STRAIGHT AHEAD (PRESTIGE)

OLIVER NELSON (1961/03/01)

STRAIGHT AHEAD


【パーソネル】

OLIVER NELSON (ts,as,cl) ERIC DOLPHY (as,b-cl) RICHARD WYANDS (p)
GEORGE DUVIVIE (b) ROY HAYNES (ds)

【収録曲】

IMAGES / SIX AND FOUR / MAMA LOU
RALPH'S NEW BLUES / STRAIGHT AHEAD / 111-44

【解説】

 やあ、みんな。今日からこのコーナーを担当することになった さぱ だよ。よろしくね! 僕のことは気楽に さぱぴょん って呼んで貰えれば嬉しいんだけど、あ、ブラウザのフォントサイズを大きくしないと分かりにくいと思うんだけど、 「は」 に濁点の さば ではなくて、「は」 に半濁点の さぱ だから、みんな、間違えないようにね! とまあそれはそうと、これから リンゴ が美味しい季節だよね。みんな、リンゴは好きかな? 僕はリンゴがわりと好きなほうで、少なくともマンゴよりはいいよな?…と思っているんだけど、マンゴというヤツは何だかちょっとマンゴ臭いから、僕はあまり好きではないんだ。 だいたいマンゴというヤツは名前からして、ちょっと危険な香りがするよね。 もし、このページをプリントアウトして読んでいる人がいたとして、もしプリンタの調子が悪くてインクがかすれて、 「マンゴ臭い」 の濁点の部分がうまく印字されなかったら?…と思うと、僕は気が気でないんだけど、それはそうと、これから ミカン が美味しい季節だよね。みんな、ミカンは好きかな? 僕はミカンがわりと好きなほうで、少なくともミツカン酢よりはいいよな?…と思っているんだけど、ミツカン酢というヤツはそのまま飲むと何だかちょっと噎せるから、僕はあまり好きではないんだ。 「何だかちょっと」 どころの騒ぎやないやろ!…と言いたくなるほど、思いきり噎せることもあったりして、そもそも僕は子供の頃からミツカン酢というヤツに、あまり好意を持っていなかったんだよね。 僕が子供の頃、オロナミンCに生卵を入れると、オロナミンセーキ♪…という飲み方がちょっと流行ったことがあったんだ。 僕はミルクセーキというのがけっこう好きだったから、オロナミンセーキという名前にはちょっと惹かれるものがあったんだけど、僕はとっても生卵が嫌いな子供だったから、とても試してみる気にはなれなかったなー。 生卵は嫌いな子供だったんだけど、目玉焼きのほうはわりと好きな子供だったので、オロナミンCに目玉焼きを入れると、オロナミン目玉焼きになるかな?…と思ったりもしたんだけど、もし、そんなものになったところでさほど嬉しくは無いような気もするので、それも結局、試してみることはなかったなー。

 僕が子供の頃、牛乳に酢を入れると、ヨーグルト風味♪…という飲み方もちょっと流行ったことがあったんだ。 僕は牛乳も巣もそれほど好きではないんだけど、ヨーグルトは大好きな子供だったので、好きでもないものを2つ混ぜて、それが好きなものになるというのは、めっちゃお得やん!…と思って、早速試してみたんだけど、これのどこがヨーグルト風味やねん! ただ、牛乳に酢を入れただけやんっ!…としか思えないようなゲロ不味い飲み物になってしまって、以来、僕はミツカン酢にはあまりいい印象を持ってないんだよね。 という話は前にも書いたことがあるような気がする…というか、前にもサバ君が書いていたような気がするんだけど、そんなことで今日は “リンゴとミカン、どっちが偉いか?” という問題について考えてみたいと思うんだ。 いや、これは難しいよね。 “リンゴとミカン、どっちが伊予柑か?” というのであれば、ま、どちらかと言えばミカンのほうが伊予柑だよな。…ということが言えるんだけど、 “リンゴとミカン、どっちがサバ缶か?” と言われれば、別にどちらもサバ缶ではなかったりするよね。 何をもって偉いとするのか、その判断基準を明確にしない限りこの勝負は成り立たないんだけど、とりあえず生産量が多いほうが偉いという勝負の場合、どうかるかな?

 リンゴの産地と言われて頭に浮かぶのは、青森りんごと信州りんご。えーと…、それくらいかな? それに対してミカンのほうは、愛媛ミカン、 三ケ日ミカン、有田ミカン、多度ミカンと、この時点で既に4つもメジャーな産地の名前が挙がったよね。この時点でミカンの生産量はリンゴに倍以上の差を付けて圧勝という気がしないでもないんだけど、でもミカンの産地は愛媛を除くと、めっちゃローカルやん!…という気がしないでもなくて、特に多度ミカンなんてのはマイナー以外の何物でもないよね。多度豆と、多度ミカンと、田所博士。この中で多度のお土産として貰って嬉しいのは、何と言っても多度豆だよね。田所博士は日本が沈没しそうな時には役に立つかも知れないけど、とりあえずこの2、3日の間に日本が沈没しそうな気配はないし、となるとお土産に田所博士を貰っても、ただ邪魔で迷惑なだけのような気がするよね。 同じ博士ならまだ天才クイズの博士のほうが遠泳が得意な分だけ使い道があるんだけど、ま、少しくらい長い距離を泳げたところで、さほど世間の役には立たないような気もするんだけどね。 とまあそんなことで、とりあえずリンゴの生産量とミカンの生産量を調べてみようと思うんだけど、そういう場合は 「農業白書」 を見たらいいのかな? それとも 「いちご白書」 のほうがいいのかな? 「いちご白書」 というのは、いちごのパンツを穿くっしょ。…というギャルに関してはとっても詳しそうなんだけど、リンゴとミカンの柄に関しては冷淡であるという噂もあるし、そこでやっぱり 「農業白書」 のほうを見てみることにしたんだけど、いやあ、 「白書」 にはいっぱい字が書いてあるんだなー。 こんなん、ちっとも “白” とちゃうやん!遠くから見たら “灰色” やん!…と言いたくなるほど、ぎっしりと字が書かれているんだよねー。 字ばかりだとあまり面白くなくて、見ているだけで痔になりそうなので、 参考統計表 のほうがいいかな? …と思って眺めてみたんだけど、いや、これはなかなか興味深いなー。 うまくすれば、これだけであと23回分くらいのネタをまかなえるかな?…という気がするくらいなんだけど、そうすればこのコーナーも “農業白書 giant” と言うことになっちゃうかも知れないなー。

 例えば ここ に 「働く若い独身女性が食について最も気を付けていること (複数回答) 」 という調査結果があるよね。ちなみに僕は前任者のサバ君と違って、女子高生にはまったく興味がなかったりするんだ。どちらかと言うと、40リーチの人妻なんかがいいな♪…と思っているから、 “働く若い独身女性” にはあまりソソられるものを感じないんだ。 でも、シャイな乙女というのも悪くないよな?…という気がするので、もしこの働く若い独身女性というのがシャイな乙女を兼任しているのであれば、まったく問題はないと思うんだ。 ちなみにこの調査は全国の 20〜34歳の働く若い未婚女性を対象として実施したものらしいんだけど、この調査結果からいったい何が分かるのかというと、世間一般で “若い女性” と言うのは、 20〜34歳の女性のことを指すという事だよね。 つまり、 “若い” と “そうでもない” との境界は34〜35歳だと断定しているわけなんだけど、これはちょっと、どうかなー? 34歳で “若い” というのは、ちょっと無理があるんちゃうか?…とか、39歳でもぜんぜんイケてるやん!…とか、様々な意見があると思うんだけど、似たような調査は 『探偵!ナイトスクープ』 でもやっていたよね。 こちらのほうは “おねえちゃんとおばちゃんの境界線” みたいなタイトルだったと思うけど、その調査方法はとっても合理的だったよね。10代から40代のギャルを1歳ごとに若いほうから順に並べて、「この人は “おねえちゃん” やと思う? “おばちゃん” やと思う?」…と、子供に答えさせるという。 その結果、確か28歳で “おばちゃん” になったような覚えがあるんだけど、これはなかなか、いいセンいってると思うなー。確かに27歳とか、28歳あたりのギャルというのは、 “さほど若くはないおねえちゃん” なのか、それとも “かなり若いおばちゃん” なのか、判断に迷ったりすることがあるよね!

 で、あとはえーと…、これと言って面白そうな統計もなくて、この分ではあと23回どころか、今日の前半が完結するかどうかも何だか怪しくなって来たんだけど、 ここ に 「水稲主要品種の作付面積割合の推移 」 なんてのがあるね。最初にマンゴが出てきた以上、最後はやっぱり “おこめ” で締めたいと思うんだけど、おこめというのは要するに “稲” のことだよね。 “稲” と言えば、今年 (2006年) の新語流行語大賞が 「イナバウアー」 に決まったらしいね。 ま、順当と言うか、大方の予想通りと言っていいと思うんだけど、大賞に選ばれたころにはもうぜんぜん流行っていなくて、人前で大きな声で言えなくなってしまっているというのは、例年のことながらちょっとツライよねー。 あまり大きな声で言えないから、僕も思わず小さなフォントで書いてしまったんだけど、とりあえず全国各地の稲葉クンはきっと、この受賞を喜んでいると思うなー。ま、僕は別に稲葉クンではないので別にどうでもいいんだけどね。 とまあそれはそうと水稲主要品種の作付面積なんだけど、おこめの2大ブランドと言えば、これはもう “ササニシキ” と “コシヒカリ” だよね。僕は子供の頃、七夕に飾る笹が無かったので、とりあえずササニシキに願い事を書いたことがあるんだけど、おまえはライスチャームの ザーム・ヴィラカーラ氏 かっ!…と言いたくなるほど、ササニシキというのは僕が子供の頃からメジャーな “おこめ” だったんだよね。 と思っていたんだけど、この調査結果を見る限り、そうでもなかったという事がよく分かるよね。いちばん左の昭和50年というのは僕がまだ7歳だったから、十分に子供であったと言えるわけなんだけど、ササニシキの作付面積はたったの 4.8%しかなかったんだね。ライバルのコシヒカリのほうも、この頃はまだ 6.8%のシェアしかなくて、時代はやっぱり “日本晴” やん!…ということになっていたんだけど、その後、おこめの世界の勢力争いは激しい下克上に見舞われることになるんだ。昭和55年と言うと僕は12歳で、そろそろパンツに目覚めはじめる頃なんだけど、コシヒカリがシェアを倍増させて、ついに “日本晴” の作付面積を上回ることになるんだ。一方のササニシキのほうも順調に勢力を伸ばして、しばらくは “コシニシキ時代” を築き上げることになるんだけど、やがてこの2強を存在を脅かす強力なライバルが出現することになるんだ。

 平成7年。僕はこの数値を見て、愕然としてしまったなー。ここまで順調に作付面積を拡大して来たコシヒカリの伸びが頭打ちとなると同時に、もう一方のササニシキが大失速っ! 5年前は 11.3%だったのがたったの 3.8%にまで落ち込んでしまって、何だか原田クンの失敗ジャンプの飛行曲線を見てるみたいなんだけど、その要因はずばり、 “ひとめぼれ” の登場だよね。このおこめは平成3年に誕生し、平成5年の大冷害で大きな打撃をうけたササニシキからの転換品種として、急速に作付面積を伸ばすことになったみたいだね。 その後、コシヒカリが再び持ち直してシェアを拡大しつつある一方で、日本晴とササニシキは凋落していくことになるんだけど、 “ヒノヒカリ” などという地味なブランドが意外に健闘しているというのも興味深いよね。 一方、同じ頃に鳴り物入りで登場した “きらら397” は、名前に気を衒い過ぎた寺井クン。…といったスタンスが裏目に出たのか、今ひとつ伸び悩んでいるみたいなんだけど、汁気が多くてもふやけないという特性から、松屋とか吉野家で使われているみたいなんだけどね。 いっぽう、ネーミングで成功したのと言えば、これはもう “あきたこまち” に尽きるよねー。 誕生したのは昭和59年だから、意外と歴史は古いんだけど、その頃の僕は16歳だったなー。 よく、サパはまだ〜16だから〜♪ と、 「センチメンタルジャーニー」 の替え歌を歌ったものなんだけど、 “伊代” の部分を自分の名前に変えてギャルがカラオケで歌ったりすると、 「嘘付けぇ!46やろ!」 とツッコミが入ったりして、とっても盛り上がるよねー。 それにしても秋田のあとに “こまち” を持ってきたというのは抜群のアイデアだったよね。 “あきたこまち” 。 実にイケてる名前だよね。これがもし “あきたこまつな” だったりしたら、お米なのか、小松菜なのか、はっきりしろ!…とか言われて、世間の顰蹙を買っていたと思うんだ。 “あきた小松菜” では、コマツ菜うナ〜、デイトにさそわれて♪…って、歌いにくいやん!…とか言われて、山本リンダからも文句を言われていたと思うんだ。 “あきたこまち” 。 やっぱりこれ以外には考えられないよね。 あ、でも、 “あきたコマネチ” というのはちょっといいかも?

 ということで、今日のお話は終わりだよ。リンゴとミカンの話はどうなったんや?…とか、そういう細かいことを言ってはいけないよ。 あまり細かいことばかり言ってると、トナカイになっちゃうからね。 (編集部注:ならねーよ。) ということで、じゃ、また来週〜♪

 …って、いや、来週になる前に、今週中に後半も片付けないと駄目なんだね。いや、 “jazz giant” の前半ネタを書くというのは思った以上の重労働だったなー。 既に僕は燃え尽きちゃった感じなんだけど、前任者のサバ君は無責任にも、ポータブル便器魂で、頑張れ!…とか言ってくるしー。 サバ君の家は小学5年生の時に火事で全焼しちゃったんだけど、どういうわけだか押入れの中にあったポータブル便器だけは焼け残ったらしいんだよね。決して燃え尽きないポータブル便器魂。それが彼の座右の銘らしいけど、とりあえず、こちらも押し付けられてしまったジャケ絵のほうから書いてみようと思うんだけど、面倒だからもう、適当でいいよねー。・・・。はい、完成♪ ちょろいもんだねっ! ということで、えーと、今日はオリバー・ネルソン 『ストレート・アヘッド』 というアルバムを紹介してくれという話なんだけどね。 実を言うと僕はあまりジャズには詳しくなくて、普段はもっぱら加山雄三なんかを愛聴しているんだ。 だから僕は最初、後半まで書けという依頼を激しく固辞するサルコジ内相。…というスタンスだったんだけど、ジャズを聴かない人に、ジャズがどのように聴こえるのか?…というのが今回のコンセプトらしいので、ま、せいぜい頑張ってみるけどね。 オリバー・ネルソンと言えば 『ブルースの真実』 だよね!…というくらい、ほとんどこの1枚しか知られていない一発屋なんですが、実を言うともう1枚、そこそこ知られているアルバムがあったりします。 『続ブルースの真実』 というのがソレなんですが、本編の “ブル真” が、あ、これは “ブルマ” ではなくて “ブルしん” と読むんですが、そちらがエリック・ドルフィー、フレディ・ハバード、ビル・エバンスと言った超豪華なサイドマンのおかげで人気盤になったのとは対照的に、続編のほうはロジャー・ケラウェイ、サド・ジョーンズ、フィル・ボドナーと言った超地味なメンバーばかりを集めて、日本での人気は今ひとつという結果に終わってしまいました。 ま、フィル・ウッズやペッパー・アダムスの名前もあったりするんですが、今ひとつ日本人にアピールするには弱いですよね。アヒルにアピールするなら鯉の餌でいいんですが、軽井沢の塩沢湖ということろで売られていた鯉の餌 (100円) の看板には、下のほうに小さく (カモの餌) とも書かれていて、事実、鯉に餌をやっていると横からカモがやってきて強奪したりしてましたからね。その様子を見て子供たちが 「アヒルさんも食べてるぅ!」 と騒いでいたので、アヒルにアピールするならやっぱり鯉の餌やよな。…ということが判明したんですが、日本人にアピールするなら、これはやはりドルフィーでありましょう。

 とまあそんなことで、この 『ストレート・アヘッド』 にはエリック・ドルフィーが参加しているのがウリなんですが、参加しているホーン奏者はそれだけです。オリバー・ネルソンという人はテナー奏者というより、むしろ作編曲家としての才能が高く評価させているわけなので、ストレートな2ホーン・クインテットという編成はどうか?…という気がしないでもないんですが、でもって、ピアノがリチャード・ワイアンズなんですな。ビル・エバンスと比べるのはちょっと可哀想なんですが、僕はこの人がけっこう好きだったりします。ドラムスには派手な堅実派のロイ・ヘインズを配し、ベースにはローマ字カナ変換で名前を入力しにくいジョージ・デュビビエを持って来て、これはなかなかストレート・アヘッドな演奏が期待出来るのではないか?…という気がまったくしないわけでもないですよね。 とまあそんなことで、1曲目の 「イメージズ」 。 君は “イメージ” という言葉から何をイメージするかな? 僕の場合はやっぱり、イメクラかな?…という気がするんだけど、イメクラと言えば先日、某浄化センターから “めくら蓋” から水漏れしているので、何とかしてくれ。…という電話が掛かって来たんですけどね。 “めくら蓋” というのは差別用語なので “目の不自由な人蓋” と言い換えたほうがいいのかも知れませんが、汚水ポンプを取り外して工場に送りつけた際、配管から水が漏れないようにフランジ蓋を付けておいたんですよね。それがボルト・ナットの締め付け不足の為、下のほうからポタポタと汚水が漏れていたわけなんですが、うんこ混じりの水が床にたまって、何やら白っぽい固形物のようがゆらゆらと浮遊しておりました。いやあ、汚水というのは何とも汚い水でありますなぁ。…というのを、ふとイメクラからの連想で思い出してしまったんですが、この曲はアレです。そこまで汚くはありません。でもまあ、それほどソソられるようなものでもなくて、どちらかと言うと迷惑なイメージの作品に仕上がっております。

 テンポはスロー。 ベースのピチカートによるイントロに導かれて、ネルソンのアルトとドルフィーのバスクラのハモりでテーマが演奏されるんですが、なんとも不思議なサウンドでありますなぁ。 そういえばこのアルバムでネルソンは主にアルトを吹いておりまして、テナー編というくくりで取り上げるというのはどうか?…という気もするんですが、すでに渾身のジャケ絵も出来上がっていますからね。今さらもう1枚書けと言われても嫌なので、このまま強引に押し通すことにしますが、ソロ先発はそのネルソンのアルトでありますな。 この人はテナーを吹かせても抑揚のない眠い感じのプレイをするんですが、アルトになるとその傾向がより顕著になりますね。微妙にビブラっているようでいて、それでいてクールで、黒っぽさや泥臭さを感じさせないトーン。 それが、彼の推し進める“ブルースのモダン化”を実現する手段として選んだ道であるようです。お好み焼きをモダン焼きにするには中に焼き蕎麦を入れてやればいいんですが、ブルースをモダンにするというのはなかなか難しいものなんですなぁ。 正直、僕なんかはこのネルソンのソロというのがあまり好きでなかったりするんですが、続くドルフィーのバスクラは悪くないですよね。イメクラと同じくらい…とまでは言いませんが、僕は彼の吹くバスクラがけっこう好きだったりします。どこがどういいのかというと、ジャズにあまり詳しくない僕はなかなかうまく表現出来なかったりするんですが、続くワイアンズのピアノは趣味がいいですな。転がるようなタッチはジャズ・ピアノ世界のフンコロガシと言いたくなるほどで、とか言ってるうちにテーマに戻ってしまいましたが、全体としてはまあまあやな。…といった感じの演奏なのでありました。

 2曲目は 「シックス・アンド・フォー」 という曲です。 “6” そして “4” 。 何が6で、そして4なのかというと、6/4拍子と4/4拍子が6であり、4であったりするという事のようなんですけどね。日頃、三三七拍子に慣れ親しんでいる日本人にとって、6拍子というのはやや異質のリズムなんですが、小難しさをみじんも感じさせないようなごく普通のリフ・ブルースになっているところがネルソン君の実力でありますな。 ブルースと言ってもさほどアーシーではなく、かと言ってジューシーでもなく、どちらかというとバクシーシ山下。 そんな感じの曲調なんですが、微妙にモーダルっぽかったりするところがモダンだったりするんでしょうな。 ここではネルソン、ドルフィー共にアルトを吹いておりまして、反復メロディが上がったり下がったりするようなテーマをユニゾンで演奏した後、ソロ先発はネルソン君になっております。 ここでのネルりんはテーマを軽くフェイクするような感じでアドリブを進めておりまして、で、途中からはオーソドックスなパーカー派のアルト奏者みたいになっていたりして、この人の新たな一面を垣間見たような気がして、なかなか興味深いものがあります。 で、続くドルフィーのアルト・ソロは、これはもう、めっちゃドルフィーやん!…としか言いようがないような唯我独尊ぶりでありまして、この人には何を言ってもこういうスタイルで押し切っちゃうわけだから、言うだけ無駄という気がしますよね。それがこの人の持ち味だったりするんですが、ちなみに今日は師走恒例、町内の餅つき大会ということで、町内の高齢者が各自の持ち味を発揮して餅つきを繰り広げている模様であります。ちなみに僕は “きなこ餅” が大好きっ♪…なんですが、 “きなこ” があればメシが食えるくらい、きなこが好きなんですよね。 “きのこ汁” と “きなこ汁” 、どちらか好きなほうを食えと言われたら、僕はまよわず “きのこ” のほうを選びますが、いくら “きなこ” が好きでも、汁物にするというのはちょっと。…という気がしますからね。 で、続いてはワイアンズのピアノ・ソロでありますが、適度にブルーで、そこそこファンキーで、こういったブロック・コードを駆使したプレイというのがこの人の本筋なのでありましょう。 ロイ・ヘインズの刻むリズムが何だかちょっと変則的だったりして、そんなところが6/4拍子だったりするんでしょうな。 ということで、テーマに戻って、おしまい。 ま、1曲目に比べると、オーソドックスな分だけ、まだマシ。…といった感じでしょうか? というか、個人的にはけっこう、好きっ♪…かも?

 で、3曲目は 「ママ・ルー」 という曲です。タイトルはオリバーの “older sister” にちなんだものらしいんですが、年をくったおねえちゃん、すなわち “おばちゃん” といった意味ではなくて、ただ単に姉と妹を区別するための “older” なんでしょう。ちなみに 1932年生まれのオリバー・ネルソンはこのアルバムを録音した当時、まだ29歳くらいだったということになりますか。 そのおねえちゃんとなると、何とも微妙なお年頃だったりするんですが、セントルイスで先生をやっているらしいママ・ルーは、弟に言わせると2つの違った雰囲気を持っているんだそうで。 乙女っぽい一面と、おばちゃんっぽい一面。…ということではなく、物静かなこともあれば、御陽気にはしゃいでいることもあったりするようで、前半はアルトとフルートで奏でられる、しっとりとしたバラード。…と思ったら、ここでムードが一転して御陽気ソングになったりして、ルーねえちゃんの持つ二面性が見事に描き出されていると思いますね。なかなかやるなー、この弟! なかなかのキレ物なのかも知れませんね。 で、アドリブ・パートは “明るいムード” が基調となっておりまして、弟がわりとオーソドックスなアルト・プレイで迫れば、赤の他人のドルフィーはバスクラに持ち替えて、あんたら姉弟のことなど、知ったこっちゃねぇ。…とばかりに悠然とした態度で臨んで、間をとりなすワイアンズがちょっぴりおろおろして、で、 “陽気な部” のテーマに戻って、最後は “陰気な部” で暗く締めくくって、おしまい。 いや、なかなかよくデケた1曲ではありませんかー。 で、続く4曲目はこのアルバムで唯一、ネルソンのオリジナルでは無かったりするんですが、 「ラルフズ・ニュー・ブルース」 。 これはアレです。ミスター・ソウルこと、ミルト・ジャクソンのオリジナルでありますな。 この人は、ソウルな事では藻類 (そうるい) にも負けないと言われているくらいなんですが、藻類なんて、ただの“藻”(も) やん!…といった感じで、それほどソウルではなかったりもしますからね。 で、ここでのネルソンはこのソウルフルなナンバーを、クラリネットとバスクラとピアノによるロンド形式で演奏しておりまして、ま、これはMJQに倣ったものだと思うんですが、なんとも独特のムードを醸し出しておりますな。知的というか、クラシカルというか、…とか言ってる最中にバスクラを持ったドルフィーの暴発的ソロが出てきて、すべてがぶち壊しになったりするんですが、この予期せぬ事態が何とも言えずにジャズ的で、スリリングでありますなー。 続くネルソンはこのアルバムで始めてテナーを手にすることになるんですが、ずっとこの人のアルトばかりを聴いていたので、何ともワイルドに思えたりもしますよね。野生派ネルソン。ちょっと新しい試みではないかと思われます。 僕の心の中にイメージとして定着していた “ヌーっとしていて捉えどころがない。” といったヌートリア的な風情があまり感じられませんもんね。 で、続くワイアンズのソロは適度に下品だったりして、地味なデュビビエのピチカート・ソロも一応はフィーチャーされていて、ロンド形式のテーマに戻って、おしまい。

 5曲目はアルバム・タイトル曲の 「ストレート・アヘッド」 でありますかー。 多少、へろへろした感じはあるんですが、何ともストレートでアヘッドな急速調のバップ風ナンバーに仕上がっておりまして、ネルソンのアルト、ドルフィーのアルト、ワイアンズのピアノの順番で、オーソドックスなジャズを存分に堪能することが出来ます。 オリバー・ネルソンというキャラはどちらかというと “頭でっかち” なイメージがあるんですが、その仮面をかなぐり捨てた “小尻ジャズ” とでも言いましょうか? 終盤に聴かれる2本のアルトによる4バースも何ともスリリングでありまして、まさしく豪にして優!!静にして動!!…といったところでありましょうか。 いや、それは伊集院健クンのキャッチフレーズなんですが、お店によってはオプションの柔道着が売り切れちゃったところもあるみたいですね。在庫完売につき、販売は終了しました。激安スポーツ用品店などにあります。…などと書いてありましたが、せっかく健クンに着せてあげるんだもの。激安スポーツ用品店ではなくて、そこそこの値段の服を買ってあげたいよね♪ でまた、柔道着が売り切れてしまったことに後ろめたさを覚えたのか、 “T-シャツやジーパンも似合います。” という一文も見られましたが、そんなの、健クンじゃないっ!…と思わずには入られません。 ちなみに “美少女さちこ” のほうには目を開閉させる工作キットもあるんだそうで、来年の夏休みの工作の宿題は、これで決まりですかねー? で、来週の “jazz giant” の前半ネタも、これで決まりかな?…という気がするわけなんですが、アルバムの最後を飾るのは 「111−44」 という曲でありますか。 これまた謎めいた数字をタイトルにしたものですが、原文ライナーを読み解いてみた限りでは、おそらくネルソンゆかりの地名の番地か何かではなかろうかと。 ドルフィーのオリジナルに 「267」 という曲がありますが、それもどうやら同じようなものらしいです。 で、曲のほうはというと、これがいかにも111の44やな。…といった感じの仕上がりになっているところがさすがなんですが、ちょっぴりタッド・ダメロンの作風を思わせるバップ・ナンバーといったところですかね? アルトとバスクラのユニゾンでテーマを演奏した後、ドルフィー、ネルソン、ワイアンズの順でソロが繰り広げられて、テーマに戻って、おしまい。…って、いや、最後は何だかえらくあっさりした解説になってしまったんだけど、ジャズについてあまり詳しくない僕では、ま、これくらいが限度なんだよねー。 でも、ジャズって聴いてみると、なかなか面白いよね! 僕もこれからいっぱい演奏を聴いて、このコーナーで紹介してみたいと思うんだけど、おそらく今回限りで終わりでしょうなぁ、こんなキャラは。。。

【総合評価】

 オリバー・ネルソンらしからぬストレートでアヘッドな作風は、普通のハード・バップ好きの人でも十分に楽しめるのではなかろうかと。 ドルフィーも絶頂期にありますので、初期の彼の演奏が好きな人なら、おもわず、ニターっと爽やかな笑みがこぼれることでありましょう。


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