんじゅうちゃん (推定年齢29歳)、 発見っ♪ 僕と彼女は小学校時代の同級生なので、わざわざ年齢を推定しなくても、おおよそのところは見当がついたりするんですが、実際の年齢よりもちょっと上に見られたりする29歳のギャルなのぉ♪…と強引に言い張れば、それなりに通用するかも知れないね。…と思えなくもない、そんなお年頃のギャルだったりします。 僕は去年の秋、初恋の相手であった彼女と30年ぶりくらいに感動の再会を果たしたんですが、いや、推定年齢が29歳なのに30年ぶりというのはちょっと辻褄が合わなくて、もしかしたら僕の推定は間違っていたのではないか?…という気がしないでもないんですが、彼女は同級生のよしみということで、骨折入院の際はわざわざ病院までお見舞いに来てくれたんですよね。ほら、あの頃まだ車椅子に乗ってた僕も、今ではすっかり自分の脚で歩けるようになったんやでー♪ とまあそんなことで、無事に水族館を発見したので入口に向かって歩いていくと、おおっ、ごんあぢちゃん、発見っ♪ 推定年齢…は、敢えて公表しませんが、前回のオフ会の際はウニりんが彼女のことを、本仮屋ユイカみたい♪…などと絶賛しておりましたなー。 で、今回は更に、オフ会初参加のサバティーニさんが来てくれることになっているんですが、ギャル2人に、更にサラミが食べ放題っ♪…というのでもけっこう嬉しかったりするのに、ギャル2人に、更にギャル♪  で、ジャズ・ライブのほうには更にもう1名、シークレット・ゲストのギャルも参加してくださることになっていて、いやあ、塩通のオフ会史上でも過去に例を見ない、実に記念すべき “ギャルまみれ状態♪” でありますな、こりゃ。 第1回が鮭師匠と2人っきりの名古屋・手羽先オフ。 2回目は関サバ師匠と2人きりで、新横浜のラーメン博物館に行ったりして、どうしてうちのオフ会にはギャルが来ないんや!…と嘆き悲しんでいた9年ほどまでが嘘のようです。 ああ、今まで 『塩サバ通信』 を続けてきて、本当によかった♪…と思わずにはいられませんでしたが、あ、そうそう。 ごんあぢちゃんは浜松町から徒歩で来たそうなんですが、すぐ近くに見えてるのに、歩いてみるとやはり結構な距離があったんだそうで、しかも歩いているうちにビルに隠れて目標とするタワーが見えなくなっちゃったらしいです。 「もう、前にあるビル、高過ぎっ!」 とか言っておりましたが、そういえばサバ君は掲示板に 「浜松町から歩くというのが無難ですかね?」 などと書いておきながら、自分だけちゃっかりタクシーに乗ったりして、そういうことをしていると今にギャルに嫌われて、誰からも相手にされないようになっちゃうかも知れません。

 そうこうするうちにサバティーニさんから僕の携帯に電話が掛かって来て、遂にその正体が明らかになる瞬間がやって来たわけでありますが、ここでも僕の観測はあくまでも悲観的でありました。 駅から15分は、実は45分っ♪…と、物事を常に悪いほうに考える僕はですね、サバティーニさんってもしかして、本当はオッサンやったりして。…という最悪の展開を考えたりもしてたんですが、やがて姿を現した彼女は、おおっ、ちゃんとした “彼女” やーん♪ オッサンちゃうやーん♪ しかも、めっちゃ若いやーん♪ おまけに、めっちゃベッピンさんやーん♪ 僕は化粧の濃いケバ系のネーチャンというのがあまり好きではなくて、スッピンでもベッピン♪…というのが理想なんですが、サバティーニちゃんはとっても清楚な感じのギャルでありました。 いや、オッサンでないことが判明したので、急に “さん付け” から “ちゃん付け” に変わったりしてるんですが、とまあそんなことで “東京タワー水族館” でありますな。 僕は “さば” などというハンドルネームを名乗ってはいるものの、実をいうとオサカナは見るのも煮て食うのもあまり好きではなかったりして、ま、焼いたりフライにしたものだったら何とか食べれるんですが、そんなわけで水族館にもさほどソソられるものを感じないんですよねー。 中でもこの東京タワー水族館というのは 公式サイト を見る限り何だかとてつもなくショボそうで、所要時間はおそらく、ま、30分くらいやろな。…と僕は踏んでおりました。シークレットなマル秘ゲストとは大森駅で19時に待ち合わせ♪…ということにしてあったので18時半にここを出るとして、おおよそ1時間ほど暇を持て余すことになる計算です。こうなったらもう、 “蝋人形館” “ギネス・ワールド・レコード・ミュージアム” でも見るしかありませんな。…などと、悲痛な覚悟を決めたりもしていたんですが、なんのなんの。 この水族館はショボいなりになかなか充実した品揃えを誇っていたようで、ギャル達、中でもサバティーニちゃんと、ごんあぢちゃんの2人は、何やら真剣なまなざしでオサカナの鑑賞に浸っておられまして、あっという間に1時間半が経過してしまったのでありました。アイスまんぢゅうちゃんと、ごんあぢちゃんの2人は、きちんとクーポン券をプリントアウトして特製シールをゲットしておりましたし、プレオフ会としては、なかなか充実した企画であったと言っていいかも知れませんね。 ま、個人的には、何だか似たようなサカナばっかりで、煮たり焼いたりしてもさほど旨くはなさそうやな。…といった感想を持つにとどまったわけなんですが、おそらくオッサンと2人っきりで来たとしたら、ものの3分で飽きていたと思うんですけど。 にもかかわらず、1時間半もの間、充実した時を過ごすことが出来て、ギャルの力というのはつくづく偉大だと思いますね。もう、普通のブダイがキンメダイに見えちゃうほど偉大って感じぃ?…って、いや、ブダイなどこの水族館にはいなかったような気がしないでもないんですけどー。

 ということで、いよいよ本題の “鮭ライブ” なんですが、東京タワーで余計な行数を使い過ぎて、あまり書くスペースが残っておりませんので、ま、適当にまいりましょう。 えーと、今回のライブ会場は “らいぶ食堂KITAROH” というところなんですが、ここはほんの数年前まで “よしおの店” という名前の店だったんですよね。 いや、正式な名前がよく分からないので僕が勝手に店主に “よしお” という名前を付けて、そのように呼んでいたわけなんですが、正しくは “ジャズと囲碁の店・なんとか” といった感じだったと思うんですけど。 5年ほど前のクリスマスイヴに訪れた際はどういうわけだかハワイアンのライヴをやってて、もの凄く場末なムードが漂っておりました。 ロマンチックなイヴの夜にハワイアンはないやろ!…と思わずにはいられませんでしたが、そういう、場の空気を読めない店主よしおのキャラが災いしたのか、いつの間にか整体の店になってしまったと風の噂に聞いておりました。 それがいつの間にやら “らいぶ食堂” へと宗旨替えをした模様なんですが、“らいぶ” と平仮名で書いたり、“KITAROH” とローマ字で書いたりするセンスから推測するに、どのみちあまり大した店でないことはまず間違いありません。元の店主よしお (仮名) が新たな店を始めたというのではなく、おそらく彼は整体になった時点でどこかに夜逃げしたものと思われるんですが、この 店はですね、とにかくロケーションが怪しいんですよね。大森駅から徒歩3分…とありますが、実際は6分くらいかかるあたりに位置しておりまして、アーケードのある商店街に入ってバーミヤンの横の階段を上ってそこのドアを開けると…、いきなり外に出ます。めっちゃ普通のマンションの階段やんっ!…としか思えなくて、この先に “らいぶ食堂” があるとはとても思えないんですが、その階段を上っていくと、ちゃんと店に入るドアがあったりするんですよね、これがまた。 で、何とも中に入りづらい “妖しいオーラ” が漂いまくっているんですが、地元民であるシークレットゲストのギャルを先頭に押し出すような形で恐る恐るドアを開けると…、おおっ!中はなかなかの盛況ぶりではありませんかー。どうやら囲碁とハワイアンを捨ててジャズ一本に絞ったキタローくんの戦略は成功しているようなんですが、で、果たしてこれ、どうすればエエんやろ?…と思ってキョロキョロしていると、 「おおっ、久しぶりー。よく来たろー♪」 といった感じで鮭師匠が声をかけてくれたのでありました。

 nira (g) 宮武達郎 (ts) 出口茂和 (b) 木村陽 (d) mc500円

というのがこの日のメンバーなんですが、このうちのニラ君が鮭師匠…ではなくて、テナーを吹く達郎クンというのが鮭なんですが、 「塩サバ通信」 を開設した直後にメールを貰ったか、掲示板に書き込みがあったか何かでお友達になって、イリノイ・ジャケーにちなんだイリノイ鮭という名前が付けられたんですが、一般社会においては “デックス” という名前を用いているようです。一度、葛西のスタジオまで練習風景を見に行ったことはあるんですが、ちゃんとした演奏を聴くのはこれが始めてでありまして、いやあ、楽しみですなぁ♪ ということで、かろうじて空いていた一番奥の隅っこのテーブルに、4人のギャルに囲まれる形で腰をおろしたんですが、とりあえずライブが始まる前に食料を確保しなければなりませんな。 事前の情報によれば、このお店は食べ放題のライブハウスなので、いきなり一次会として来ていただいたほうがぜんぜんお得です。…とのことだったんですが、そういえば店の中に入った時、ちらっとマーボー豆腐の姿が見えたような気がするんですが、もしかしてアレが食べ放題のメニューなんすかね? 改めて食料供給所に行ってみると中華系豆腐料理の他にタケノコ系の料理とポテトサラダと何やら汁物のようなものがあったんですが、そのうちのポテトは既に先客たちにあらかた食べつくされておりました。も、も、もしかして、これっきりこれっきり、もう、これっきりーですかぁ???…と、ちょっぴり悲痛な気分になってしましましたが、ま、僕は端からキタローの料理には期待していなかったので、別にいいんですけどね。。。 そういうしているうちに鮭師匠の演奏が始まったんですが、最初の演目は、えーと、忘れましたっ! 最終的には途中に休憩を挟んで 「ウェイブ」 とか 「マイ・フーリッシュ・ハート」 とか 「フォー」 とか 「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」 などといった曲が演奏されていたような気がするんですが、鮭師匠の演奏はとっても素晴らしかったです。…とまあ、ライブに関する感想は以上です。既に今日の前半部分はかなり押していて、あまり詳しいレビューをお届け出来ないのが残念なんですが、最初の “鶴の一声” がちょっと余分でありましたなぁ。。。 あ、そうそう。料理のほうは決して “これっきり” ということではなく、その後も随時補充がなされたので、ま、味のほうはともかくとして量だけはそれなりに摂取することが出来たんですが、えーと、焼き蕎麦とか、クリームシチューとか、それに僕の大好きな “あげ寿司” とかも出たりして、あ、あげ寿司というのは寿司を天ぷらにしたり、唐揚げにしたりといった料理のことではなくて、油揚げを使った “いなり寿司” のことなんですが、うちのほうでは “あげ寿司” と言うんですよねー。 いや、僕の言うことは概ね8割ほどが嘘だったりするんですが、同郷人のアイスまんじゅうちゃんがフォローしてくれたので、他のギャルたちもきっと納得してくれたと思うんですけど。 料理の質そのものは特筆するほどのものでも無かったんですが、ジャズを聴きながらギャルたちに囲まれて食べるというシチュエーションが、もう最高っ♪…でありましたなー。新しいのが出てくる度にギャル達が僕のテーブルまで、かいがいしく食事を運んでくれたりして、まるでメイドを4人も雇っている気分? ただ、この日の “ご主人さま” は僕ではなく、あくまでも鮭師匠のほうでありまして、メイドちゃん達の視線がずっとそちらに釘付けになっているのが何とも悔しいところではあるんですけど。。。

 第2セットが終わったところで、シークレットゲストとサバティーニちゃんとはお別れすることになって、で、それに続く第3セットは店に居合わせた人たちが次々に楽器を持って登場するという狂乱のジャム・セッションでありました。なるほど、ここに集結していた人のほとんどは、そういうタイプの人たちだったワケなんですな。中にはピアノを弾くギャルとアルトサックスを吹くギャルもいたりして、ま、正直なところ演奏そのものは決してお上手とは思えないんですが、吹いたり、弾いたり、叩いたりしている人たちはみんなめっちゃ楽しそうで、いやあ、楽器が出来る人というのはめっちゃ尊敬しちゃうし、何ともうらやましい限りだったりするんですよね。。。 あっ、アイスまんじゅうちゃん、僕そっちのけで、あんなところで鮭師匠からサックスの吹き方を教えて貰ったりしてるやんっ!! 僕はその様子をただ遠くから見ているしか無かったわけなんですが、今に見てろっ!僕だって来年の今ごろはテナーサックスで 「ナウズ・ザ・タイム」 のアドリブをビシっと決めて、君のハートをがっちりゲット!…出来るようになれるとはとても思えなかったりするんですが、ライブがはけた後、鮭師匠愛用のマウスピースがテーブルの上に置いてあったのでこっそり手にとって口にくわえて、そっと息を吹き込んでみたんですが、まったく音すら出なかったんですよね。 サックス吹きへの道のりはあまりにも険しいことを思い知らされてしまいましたが、でもまあ鮭師匠と間接キス出来たから、いっかぁ♪ ちなみに鮭師匠の唇は塩味ではなくて、ほんのりレモンの香りがしたんですが、塩鮭ではなくて、生サーモンのマリネって感じぃ? もう、僕、この唇はぜったいに洗わないっ♪…と思ったりもしたんですが、その後でフライドポテトを食べたら唇がめっちゃ塩気とアブラにまみれてしまったので紙ナプキンで直ちに拭い去って、とまあそんなことで、最後にジャム・セッションでの師匠の勇士をお見せしておいて、 “生鮭ライブ” のお話は、おしまい♪

生鮭熱演状況♪

 ということで、今日はジェリー・マリガンです。バリトンサックスを吹くおじさんです。 アルトサックスを吹くお姉さんならキタローにもいたんですが、バリサクを吹くギャルというのはあまり目にしたことがなくて、というか、オッサンでもあまり吹く人がいない、そういう楽器だったりするんですが、馬鹿でかくて邪魔なわりに、ちょっと地味だったりしますからなぁ。 とまあそれはそうと、今日は前半にたくさん字を書き過ぎたので後半は軽く流しておこうと思うんですが、ちなみに鮭師匠は 「やっぱり2セット目のほうがいいね!」 などと言っておりましたな。1セット目で軽く様子を窺って、後半に入るといよいよエンジンの回転数も上がって、バリバリ全開だねっ!…ということになるんだと思うんですが、この “jazz giant” の場合はまったく逆です。 前半で力を使い果たして、後半はなんとか惰性だけでゴールを目指すだけという、典型的な “先行逃げ切れず型” だったりするんですが、そんなことでまあ、今日は 『ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ』 というアルバムを紹介したいと思うんですけどね。 「何か言いたいことある?」 と聞かれても、これと言って特に言いたいことはないので、解説のほうも早めに片付くと思うんですが、アート・ファーマーのトランペットが入っていて、でもって、リズム・セクションはビル・クロウのベースにデイブ・ベイリーのドラムスでありますかぁ。 ピアノの音が好きな僕としては、ピアノレスという編成はどうか?…という点がちょっと気になるところであるんですが、先日の鮭ライブもピアノレスのギター入りだったりするところが、ちょっとナニかな?…と思ったりもしていたんですよね。 ところがいざ演奏が始まってみると、ギターの niraクンというのがなかなかの切れ者でありまして、普通のラーメンがニララーメンになったような濃厚な味わいを堪能することが出来て、いや、個人的にはニラってあまり好きではなかったりするんですけど。 が、このマリガンのアルバムの場合、ちょっと癖のあるニラではなくて、芸術性と農民性とを兼ね備えたアート・ファーマーが入っているわけなので、そこそこ期待していいのではないかという気もするんですが、そんなことでまあ、では1曲目から聴いてみることにしましょうか。

 まず最初はアルバム・タイトルにもなっている 「ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ」 でありますな。 ヴァーノン・デュークの曲なんですが、バリトンとトランペットの2管にベースのアルコが絡む導入部はいかにもウエストコーストなサウンドなんですが、でもってテーマ部では地味な感じでドラムスも入ってきて、ベースのピチカートをバックにマリガンが主旋律を吹いて、そこにファーマーが絡んでくる…といった感じになってきて、これまた実に西海岸っぽかったりしますよね。 アメリカの西海岸というところは東京の大森海岸と違って、何だかとってもお洒落な感じがするんですが、平和島競艇とかがあって、ちょっとガラが悪そうですもんね、大森海岸。 ま、 “しながわ水族館” もあるから、オサカナ好きのギャルにはいいかも知れませんけど。 ちなみに、マリガン、ファーマー、ビル・クロウ、デイブ・ベイリーというメンバーは、ギャル系にも人気の高いマリガンの代表作 『ナイト・ライツ』 からバルブトロンボーンのボブ・ブルックマイヤーとギターのジム・ホールを人員削減したのと同じ面子ということになるんですが、人が少なくなった分、やや地味な感じの仕上がりとなっておりますね。 特に個人的にはピアノの音がしないところがちょっと物足りなかったりするんですが、でもまあ、テンポを速くしたり遅くしたりと変化を付けながら、バリサクとトランペットが絡み合うアドリブ・パートはそれなりに盛り上がっておりまして、ま、大森海岸駅で競艇で大損したおっさんがサラリーマンに絡んでいる場面ほどエキサイティングでは無かったりするんですが、そこのところがいかにもウエストコーストですよね。 串カツとカツアゲが似合う街、大森とはちょっとワケが違います。

ということで、2曲目は 「ジャスト・イン・タイム」 。 何とも小粋なナンバーなので、都会的なマリガンとファーマーの2人にはぴったりなんですが、ファーマーって名前が農民っぽくて、顔が水野晴郎に似ている割に、演奏スタイルは意外とオシャレだったりしますからね。 ジャズは顔や名前では無いな。…ということを改めて実感させられますが、ドラムとベースをバックに、イントロ無しでいきなりファーマーがテーマを吹き始めるという出だしの部分がなかなかいい感じだし、そこにマリガンのバリサクが絡んでくるあたりも昆布ダシのよくきいた出汁巻みたいでなかなか味があるし、…と思っていたら、テンポが急に速くなってマリガンのソロに突入したりするなど、いろいろと工夫が凝らされていたりするわけなんですが、何でもいいけど “工夫” (くふう)と “工夫” (こうふ)というのは、まったく同じ漢字だったりするんですね。…ということに改めて気がついたりしたんですが、その他にも “最中” (もなか)と “最中” (さなか)と “最中” (さいちゅう)みたいな例もあったりしますけど。 “最中” (もなか)と言えば、法事の時に出た最中がまだ残っていた筈なんだけど、探してみたら無かったりした場合、思わず 「最中、もうなかった?」 などと言ってしまうわけなんですが、 「羊羹は、よう噛んで食べろ。」 というのと同じくらいオッサンが言いがちな和菓子系のギャグですよね。 羊羹なんか別に噛まなくたって食えるって!…と思わずにはいられませんが、とか言ってるうちにアート・ファーマーが出て来て、続いてマリガンが出て、ファーマー、マリガン、ファーマー、マリガン、ファーマー、マリガン、ファーマー、マリガン…って、いつまで交互に出てくるねんっ!…とツッコミを入れたい気分になってきたところでようやくテーマに戻って、おしまい。

 続く3曲目はファーマーのオリジナルで 「ニュース・フロム・ブルーポート」 という曲なんですが、「ブルーポートからの知らせ」 でありますか。いいですよね、ブルーポート。 僕はブルマーがけっこう好きで、 “ほうとう” (←山梨の郷土料理) というのは一度も食べたことがないので、これがもし 「ブルマーほうとうからの知らせ」 だったりしたら、ちょっと微妙なところだったと思うんですが、 “青い港” であれば、何の問題なく賞賛出来るような気がします。 きっと青くて、ちょっぴり港っぽい曲調だったりするんでしょうな。…と、かなり期待の度合いが高かったわけなんですが、実際のところは微妙にマーチっぽかったりする、ちょっぴり御陽気な仕上がり具合でありまして、港っぽいかと言われると、さほどでもないような気がしないでもありません。 あるいはブルーポートからの知らせというのは、サバがいっぱい獲れたでぇ♪…みたいなニュースだったのかも知れませんな。 魚偏に“青”と書く鯖は、とってもブルーなお魚だったりしますからね。 そのサバが大漁だとなると、自然とブルーポートも陽気に盛り上がるに違いないんですが、演奏のほうはというと相変わらずファーマーとマリガンの絡みが随所に聞かれて、でもって、ここではベースのビル・クロウがけっこう活躍しておりますな。 この人、村上春樹の翻訳による 『さよならバードランド』 という本の著者として日本でもすっかり有名になりましたが、有名なる前はまだまだ無名だったりして、演奏活動だけでは食っていけずにビル清掃のアルバイトをするなど、かなり苦労をしたと言われております。 いや、名前がビル・クロウだから多分そうなんじゃないかな?…という気がするだけで、真偽のほどはサダカではないんですが、でもって、ここではドラムスのデイブ・ベイリーも頑張っておりますな。 黒人なのに顔が怖くないという点ではポール・チェンバースにも肩を並べると言われているキャラなんですが、そのマイルドなルックスがそのまま堅実なタイコの叩きっぷりにも反映されていて、なかなか味のあるドラミングを展開しております。 味があると言えばオフ会の際、ごんあぢちゃんから “若ごんあじの開き” というのを頂いたんですが、−18度で保存などと書かれていて、腐らないかどうかちょっと心配でありました。というのも、僕は次の日、夜遅くまで遊び歩くことになっていたからなんですが、そこで僕は西友で冷凍保存用のパックを買って中に入れて、そこにサービスの氷をしこたま投入して、結果的には何とか夜まで冷えた状態を保持することが出来ました。後で掲示板を見たら、アイスまんじゅうちゃんのヤツには “愛す倶楽部” という保冷剤が入っていたそうですが、とにかくまあ、下痢にもならずに美味しく頂くことが出来たので、何よりだったと思います。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 続いては、マリガンのオリジナルである 「フェスティブ・マイナー」 という曲なんですが、これはアレですな。マイナー調で哀愁味を帯びた、いかにも日本人好みの旋律を持った作品に仕上がっておりまして、ミュート・トランペットとバリトンサックスの掛け合いが何とも言えずにいい感じですよね。何とも言えずにいい感じなので、とりあえず何も言わずに先に進むことにしますが、ソロ先発はファーマーで、後発がマリガンで、3番手としてホーンをバックに配したビル・クロウのピチカート・ソロもフィーチャーされていたりして、ま、それなりに盛り上がっていて、いいんぢゃないですかね? ただ個人的にはやはりピアノレスというところがちょっぴり物足りなく思えたりもするんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 続く5曲目もマリガンのオリジナルで、 「アズ・キャッチ・キャン」 というタイトルが付いております。  「ああん、きゃっ、痴漢!」 ではありません。 「アズ・キャッチ・キャン」 というのは恐らく、 “捕まえることが出来る” といった意味ではないかと思うんですが、痴漢というのは早めに捕まえておく必要がありますよね。ヘンタイをそのまま放置しておくと、後がタイヘンです。で、曲のほうはと言うと、急速調で逃げ足が速そうな感じがするんですが、こりゃ、捕まえるのはちょっと難しいかも知れません。早くしないと、どんどん遠くに逃げてしまって、痴漢との戦いは時間との戦いにもなりそうなんですが、演奏のほうは軽快に逃走を続けるアート・ファーマーをマリガン警部が追いかけるという形でありますか。 ジャズのバリトンサックス奏者にはペッパー・アダムスという人もいて、もし彼が追いかける立場だったらペッパー警部ということになるわけですが、ここはマリガンなのでちょっと残念ですよね。 で、この2人はずっと走り続けることになるのかというと、さすがに途中でちょっと疲れて歩き出すシーンもあったりして、そういう場面ではビル・クロウのウォーキング・ベースがなかなか効果的だったりします。 最終的にはファーマーが息切れしたところで御用となって、無事にタイトル通り “捕まえることが出来る”という結果に終わるのではないかと思いますが、そんなことでまあ、テーマに戻って、おしまい。

 続いては、お馴染みロジャース=ハートの名曲、 「マイ・ファニー・バレンタイン」 なんですが、ジャズの場合、どうしてこの曲は陰々滅々とした仕上がりになっちゃうんですかね? マイルスしかり、チェット・ベイカーのヴォーカル・バージョンしかり、ビル・エバンスとジム・ホールの 『アンダーカレント』 だって決して明るいとは言えないような気がするんですが、そこにまたひとつ、新たなお仲間が加わりました。 マリガン版もまた、実に陰気臭い演奏だったりするんですよね、これがまた。 ちっともスイートでなければコミックでもない、とってもビターでズーミックなバレンタインでありますな、こりゃ。 あ、ズーミックというのは愛知県の弥富あたりにあった動物レストランなんですが、もともと 「エルザ」 という名前だったのが、途中からこういう名前に変わったんですよね。 ライオンを見ながらゴハンが食べられるというので子供たちの間では好評だったんですが、カレーを食べているとゴリラがウンコを投げてくるというので次第に評判が悪くなって、ついには店じまいしてしまいました。企画の時点で失敗やったと思わずにはいられないんですが、まだオサカナを鑑賞しながら塩サバをつついたりする “水族館居酒屋” のほうがマシですよねー。 そういえば東京タワー水族館では展示されている魚の中に値段が付けられているのがあって、一般人でも普通に買うことが出来たりするんですが、さすがに買った魚をその場で三枚におろして食べちゃうような人はいないと思いますけど。 ちなみに最高金額はスーパーレッド・アロワナの250万円だったんですが、たかがスーパー赤いアロワナごときにそれだけの大金をはたくぐらいなら、僕だったら “うまい棒” を25万本買う道を選びます。 ということで、とにかく暗い演奏やった。…ということだけを申し述べておいて、この曲はおしまい。 続く7曲目はW.クロウという人の名前が作曲者としてクレジットされているんですが、これはおそらくベース弾きのビル・クロウのことではないかと思われ、では一体どうして B.クロウでなくて、W.クロウなのかというと、フルネームがW.ビル・クロウだったりするとか、実は彼は日本人で本名が和田九郎だったりするとか、そのような事情によるものではないかと思われます。あるいは単なるミスプリだったりするとか。 でもって、曲のタイトルがまたしても 「ブルーポート」 だったりするんですが、またまた登場しましたな、青い港。 前回はサバの豊漁を知らせるニュースが届いたりしたんですが、今度の曲も何だか御陽気だったりしております。何となく南西部を思わせるような曲調なので、あるいはブルーポートというのはメキシコに近いあたりにあるのかも知れませんが、ちょっと調べてみたところ、どうやら八丈島にあるらしいということが判明しました、ブルーポート・スパ・ザ・BOON。 スパというからには恐らく、スパゲティ屋か温泉施設か何かだと思うんですが、演奏のほうはアレです。 アート・ファーマーがリフ・ブルースのようなシンプルなテーマを吹いた後、そこにマリガンのバリサクが絡んできて…みたいなお馴染みのパターンなんですが、ソロ・パートはマリガン、ファーマー、ビル・クロウの順番でありますな。 その後、例のごとくマリちゃんと農民が絡むパートがあって、ま、悪くはないと思うんですが、さすがに7曲目までくると、ややパターン化してきた感は否めずに、ここらあたりがピアノレスというフォーマットの限界ですかね? ま、後半はそれなりに盛り上がっているんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 アルバムの最後を飾るのはマリガンのオリジナルである 「ウッター・カオス」 という曲です。  「ムッター・ハム」 ではありません。ウッターとムッターはともかくとして、カオスとハムではぜんぜん違いますもんね。 ハムは適度な塩気があって軽く火であぶったりするとなかなかいいオカズになるんですが、カオスとはあまり関係ありません。これがもしカボスだったりしたら晩のおかずの焼魚に絞ってかけたりもするんですが、普通、ハムにカボスはかけませんもんね。 ハムはオカズにはなるが、カオスで無ければ、カボスもかけない。…ということが判明したんですが、どうしてそんなどうでもいい事ばかりを書いているのかと言うと、演奏のほうにちょっと飽きてきちゃったからなんですけど。 トランペットとバリトンサックスが絶妙に絡むテーマに続いて、ソロ先発はマリガンで、そこにファーマーが続いて、途中からテンポが速くなって2管が絡んだりして、で、最後にベースのピチカート・ソロもちょっぴりフィーチャーされたりして…、というお馴染みのパターンだったりするわけで、とまあそんなことでテーマに戻って、今日のところはおしまい。

【総合評価】

 前半はなかなかいい感じだったんですが、中盤以降はやや息切れといった、救心的な1枚だったりします。最初のうちはドキドキするような動悸的コーフンを感じることもあったんですけどねぇ。4曲目あたりがヤマ場だったでしょうか? やはりピアノが入ってないと、個人的にはちょっとツライっす。。。


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